2011年02月22日

Gimmicks『Brasilian Samba』

セルメン・フォロワーの最高峰グループ☆Gimmicks『Brasilian Samba』
ブラジリアン・サンバ
発表年:1970年
ez的ジャンル:セルメン・フォロワー系スウェディッシュ・ブラジリアン・ポップ
気分は... :セルメン・フォロワーにヒーハー!

今回はスウェーデン出身のグループGimmicksが1970年にリリースした『Brasilian Samba』です。

今日ではセルメン・フォロワーの最高峰グループの代表作として人気の高い1枚ですね。

Gimmicksは、Sergio Mendes & Brasil'66に夢中になったリーダーのLeif Carlqvistがセルメン・スタイルのボッサ・グループを作ろうと思い立ち、メンバーを集めて60年代後半に結成したグループです。

正確なディスコグラフィがわからないのですが、本作『Brasilian Samba』(1970年)以外に『In Acapulco』(1971年)
『Gimmicks Of Sweden』(1972年)、『Gimmicks』(1973年)、『Music Is What We Like To Play』(1974年)、『... Att Tycka Om』(1975年)、『Simsalabim』(1976年)等のアルバムをリリースしている模様です。
※これらがオリジナル・アルバムなのかは不明です。ご了承下さい。

結成してから何度かのメンバー交代を経て、オランダのレーベルから発売されたアルバムが本作『Brasilian Samba』です。

本作時点のメンバーは、Leif CarlqvistAnita StrandellMay-Britt PerssonPepeTorsten DannenbergRoger Palmの6名。Anita Strandell、May-Britt Perssonという2人の女性ヴォーカルとコーラス&演奏を担当する男性メンバー4名という編成です。

"セルメン・フォロワーの最高峰グループ"の代表作だけあって、全12曲中8曲はSergio Mendesヴァージョンでお馴染みの楽曲であり、全編にわたりセルメン的なポップ&キュートなボッサ・サウンド&コーラスを満喫できます。Sergio Mendes & Brasil'66を少しアップデートしたかたちで聴かせてくれる1枚といったところでしょうか。

特に人気が高いのは、Cafe Apres-midiのコンピに収録されている「Boink (Brazil De Carnival) 」「Roda」の2曲ですが、それ以外も捨て曲ナシの充実作に仕上がっています。ちなみにCafe Apres-midiシリーズには本作収録曲以外にも「「Att Fa Resa」「「Coco-Loco Samba」といったGimmicks作品がチョイスされています。

セルメン好きで未聴の方はぜひチェックしてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「The Joker」
オープニングはSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョン(アルバム『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』収録)でもお馴染みの1曲。オリジナルはミュージカル『The Roar of the Greasepaint-The Smell of the Crowd』(1964年)の挿入歌(Leslie Bricusse/Anthony Newley作品)。当ブログではWes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。基本的にはセルメン・ヴァージョンもアップデートさせた仕上がりです。途中スパニッシュ・テイストのギターが入るあたりがいいですね。

「Walk On By」
Hal David/Burt Bacharach作の名曲(オリジナルはDionne Warwick)をカヴァー。当ブログでは、Cal TjaderAverage White BandGloria GaynorThe Four King CousinsThe CarnivalPucho & The Latin Soul Brothersのカヴァーを紹介済みです。少し切ない雰囲気の仕上がりにグッときます。

「California My Way」
The 5th Dimensionでお馴染みの1曲(Willie Hutch作)。The 5th Dimensionヴァージョンでもお馴染みの♪ドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥドゥ〜♪という特徴的なコーラスも聴くことができます。躍動するドリーミー・コーラスを堪能しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=fxbi2_ODFXY

「Look Of Love」
Dusty Springfieldが1967年にヒットさせたBurt Bacharach作品(映画007シリーズ『Casino Royal』の主題歌)。Sergio Mendes & Brasil'66によるシングルも全米シングル・チャート第4位の大ヒットとなりました(アルバム『Look Around』収録)。当ブログではセルメン以外にDelfonicsによるスウィート・ソウル・カヴァーも紹介済みです。セルメン・ヴァージョンがお好きな人であれば気に入るはずです。

「Constant Rain(Chove Chuva)」
Jorge Ben作品のカヴァー。この曲もSergio Mendes & Brasil'66がシングル・リリースしています(アルバム『Equinox』収録)。セルメン・ヴァージョンよりも少しアップテンポにし、キュートな女性ヴォーカルの魅力をより強調しています。

「Boink (Brazil De Carnival) 」
前述のようにCafe Apres-midiのコンピにも収録された人気曲(Dorival Caymmi作品)。Clementineのスタイリッシュなカヴァーでも人気ですね。軽快なサンバのリズムにのって爽快スキャットが晴れやかに響き渡ります。聴いているだけでハッピー・モードになります!楽しく踊り明かしましょ!
http://www.youtube.com/watch?v=Cv11k_nqXbc

Clementine「Saudades da Bahia (Boink) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=PbOq-9QXsIs

「Bom Bom Bay」
Joao Gilbertoの名曲「Bim Bom」のカヴァー。Sergio Mendes & Brasil'66もカヴァーしていますね(アルバム『Equinox』収録)。セルメン・ヴァージョンのエントリーでも書きましたが、本曲を聴くと、♪ビン・ボム、ビン・ビン・ボム♪の部分を♪ビンボー、ビン・ビンボー♪と貧乏賛歌の鼻歌にしてしまうのが僕の悪い癖です(笑)

「Going Out Of My Head」
Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作品。オリジナルはLittle Anthony & The Imperialsです。Sergio Mendes & Brasil'66『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』でカヴァーしています。セルメン・ヴァージョンをお手本にしたポップで切ない仕上がりにグッときます。

「Look Around」
Sergio Mendes & Brasil'66のアルバム『Look Around』のタイトル曲(Alan Bergman/Marilyn Bergman/Sergio Mendes作)。セルメン・ヴァージョンによりメリハリをつけた仕上がりが素晴らしいですね。この曲の仕上がりは本家を上回っているのでは?

「Dance The Samba」
Vinicius De Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲「So Danco Samba (Jazz 'N' Samba)」のカヴァー。Sergio Mendes & Brasil'66もアルバム『Equinox』でカヴァーしています。当ブログではセルメン以外に当ブログではWanda Sa(Wanda De Sah)Tamba TrioRoberto Menescalのヴァージョンも紹介済みです。ここではお馴染みの名曲を男女コーラスらしい華やかな雰囲気で聴かせてくれます。

「You're My World」
Cilla Blackの1964年のヒット曲をカヴァー(Umberto Bindi/Carl Sigman作)。切ない恋心モードが魅力の楽曲ですが、ここでも雰囲気たっぷりに聴かせてくれます。

「Roda」
ラストは「Boink」同様Cafe Apres-midiのコンピに収録された人気曲(Gilberto Gil/Joao Augusto作品)。アルバム『Look Around』に収録されたSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンも大人気ですね。軽快なテンポのスタイリッシュ・サンバに仕上がっています。思わずハンド・クラッピングしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=vWCMLafL_80

気になる方は他のGimmicks作品もチェックを!

『In Acapulco』(1971年)
イン・アカプルコ

『Gimmicks』(1973年)
ギミックス

とりあえずベスト盤で代表曲をゲットするというのもアリかも?

『The Best of Gimmicks』
Best of
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2011年02月21日

Steve Winwood『Talking Back To The Night』

大ヒット『Arc Of A Diver』に続くワンマン・レコーディング第2弾☆Steve Winwood『Talking Back To The Night』
トーキング・バック・トゥ・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)
発表年:1982年
ez的ジャンル:ワンマン・レコーディング系ブリティッシュ・ロック
気分は... :意識朦朧...

徹夜で作業をしていたので意識朦朧です・・・NBAオールスター・ゲームも最初からチャンネルを合わせていたものの、誰がどんなプレーをしていたのか全く覚えていません。

とりあえず仮眠する前に、最後の力を振り絞って記事アップ!

Steve Winwoodの3rdソロ『Talking Back To The Night』(1982年)です。

Steve Winwoodのソロ作の紹介は『About Time』(2003年)、『Arc Of A Diver』(1980年)に続き3回目となります。

本作は『Arc Of A Diver』の大ヒットを受けて制作された作品でしたが、結果として本人が期待したほどにはヒットしませんでした。

それでも僕がリアルタイムで最も熱心に聴いたWinwood作品が『Talking Back To The Night』です。

本作リリース時は高校生だった僕にとって、『Talking Back To The Night』は成熟した大人のブリティッシュ・ロックという印象がありましたね。

本作『Talking Back To The Night』Joe Jackson『Night And Day』Tom Petty & The Heartbreakers『Long After Dark』Donald Fagen『The Nightfly』Roxy Music『Avalon』あたりが当時(1982年)の僕のロック・アルバム・ベスト5でしたね。

80年代にリアルタイムで愛聴していたロック作品の中には、今の耳で聴くと相当キビしいものも少なくありませんが、この5枚に限っては今でもかなり好きです。

さて、『Talking Back To The Night』ですが、『Arc Of A Diver』に続き殆どWinwoodのワンマン・レコーディングによって制作された作品です。

『Arc Of A Diver』の記事でも書きましたが、大ヒットした『Back In The High Life』(1986年)のようなやり過ぎ感がないシンセ・サウンドがWinwoodのソウルフルなヴォーカルと実にマッチしているのが魅力です。

本作収録曲のうち、「Valerie」「Help Me Angel」「Talking Back to the Night」の3曲は、Tom Lord Algeによるリミックス・ヴァージョンが1987年のベスト盤『Chronicles』に収録され、再シングル化もされました。しかしながら、個人的には3曲共にオリジナル・ヴァージョンの方が断然好きです。

妖しげなナイト・パーティーといった雰囲気のジャケのアートワークもいいですね。

全曲紹介しときやす。

「Valerie」
シングルにもなったオープニング。前述のようにベスト盤『Chronicles』からリミックス・ヴァージョンが再シングル化されヒットしました。リアルタイムで聴いていた頃はカセットで本曲ばかりリピートしていました。今聴いても伸びやかなWinwoodのヴォーカルとムーグ・ソロの音色に相当グッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=anCg5EiB2AM

「Big Girls Walk Away」
ヴォコーダーも駆使したソウルフルなシンセ・ポップ。当時の妻Nicoleがバック・コーラスで参加しています。

「And I Go」
シンセ・サウンドが目立つ本作でオルガンの響きが心地好いWinwoodらしい人肌の温もりを感じるソウルフル・チューン。

「While There's a Candle Burning」
シンセ・サウンドで効果的に盛り上げるバラード。やり過ぎシンセ・サウンドではないのがいいですね。

「Still in the Game」
シングルにもなったキャッチーな仕上がり。「While You See a Chance」あたりと一緒に聴きたくなります。妻Nicoleがバック・コーラスも効果的です。
http://www.youtube.com/watch?v=iHEuRu2Zi28

「It Was Happiness」
Winwoodの素晴らしいヴォーカルを堪能できるシンセAORといった趣のミディアム・スロウ。ジャケのイメージとそのままサウンドにしたような仕上がり!

「Help Me Angel」
久々に聴いて、いいなぁ!と思ったのが本曲。アーシーなサウンド感の中にクラヴィネット&ムーグを巧みに取り入れているのがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=zqFmzVbe_l8

「Talking Back to the Night」
タイトル曲は疾走感が格好良い哀愁モードのシンセ・ポップ。シングルにもなりました。本曲も「Valerie」同様、ベスト盤『Chronicles』からリミックス・ヴァージョンが再シングル化されヒットしました。少し退廃的な雰囲気は本作と同年にリリースされたRoxy Music『Avalon』あたりと共通するかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=47t6M_BKsy0

「There's a River」
ラストは厳かな雰囲気を持ったソウルフル・バラード。地味な曲ですがシングルにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3o_q49o04wk

『Arc Of A Diver』(1980年)
アーク・オブ・ア・ダイバー

『About Time』(2003年)
About Time
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2011年02月20日

Toninho Horta『Harmonia & Vozes』

2010年ラテン・グラミー賞にノミネートされた最新作☆Toninho Horta『Harmonia & Vozes』
アルモニア&ヴォゼス
発表年:2010年
ez的ジャンル:豪華コラボ系MPB
気分は... :救いの手が...

週末だというのに、いろいろな事が一気に週末に集中しパニくってます。
このまま不眠不休の日曜日になりそうな予感・・・またドリンク剤の空瓶の山ができそうです(泣)

ブラジル、ミナス出身の人気ギタリストToninho Hortaの新作『Harmonia & Vozes』です。

これまで当ブログで紹介したToninho Horta作品は以下の3枚。

 『Toninho Horta』(1980年)
 『Diamond Land』(1988年)
 『Moonstone』(1989年)

新作『Harmonia & Vozes』は、2010年ラテン・グラミーの最優秀ブラジリアンポップ(MPB)アルバム賞にノミネートされた作品でありながら、自身のインディペンデント・レーベルからのリリースのため、なかなか日本に流通してこなかったアルバムがようやく入手可能となった模様です。

本作のテーマは"コラボレーション"。Ivan LinsDjavanBeto GuedesSeu JorgeSergio MendesIvete SangaloErasmo Carlosをはじめとする数多くのアーティストとの共演を満喫できる1枚になっています。

Toninho Hortaの創りだす音世界は、いつ聴いても僕の心を浄化してくれます。いつも書きますが、僕にとってはPat Methenyと同じような位置づけのデトックス・ミュージックといった感じですかね。

本作でも大物ブラジル人アーティストから若手アーティストまで、さまざまなアーティストとの共演を楽しみながら、美しくピュアなサウンドで聴く者の心を癒してくれます。

どちらかと言えば、ベテラン・アーティストの新作と聴くと拒否反応を示す僕ですが(特にロック/ソウル系は)、こういうベテラン新作ならば大歓迎です!

パニック状態の日曜を過ごせねばならない僕にとって、救いの手を差し伸べられたような癒しの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「O Amor E Pra Se Amar」
Toninho Hortaらしい瑞々しいオープニング。Pat Methenyに通じるピュアな音世界に魅了されます。クレジットからして女性コーラス隊はHortaファミリーに勢揃いによるもののようです。

「Luz Que Vem Do Ceu」
ブラジルの若手ソウル・シンガーD'blackをフィーチャーした美しいバラード。ジワジワと胸に染み入ってきます。

「Voce Me Trouxe O Sol」
Ivan Linsをフィーチャー。ブラジル音楽界の至宝二人の共演というだけで期待してしまいますね。さり気なく素朴ながらもメロウな仕上がりにグッときます。

「Canto De Fada(Luisa)」
続いてはDjavanをフィーチャー。大物との共演が続きますね。雄大かつ美しいアレンジが印象的です。

「Longe Dentro Da Noite」
メロウ好きにはグッとくる1曲。エレピとアコースティック・ギターの音色に心が洗われます。

「Diana」
元モデルの美人シンガーIvete Sangaloをフィーチャー。1stアルバム『Terra dos Pássaros』に収録されていた名曲の再演です。Ivete Sangaloの艶やかなヴォーカルとToninho Hortaの美しいギターに彩られ、名曲が再び輝きだします。

「Cancao Do Sol E Da Lua」
Yasmin Goncalves & Gabriel Meiraをフィーチャー。時間が一瞬止まったかのようなロマンティックな雰囲気にグッときます。

「Manoel, O Audaz」
Frejat(多分Roberto Frejat)をフィーチャー。『Toninho Horta』収録の名曲を再演しています。円熟ムードの「Manoel, O Audaz」を堪能しましょう。やはりこの曲は名曲ですね。ギター・プレイにも注目です。

「Meu Nome E Que Diz(Nenel)」
ミナスの同胞Beto Guedesをフィーチャー。ミナス好きにはたまらない共演ですね。Pat Metheny的なギター・シンセも飛び出す美しくピュアな音世界に感動しまくりです。

「Tardes Na Thailandia」
エレガントなストリングス・アレンジと美しいギターと優しい歌声でロマンティック・ワールドを演出してくれます。

「Agora Amor, E Com Voce」
Seu Jorge & Sergio Mendesをフィーチャー。アルバムの中でも最もリズミックでコンテンポラリーな仕上がりですね。アルバムで一番のお気に入り曲。たまたま最近Seu Jorge作品を聴く機会が多く、僕の中ではプチ・ブームになっていたのでグッドタイミングな共演です。

「Serenade」
Erasmo Carlosをフィーチャー。ブラジル・ロック第一世代Erasmo Carlosとの共演ですが、アルバムで最もキャッチーな仕上がりかもしれません。素晴らしい!

「Cancao Para Minha Nobre Mae」
美しいギターと素朴な歌声に癒される1曲です。

「Cancao Da Juventude」
Coral Mater Ecclesiae/Jovens Da Orquestra De Violoes Da Escola Estadualをフィーチャー。合唱団を従えた感動的なフィナーレでアルバムは幕を閉じます。

さらにボーナス・トラックとして「Valsa Alegre」「Saudades Do Meu Grande Pai」というインスト2曲が追加収録されています。

Toninho Hortaの過去記事もご参照下さい。

『Toninho Horta』(1980年)
トニーニョ・オルタ

『Diamond Land』(1988年)
ダイアモンド・ランド

『Moonstone』(1989年)
ムーンストーン
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2011年02月19日

The Voices Of East Harlem『The Voices Of East Harlem』

Leroy Hutson等プロデュース!人気曲「Cashing In」収録☆The Voices Of East Harlem『The Voices Of East Harlem』
the voices of east harlem.jpg
発表年:1973年
ez的ジャンル:レアグルーヴ系キッズ・ゴスペル/ソウル
気分は... :羽ばたけ!

N.Y.イーストハーレム出身のゴスペルグループThe Voices Of East Harlem『The Voices Of East Harlem』(1973年)です。

N.Y.イーストハーレムの養護施設で育った子供達を中心に結成されたゴスペル・グループThe Voices Of East Harlemの紹介は、『Right On Be Free』(1970年)に続き2回目です。

本作『The Voices Of East Harlem』(1973年)と『Can You FeeI It?』(1974年)の2枚のアルバムはJust Sunshine Recordsからのリリースです。

プロデュースにはLeroy Hutson/Curtis Mayfield/Rich Tufoの3名がクレジットされていますが、おそらくLeroy Hutsonの貢献が最も大きいのではと思います。

「Cashing In」「Wanted, Dead, Or Alive」というレア・グルーヴ/フリーソウル人気曲がハイライトですが、それ以外の楽曲も充実しておりアルバム全体で楽しめる1枚です。

Gerri Griffinをはじめ、Monica Burress、Elaine Clark、Kevin Griffinといったリード・ヴォーカリストたちの躍動する歌声に歓喜し、励まされ、癒されます。

『Can You FeeI It?』あたりと比較して本作は入手しづらい状況になっていますが、The Voices Of East Harlemの魅力がぎっしり詰まった素晴らしい1枚だと思います。

一歩前へ踏み出す勇気が欲しい時に聴くと励まされるアルバムです!

全曲紹介しときやす。

「Cashing In」
オススメその1。フリーソウル・クラシックとして大人気のオープニング。ピチカート・ファイヴ「万事快調」大好きの僕としてはピアノのイントロを聴いただけで胸が高鳴ります。Gerri Griffinの素晴らしいリード・ヴォーカルと小粋なサウンドにも魅了されます。やはり彼らの作品の中で一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hAuiyH1KJTw

「Just Believe In Me」
オススメその2。軽快なホーン・セクションと共にスタートするグルーヴィー・チューン。聴いているだけでポジティヴな気持ちになれるのが大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=-akbZ49jco4

「Little People」
オススメその3。ファンキーなグルーヴ感が格好良いですね。ファンキー・リズムにストリングス&ホーンが重なり盛り上がるところがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-dME9FkPgyM

「Giving Love」
ラブリー&ピースフルな1曲。傷ついた心を癒してくれるかのような包容力のあるヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ltZ9EclkyM8

「Wanted, Dead, Or Alive」
オススメその4。フリーソウル/レア・グルーヴ人気曲。Curtis Mayfieldテイストのサウンドが印象的なファンキー・グルーヴです。アレンジの素晴らしさに相当グッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=hFpy67mozZw

「Loving You The Way I Do」
優しいヴォーカルで心が洗われます。聴いている方も優しい気持ちになれます!
http://www.youtube.com/watch?v=l7ZKYPe1z3Q

「I Like Having You Around」
オススメその5。Voices Of East Harlemらしい躍動感のあるヴォーカル&コーラスとソウルフルなファンキー・グルーヴが融合した仕上がりが最高!
http://www.youtube.com/watch?v=k0zwMFYeN9w

「Could This Be Love」
ニューソウル的な空気も伝わってくる感動的なグルーヴィー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=HXpEwK1lT0w

「New Vibrations」
ラストは小気味良い合唱でポジティヴに締め括ってくれます。ストリングス&ホーン・アレンジも素晴らしいです!
http://www.youtube.com/watch?v=6AyTCuQ3wIo

何故か僕の保有するCD(95年リリース盤)をiTunesへインポートしたら、曲と曲目が合致せず手動で1曲ずつ訂正するはめに(泣)

『Right On Be Free』(1970年)
Right on Be Free

『Can You FeeI It?』(1974年)
Can You Feel It (Reis)
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2011年02月18日

Jimmy Smith『Midnight Special』

全米ポップ・アルバム・チャート入りした大ヒット作☆Jimmy Smith『Midnight Special』
ミッドナイト・スペシャル
録音年:1960年
ez的ジャンル:ブルージー・オルガン・ジャズ
気分は... :アーセナル対バルセロナ興奮しました!

1日経過してしまいましたが、昨日のサッカーのUEFAチャンピオンズリーグ決勝T1回戦第1戦「アーセナル対バルセロナ」は、僕が世界で最も好きなサッカー・クラブ・チームの対決であり、前夜深酒したにも関わらず早起きして大興奮状態でTV観戦していました。

結果はご存知のとおり、アーセナルが2対1で逆転勝利!
後半途中まではバルサの一方的ペースであっただけに意外な結末でした。僕は素人考えでウォルコットからベントナーへの交代に疑問を感じたのですが、結果的にそこから流れが変わりましたね。さすがはベンゲル監督ですね!

一方、信じられない結果となったバルサですが、アウェーで1得点しての1点差負けですから、ホーム・カンプノウでの強さを考えればそれほど落胆する状況ではないと思います。

第2戦も楽しみですね。

先日、WOWOWのジャズ番組『JAZZ FILE』Jimmy Smithの1969年パリでのパフォーマンスを観ました。

その流れでJimmy Smithが聴きたい気分です。そこでセレクトしたのが1960年録音の『Midnight Special』です。

ジャズ・オルガンの神様Jimmy Smith(1925-2005年)の紹介は『Crazy! Baby』(1960年)、『Root Down』(1972年)に続き3回目となります。

今日紹介する『Midnight Special』(1960年)は、前述の『JAZZ FILE』の中でも司会のピーター・バラカン氏がオススメの作品として紹介していたアルバムです。

また、ジャズ・アルバムが全米ポップ・アルバム・チャートに入るのが珍しかった時代に最高28位を記録した大ヒット・アルバムでもあります。さすがはBlue NoteのオーナーAlfredo Lionが特にご執心であっただけのことはありますね。

レコーディング・メンバーは、Jimmy Smith(org)、Stanley Turrentine(ts)、Kenny Burrell(g)、Donald Bailey(ds)という編成です。やはり、Smith、Turrentine、Burrellという三者の顔合わせが興味をそそりますね。

そして、その期待通りにブルージーな音世界を繰り広げてくれるのが本作の魅力ですね。特にここではStanley Turrentineが主役のSmithに負けない存在感を示してくれます。

"Midnight Special"というタイトルなピッタリな作品だと思います。
真夜中のお酒のお供として最高の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Midnight Special」
タイトル曲はJimmy Smith作。TurrentineのテナーとSmithのオルガンによるブルージー&ソウルフル気分を満喫できるオープニング。抑えた序盤からジワジワと来る感じがたまりませんね。まさにミッドナイトに聴きたい演奏です!
http://www.youtube.com/watch?v=W_6TM2VifwE

「A Subtle One」
Stanley Turrentine作。ブルージーな中にも軽快さがあるのがいいですね。本作におけるSmithとTurrentineの相性は抜群ですが、本曲でもTurrentineとSmithの良いコンビネーションが覗えます。
http://www.youtube.com/watch?v=bU5TzY9-wBI

「Jumpin' The Blues」
Charlie Parker/Jay McShann/Walter Brown作。疾走感でいけば本曲ですね。Smithのオルガンも絶好調でオルガン・ジャズらしいドライヴ感を堪能できます。ここまで少し控えめであったBurrellのギターも本領発揮です。
http://www.youtube.com/watch?v=lRrcLmL0MZ0

「Why Was I Born」
舞台「Sweet Adeline」のために書かれたOscar Hammerstein II/Jerome Kern作のスタンダードをカヴァー。当ブログでは以前にKenny BurrellとJohn Coltraneの共演作『Kenny Burrell & John Coltrane』のヴァージョンも紹介しています。美しいバラードとしてお馴染みの楽曲ですが、本ヴァージョンでも素晴らしいバラード演奏を堪能できます。ここでの主役はTurrentine。Smithのオルガンをバックにが男の哀愁漂うテナーで魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rhAOwVAjqmc

「One O'Clock Jump」
ラストはCount Basie作品。小粋なセンスが光るオルガン・ジャズらしい演奏が大好きです。Smith、Turrentine、Burrellの三者のソロも楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=TexKKyXK_28

Jimmy Smithの過去記事もご参照下さい。

『Crazy! Baby』(1960年)
クレイジー・ベイビー

『Root Down』(1972年)
ルート・ダウン
posted by ez at 11:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする