2011年02月05日

Georgie Fame『Going Home』

芳醇な味わいが加わったグルーヴィー・ポップ☆Georgie Fame『Going Home』
ゴーイング・ホーム(紙ジャケット仕様)
発表年:1971年
ez的ジャンル:ブリティッシュ・グルーヴィー・ポップ
気分は... :家に帰れば・・・

仕事の忙しさに体調不良が加わり、ここ1〜2週間は記事を書くのにアップアップ状態です。セルフ・マネジメントに四苦八苦するようでは個人事業者として失格ですね。言い訳せずに頑張りマ〜ス!

今回はサバービア好きに人気の1枚Georgie Fame『Going Home』(1971年)です。

ジャケの雰囲気からして、今の時期に聴きたい1枚ですね。

Georgie Fame(本名:Clive Powell)は1943年イギリス、ランカシャー生まれのキーボード奏者/シンガー。

16歳のときにEddie Cochran、Gene VincentのUKツアーのピアニストに抜擢され、さらにはBilly FuryのバックバンドThe Blue Flamesに参加します。その後、The Blue Flamesを自身のバンドとして発展させ、Georgie Fame & The Blue Flamesとしてロンドンのフラミンゴ・クラブを中心に勢力的なライヴ活動を展開します。

当初はピアノを演奏していたFameでしたが、Jimmy Smith、Booker T. & the M.G.'s等の影響でオルガンを演奏するようになります。1965年にはシングル「Yeh Yeh」をUKチャートNo.1へ送り込み、オルガンをフィーチャーしたグルーヴィー&ヒップなR&Bサウンドでロンドンを熱狂させました。

「Yeh Yeh」
http://www.youtube.com/watch?v=CQ9nvljscEk

その後も「Getaway」「The Ballad of Bonnie and Clyde」といったUKチャートNo.1ヒットを生み出し、スウィンギング・ロンドンの狂騒の中で高い人気を誇りました。

70年代、80年代は不遇の時代が続きましたが、90年代にはVan MorrisonBen Sidranらとの交流を深めていきます。

どうしても大ヒット曲「Yeh Yeh」をはじめとする、スウィンギング・ロンドンの人気アーティストというイメージが強い人ですよね。実際、彼の活動のピークは1967年頃までであり、その後は不遇の時代を過ごしています。

今日紹介する『Going Home』(1971年)もそんな不遇時代の1枚ですが、人気コンピCafe Apres-midiに本作収録の「Happiness」が収録されたことでアルバム自体も注目されるようになりました。

ジャケの雰囲気そのままに、スウィンギング・ロンドン時代のグルーヴィー・ポップに芳醇な味わいが加わった印象の1枚です。

「Happiness」以外に、「Peaceful」(Kenny Rankinのカヴァー)、「Stormy」(Classics IVのカヴァー)あたりもグッとくるはずですよ!

プロデュースはKeith Mansfield/Martin Clarke。

円熟したブリティッシュ・グルーヴィー・ポップを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「I Believe In Love」
オープニングはピースフルなヤング・ソウル・チューン。小粋なエレピの音色とパーカッシヴなリズムとストリングスが印象的です。Scott English/Rosetta Hightower作。

「It Won't Hurt To Try It」
K. Allen作。優しくもちょっぴり切ないヴォーカル&サウンドにグッとくる1曲。

「Going Home」
タイトル曲はギリス人シンガー・ソングライターGary Bensonの作品。Gary Bensonは、Olivia Newton-John、Andy Gibb、The Shadows等数多くのアーティストがカヴァーした名曲「Don't Throw It All Away」で有名ですね。Gary Benson自身のヴァージョンは正規発売されなかった幻の1stアルバム『Reunion』(1970年)に収録されています。本ヴァージョンは大人のビターな味わいが隠し味の爽快ドリーミー・ポップ・チューンといったところでしょうか。

「Easy Lovin', Easy Livin'」
Valerie Avon/Harold Spiro作。元The Avonsのメンバー Valerie Avon作による王道ポップといった感じです。

「Sister Jane」
Roger earl Okin作。クラシカルなストリングスの効いた英国ポップらしい仕上がり。

「Peaceful」
Kenny Rankinの名曲カヴァー。美しいKenny Rankinヴァージョンも素晴らしいですが、よりリズミックな本ヴァージョンもキャッチーで魅力的です。
http://www.youtube.com/watch?v=v995yRJzWVQ

「Happiness」
今日的には本作のハイライトなのでは?前述のとおり、Cafe Apres-midiのコンピにも収録された人気曲。Little Anthony and the Imperials等への楽曲提供で知られるTeddy RandazzoとVictoria Pikeの共作。ポジティヴな雰囲気に溢れた躍動感にグッとくるグルーヴィー・ポップ!♪ハッピィ〜ネェ〜エス♪イェ・イェ・イェ〜イ♪

「Children Of My Mind」
Elton Johnへの一連の楽曲提供で有名なGary Osborneの作品。味わい深い1曲に仕上がっています。

「Lay Me Down」
P. Pickett作。ピアノとオルガンの織り成す荘厳な雰囲気にグッとくる感動バラード。

「Pass It Around」
Kenny Young作。リラックスした雰囲気とパーカッシヴなリズムが心地好い1曲。

「Foolish Child」
Gary Osborneの作品の2曲目。2曲ともChildがテーマになっているのが興味深いですね。派手さはありませんが、伝わってきます!

「Stormy」
ラストはClassics IVの名曲カヴァー(Buddy Buie/J.R. Cobb作)。当ブログではCafe Apres-midiのコンピにも収録されているThird Waveのドリーミー・カヴァーやReuben Wilsonのカヴァーも紹介済みです。本ヴァージョンもメロウなグルーヴ感にグッとくる好カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=IoEzGtKJF4c

興味のある方は他のGeorgie Fame作品もチェックを!

『Rhythm and Blues at the Flamingo』(1964年)
リズム・アンド・ブルース・アット・ザ・フラミンゴ+10(紙ジャケット仕様)

『Fame at Last』(1965年)
フェイム・アット・ラスト+9(紙ジャケット仕様)

『Sweet Things』(1966年)
スウィート・シング+10(紙ジャケット仕様)

『The Two Faces of Fame』(1967年)
Two Faces of Fame

『The Third Face of Fame』(1968年)
ザ・サード・フェイス・オブ・フェイム(紙ジャケット仕様)

『Seventh Son』(1969年)
セヴンス・サン(紙ジャケット仕様)

『Shorty Featuring Georgie Fame』(1970年)
ショーティ・フィーチャリング・ジョージィ・フェイム(紙ジャケット仕様)

Fame and Price, Price and Fame『Together!』(1971年)
※Alan Priceとの共演作
Together

『Georgie Fame』(1974年)
ジョージィ・フェイム(紙ジャケット仕様)

コンパクトなベスト盤『20 Beat Classics』も便利だと思います。僕も長い間、愛聴しています。

『20 Beat Classics』
20 ビート・クラシックス
posted by ez at 13:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする