発表年:2000年
ez的ジャンル:シカゴ系ヒューマン・エクスペリメンタル・ポップ
気分は... :長友やったれ!
サッカーアジア杯決勝から数日が経ちますが、まだ盛り上がっていますね。
まさか長友がインテルへ移籍するとは思いませんでした。いくらアジア杯での大活躍があったとはいえ、移籍はシーズン終了もしくはユーヴェあたりへの移籍だと思っていたのですが・・・かなりサプライズでした。インテルでどの程度出場機会に恵まれるのかはビミョーですが、監督がレオナルドというのはラッキーかもしれませんね。
W杯後一気に海外でプレーする日本人選手が増え、気づけば海外プレー選手のみで代表先発メンバーが組める状況ですよね。その意味ではザック監督が要望するように、欧州で代表合宿を行い、強豪国とお互い良いコンディションで対戦するというは現実的な強化策という気がします。
W杯直前の日本代表の状況を思い出すと、約半年でよくここまで状況が好転したなぁ、という気がしますよね。
さて、今回はFrank & JohnのNavin兄弟を中心にしたシカゴのエクスペリメンタルなポップ・グループThe Aluminum Groupの4thアルバム『Pelo』です。
The Aluminum Groupの紹介は、3rdアルバム『Pedals』(1999年)
5thアルバム『Happyness』(2002年)に続き2回目となります。
『Pelo』は、レーベルを従来のMinty FreshからHefty Recordsへ移籍してのリリースとなった作品です。
シカゴ音響派の最重要人物Jim O'Rourkeがプロデュースした前作『Pedals』で、シカゴ音響派へグッと近づいたThe Aluminum Groupですが、本作は同じくシカゴ音響派を代表するグループTortoiseのメンバーが大挙参加しています。
その意味ではThe Aluminum GroupとTortoiseのコラボ作品といった色合いが強いのかもしれません。
Tortoise/Isotope 217のJohn Herndonがプロデュースし、
Tortoise/The Sea And CakeのJohn McEntireが共同プロデュースで加わっています。さらにTortoise/BrokebackのDoug McCombs、TortoiseのJeff Parkerが参加しています。それ以外にも前作に続きChicago Underground Orchestra/Chicago Underground DuoのRob Mazurekも参加しています。
当時は共同プロデューサーのJohn McEntireばかりに注目していましたが、サウンドの鍵を握っていたのはプロデューサーJohn Herndonです。
前作以上にポストロック感は強まりましたが、The Aluminum Groupならではの美しいメロディも健在です。その意味では、The Aluminum Groupらしいヒューマンな温かさと、Tortoiseらしいポストロックなエクスペリメンタル感をうまく融合することに成功していると思います。
彼らの持つヒューマンでドリーミーだけどエクスペリメンタルでシニカルなポップ・ワールドは一度ハマると病みつきになります。
全曲紹介しときやす。
「Pussycat」
オススメその1。ノスタルジックなメロディとアコースティックな響きとエレクトロなリズムが 相俟って、近未来感とノスタルジー感が同居する独特のドリーミー・ポップを聴かせてくれます。エクスペリメンタルなんだけど聴きやすいのがThe Aluminum Groupの心憎いところですね。
「If You've Got A Lover, You've Got A Life」
哀愁サウンドが立体的な音空間を縦横無尽に駆け巡ります。本作の特徴である立体的なサウンドを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=aWju01BOnUo
「Goodbye Goldfish, Hi Piranha」
ノスタルジックな哀愁サウンドは映画のサントラのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=kLIphGoahYo
「Worrying Kind」
オススメその2。The Aluminum Groupらしいヴォーカル&メロディ全開の1曲。The Aluminum Groupの魅力をJohn Herndonが上手く引き出している1曲だと思います。
「Satellite」
オススメその3。人力ドラムン・ベースのリズムをバックに、The Aluminum Groupならではの美しいメロディが見事に融合した1曲。クラブ・ミュージック好きの人は興味深く聴くことができるのでは?
「Cannot Make You Out」
オススメその4。女性ヴォーカルをフィーチャーしたドリーミー・ポップ。爽やかな疾走感の中に隠し味程度にポストロック感があるのがいいですね。 きっと欧州の女性ジャジー・ポップが好きな人は気に入ると思います。
「Tom Of Finland (An Homage)」
この曲は エクスペリメンタル感を前面に出した仕上がりです。こうしたヒネくれた曲がないとThe Aluminum Groupらしくないですよね。
「Pussy Reprise」
インタールード的な1曲。フランス映画のサントラとかにありそう。
「Geraldine」
ヴァイヴの響きが落ち着くなんて思って聴いていると、次第にエレクトロ・ワールドへ・・・マッタリ感が魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=x4IGNztQL6c
「Sermon To The Frogs」
淡々とした中にもヒューマンな温もりを感じます。
国内盤には「If You've Got A Lover, You've Got A Life' (Stewart Walker Remix)」、「If You've Got A Lover, You've Got A Life' (Slicker Remix)」、「Next Time (Slicker Meets The Aluminum Group)」の3曲がボーナス・トラックとして収録されています。よりクラブ仕様のサウンドを楽しみたい方は国内盤をどうぞ!
『Pedals』(1999年)
『Happyness』(2002年)