発表年:2010年
ez的ジャンル:愛の伝道師系R&B
気分は... :君へのラブレター・・・
今回は年末R&B新作ラッシュの中でもインパクトのある1枚、R. Kellyの新作『Love Letter』です。
愛の伝道師R. Kellyの紹介は『Chocolate Factory』(2003年)以来2回目となります。振り返ると、意外にR. Kelly作品を紹介していませんね。
以前にも書きましたが、僕の中でR. Kellyはアルバム単位で好き/嫌いがハッキリ分かれてしまうアーティストですね。
近年で言えば、『Chocolate Factory』(2003年)、『Happy People/U Saved Me』(2004年)あたりは大好き、逆に『TP.3 Reloaded』(2005年)、『Double Up』(2007年)、『Untitled』(2009年)という直近の3作品にはあまり興味が湧きませんでした。
そんな状況でしたが、『Love Letter』は『Happy People/U Saved Me』以来リリース直後に購入したR. Kelly作品となりました。
『Love Letter』は、Marvin Gaye、Jackie Wilson、Sam Cooke、Michael Jackson、Donny Hathaway、Stevie Wonderなどのレジェンド・ソウル・シンガーへのオマージュ的な作品に仕上がっています。
ジャケも含めて、Raphael Saadiqが2008年にリリースしたヴィンテージ感のあるソウル作品『The Way I See It』に似た雰囲気がありますよね。
Raphael Saadiq『The Way I See It』(2008年)
確かに、ヴィンテージ感のあるソウル作品という点では、Raphael Saadiq『The Way I See It』に似ているかもしれません。先行シングル「When a Woman Loves」はモロにレトロ・ソウルなバラードですからね。ただし、全てがレトロ・ソウル丸出しの楽曲ではなく、オールド・ソウルにR. Kellyらしさを上手く加味した仕上がりになっていると思います。勿論、お得意のシカゴ・ステッパーズも堪能できます!
あとはMichael Jacksonへのトリビュートも目立ちますね。特に、KellyがかつてMichael Jacksonへ提供した名曲「You Are Not Alone」(アルバム『HIStory』収録)のセルフ・カヴァーが隠れトラックとして収録されているのは、ファンには嬉しいプレゼントですね。
個人的にはタイトル曲「Love Letter」と「Just Can't Get Enough」というKellyらしさ全開の2曲のミラクルな素晴らしさに昇天してしまいました。
R. Kelly本人が全てのプロデュース&ソングライティングを手掛けています。
久々のKellyの会心作を堪能しましょう!
全曲を紹介しときやす。
「Love Letter (Prelude)」
ア・カペラでアルバムの幕開けを飾ります。
「Love Letter」
オススメその1。タイトル曲はパーフェクトな出来栄えのシカゴ・ステッパーズ!ミラクルなメロディと心地好いリズムが至極のラブ・ワールドへと誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1mfcFBY6HIM
「Number One Hit」
Michael Jacksonへのトリビュートの色合いが濃い1曲。何処となく切ないメロディがジーンと胸にきます。MJ以外にSadeの名が登場するあたりも興味深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=Y2sy-fBopjY
「Not Feelin' the Love」
オススメその2。この曲もMJへのオマージュといった雰囲気ですね。ヴォーカル・スタイルをはじめ、メロディ、アレンジ全てがMJモードです。
http://www.youtube.com/watch?v=kJn_6HAIVTc
「Lost in Your Love」
オススメその3。美しくも切ないメロディにグッとくる1曲。ある意味とてもKellyらしいソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=9MgSclakHRU
「Just Can't Get Enough」
オススメその4。Marvin GayeあたりのテイストとKellyらしさを加味した至極のメロウ・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=4twgQpZHG-s
「Taxi Cab」
ラテン・フレイヴァーの効いた哀愁モードの1曲。ここでもヴォーカルはMJしています。
http://www.youtube.com/watch?v=mqnR2J8oRYY
「Radio Message」
ヴィンテージ・モード全開のソウル・バラード。ここではレトロ・モードに徹して歌い上げます。こういう熱唱はお得意ですからね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=VbEjmr36ovE
「When a Woman Loves」
アルバムからのリード・シングル。前曲に続きレトロ・モードのソウル・バラードに仕上がっています。ここまで成りきると拍手モノだと思います。同時にKellyのヴォーカリストとしての実力を再認識させてくれる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=bt5z5xm5m70
「Love Is」
オススメその5。期待の若手女性R&BシンガーK. Michelleとのデュエット。さしずめMarvin Gaye & Tammi Terrellといったところでしょうか。軽快かつキャッチーな仕上がりにホッとします。
http://www.youtube.com/watch?v=C2oBsCljPBA
「Just Like That」
オススメその6。この曲はStevie Wonder風ですね。優しいメロディにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=T6M2IZqFJOo
「Music Must Be a Lady」
Marvin Gaye風の壮大なバラード。この仰々しさがKellyらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=ARoLmmcXpXE
「A Love Letter Christmas」
「Love Letter」のChristmas Remixです。
http://www.youtube.com/watch?v=jXQnRhUDJ3c
「How Do I Tell Her?」
ラストはロマンチック・モードのバラードで締め括ります。
http://www.youtube.com/watch?v=gIBkbZK6ZKA
前述の通り、隠れトラックとして、MJへ提供した名曲「You Are Not Alone」(アルバム『HIStory』収録)のセルフ・カヴァーが収録されています。
「You Are Not Alone」
http://www.youtube.com/watch?v=zgSUfUoR97g
Michael Jackson「You Are Not Alone」
http://www.youtube.com/watch?v=Q2OgY-ndvpY
『Chocolate Factory』(2003年)