2011年01月19日

Antonio Adolfo & A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』

魅惑のブラジリアン・ソフトロック☆Antonio Adolfo & A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』
Antonio Adolfo E a Brazuca
発表年:1969年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ソフト・ロック
気分は... :2ndと間違えないでね!

一昨日に予想したNFLディビジョナル・プレイオフの2試合は、ベアーズ、ジェッツが勝利し、僕の予想は1勝1敗でした。

僕の予想が外れた「ペイトリオッツ対ジェッツ」戦は、ペイトリオッツが思わぬ脆さを見せてしまいましたね。ジェッツはレギュラー・シーズンでの大敗を見事なプレーでリベンジしましたね。

これでカンファレンス・チャンピオンシップはAFCが「スティーラーズ対ジェッツ」、NFCが「ベアーズ対パッカーズ」という対戦になりました。いずれのチームも守備陣が強力ですね。守備のみならず攻撃陣も充実したスティーラーズ、パッカーズが有利という気がします。

今回はAntonio Adolfo & A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1969年)です。

ピアニスト/コンポーザー/アレンジャーのAntonio Adolfoが率いるブラジリアン・ソフトロック・グループAntonio Adolfo & A Brazucaの紹介は、『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)に続き2回目となります。

1st、2ndともにグループ名を冠したアルバム・タイトルなのでややこしいですが、今日紹介する『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1969年)が1stです。

本作におけるメンバーは、Antonio Adolfo(el-p、p、arr)以下、Luiz Claudio Ramos(g)、Luizao Maia(b)、Victor Manga(ds)、Julie(vo)、Bimba(vo)という編成です。

意外に退廃的な2nd『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)と比較すると、セルメン的なポップ感が魅力の1枚に仕上がっています。

ポップなメロディ、メロウなエレピの響き、キュートな女性コーラス、適度にグルーヴィーなリズムが織り成すブラジルならではのソフトロックを堪能できる1枚です。

Antonio Adolfoの抜群のポップ・センスを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Juliana」
エレピの響き、小気味良いホーン、キュートな女性ヴォーカルに魅了されるメロウ・ポップなオープニング。

「Futilirama」
ドリーミーなポップ・ワールドが展開されます。Antonio Adolfoのポップ・センス全開の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=7Wzklx0z8LY

「Moca」
ブラジリアン・ソフトロックならではのグルーヴ感を持った仕上がりがグッド!

「Dois Tempos」
のんびりリラックスした雰囲気が印象的です。

「Voo Da Apolo」
軽くサイケの入ったミステリアスな仕上がりです。

「Porque Hoje E Domingo」
JulieとBimbaの女性ヴォーカルのキュートな魅力が堪能できるポップかつグルーヴィーな仕上がり。

「Maria Aparecida」
華やかな女性ヴォーカルとグルーヴィーな躍動感のバランスがグッド!

「Psiu」
弾けるようなドリーミー・ポップに仕上がっています。

「A Cidade E Eu」
哀愁モードの仕上がりでアルバムにアクセントをつけています。

「Pelas Ruas Do Meu Bairro」
しっとりとした大人の雰囲気で聴かせてくれます。ストリングスやホーンも含めてアレンジが見事です。

「Teletema」
ラストはドリーミー&ドラマチックに締め括ってくれます。

僕の保有するCDには入っていませんが、「Gloria, Glorinha」「O Baile do Clube」「Ao Redor」「M.G.8-80-88」というボーナス・トラック4曲が追加されているCDもあります。

『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)
Antonio Adolfo & Brazuca

他のAntonio Adolfo作品に興味がある方はコチラもどうぞ!

Trio 3D『Tema 3D』(1964年)
テマ

Trio 3D『Convida』(1965年)
O Trio 3-D Convida

Conjunto 3D『Muito Na Onda』(1967年)
ムイント・ナ・オンダ

Antonio Adolfo『Feito Em Casa』(1977年)
Feito Em Casa: 25 Anos

Antonio Adolfo『Viralata』(1979年)
Viralata
posted by ez at 00:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月17日

Jorge Calderon『City Music』

意外にファンキーなシティ・ミュージック☆Jorge Calderon『City Music』
City Music
発表年:1975年
ez的ジャンル:ラティーノ&ソウルフル系ファンキー・ロック
気分は... :天使か悪魔か?

昨日はNFLディビジョナル・プレイオフの2試合が行われ、レイブンズ、パッカーズが勝利しました。

「スティーラーズ対レイブンズ」の同地区ライバル対決は、前半のレイブンズの圧倒的優勢を後半にスティーラーズが一気に形勢逆転させました。フットボールにおけるモメンタムの重要性を思い知らされた気がします。レイブンズには悔やまれる敗戦でしたね。

「ファルコンズ対パッカーズ」はパッカーズが圧勝しました。第6シードからのスーパーボウル進出が現実味を帯びてきました。できれば、NFCカンファレンス・チャンピオンシップはベアーズとの同地区ライバル対決を期待しています。

間もなくディビジョナル・プレイオフの残り2試合、「ベアーズ対シーホークス」「ペイトリオッツ対ジェッツ」が行われます。僕の予想では、 ベアーズ、ペイトリオッツが勝利し、カンファレンス・チャンピオンシップはAFCが「ペイトリオッツ対スティーラーズ」、NFCが「ベアーズ対パッカーズ」という対戦になる気がします。そして、スーパーボウル進出の2チームは「ペイトリオッツ対パッカーズ」になるというのが僕の予想でです。果たして的中しますでしょうか・・・

今回は名盤の誉れ高いJorge Calderon『City Music』(1975年)です。

最近まで入手しづらい状況でしたが、昨年CD再発されて入手しやすくなりました。僕が保有しているのは1999年のCD化の際に購入したものです。

Jorge Calderonはプエルトリコ出身のセッション・ミュージシャン/ソングライター。

Warren Zevonをはじめ、David LindleyBuckingham NicksJ.D. SoutherRy CooderJackson Browne等の作品で彼の名前を確認することができます。

そんなセッション・ミュージシャン/ソングライターがリリースした唯一のアルバムが『City Music』(1976年)です。

Russ Titelmanがプロデュースし、レコーディングにはWaddy Wachtel(g)、Willie Weeks(b)、Paul Stallworth(b)、William Smith (key)、Andy Newmark(ds)、James Gadsun(ds)、Jim Keltner(ds)、Hoppy Hodges(ds)、Victor Feldman(vib、mlb、per)、Bobbye Hall(per)、Valerie Carter(back vo)、Yvonne Rankin(back vo)、Nick DeCaro等のミュージシャンが参加しています。

アルバム・タイトルにあるようなシティ・ミュージックなAOR感覚で聴くと、意外にファンキー&ラティーノ&ソウルフルな印象を受けるかもしれません。ジャケ・イメージからは想像できませんが、アルバム全編がラテンのDNAで貫かれています。ただし、それを前面に出さず、スパイスとして効かせているのが本作の特徴だと思います。

本作の収録曲のうち、「Kiss And Run」「All The Faces」の2曲は、Buddy Miles『All The Faces Of Buddy Miles』(1974年)で取り上げられています。これはなかなか興味深いですね。

ジャケで判断せずに、ラティーノ&ソウルフルなファンキー・サウンドを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「City Music」
オススメその1。タイトル曲は一番のお気に入り。軽くラテン・フレイヴァーの効いた爽快ウエストコースト・ロックです。聴いているだけで心が晴れやかになる感じがグッド!名曲だと思います。

「At The Beehive」
オススメその2。女性シンガーソングライターJudi Pulverとの共作。、Curtis Mayfield風のソウルフルなファルセット・ヴォーカル&ワウワウ・ギターを堪能できるファンキー・チューン。

「Bangkok Panama Pawnshop」
Dan Cassidy作。ブルーアイド・ソウル風のファンキー・ロックです。

「Dreaming As One」
David Palmer(元Steely Dan)とWilliam Smithの共作。ジャケのイメージと一番マッチしているシンガー・ソングライター風の仕上がりです。ほんのり香りラテン・フレイヴァーがいい感じでう。

「Diggin' And Doubtin'」
Little Feat好きの人が気に入りそうなファンキー・ロック。

「Kiss And Run」
オススメその3。ウエストコースト・ロックらしい爽快感と本作を貫くファンキー&ソウルフルなテイストが上手くマッチした仕上がり。Waddy WachtelのスライドとWilliam Smithのオルガンがいい感じです。前述のようにBuddy Miles『All The Faces Of Buddy Miles』にも収録されています。

「All The Faces」
オススメその4。女性シンガーソングライターJudi Pulverとの共作。本曲のみKeith Olsenがプロデュースしています。楽曲の良さで言えば、アルバムで一番という気がします。センチメンタル・モードのアレンジもグッド!この曲もBuddy Miles『All The Faces Of Buddy Miles』で取り上げられています。

Buddy Miles「All The Faces」
 http://www.youtube.com/watch?v=91hwbFo2LYQ

「What You Wanna Hear」
ラティーノ・テイストのポップ・ロック。この手の曲って、この当時のウエストコースト・ロック作品で結構ありましたね。

「Trying Too Hard」
オススメその5。本作らしいラティーノ・ファンキー・ロック

「Friends Again/Sawning Song」
ラストはリリシズム漂うメドレーで締め括ります。Nick DeCaroがアレンジで盛り上げてくれます。

サッカーのアジア杯もグループリーグが大詰めになってきました。日本代表はトップ下を誰にすべきか?といったことが盛んに言われていますが、個人的にはサイド攻撃が機能していない点が一番気になります。
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月16日

Zo!『SunStorm』

多彩なシンガー/MCをゲストに迎えたソウル/R&B作品☆Zo!『SunStorm』
SUNSTORM
発表年:2010年
ez的ジャンル:デトロイト系キーボード奏者
気分は... :デトロイトつながりで・・・

今回はデトロイト出身のキーボード奏者Zo!の最新作『SunStorm』(2010年)です。

意識したわけではありませんが、昨日のMoodymannに続き、デトロイトのアーティストが続いてしまいました。

Zo!(本名Lorenzo Ferguson)は、1978年ミシガン州デトロイト出身のキーボード奏者/プロデューサー。

J Dilla、Slum Village、Platinum Pied Pipersらデトロイト拠点のアーティストの作品への客演で注目を浴び、Little Brother、The Foreign Exchange等の作品でも彼のパフォーマンスを聴くことができます。

自身の名義でも『Zo! Presents...Elevation Music』(2003年)、『Passion & Definition』(2004年)、『Re:Definition』(2005年)、『Freelance』(2006年)、Zo! & Tigallo『Love The 80's』(2008年)、Zo! + Asylum 7『Overdue Process』(2009年)、『SunStorm』(2010年)といった作品をリリースしています。

個人的にはZo!の名前を強く意識するようになったのは、The Foreign Exchangeの2nd『Leave It All Behind』(2008年)でしたね。

当ブログ年末恒例の『ezが選ぶ2010年の10枚』でもThe Foreign Exchangeの3rd『Authenticity』をセレクトしましたが、同作でもZo!の貢献はかなり大きかったですね。

The Foreign ExchangeのメンバーPhonteとは、Little Brother、The Foreign Exchange作品を通じて意気投合し、遂にはZo! & Tigallo名義でのコラボ作品『Love The 80's』(2008年)をリリースしています。『Love The 80's』はタイトルの通り、Toto、A-ha、Human League等の80年代ヒット曲をカヴァーした興味深い1枚です。

さて、今回紹介する最新作『SunStorm』もそのThe Foreign ExchangeのレーベルThe Foreign Exchange Musicからのリリースです。The Foreign ExchangeNicolayがエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。

Hip-Hop系の作品で活躍し、自身のソロ作ではインスト作品も多いZo!ですが、本作では多彩なシンガー/MCをゲストに迎えた良質のソウル/R&B作品に仕上がっています。

Phonteをはじめ、PhonteだけではないLittle Brotherのもう一人のメンバーBig Pooh、Zo!と同じくThe Foreign Exchange Musicの重要アーティストである女性R&BシンガーYahZarah、The Foreign Exchange作品でお馴染みのDarien BrockingtonJesse Boykins III Chantae Cannニュージャージー出身の男性R&BシンガーEric Roberson、N.Y.出身の女性R&BシンガーSy Smith、Little Brother作品でもお馴染みの女性R&BシンガーCarlitta Durand4Hero2000Blackといった西ロンドン系作品でお馴染みのハウス・ディーヴァLady Alma、デトロイト出身の女性R&BシンガーMonica Blaireといったアーティストがフィーチャーされています。

このゲスト陣から想像できるように、ジャンルの枠を飛び越えたクロスオーヴァーな楽曲もあり、ソウル/R&B作品の一言で片付けられない面もあります。

『ezが選ぶ2010年の10枚』にセレクトしようかどうか最後まで迷った1枚です。最終的にはThe Foreign Exchange Musicを代表する1枚としてThe Foreign Exchange『Authenticity』をセレクトしたので、『SunStorm』の方は断念してしまいましたが・・・それくらいお気に入りの1枚です。

The Foreign Exchange好きは勿論のこと、アングラHip-Hop好き、ソウル/R&B好き、クロスオーヴァー好きの方にも聴いて欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Greater Than The Sun」
Phonteをフィーチャー。美しいZo!のピアノのイントロでアルバムは幕を開けます。The Foreign Exchange調の浮遊するソウル・チューンで独特な音空間へ誘います。最近はあまりMCよりもヴォーカルのイメージが強いPhonteですが、ここではヴォーカルのみならずラップも披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=zHb-dWCU9pI

「Greatest Weapon Of All Time」
オススメその1。Sy Smithをフィーチャー。70代のヴァイヴを感じるメロウ・ソウル。キュートなSy SmithのヴォーカルとZo!のメロウ・サウンドが実にマッチしています。後半の軽くラテン・フレイヴァーを取り入れた展開も僕好み!
http://www.youtube.com/watch?v=vWRbEojOywY

「Say How You Feel」
オススメその2。PhonteとCarlitta Durandの男女ヴォーカルフィーチャー。60年代モータウン調の軽快なリズムとZo!らしいキーボード・サウンドの組み合わせがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=QNrWXYCZXJM

「For Leslie」
前曲「Say How You Feel」からシームレスに続きます。本作唯一のインスト曲ですが、その代わりにフルートをフィーチャーした美しい仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=0zMTkTHBam0

「Be Your Man」
Darien Brockingtonをフィーチャー。このテンポはThe Foreign Exchange Musicらしい仕上がりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=kM1QqvH9CRY

「Free Your Mind」
オススメその3。Lady Almaをフィーチャー。そのせいか本曲は西ロンドン/クロスオーヴァーしていますね。クロスオーヴァー・チューンでも全く違和感がないのがZo!のセンスかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=74GvDTq8Rb8

「SunStorm」
オススメその4。タイトル曲はYahZarahをフィーチャー。The Foreign Exchange好きならば、Zo!とYahZarahの共演というだけでグッときますよね。実にThe Foreign Exchange Musicらしいエレクトロ・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=AlMi03ynCrI

「If I Could Tell You No」
Jesse Boykins IIIをフィーチャー。後半ラスト・スパートの前に軽くコーヒー・ブレイクって感じでしょうか(笑)。小粋なジャジー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Hmstu6fo6MM

「This Could Be The Night」
オススメその5。シングル曲。Eric Roberson、Darien Brockington、Big Poohをフィーチャー。軽快かつ心地好いソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=m3VB6UvVFVU

「Flight Of The Blackbyrd」
オススメその6。Phonteをフィーチャー。「Free Your Mind」に続くクロスオーヴァーなフュージョン・チューン。冬ですが気分はサマー・モードです!
http://www.youtube.com/watch?v=FTy2lQMPNVs

「All Is Well With Love」
Chantae Cannをフィーチャー。「Flight Of The Blackbyrd」同様、サマー・モードのメロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=jnplwDFgmrk

「Make Love 2 Me」
オススメその7。Monica Blaireをフィーチャー。官能的なMonica Blaireのヴォーカルがエロすぎます。10分超の大作ですが、美しく官能的な音世界から妄想してしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=tQTKgBiq42g

興味がある方は他のZo!作品もどうぞ!

『Passion & Definition』(2004年)
Passion & Definition

『Freelance』(2006年)
Freelance

Zo! & Tigallo『Love The 80's』(2008年)
Love the 80's

Zo! + Asylum 7『Overdue Process』(2009年)
Overdue Process
posted by ez at 02:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

Moodymann『Mahogany Brown』

1st『Silentintroduction』と並ぶデトロイト・ハウス名盤☆Moodymann『Mahogany Brown』
MAHOGANY BROWN(直輸入盤・帯・ライナー付き)
発表年:1998年
ez的ジャンル:デトロイト・ブラックハウス
気分は... :ドリンク剤の飲みすぎ注意!

今年最初の超ビジー状態でクタクタです。
ドリンク剤の空き瓶が一気に増えました(泣)
このまま月末まで慌しい状況が続きそうです・・・

今回紹介するのはMoodymann『Mahogany Brown』(1998年)です。

デトロイト・ハウス・シーンを長年牽引し続けるMoodymannKenny Dixon Jr.)の紹介は、1stアルバム『Silentintroduction』(1997年)に続き2回目となります。

ここ数日の超ビジー状態で作業しながら聴いていたのがMoodymann『Mahogany Brown』でした。

Moodymannの幻想的で中毒性のあるハウス・サウンドは、集中して作業したい時に案外重宝しています。ノリはいいけど喧しくなく、ジワジワと音の表情が変化していく感じが、僕の思考リズムやPCのキーボードを叩く作業リズムと上手くシンクロするのかもしれません。

今回初めて知りましたが、一昨年にCD再発されるまで結構入手しづらい状況だったんですね。

最近のMoodymannの動向をきちんとフォローしているわけではありませんが、1st『Silentintroduction』(1997年)と今回紹介する2nd『Mahogany Brown』(1998年)の2枚は、リアルタイムで購入して以来、細く長く愛聴しています。

当時からこの2枚はハウス名盤でしたが、10年以上経った現在でもその評価は変わらないようです。賞味期限の長いハウス作品として、他の作品には特別なヴァイヴがあるのだと思います。

幻想的かつブラック・ミュージックからの影響が色濃く出たトラックは、一度聴いたら病み付きになるのでしょうね。

禁断のデトロイト・ハウスを未体験の方はぜひ一度聴いてみて下さい。中毒になりますよ(笑)

全曲紹介しときやす。

「Radio」
ブラック・ミュージック専門ラジオ局からジャズ、ソウル/ファンク、Hip-Hopといった様々なブラック・ミュージックの断片が聴こえてくるオープニング。Moodymannのクリエイトするサウンドの根底には常にソウル/ブラック・ミュージックがあることを確認できます。

「Sunshine」
子供たちのピュアなヴォーカルとMoodymannらしい少しユルめの幻想的ハウス・サウンドがユラめく音世界へと誘います。
http://www.youtube.com/watch?v=TeX2_oweqFw

「On The Run」
ジワジワと覚醒するハウス・チューン。トライバイルなリズムのうえに鼻歌のように軽快なギターが浮遊していく感じがグッド!

「M.E.A.N.D.N.J.B.」
Norma Jean Bellのサックスと官能的な女性コーラスをフィーチャーした妖しいメロウネスにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=6gRrIG-4HPY

「Mahogany Brown」
メロウなジャズ・ファンク調のサウンドの中から静かなる狂気が伝わってくるMoodymannらしい1曲。Walter Murphy「Afternoon Of A Faun」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=NS03ywXMVUw

「Me And My Peoples Eyes」
Lord Imran Ahmedをフィーチャーしたポエトリー・リーディングからスタートし、曲の表情が次第にハードになっていくのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_ZRo_OMmgM0

「Stoneodenjoe」
妖しげな4つ打ちハウスに脳内をジャックされてしまいます。感覚が麻痺してしまうような中毒性のある1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=xyAPAGuYBuQ

「Joy Pt III」
Taj(Taj Bell)のヴォーカルをフィーチャー。アンニュイなヴォーカルと蜃気楼のようなサウンドが実にマッチしています。アルバムで最もキャッチーな1曲かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=AmCIxu85mDg

「Black Sunday」
牧師の説教をコラージュしたブラック・フィーリング溢れるMoodymannの本領発揮な1曲。ブラック・ミュージック専門ラジオ局でスタートし、牧師の説教で締め括るというアルバム構成も素晴らしいですね。

『Silentintroduction』(1997年)
Silent Introduction
posted by ez at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

Sidsel Storm『Sidsel Storm』

デンマーク出身の美人ジャズ・シンガーのデビュー作☆Sidsel Storm『Sidsel Storm』
Sidsel Storm
発表年:2008年
ez的ジャンル:北欧美人ジャズ・シンガー
気分は... :ルックスも声もビューティフル!

デンマーク出身の美人ジャズ・シンガーSidsel Stormのデビュー・アルバム『Sidsel Storm』(2008年)です。

昨年リリースされた2nd『Swedish Lullaby』(2010年)は日本でも好評でしたね。

ここ数年、日本では美人の女性ジャズ・シンガーがブームですが、中には良いのはルックスやジャケのみで中身はいまいち・・・といった作品も少なくない気がします。

その点、Sidsel Stormのデビュー・アルバム『Sidsel Storm』(2008年)は、Danish Music Award 2009で"Danish vocal jazz release of the year"を受賞しており、本国デンマークで高い評価を得ていることを確認できます。

北欧らしいシックでエレガントで澄み切ったジャズを聴かせてくれるのが魅力です。強烈に主張するヴォーカルではありませんが、ナチュラルで美しい歌声に引き込まれてしまいます。

レコーディング・メンバーは、Sidsel Storm(vo)、 Morten Lund(ds)、Jacob Karlzon(p)、Jesper Thorn(b、cello)、Gunnar Halle(tp)、Alexander Kraglund(vln)という編成です。

Sidselのヴォーカルが素晴らしいのはもちろんのこと、バックのメンバーもJacob Karlzonのピアノを中心にソロも含めてエキサイティングな演奏を聴かせてくれます。

プロデュースはSidsel本人。共同プロデューサーとしてJonas DueholmPeter Ottoの二人がクレジットされています。

YouTubeに音源がないのが残念ですが、ジャズ・ファンのみならず、女性ヴォーカル好きならば楽しめる1枚に仕上がっています。

冬にピッタリなジャケもサイコーです!

全曲紹介しときやす。

「Let's Move On」
オープニングはSidselのオリジナル。僕の一番のお気に入り曲。澄み切ったヴォーカルに魅了されます。Jacob Karlzonのピアノをはじめとするバックも素晴らしいの一言です。

「Where the River Bends」
共同プロデューサーJonas Dueholmの作品。小気味良いサウンドと少し哀愁を帯びたSidselのヴォーカルがよくマッチしています。Alexander KraglundのバイオリンとKarlzonのピアノがソロで盛り上げてくれます。

「Washing Away」
この曲もJonas Dueholm作。美しくエレガントな中にも張り詰めたものを感じるエキサイティングな演奏です。特にKarlzonの素晴らしいピアノ・ソロに魅了されます。

「Angel Eyes」
Earl Brent/Matt Dennis作のスタンダード(1946年作)。ここでのSidselは少しレイジーな歌声で迫ります。実に雰囲気のある1曲に仕上がっています。

「Fall in NYC」
Sidselのオリジナル。哀愁を帯びたバラード。Gunnar Halleのトランペットが哀愁モードを演出してくれます。

「Butterflies and Lovers」
Sidsel Storm/Jonas Dueholm作詞、Peter Otto作曲。緩急つけた演奏が実にスリリングです。

「Just a Step」
Jonas Dueholm作。シックな中にも気品を感じます。

「Solen er sa rod,Mor」
(多分)デンマーク語で歌っています。温かみのあるメロディ&ヴォーカルがグッド!

「Blame it on My Youth」
Oscar Levant/Edward Heyman作のスタンダード。SidselのヴォーカルとJesper Thornのベースのみというシンプルな演奏ですが、逆にSidselのヴォーカルの魅力を堪能できます。

「My Favorite Things」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgersによる説明不要のスタンダード。John Coltraneの演奏も有名ですね。本作の中で最もクラブジャズしているエキサイティングな演奏です。

「Glimt」
ラストはSidselのオリジナル。デンマーク語で歌われる幻想的な雰囲気に包まれた演奏でアルバムは幕を閉じます。

2nd『Swedish Lullaby』(2010年)もセットでどうぞ!

『Swedish Lullaby』(2010年)
SWEDISH LULLABY (スウェディッシュ・ララバイ)(直輸入盤・帯・ライナー付き)
posted by ez at 05:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする