発表年:2007年
ez的ジャンル:UKソウル・ディーヴァ
気分は... :評価を一変させた1枚
今回はUKソウルのディーヴァBeverley Knightの『Music City Soul』(2007年)です。
Beverley Knightはイギリス、ウォルヴァーハンプトン出身の女性R&Bシンガー。
これまでに『The B-Funk』(1996年)、『Prodigal Sista』(1998年)、『Who I Am』(2002年)、『Affirmation』(2004年)、『Music City Soul』(2007年)、『100%』(2009年)といったアルバムをリリースしています。
UKでは大英帝国勲章のメンバー(MBE)になるなど女性R&Bシンガーとして不動の地位を確立しているBeverley Knightですが、日本での人気はもう一つといった感じですかね。
かく言う僕も彼女の名前は知っていましたが、特に気になるシンガーという訳ではありませんでしたね。彼女のニュースに触れる機会が少なく、器用だけど個性の少ないコンテンポラリーな女性R&Bシンガーと勝手に決め込んでいたかもしれません。
そんな僕の彼女に対するイメージ・評価を一変させた作品が今日紹介する『Music City Soul』(2007年)です。本作はBeverleyがナッシュビルへ乗り込み録音したソウル作品です。
ナッシュビル出身のオルタナ・カントリー・バンドLambchopのメンバーでCandi Staton『His Hands』(2006年)もプロデュースしているMark Neversが殆どの楽曲をプロデュースしています。
レコーディングにはナッシュビルのミュージシャンの他に、BeverleyのファンだというRolling StonesのRonnie Woodがギターで3曲に参加しています。
発売当時にCDショップで試聴し、"彼女こんなにソウルフルなシンガーだったんだ!"と驚いた記憶があります。とにかく徹底したソウル回帰の姿勢に感服です。
本作を聴けば、BeverleyがAretha FranklinやSam Cooke、Al Greenあたりが大好きなんだろうなぁ!というのが一発でわかります。特にArethaからの影響は相当大きいと実感できます。
実力派シンガーですが、スバ抜けた歌唱力のみで勝負するのではなく、実に雰囲気のあるヴォーカルで魅了してくれる点に惹かれます。
UKソウルの底力を感じる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Every Time You See Me Smile」
このディープなオープニングを聴けば、本作が素晴らしいソウル・アルバムであることを実感できるでしょう。サザン・ソウルの香りがプンプン漂うのがいいですね。Ronnie Wood参加1曲目。
http://www.youtube.com/watch?v=vZhcy533gyQ
「Ain't That A Lot Of Love」
Ronnie Wood参加2曲目。軽快なテンポと迫力あるダイナマイト・ヴォーカルでガンガン飛ばします!
http://www.youtube.com/watch?v=Sws1rTAB2ao
「After You」
アルバムからの2ndシングル。僕の一番のお気に入り曲です。 Al Green「Let's Stay Together」あたりを思い起こすメロディと雰囲気たっぷりBeverleyのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=1LSfIQc_9pM
「No Man's Land」
アルバムからのリード・シングル。心に染み入る感動サザン・ソウル・チューンに仕上がっています。堂々としたBeverleyの歌いっぷりに涙します。
http://www.youtube.com/watch?v=EtgH80Sfv6o
「The Queen Of Starting Over」
アルバムからの3rdシングル。ホーン隊が盛り上げてくれるハートフルなソウル・チューン。Beverleyの雰囲気たっぷりの表現がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=IzaNPIkp964&ob
「Black Butta」
Ronnie Wood参加3曲目。そのせいか70年代Stonesばりのロックンロール・チューンに仕上がっています。パンチが効いてまっせ!
http://www.youtube.com/watch?v=dM_rB_KB53k
「Saviour」
この曲もロック調です。こういった曲も意外とBeverleyの声質とマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=4C1MVvRBCHc
「Time Is On My Side」
Rolling Stonesのカヴァーでお馴染みの名曲をカヴァー(Jerry Ragovoy作)。本ヴァージョンはIrma Thomasヴァージョンをお手本にしている感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=2J6yeuTK-98
Irma Thomas「Time Is On My Side」
http://www.youtube.com/watch?v=gAGgGKMnD6k
「Why Me Why You Why Now」
南部らしいコクのあるリズム隊をバックにBeverleyが気持ち良さそうに歌っているソウル・チューン。こういう曲大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=C2I5YMC_c5g
「Tell Me I'm Wrong」
ノスタルジックなオルガン・サウンドとメロディにグッとくるセンチメンタル・モードのソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=UTWpjiOlm1o
「Trade It Up」
Beverleyのソウル魂を存分に堪能できます。Aretha Franklinからの影響の大きさが覗えます。
http://www.youtube.com/watch?v=FhkM6fhFXk4
「Rock Steady」
ラストはAretha Franklinの名曲をカヴァーしています。まぁ、彼女がArethaをカヴァーすれば、間違いないでしょう!きっと彼女は子供の頃からこの曲を歌っていたのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=uEuvAGCzfu8
CDには「Uptight」、「Back To You」、「After You (Radio Edit) 」という3曲のボーナス・トラックが追加収録されています。特に感動のソウル・バラード「Back To You」がいいですよ。
「Back To You」
http://www.youtube.com/watch?v=HPLZvaEd2ls
興味がある方はBeverley Knightの他の作品もどうぞ!
『The B-Funk』(1996年)
『Prodigal Sista』(1998年)
『Who I Am』(2002年)
『Affirmation』(2004年)
『100%』(2009年)