2011年01月05日

Ron Sexsmith『Blue Boy』

プロデューサーにSteve Earleを迎え、新たなチャレンジを試みた意欲作☆Ron Sexsmith『Blue Boy』
Blue Boy
発表年:2001年
ez的ジャンル:魔法のメロディ系カナディアンSSW
気分は... :年初はRonを聴きたくなる!

今日は大好きなカナディアン・シンガー・ソングライターRon Sexsmithが2001年にリリースした『Blue Boy』です。

これまで当ブログで紹介してきたRon Sexsmith作品は以下の3枚。

 『Other Songs』(1997年)
 『Whereabouts』(1999年)
 『Retriever』 (2004年)

前回『Retriever』をエントリーしたのも1月でした。きっと僕の潜在意識の中で、年初にRon Sexsmithを聴いて気持ちをリセットしたいという気持ちがあるのかもしれません。それだけ彼の魔法のメロディと実直な歌声は、僕の心に特別な何かを届けてくれるのだと思います。

今回紹介する『Blue Boy』はRonにとって大きな転機となった1枚です。

『Ron Sexsmith』(1995年)、『Other Songs』(1997年)、『Whereabouts』(1999年)という3枚のアルバムをメジャーのInterscopeからリリースしてきましたが、本作はInterscopeを離れマイナー・レーベルでのリリースとなりました。

また、前述の3枚は90年代を代表するプロデューサーMitchell Froom & Tchad Blakeがプロデュースしていましたが、本作では旧友Steve EarleRay KennedyというTwangtrustの2人がプロデュースしています。

Twangtrustプロデュース、しかも録音がナッシュビルということでカントリー調の内容をイメージする人かもしれませんが、そういったテイストはあまり感じません。むしろ、ロック調の楽曲が目立ちます。また、ジャジー調、フォーキー・ソウル調、スカ調の楽曲も聴かれ、Twangtrustの2人と共に音楽的な幅を広げた1枚という印象を受けます。

基本的に他のRon Sexsmith作品と同様、素晴らしいメロディ&ヴォーカルを堪能できる感動的な1枚に仕上がっています。

Ron、Twangtrustの2人にBrad Jones(b)、Don Carr(ds)等がレコーディング・メンバーとして参加しています。

アルバム・タイトルはイギリス人画家Thomas Gainsboroughの作品『Blue Boy』からとったものです。そして、ジャケのイラストもGainsboroughの『Blue Boy』の構図を真似たRonの似顔絵です。絵のタッチは全く異なりますが(笑)

魔法のメロディと実直な歌声に感動しましょう!

全曲紹介しときやす。

「This Song」
♪この曲はどうやったら生き残っていける?♪と歌うオープニング曲は、真摯に音楽と向き合うRonらしい歌です。また、"The Beatlesっぽい"仕上がりにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=mZccEcewZeU

「Cheap Hotel」
Ron Sexsmith節を存分に堪能できます。いつものように魔法のメロディ&ヴォーカルは素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xQLPG79J5do

「Don't Ask Why」
僕の一番のお気に入り曲。本作らしいロック色の強い仕上がりです。70年代のJackson Browne好きの人であれば、間違いなく気に入る1曲だと思います。

「Foolproof」
この曲は一転してジャジーなバラード。元々はカナダ人ジャズ・ピアニスト/シンガーDiana Krallのために書かれた曲のようです。Ron自身がピアノも弾いています。何故だかRonのヴォーカルがDiana Krallの旦那であるElvis Costelloのように聴こえてくるのが面白いですね(笑)

「Tell Me Again」
素朴なフォーキー・チューンですが、アレンジに一工夫あってグッドな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=HiBWVN-CGao

「Just My Heart Talkin'」
100%Ron Sexsmith印の1曲。彼独特の歌いまわしが心を癒し、優しい気持ちにしてくれます。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=omfzjdc3rGM

「Not Too Big」
Ron自身が"Bill Withersみたい"と述べているリズミックなフォーキー・チューン。Ronは昔からBill Withersのファンだったようです。

「Miracle In Itself」
静かなるパワーが宿った1曲。嫌なことから逃げ出したいとき、それでもそこに踏みとどまる勇気を与えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Zk1Ouvr8w0I

「Thirsty Love」
リリシズムに溢れた仕上がりが大好き!目を閉じて聴いていると、何もない広大な大地の光景が浮かんできます。Ana Eggeの女性バック・ヴォーカルもいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=cvUWcwB1ZqQ

「Never Been Done」
スカ調の仕上がり!という異色作。元々はカントリー・テイストだった曲をSteve Earleの提案でスカ調にした模様です。
http://www.youtube.com/watch?v=Xe0KzytPsTU

「Thumbelina Farewell」
同じカナダ出身のフォークシンガーKyp Harnessのカヴァー。彼はRonの友人のようです。ノスタルジックな感傷に浸りたくなる仕上がりです。

「Parable」
リズム・ループやノイズを使うなど必ずしもRonらしい曲ではありませんが、格好良さで言えばアルバムで一番かもしれません。さり気ない疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZE1CGUbgxoI

「Keep In Mind」
かなりロックっぽい仕上がり。力強い演奏と歌声で勇気付けてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=9IcX7EJ32AA

「Fallen」
ラストはRonらしくセンチメンタルに締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=mnIuq9qJiIQ

国内盤にはボーナス・トラックとして「Before We Ever Met」が追加収録されています。

Ron Sexsmithの過去記事もご参照下さい。

『Other Songs』(1997年)
Other Songs

『Whereabouts』(1999年)
Whereabouts

『Retriever』(2004年)
Retriever
posted by ez at 08:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする