発表年:1965年
ez的ジャンル:ボサノヴァの女王
気分は... :ゆったり気分で・・・
今回は"ボサノヴァの女王"Astrud Gilbertoの2ndアルバム『The Shadow Of Your Smile』(1965年)です。
Astrud Gilbertoの紹介は、Verve時代のベスト盤『Talkin' Verve』、Walter Wanderley Trioとの共演作『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)に続き3回目となります。
今回紹介する『The Shadow Of Your Smile』は、永遠の名曲「The Girl From Ipanema(イパネマの娘)」(『Getz/Gilberto』収録)の勢いに乗ってリリースされたデビュー・アルバム『The Astrud Gilberto Album』に続く2ndアルバムです。
『The Astrud Gilberto Album』は、Antonio Carlos Jobim作品で固められていましたが、本作にはJobim作品は1曲もありません。その代わりお馴染みのボサノヴァ名曲やスタンダードがカヴァーされています。特に、ボサノヴァを代表するギタリスト/作曲家Luiz Bonfaの作品が5曲収録されているのが目立ちますね。
そして、本作ではClaus Ogerman、Don Sebesky、Joao Donatoという3人のアレンジャーの素晴らしいアレンジ&オーケストレーションが冴え渡っています。
アルバム全体に漂うエレガントな雰囲気に魅了されます。
ゆったりと時間を過ごしたいときにピッタリな1枚だと思います。
全曲を紹介しときやす。
「Love Theme from "The Sandpiper"(Shadow of Your Smile)」
タイトル曲は、アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画「いそしぎ」の主題歌(Paul Francis Webster/Johnny Mandel作品)をカヴァー。当ブログでもJohn Patton、Lou Donaldson、Johnny Lytle、The Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited、Ann Burton、Pucho & The Latin Soul Brothersのカヴァーを紹介済みの名曲です。オリジナルの持つエレガントな雰囲気を受け継いだDon Sebeskyのアレンジが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Fx2o8kLBWNc
「(Take Me To) Aruanda」
Carlos Lyra/Geraldo Vandre作品。当ブログではWanda De Sahのカヴァーも紹介済みです。奴隷生活を強いられた人々が夢の楽園を思い描く社会派ソングですが、Wanda De Sahヴァージョン同様に軽やかでチャーミングです。Joao Donatoがいい仕事していますね。Bob Brookmeyerのトロンボーン・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Sp_72yfzrXA
「Manha De Carnaval」
フランス映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』の主題歌「Manha de Carnaval(邦題:カーニバルの朝)」のカヴァー。Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲です。当ブログではDexter Gordon、Gerry Mulligan、Balancoのカヴァーを紹介済みです。Luiz Bonfaの少しクラシカルなギターをバックに歌うAstrudの哀愁ヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vgo9av539gU
「Fly Me to the Moon」
個人的には本作のハイライト。Bart Howard作のスタンダードのカヴァー。『新世紀エヴァンゲリオン』のエンディング・テーマとしてもお馴染みですね。当ブログではThe Quiet Nights Orchestraのカヴァーを紹介済みです。Claus OgermanによるロマンティックなアレンジにAstrudのクール・ヴォーカルがばっちりハマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ldt_ylbAqe4
「The Gentle Rain」
Matt Duby/Luiz Bonfa作。当ブログではThe Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited、Diana Krallのカヴァーを紹介済みです。Don Sebeskyの素晴らしいアレンジにグッとくる哀愁チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=s6ndU7GKpjI
「Non-Stop to Brazil」
「Fly Me to the Moon」と並ぶ僕のお気に入り。Matt Duby/Luiz Bonfa作。Don Sebeskyのアレンジが冴え渡るボッサ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=roC0z8ij5_A
「O Ganso」
Luiz Bonfa作。爽快なAstrudのスキャットを聴くことができる、軽やかなボッサ・チューンです。アレンジはJoao Donato。
http://www.youtube.com/watch?v=9l7A2jmKgtI
「Who Can I Turn To? (When Nobody Needs Me)」
Leslie Bricusse/Anthony Newley作のスタンダード。Claus Ogermanのアレンジによる、優しく包まれるようなロマンティック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=FnQWGq7YdnU
「Day by Day」
Sammy Cahn/Alex Stordahl/Paul Weston作のスタンダード。エレガントなストリングスも入っていますが、意外にサラッとした仕上がりです。Urbie Greenのトロンボーンがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3avvsWEzrx8
「Tristeza」
Maria Toledo/Luiz Bonfa作。淡々とした演奏が印象的です。トロンボーンはBob Brookmeyer。
http://www.youtube.com/watch?v=oZkHuC7X0MM
「Funny World (Theme from "Malamondo")」
ラストはAlan Brandt/Ennio Morricone作のスタンダード。Claus Ogermanのアレンジによるエレガントなバラードで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=pnRUMkXyTVQ
他のVerve時代のアルバムもチェックを!
『The Astrud Gilberto Album』(1965年)
『Look To The Rainbow』(1966年)
『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
『Beach Samba』(1967年)
『Windy』(1968年)
『September 17, 1969』(1969年)
『I Haven't Got Anything Better To Do』(1970年)