発表年:1996年
ez的ジャンル:Norman Cook系UKクラブ・ミュージック
気分は... :虚構の世界へ・・・
今回はNorman Cookが率いていたFreak Powerの2回目の紹介です。
1st『Drive-Thru Booty』(1994年)に続いて紹介するのは、2nd『More Of Everything...For Everybody』です。
Norman Cook関連作品のエントリーで毎回書いているように、一般にはFatboy Slimのイメージが強いNorman Cookですが、個人的にはBeats InternationalとFreak PowerのNorman Cookが最高でしたね。
Beats Internationalの『Let Them Eat Bingo』(1990年)、『Excursion On The Version』(1991年)、Freak Powerの『Drive-Thru Booty』(1994年)、『More Of Everything...For Everybody』(1996年)の4枚は、今聴いても実に格好良い作品だと思います。
ブレイク・ビーツで大いに楽しませてくれたBeats Internationalに対して、Freak Powerは70年代のソウル/ファンクへの憧れをUkクラブ・ミュージックとして昇華させたといった雰囲気ですね。
今日紹介する『More Of Everything...For Everybody』(1996年)は、2ndアルバムにしてFreak Powerのラスト・アルバムです。
『Drive-Thru Booty』からのシングル「Turn On Tune In Cop Out」が、Levi'sのCMで脚光を浴び1995年に再リリースされ、UKシングル・チャート第3位の大ヒットとなりました。その勢いに乗ってリリースされた本作でしたが、チャート・アクションとしては惨敗でした。
しかしながら、内容は当時のUkクラブ・ミュージックがお好きな人であれば、大満足の内容だと思います。
前作ではSly & The Family Stoneへの憧れが大きく反映されていましたが、本作ではP-Funkテイストの楽曲も堪能できます。
虚構感たっぷりのシニカルなジャケも大好きです!
全曲紹介しときやす。
「Trip Through Your Mind」
Minnie Riperton「Take a Little Trip」のサンプリングでスタートするオープニング。虚構の世界へトリップしましょう!
「New Direction」
シングルにもなった1曲。80年代ファンク・テイストのダンス・チューン。スペイシー・サウンドとパーカッシヴなリズムと女性コーラスの組み合わせにグッときます。Afrika Bambaataa & The Jazzy 5「Jazzy Sensation」をサンプリング。
「Husband」
怪しげなソウル・テイストにグッとくるミッド・グルーヴ。気だるいハスキー・ヴォーカルもサウンドにマッチしていますな。
http://www.youtube.com/watch?v=tJ2sPg82648
「Can You Feel It?」
この曲もシングル曲。キャッチーなメロディとファンキー・ビートと唸るギターが印象的なダンス・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=n-fdFACsGPM
「Road Thang」
当時の僕のお気に入り曲。Freak PowerらしくSly & The Family Stoneへの憧れがストレートに反映された仕上がり。コーラスの雰囲気とかモロにそうですね。
「Giving Up Government Drugs」
スクラッチ音がセクシーな女性コーラスが印象的なファンキー・チューン。P-Funkのテイストを上手く取り入れています。
「K.K. Nuns」
「Road Thang」「Let It Go」と並ぶ当時のお気に入り曲。ラテン・リズムとシタールが怪しげな世界へと誘う1曲。終盤はギター・ソロで盛り上がります。今聴いても実に格好良いですね!
「Let It Go」
この曲も当時のお気に入り。70年テイストと当時のUKクラブ・ミュージックらしさが上手くミックスされた仕上がりです。
「Song #6」
アルバム・ジャケのような虚構の世界をイメージさせる切ないムードがグッときます。
「Freedom Child」
ラップを大きくフィーチャー。スペイシー・テイストとアシッド・ジャズが融合した雰囲気です。
「One Nation One Ride」
P-Funkテイストのファンキー・チューン。P-Funk好きの人であれば大いに楽しむことができると思います。
「Ghettos Of The Mind」
ラストは哀愁モードで締め括ります。
『Drive-Thru Booty』(1994年)
Beats International『Let Them Eat Bingo』(1990年)
Beats International『Excursion On The Version』(1991年)