2011年02月06日

Janelle Monae『The ArchAndroid』

近未来ディーヴァによるハイパーR&B☆Janelle Monae『The ArchAndroid』
The Archandroid
発表年:2010年
ez的ジャンル:近未来ディーヴァ系ハイパーR&B
気分は... :沈黙は金なり・・・

6日(日本時間7日)はNFLスーパーボウル、13日(日本時間14日)はグラミー賞と週末に大きなイベントが続きますね。

スーパーボウルについては明日のエントリーで直前予想したいと思います。

一方のグラミー賞ですが、最近は「誰が受賞するのか」といったこと自体には殆ど関心がなく、「どんなアーティストがパフォーマンスするか」を楽しみにしています。

そんな中、ざっと各部門のノミネート作品を眺めていたら、Best Contemporary R&B AlbumにノミネートされているJanelle Monaeのデビュー・アルバム『The ArchAndroid』(2010年)を、当ブログで未紹介であったことを思い出し、慌てて紹介することにしました。

当ブログで紹介した作品で言えば、B.o.B『B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray』(2010年)にも参加しているので、そちらで名前をご存知の方もいるのでは?

本当はもっと早く紹介しておくべき作品だったのですが、何となく機会を逸していたのでグラミーを前に紹介しておきたいと思います。

Janelle Monaeは1985年カンザスシティ生まれ。

OutkastのBig Boiに見出され、Big Boi Presents Purple Ribbon Allstars『Got Purp? Vol. II』(2005年)、OutKast『Idlewild』(2006年)などでフィーチャーされたことで、Janelle Monaeの名前が徐々に知られるようになります。

2008年にはDiddyのBad Boy EntertainmentからEP『Metropolis: The Chase Suite』をリリースし、グラミー賞にノミネートされるなど各方面で高い評価を受けました。そして、自信を深めたJanelleが満を持してBad Boy Entertainmentからリリースしたデビュー・アルバムが本作『The ArchAndroid』(2010年)です。

EP『Metropolis: The Chase Suite』の続編と呼べるアルバムであり、2719年生まれの主人公(Janelle Monae)がある事 件に巻き込まれ21世紀に連れてこられたが、28世紀にいるJanelleのDNAを受け継いだアンドロイドCindi Mayweatherが秘密組織からメトロポリスに住む人々を解放するという、SFストーリーを持った作品に仕上がっています。

アルバム・ジャケは、SFワールドの近未来アンドロイド・ディーヴァといった趣ですが、普段はリーゼントにスーツ・スタイルという個性的なファッションで注目されています。

肝心のサウンド面も実に個性的でハイパーです。R&B/ソウル/ファンク、ロック、ジャズ、クラシック、映画音楽、テクノ、ワールド等さまざまな音楽のエッセンスを近未来的なセンスで融合ししたハイパー・ミュージックとして見事にまとめ上げています。

Sean "Diddy" CombsBig Boiという大御所二人がエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ね、実質的なプロデュースはJanelle本人、Nate "Rocket" Wonder、Chuck Lightningらが務めています。

おそらく本作がBest Contemporary R&B Albumを受賞する可能性は低いと思いますが、2010年を代表する女性R&B作品としてゲットしておくべき1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Suite II Overture」
大作映画を観ているかのような壮大なプロローグ。

「Dance Or Die」
Saul Williamsをフィーチャー。本作らしい近未来のハイパー感が支配するアフロ・ビートなアッパー・チューン。Saul Williamsに合わせるように、Janelleのヴォーカルもポエトリー・リーディング風です。
http://www.youtube.com/watch?v=9dyxNx5NEPU

「Faster」
「Dance Or Die」からシームレスに続くファンキーなアッパー・チューン。エレクトロ・サウンドとアフリカン・リズムも上手く融合させています。
http://www.youtube.com/watch?v=AM2Ha7-NxFc

「Locked Inside」
当ブログのタイトルにもなっているStevie Wonder『Music Of My Mind』のアルバム・ジャケのサングラスにインスパイアされた楽曲なのだとか。そう言われれば、部分的にStevie風のメロディが聴こえるかも???全体的にはシングル向きのポップなダンス・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Y60ldycdsVY

「Sir Greendown」
ディズニーとサルバトーレ・ダリからインスパイアされた楽曲。確かにドリーミー&アーティスティックな雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=sE_LFrmvZ_s

「Cold War」
アルバムからの2ndシングル。ハイパーなクロスオーヴァー感にOutkast風のスパイスが効いたアッパー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=lqmORiHNtN4

「Tightrope」
アルバムからのリード・シングル。後見人Big Boiがフィーチャーされています。近未来ノーザン・ダンサーといった雰囲気の小気味良さが魅力ですね。いかにもBig Boiの秘蔵っ子って雰囲気が漂う勢いのある1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=pwnefUaKCbc

アルバムには未収録ですが、B.o.BLupe Fiascoが参加のリミックス(Wondamix)も話題になりました。

「Tightrope (Wondamix)」
http://www.youtube.com/watch?v=_GlpeFqMLZI

「Neon Gumbo」
インタールード的な小曲。

「Oh, Maker」
それまでのムードとはガラっと変わった近未来フォーキー・チューン。ハイパー感の中にアコースティック・サウンドを上手く溶け込ませています。
http://www.youtube.com/watch?v=azd3xD_1h-c

「Come Alive (The War Of The Roses)」
ハイパー・ロカビリーといった趣のロック色の強い1曲。Janelleの奇抜なヘア・スタイルにぴったりな1曲(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=mxvEn9wNkBQ

「Mushrooms & Roses」
エフェクトをかけたアンドロイドのようなリード・ヴォーカルが本作らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=lV2-VyTyWVg

「Suite III Overture」
映画音楽のような繋ぎの小曲。

「Neon Valley Street」
美しいメロディ&アレンジとしっとりとしたJanelleのヴォーカルが印象的なミディアム・スロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=bZhrBB0FNQ4

「Make The Bus」
インディー・ロック・バンドOf Montrealをフィーチャー。本作らしいミクスチャー感が反映された1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6LzIoqUfOBI

「Wondaland」
ハイパーなドリーミー感が心地好い1曲。宇宙旅行しながら聴きたい(?)1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Xlo4oYaF4YE

「57821」
Deep Cottonをフィーチャー。ワルツ調の美しいアコースティック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=4yQgciCLaWU

「Say You'll Go」
美しい音世界に魅了される1曲。エンディングが近いことを予感させます。
http://www.youtube.com/watch?v=AhcOiIll3BM

「BabopbyeYa」
ラストは映画サントラとハイパー・サウンドが合体したかのようなスケールの大きな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=z6QyGq982tQ

興味のある方はEP『Metropolis: The Chase Suite』(2008年)もどうぞ!

『Metropolis: The Chase Suite』(2008年)
Metropolis: The Chase Suite (Spec)
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする