発表年:2008年
ez的ジャンル:北欧美人ジャズ・シンガー
気分は... :ルックスも声もビューティフル!
デンマーク出身の美人ジャズ・シンガーSidsel Stormのデビュー・アルバム『Sidsel Storm』(2008年)です。
昨年リリースされた2nd『Swedish Lullaby』(2010年)は日本でも好評でしたね。
ここ数年、日本では美人の女性ジャズ・シンガーがブームですが、中には良いのはルックスやジャケのみで中身はいまいち・・・といった作品も少なくない気がします。
その点、Sidsel Stormのデビュー・アルバム『Sidsel Storm』(2008年)は、Danish Music Award 2009で"Danish vocal jazz release of the year"を受賞しており、本国デンマークで高い評価を得ていることを確認できます。
北欧らしいシックでエレガントで澄み切ったジャズを聴かせてくれるのが魅力です。強烈に主張するヴォーカルではありませんが、ナチュラルで美しい歌声に引き込まれてしまいます。
レコーディング・メンバーは、Sidsel Storm(vo)、 Morten Lund(ds)、Jacob Karlzon(p)、Jesper Thorn(b、cello)、Gunnar Halle(tp)、Alexander Kraglund(vln)という編成です。
Sidselのヴォーカルが素晴らしいのはもちろんのこと、バックのメンバーもJacob Karlzonのピアノを中心にソロも含めてエキサイティングな演奏を聴かせてくれます。
プロデュースはSidsel本人。共同プロデューサーとしてJonas DueholmとPeter Ottoの二人がクレジットされています。
YouTubeに音源がないのが残念ですが、ジャズ・ファンのみならず、女性ヴォーカル好きならば楽しめる1枚に仕上がっています。
冬にピッタリなジャケもサイコーです!
全曲紹介しときやす。
「Let's Move On」
オープニングはSidselのオリジナル。僕の一番のお気に入り曲。澄み切ったヴォーカルに魅了されます。Jacob Karlzonのピアノをはじめとするバックも素晴らしいの一言です。
「Where the River Bends」
共同プロデューサーJonas Dueholmの作品。小気味良いサウンドと少し哀愁を帯びたSidselのヴォーカルがよくマッチしています。Alexander KraglundのバイオリンとKarlzonのピアノがソロで盛り上げてくれます。
「Washing Away」
この曲もJonas Dueholm作。美しくエレガントな中にも張り詰めたものを感じるエキサイティングな演奏です。特にKarlzonの素晴らしいピアノ・ソロに魅了されます。
「Angel Eyes」
Earl Brent/Matt Dennis作のスタンダード(1946年作)。ここでのSidselは少しレイジーな歌声で迫ります。実に雰囲気のある1曲に仕上がっています。
「Fall in NYC」
Sidselのオリジナル。哀愁を帯びたバラード。Gunnar Halleのトランペットが哀愁モードを演出してくれます。
「Butterflies and Lovers」
Sidsel Storm/Jonas Dueholm作詞、Peter Otto作曲。緩急つけた演奏が実にスリリングです。
「Just a Step」
Jonas Dueholm作。シックな中にも気品を感じます。
「Solen er sa rod,Mor」
(多分)デンマーク語で歌っています。温かみのあるメロディ&ヴォーカルがグッド!
「Blame it on My Youth」
Oscar Levant/Edward Heyman作のスタンダード。SidselのヴォーカルとJesper Thornのベースのみというシンプルな演奏ですが、逆にSidselのヴォーカルの魅力を堪能できます。
「My Favorite Things」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgersによる説明不要のスタンダード。John Coltraneの演奏も有名ですね。本作の中で最もクラブジャズしているエキサイティングな演奏です。
「Glimt」
ラストはSidselのオリジナル。デンマーク語で歌われる幻想的な雰囲気に包まれた演奏でアルバムは幕を閉じます。
2nd『Swedish Lullaby』(2010年)もセットでどうぞ!
『Swedish Lullaby』(2010年)