発表年:2009年
ez的ジャンル:デンマーク産北欧ポップ
気分は... :シナモンフォカッチャとミルクジェラート!
今夜はクリスマス・イヴですね。
今年のイヴは北欧アーティストの作品を聴きたい気分です。
そんな気分で最初にセレクトしようと思ったのが、デンマーク出身の美人ジャズ・シンガーSidsel Stormのデビュー・アルバム『Sidsel Storm』(2008年)!ジャケがジャスト・フィットなのですが、YouTubeに全く音源が無いことがわかり何となく気乗りしなくなってしまいました。
代わりにセレクトしたのが、同じくデンマーク出身のユニットLabradorの3rdアルバム『Caleidoscope Aeroplane』(2009年)です。コチラも1曲しかYouTube音源が無かったのですが・・・
Flemming Borbyを中心としたユニットLabradorの紹介は、2ndアルバム『Instamatic Lovelife』(2004年)に続き2回目となります。
詳細は知りませんが、本作におけるLabradorはFlemmingのソロ・プロジェクトと呼んだ方が良いのかもしれませんね。
僕の中でFlemming Borbyの持つポップ・センスは、Prefab SproutのPaddy McAloonあたりと同じような位置付けです。ロマンティックでエヴァーグリーンな"玉手箱ポップ"といった感じですかね。
さて、『Instamatic Lovelife』以来、約5年ぶりの新作となった『Caleidoscope Aeroplane』(2009年)は、キューバのハバナでレコーディングされました。現地ミュージシャンも多数参加しており、アルバムの随所にラテン・サウンドが散りばめられています。
この北欧ポップとラテンの絶妙のコンビネーションが本作の魅力だと思います。まるで、サイゼリヤのシナモンフォカッチャとミルクジェラートのようです(笑)
ただし、ラテン・サウンドと言ってもモロにラテンな曲は「Miracle」1曲くらいで、あとはFlemmingらしい玉手箱ポップのスパイスとしてラテン・サウンドを効かせているといった仕上がりです。
ロマンティックな"玉手箱ポップ"はイヴの夜にもフィットするのでは?
全曲紹介しときやす。
「Caleidoscope Aeroplane」
オープニングはLabradorらしいエヴァーグリーン・ポップが展開されます。琴線に触れるメロディとキラキラしたポップ・サウンド!まさに玉手箱ポップですな!
http://www.youtube.com/watch?v=_vSjv2YW5Mo
「Miracle」
本作らしいラテン・フレイヴァーが強く打ち出された1曲。従来のLabradorのイメージとは異なる曲かもしれませんが、ラテン大好きの僕はハマりました!ラテンのリズムと哀愁のトランペットがFlemmingのハイトーン・ヴォーカルとマッチしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=0Tuucqf2-i0
「Can Not Say You're Out」
Labradorらしい北欧ポップ感覚と本作ならではのラテン・フレイヴァーが見事に融合した傑作ポップ・チューン。個人的には本作のキラー・チューンだと思います。
「This Is For Loving」
ちょっぴり切ない雰囲気にグッとくるアコースティックなラブ・ソング。ほのかに香るハバナ・テイストがグッド!
「Just Never Happened」
ピアノの美しい響きに誘われるジャジーなバラード。ロマンティックなアレンジがいいですね。
「Liberty」
Flemmingの切ないヴォーカルが印象的な哀愁ポップ・チューン。軽くパーカッシヴなところがいいですね。
「Butterflies」
ゆったりとリラックスさせてくれるバラード。ここでもロマンティックなアレンジが冴えます。
「Loveletters」
徐々に盛り上がっていく展開が印象的です。
「Simon」
ラストは美しいポップ・チューンで締め括ります。中盤以降のインスト・パートもグッド!
実に日本人向けのアーティスト、作品なのに、殆ど話題にもならないのは残念ですね。
『Instamatic Lovelife』(2004年)