2011年02月28日

Keziah Jones『African Space Craft』

唯一無二のBlufunkサウンドは本作でも健在!☆Keziah Jones『African Space Craft』
African Space Craft
発表年:1995年
ez的ジャンル:ブルーファンク
気分は... :アカデミー賞を観ましたが・・・

先週に続き、今週も月曜は前日から徹夜です(泣)
その流れで仕事しながら、アカデミー賞授賞式の生中継を観ていました。

『英国王のスピーチ(原題:The King's Speech)』と『ソーシャル・ネットワーク(原題:The Social Network)』の一騎打ちが注目されていましたが、終わってみれば『英国王のスピーチ』の圧勝でしたね。

その他の主要部門も含めて、あまりにも順当すぎる展開で多少拍子抜けしてしまいましたね。

司会の二人James FrancoとAnne Hathawayは頑張っていましたが、少し空回りしていましたね。個人的には2009年のHugh Jackmanの司会が素晴らしかったと思います。

まぁ、グラミー賞と比較すると、どうしてもアカデミー賞の授賞式はイベントとしての盛り上げ方が難しいですよね。

さて、今回は1968年ナイジェリア出身のシンガー/ギタリストKeziah Jonesの2ndアルバム『African Space Craft』(1995年)です。

先日のNBAオールスター・ゲームでオープニング・アクトを務めたLenny Kravitzの演奏を聴いていたら、何故かKeziah Jonesをとても聴きたくなりました。

Keziah Jonesの紹介はデビュー・アルバム『Blufunk Is A Fact』(1992年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Blufunk Is A Fact』では、シンプルながらもブルース、ロック、ソウル、ファンクのエッセンスを独自に昇華させた"Blufunk(BluesとFunkの合成語)"サウンドで聴く者の度肝を抜いたKeziahですが、本作ではロック色を強めたハードなサウンドが目立ちます。

ロック色を強めたは、Living Colour、Bad Brains、Sonic Youth
作品なども手掛けたプロデューサーRon Saint Germainの影響かもしれませんね。改めて聴いてみると、当時のアメリカのオルタナ・ロックからの影響も感じられます。

『Blufunk Is A Fact』同様、Keziah本人(vo、g)、Soul(b)、Richie Stevens(ds)というシンプルな編成での演奏が中心ですがかなりパワフルです。

ジャンル分けの難しいアーティストの宿命で必ずしも正当な評価を受けているとは思いませんが、Keziahの個性はやはり貴重だと思います。

最近、ロック作品をあまり聴いていない僕ですが、久々にハードなロック・サウンドを堪能しました!純粋なロック・サウンドではありませんが・・・

唯一無二のBlufunkサウンドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Million Miles From Home」
オススメその1。シングルにもなった本作のハイライト。Keziah好きの人で本曲をフェイバリットに挙げる人も多いのでは?それも頷ける格好良過ぎるアコースティック・グルーヴです。この1曲のみで元が取れると思います。マーベラス!
http://www.youtube.com/watch?v=5S80RwjBuuI

「Colorful World」
ハードなギターで迫るロック・チューン。このあたりはLenny Kravitzしていますな。

「Prodigal Funk」
オススメその2。疾走するファンク・ロック・チューン。白人ロック・バンドにはない黒いグルーヴにグッときます。Keziahのギター、SoulとRichie Stevensのリズム隊全てが最高の演奏を聴かせてくれます。

「Splash」
哀愁ロックのミッド・チューン。

「Dear Mr. Cooper」
オススメその3。中盤までのファンキーな展開とギア・チェンジで一気に加速していく終盤の展開のコントラストが楽しい1曲。

「African Space Craft」
タイトル曲はノイジーなギターが鳴り響く、ダークなオルタナ・ロック・チューンです。

「Speech」
ピアノ、チェロなども加わった美しくドラマチックな展開。

「Cubic Space Division」
オススメその4。軽快なリズミック・サウンドにも関わらず怪しげなムードが漂います。演奏が上手すぎるニューウェイヴ・バンドのように聴こえてしまいます(笑)

「Funk 'n' Circumstances」
オススメその5。タイトルからも察しがつくファンキー・チューン。やっぱり、こういうグルーヴィーな楽曲にグッときてしまいます。

「Man With the Scar」
オススメその6。Blufunk+オルタナ・ロックといったムードが1995年らしい音なのかもしれませんね。

「Never Gonna Let You Go」
Keziahらしい輪郭のはっきりしたグルーヴィー・サウンドを満喫できます。

「If You Know」
ラストは憂いを帯びたメロディが印象的な1曲。シングルにもなりました。

Keziah Jonesの他作品もチェックを!

『Blufunk Is A Fact』(1992年)
Blufunk Is a Fact!

『Liquid Sunshine』(1999年)
Liquid Sunshine

『Black Orpheus』(2003年)
BLACK ORPHEUS

『Nigerian Wood 』(2008年)
ナイジェリアン・ウッド
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2011年02月27日

Reel People『Reel People Presents Golden Lady』

新レーベルReel People Musicのお披露目アルバム☆Reel People『Reel People Presents Golden Lady』
GOLDEN LADY
発表年:2011年
ez的ジャンル:西ロンドン系クラブソウル
気分は... :やっと2011年新作2枚目

あっという間に2月も終わりですね。その割には2011年発売の新作でこれまで紹介したのはMichelle Shaprow『Purple Skies』1枚のみです。今年の1、2月は各ジャンルで注目の新作が少なかった気がします。3月に入るそれなりに期待できそうですが・・・

今回は2011年発売の新作2枚目!西ロンドンの音楽シーンを牽引するユニットReel Peopleによる新作『Reel People Presents Golden Lady』です。

Reel Peopleの紹介は2ndアルバム『Seven Ways To Wonder』(2007年)に続き2回目となります。

厳密にはReel Peopleの新曲5曲+5組のアーティストの作品5曲(+国内盤ボーナス・トラック2曲)という変則コンピ作品ですが、便宜上Reel Peopleの新作という扱いにしておきます。

Reel People自体は、前作『Seven Ways To Wonder』からMike Pattoが抜け、それまでゲスト参加していた男性ヴォーカリストTony Momrelleが正式メンバーとなり、Oli LazarusTony Momrelleの二人が現在のReel Peopleということになるようです。Tony MomrelleはIncognito作品のフィーチャリング・ヴォーカリストなどでも知られていますね。

また、紹介されている5組のアーティストは、新たに設立されたレーベルReel People Musicから作品をリリースしたり、Reel Peopleがリミックスを手掛けたアーティストです。その意味では、新レーベルReel People Musicのお披露目アルバムという説明が最も相応しいかもしれません。

全体の印象ですが、Reel Peopleの新曲5曲はブラジル/ラテン路線を強調した楽曲が目立ち、紹介アーティストの5曲は70〜80年代ディスコ/ファンク/ソウル・テイストを取り入れたダンス・チューンが目立ちます。

Reel People本体のブラジル/ラテン路線は、メンバー二人に加え、Toni Economides、Chris Frank、Pete Kuzmaらの貢献が大きいようです。

変則アルバムで純然たる新作ではない点が気になる方がいるかもしれませんが、僕はそれほど気になりませんでした。逆に思ったよりも散漫な構成になっていないので感心してしまいました。

僕は某大手CDショップのハウス/テクノ・コーナーで購入しましたが、Reel People作品はどの売り場に置けばいいのかビミョーですね。クラブ・ミュージックに止まらない間口の広さがあると思うので、R&B/ソウルやクラブジャズ、ブラジル/ラテンなどの売り場にも置いて欲しいですね。

そうした売り場に困るクロスオーヴァー感覚こそがReel People作品の魅力だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love It(BSTC feat. JL)」
オープニングはAndy C率いるシカゴのモダン・ディスコ・バンドBSTCによる男性シンガーJLをフィーチャーした生演奏ディスコ・ハウス。彼らの2008年のアルバム『Music For A Saturday Evening』にも収録されており、Reel People Musicから12"もリリースされています。70年代のディスコ・テイストとモダンなクラブ・ミュージックを上手く融合した感じにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=XwUcGdUtjfs

「It's Hard(restless soul Fun Band)」
restless soul Fun BandPhil AsherのユニットRestless Soulの流れ汲んだユニット名だと思います。実際、Phil Asherがプロデュースを務めています。Phil Asherがが発売前の作品をOliへ送ったところ、Oliが惚れ込み収録することになった曲らしいです。

Cameo「The Sound Table」のイントロを加工し、ループさせたファンク調ディスコ・チューンに仕上がっています。そのため、作者にはCameoのLarry BlackmonとAnthony Lockettの名もクレジットされています。

本曲を聴いていたら、「The Sound Table」が収録された『Knights of the Sound Table』(1981年)も聴きたくなり、家のCD棚から引っ張り出して本作同様にここ数日ヘビロテ中です。Cameoもしばらく紹介していないので、そのうち『Knights of the Sound Table』も記事にしますね。

Cameo「The Sound Table」
 http://www.youtube.com/watch?v=qkDmZCsX2v4

「Star(Reel People feat. Tony Momrelle)」
Reel People1曲目。新メンバーTony Momrelleのヴォーカルをフィーチャー。昨年12"でリリースされています。本作で目立つブラジル/ラテン路線が前面に出たバカンス・モードのブラジリアン・グルーヴ。ソウルフルなTony Momrelleのヴォーカルと爽快グルーヴがばっちりハマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=eNdxA38OEpg ※アルバム・ヴァージョンはこれのEditです。

「Sure(Reel People feat. Darien)」
Reel People2曲目。前作『Seven Ways To Wonder』にも参加していた期待のUS男性R&BシンガーDarienをフィーチャー。前作の「Alibi」はトロピカル・フュージョン風のダンス・チューンでしたが、本曲もラテン・フレイヴァーのグルーヴィー・チューンに仕上がっています。Stevie WonderテイストのDarienヴォーカルとブラジル/ラテン路線のReel Peopleサウンドは相性がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KkC2Lxgw50E

「Golden Lady(Reel People feat. Tony Momrelle)」
Reel People3曲目。タイトル曲はStevie Wonderの名曲カヴァー。Stevie Wonder作品の中でも特に大好きな1曲であり、カヴァーしてくれただけでかなり嬉しいですね。ここではブラジリアン・フレイヴァーのアコースティック・グルーヴに仕上がっており、、フリーソウル・クラシックとして名高いJose Felicianoのカヴァー(アルバム『And the Feeling's Good』収録)をお手本にしているようです。確かに言われてみれば、Joseヴァージョンの21世紀版といった感じですね。

「The Tea(Choklate)」
シアトルを拠点に活動する女性ソウル・シンガーChoklateの作品。2009年にリリースされた2ndアルバム『To Whom It May Concern』にも収録されています。昨年Reel People Musicからリミックス・シングルもリリースされています。70〜80年代ディスコのエッセンスを上手く取り入れたダンサブルなソウル・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=2pPooi6hdy8

「80's Love(Reel People feat. Tony Momrelle & Shezar)」
Reel People4曲目。Tony Momrelle & Shezarの男女ヴォーカルをフィーチャー。タイトル通りの80年代テイストのダンス・チューンに仕上がっています。レトロ感を逆手にとり、レトロなのにモダンなダンス・チューンに仕上がっていると思います。

「Tell Me Why(Reel People feat. Tony Momrelle)」
Reel People5曲目。少しテンポを落としたメロウ・グルーヴ。Tony Remiのギター・カッティングがひたすら心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=quNLipsGZR4

「The Galactica Suite (Reel People Edit)(Simon Grey)」
オーストラリア出身のクリエイターSimon Greyの作品。2005年にPapa Recordsからシングル・リリースされたアッパーなディスコ・ハウス・チューン。 ヴォコーダーを使ったジャズ・ファンク調の楽曲はHerbie Hancock『Sunlight』(1978年)あたりがお好きな人もグッとくるのでは?

「Nights In Africa (Reel People's Afro Soul Edit)(Renn)」
Rennが昨年Reel People Musicからシングル・リリースしたハウス・チューン。美しいピアノの調べとトライバルなリズムとRennのアフリカ人ヴォーカリストらしい独特の歌い回しが、まさに"Nights In Africa"な音空間を生み出しています。

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Star (RP's Club Mix) 」「Star (Rasmus Faber Remix) 」という2曲のリミックスが追加収録されています。Rasmus Faber好きの方はボートラもチェックを!

他のReel People作品や参加アーティストの作品もチェックを!

『Second Guess』※Defected盤CD
前述のDefected盤。「The Rain」が欲しい方にはオススメ!但し、オリジナル12曲から4曲がカットされているのでご注意を!
Second Guess

『Second Guess』 ※国内再発CD
オリジナル12曲+リミックス8曲の2枚組
セカンド・ゲス

『Seven Ways To Wonder』(2007年)
Seven Ways To Wonder

BSTC『Music For A Saturday Evening』(2008年)
MUSIC FOR A SATURDAY EVENING

Choklate『To Whom It May Concern』(2009年)
To Whom It May Concern

『RF Presents Simon Grey』(2007年)
RF プレゼンツ・サイモン・グレイ
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2011年02月26日

Roy Ayers Ubiquity『Mystic Voyage』

レア・グルーヴ/Hip-Hopファンに人気が高い1枚☆Roy Ayers Ubiquity『Mystic Voyage』
ミスティック・ヴォヤッジ
発表年:1975年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク
気分は... :祭りの後に・・・

個人的な一大イベントが終了し、心が抜け殻状態に・・・
気持ちをリセットするのが大変です。

お気に入りの音楽を聴いてテンション上げていかないと・・・

今回は人気ヴァイヴ奏者Roy Ayersの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したRoy Ayers作品は以下の3枚(発売順)。

 『He's Coming』(1972年)
 『Vibrations』(1976年)
 『Lots Of Love』(1983年)

4枚目の紹介となるのはRoy Ayers Ubiquity『Mystic Voyage』(1975年)です。

レア・グルーヴ/Hip-Hopファンに人気が高い1枚ですね。
「Brother Green (The Disco King) 」「Mystic Voyage」「Life Is Just A Moment - Part II」「The Black Five」等のサンプリング・ネタ曲がズラリと並びます。

本作におけるUbiquityのメンバーは、Roy Ayers(vib、key、syn、per、vo)、Chicas(vo)、Calvin Brown(g、vo)、Chano O'Ferral(congas、bongos)、Ricky Lawson(ds)、Byron Miller(b)が中心です。それ以外にWillie Michael(per)、Joe Brazil(ss)、P. Craig Turner(arp prog)、さらに"Special Guest"扱いでEdwin Birdsong(vo)が参加しています。それまでグループに大きく貢献していたHarry Whitakerが抜け、本作ではRoy Ayers自身がエレピ、シンセを演奏しています。また、Byron Millerが参加し、格好良いベースを随所で聴くことができます。

全体的にはファンク色をより強めたのと同時に、女性ヴォーカリストChicasの参加をはじめヴォーカルに力を入れている印象を受けます。

サンプリング・ネタの宝庫というだけではなく、Ubiquityサウンドを存分に楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Brother Green (The Disco King) 」
Roy Ayers/Edwin Birdsong作。Hip-Hopファンに大人気のコンピ『Ultimate Breaks & Beats』にも収録されている定番曲。ディスコでファンクでフュージョンでブギーなファンキー・グルーヴ。Roy Ayersが弾くクラヴィネットが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=7lyvUPooUrs

Compton's MostWanted「I Give Up Nothin」、Ice Cube「It's A Man's World」、Insane Clown Posse「Taste」Public Enemy「Brothers Gonna Work It Out」、Schoolly D「Black Power」、Sway & King Tech「Follow For Now」、T La Rock「Breaking Bells」等でサンプリングされています。

Sway & King Tech「Follow For Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=AExRAuv6ePw

「Mystic Voyage」
Roy Ayers作。タイトル曲も人気ですね。ヴァイヴの響きにグッとくるジャジー&メロウなミッド・グルーヴ。エレガントなストリングスも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Fgr4iMXH8cg

Adriana Evans「Seein' Is Believing」、Coolio「Mama I'm In Love With A Gangsta」、DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「Just Kickin It」、Kurious「Uptown Shit」、N-Tyce「Walk A Little Closer」等でサンプリングされています。また、Ronny Jordanがアルバム『A Brighter Day』(2000年)でRoy Ayers本人をフィーチャーしてカヴァーしています。

Adriana Evans「Seein' Is Believing」
 http://www.youtube.com/watch?v=du-96DMMJv8
Kurious「Uptown Shit」
 http://www.youtube.com/watch?v=CG97d1Pgo_Q
Ronny Jordan Feat. Roy Ayers「 Mystic Voyage」
 http://www.youtube.com/watch?v=i4PRe1QuTAU

「A Wee Bit」
Calvin Brown作。アレンジもCalvin Brownです。ファンキーな中にもリラックスした雰囲気が漂うのがいいですね。

「Take All The Time You Need」
Ashford & Simpson作。Ashford & Simpsonヴァージョンはアルバム『Wanna Be Selfish』(1974年)に収録されています。ここではChicasのキュート&エモーショナルな女性ヴォーカルをフィーチャーしたソウル・チューンに仕上げています。少し抑えたメロウ・サウンドがセンス抜群です!MF Grimm「A Mother's Heart」等でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Vt5GEY9irAU

MF Grimm「A Mother's Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=9m80BlACG40

「Evolution」
Roy Ayers作。スリリングなジャズ・ファンク・チューン。スピーディーなノリがかなり格好良いですね。

「Life Is Just A Moment - Part I」
Chano O'Ferral/Roy Ayers作。Part Iはソウルフルな仕上がりのファンキー・チューンです。普通に聴くのであれば人気のPart IIよりもコチラの方がコクがあって聴き応えがあるのでは
http://www.youtube.com/watch?v=8ERA9ufSesw

「Life Is Just A Moment - Part II」
Chano O'Ferral/Roy Ayers作。今日ではブレイクとヴォーカルを強調したプリミティブな仕上がりのPart IIの方が人気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=woxsOSwPStk

Jungle Brothers「Sunshine」、Sporty Thieves「Cheapskate」等でサンプリングされています。

Jungle Brothers「Sunshine」
 http://www.youtube.com/watch?v=3hItiizsvLc
Sporty Thieves「Cheapskate」
 http://www.youtube.com/watch?v=A0vGTpRVKXA

「Funky Motion」
Ronnie Foster作。タイトル通りのファンキー・チューン。注目曲が多い本作の中ではあまり語られることの少ない曲ですが、個人的には一番のお気に入り曲です。Ronnie Fosterのオリジナルは『Cheshire Cat』(1975年)に収録されています。聴き比べてみるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=_-1EyietyM4

Ronnie Foster「Funky Motion」
 http://www.youtube.com/watch?v=f5xcRfh5AGg

「Spirit Of Doo Do」
Edwin Birdsong/Michelle Birdsong作。ベースがグイグイと引っ張るファンキー・グルーヴに仕上がっています。

「The Black Five」
Roy Ayers作。ヴァイヴとクラヴィネットの絡みがイイ感じのインスト・ファンク。Common「1 2 Many...」、The Legion「Legion Groove」等でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=AU_VRqeMjTE

Common「1 2 Many...」
 http://www.youtube.com/watch?v=qmelRxSeL50
The Legion「Legion Groove」
 http://www.youtube.com/watch?v=zsxmifye4gE

Roy Ayers作品の過去記事もご参照下さい。

『He's Coming』(1972年)
He's Coming

『Vibrations』(1976年)
Ubiquity Vibrationsr

『Lots Of Love』(1983年)
Lots of Love
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2011年02月24日

O.S.T.(Michel Legrand)『Les Demoiselles De Rochefort』

Michel Legrandが音楽を担当した名作ミュージカル☆O.S.T.(Michel Legrand)『Les Demoiselles De Rochefort』
Bof Les Demoiselles De Rochefo
発表年:1967年
ez的ジャンル:Michel Legrandサントラ
気分は... :意外なハッピーエンド?

今日はどうしても終日ハッピー気分で過ごしたい特別な日です。

そんな僕の気分にジャスト・フィットする作品が、巨匠Michel Legrandが音楽を担当したフランス映画『Les Demoiselles de Rochefort(邦題:ロシュフォールの恋人たち)』のサウンドトラックです。

映画『Les Demoiselles de Rochefort(ロシュフォールの恋人たち)』(1967年)は、Jacques Demy監督によるフランスのミュージカル映画。主演はCatherine DeneuveFrancoise Dorleacの姉妹です。それ以外にGene KellyGeorge ChakirisJacques Perrinといった米仏の豪華スターが脇を固めています。

Francoise Dorleac演じるSolange(ソランジュ)、Catherine Deneuve演じるDelphine(デルフィーヌ)という双子の美人姉妹を主人公に、彼女達が暮らすフランス西南の港町ロシュフォールを舞台に巻き起こる恋の物語を描いたミュージカルです。

監督Jacques Demy、音楽Michel Legrand、主演Catherine Deneuveのミュージカル映画と言えば、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』があまりにも有名ですね。

僕も洋楽を聴き始める以前の小学生時代は、家にあった映画音楽大全集の類のレコードをよく聴いており、その中に収録されていた『シェルブールの雨傘』はよく聴きました。また、全集についていた解説本を繰り返し読んでいるうちにMichel Legrandの名前を覚えた記憶があります。

あれから35年以上の年月が経ちますが、ここ数年は60〜70年のサントラ(特にフランス映画・イタリア映画)に対する興味が高まっています。僕のような音楽の聴き方をしていると特定ジャンルの作品を一気に集めることは難しいのですが、マイペースでコレクションを増やしています。

そんな中で『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』という2枚のMichel Legrand作品も入手しました。どちらも気に入っていますが、今の僕の気分によりフィットしているのは『ロシュフォールの恋人たち』ですかね。

何よりハッピー・モードになれるストーリーおよび音楽がいいですね。キュートな主人公二人に心奪われるのも確かですが、モダン・ジャズとシャンソンのエッセンスをミュージカル映画へ見事に取り込んだMichel Legrandの音楽にも魅了されます。

特に一番のお気に入り曲「Chanson Des Jumelles」の持つ晴れ晴れとした開放感こそが、今日の僕が望んでいる音ですね。

今日が明るく、楽しく幸福な1日になることを願って・・・
 
全曲紹介しときやす。

「Arrivee Des Camionneurs」
邦題「キャラバンの到着」 。三菱自動車ランサーのCM曲で流れていたのでご存知の方も多いのでは?オープニングは、ダイナミックなモダン・ジャズ・チューンです。ブラス・セクション、ストリングス、スキャットも大いに盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=yLNIxrfOtnM

「Chanson De Maxence」
邦題「マクサンスの歌」。映画の随所で流れる愛のテーマです。美しいメロディとフランス語の語感の響きがロマンティック・ムードを盛り上げてくれます。当ブログではBill Evans『You Must Believe In Spring』収録のカヴァーも紹介済みです。
http://www.youtube.com/watch?v=lp41bjlLS4U

「De Delphine A Lancien」
邦題「デルフィーヌとランシアン」。アップ・テンポのジャズ・ワルツがデルフィーヌの女心を上手く表現しています。フランス・ミュージカルらしい小粋な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=7Zqcb0zLgvM

「Marins, Amis, Amants Ou Maris」
邦題「水夫,友達,恋人,夫」。ボッサ・リズムが心地好い1曲。途中スウィンギーなパートも挟み、軽快な歌声で大いに盛り上がります。映画としてはアメリカのミュージカル映画への対抗心が覗える素晴らしいダンス・シーンですね。
http://www.youtube.com/watch?v=E54oL26ZnyQ

「Chanson De Simon」
邦題「シモンの歌」。フランス映画のサントラらしいロマンティックなバラードです。男の哀愁モードで歌われるのがいいですね!

「La Femme Coupee En Morceaux」
邦題「バラバラ事件の女」。物騒なタイトルですが・・・3曲目の「De Delphine A Lancien」と同じメロディです。

「La Chanson D'Un Jour D'ete」
邦題「夏の日の歌」。主人公の双子姉妹が華やかに歌い踊る映画の見せ場のシーンで歌われる1曲。軽快かつ晴れやかな歌声と演奏がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=tAfZAlTI9Iw

「Chanson Des Jumelles」
邦題「双児姉妹の歌」。僕の一番のお気に入り曲。アルバム・ジャケに写る主人公二人も本曲のシーンからとったものです。キュートな主人公二人の魅力を見事なモダン・ジャズ・サウンドで引き出しています。今日の気分はまさにこの曲のモードです!
http://www.youtube.com/watch?v=uopjMuYY3F8

「La Chanson D'Andy」
邦題「アンディの歌」。ピアノとストリングスが奏でる美しい旋律をバックに歌われる切ないラブ・バラード。

「Chanson De Solange」
邦題「ソランジュの歌」。ソランジュの中に芽生えた恋心を歌った1曲。期待と不安が入り混じり揺れ動く女心を巧みに表現しています。

「Chanson De Delphine」
邦題「デルフィーヌの歌」。ソランジュの次はデルフィーヌの恋心。愛のテーマ「Chanson De Maxence」の別ヴァージョンといった仕上がりです。

「Nous Voyageons De Ville En Ville」
邦題「町から町へ」。男性陣によって歌われる「Arrivee Des Camionneurs」の別別ヴァージョンといった仕上がりです。

「Chanson D'Yvonne」
邦題「イヴォンヌの歌」。デルフィーヌとソランジュの母親イヴォンヌの愛のテーマ。そのせいかノスタルジック・ムードが漂います。

「Toujours - Jamais」
邦題「いつもいつも」。映画のエンディングが近いことを予感させる1曲。

「Depart Des Camionneurs」
邦題「キャラバンの出発」。デルフィーヌとソランジュ、そして母親イヴォンヌ、3人の恋の行方は・・・これまで流れてきたさまざまなテーマが交錯するエンディングです。

『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』も雨が似合う季節になった頃にでも紹介しますね。

『Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)』(1964年)
Les Parapluies De Cherbourg: Highlights (1964 Film)

ヨーロッパ映画サントラの過去記事もご参照下さい。

『7 Uomini D'Oro(Seven Golden Men)』(1965年)
Sette Uomini D'Oro (Seven Gold Men)

『Un Homme Et Une Femme』(1966年)
男と女

『Anna』(1967年)
Anna

『Sesso Matto』(1973年)
セッソ・マット
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2011年02月23日

Adriana Evans『El Camino』

大人の魅力を満喫できる至極のメロウR&B☆Adriana Evans『El Camino』
El Camino
発表年:2007年
ez的ジャンル:バカンス・モード女性メロウR&B
気分は... :大人の魅力で・・・

今日はどうしても大人の女性のR&Bアルバムが聴きたい気分・・・

セレクトしたのは日本で根強い人気を誇るアーバンな女性R&BシンガーAdriana Evansの3rdアルバム『El Camino』(2007年)です。

Adriana Evansの紹介は、デビュー・アルバム『Adriana Evans』(1997年)、4thアルバム『Walking With The Night』(2010年)に続き3回目となります。

昨年リリースした最新作『Walking With The Night』は年末恒例『ezが選ぶ2010年の10枚』にもセレクトした大のお気に入り作品でした。

デビューから一貫している旦那Dred Scott(Jonathan Scott)との共同作業で生み出されるアーバン・メロウ・サウンドは、メイン・ストリームの流行に左右されずマンネリに陥ることもなく作品を重ねるごとに磨きがかかってきています。

Hip-Hopを通過し、ブラジル/ラテンのエッセンスも取り入れた大人のメロウR&Bはモロに日本人好みですよね。大人のメロウR&B好き、ジャジーHip-Hop好き、ブラジル好きの僕にとっては三拍子全て揃った、ど真ん中なアーティストがAdriana Evansです。

前作『Nomadic』(2004年)でオーガニック・ソウル/R&Bの枠からはみ出し、ブラジル・テイスト等の新機軸を打ち出したAdrianaとDred Scottでしたが、その路線を継承しつつ、より自分たちのスタイルの中に馴染ませたのが本作『El Camino』という印象を受けます。

特に本作はアルバム・ジャケそのままにバカンス・モードのメロウ・グルーヴを堪能できます。

まだ2月ですが、個人的理由により今週はバカンス・モードでロマンティック気分に浸りたい気分です・・・

全曲紹介しときやす。

「Undercover」
オススメその1。Dred & Adrianaらしい大人のアーバン・メロウ路線なオープニング。Adrianaが妖しく楽しげなバカンス・ワールドへ誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=sIrTHG3MmWI

「Before You」
オススメその2。Dredらしいグッド・ヴァイヴが伝わってくる1曲。ジャジー&メロウHip-Hop好きにはたまらない素敵なトラックです。
http://www.youtube.com/watch?v=ktmoqHQqe_o

「All For Love」
オススメその3。僕好みのブラジリアン・テイストのメロウ・グルーヴ。大人のロマンチック空間を演出してくれます。素敵なグルーヴに身を委ねたい気分です。
http://www.youtube.com/watch?v=3dNHm9eMirY

「Blue Bird In Bahia」
オススメその4。タイトルから想像できるようにブラジリアン・アコースティック・グルーヴに仕上がっています。サンバのリズムが心地好く響き渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=F5qAJEUCkTM

「Hey Now」
オススメその5。疾走するグルーヴのあまりの心地好さに昇天しそうになります。誰もいない空間を二人だけで駆け抜けたくなります!
http://www.youtube.com/watch?v=dxWudyAblDo

「Never Knew」
美しいメロディをしっとりと歌い上げてくれます。リズムに土着的なテイストを入れているあたりが心憎いですね。

「Same As I Ever Was」
80年代のアーバン・メロウなAOR/フュージョン・テイストを意識した仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=HsUe7SFtIUk

「Underneath The Stars」
オススメその6。ブラジリアン・テイストとDred & AdrianaらしいHip-Hop経由のアーバン・メロウ感覚が上手く融合した仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=AOj_x7KXzDs

「Calling Me」
オススメその7。甘く危険な香りが匂う大人のメロウ・グルーヴに仕上がっています。こんなセクシー・ヴォイスで誘われたら・・・もうヤバいっす!
http://www.youtube.com/watch?v=tKo6saBGqlQ

「Blue Bird」
小粋なジャジー・ソウル・チューン。ネオ・ソウル的なグルーヴが心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=vHROshqYnyw

「World On Fire」
(多分)平和への祈りを込めた社会メッセージ性の高い1曲。真摯な歌声に耳を傾けましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=epCJGrUBJ5g

「El Camino」
タイトル曲は雨音や雷鳴、子供たちの声といった演出も交えたバカンス・モードのアコースティック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=r7DNsYoOYjI

国内盤には「Hey Now(Gota Remix)」「Hey Now(Electric Remix)」「All For Love(Hip Hop Remix)」という3曲のリミックスが追加収録されています。大好きな屋敷豪太氏によるGota Remix、A Tribe Called Quest「Electric Relaxation」を彷彿させるDred Scott本領発揮のElectric Remixということで、僕は迷わず国内盤をゲットしました。

「Hey Now(Gota Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=dk1PpbQ2wPg
「Hey Now(Electric Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=OzfQlvLwtGo

Adriana Evansの他作品もぜひチェックを!

『Adriana Evans』(1997年)
Adriana Evans

『Nomadic』(2004年)
Nomadic

『Walking With The Night』(2010年)
Walking With The Night
posted by ez at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする