発表年:2004年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :水が飲みたい・・・
今日は午前中に検査なので、それまでは断食断水せねばなりません。
う〜ん苦しい・・・
今回はクラブジャズの牽引者Nicola Conteが2004年にリリースした『Other Directions』です。
イタリアを代表するクラブジャズ・レーベルSchemaの看板プロデューサー/アーティストNicola Conteの紹介は、『Rituals』(2008年)に続き2回目となります。
本作はBlue Noteからリリースされた作品であり、従来のラウンジ色は薄まり、より本格的なジャズ作品に仕上がっています。
Nicola Conte本人はプロデュース、ギターを担当し、カヴァー2曲以外のソングライティングも手掛けています。
レコーディングには、Fabrizio Bosso(tp)、Pietro Lussu(p)、Pietro Ciancaglini(b)、Lorenzo Tucci(ds)といったHigh Five、LTCのメンバーや、Daniele Scannapieco(ts)、Gianluca Petrella (tb)等名うてのイタリア人ジャズ・ミュージシャンがバックを固め、"現代のChet Baker"として人気のドイツ人トランペット奏者/シンガーTill Bronnerも参加しています。
また、全12曲中9曲がヴォーカル入りであり、Till Bronner、西ロンドンの歌姫Bembe Segue、ドイツ人女性ヴォーカリストLisa Bassenge、Cristina Zavalloni、Lucia Minettiといった多彩なヴォーカリストが参加しています。特にBembe Segueは、Mark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』、Jazzanova『Of All The Things』といった当ブログで紹介した作品でもフィーチャーされています。
コンパクトなかたちでNicola Conteというアーティストのセンスやイタリアのクラブジャズを満喫できる1枚に仕上がっています。
最初に聴くNicola Conte作品としては本作が最適かもしれません。
全曲紹介しときやす。
「Sea And Sand」
Till Bronnerのヴォーカル&トランペットをフィーチャー。男の哀愁漂う黄昏チューンにグッときます。Pierpaolo Bisognoのボンゴが全体にアクセントをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=yaI-5dzbmx4
「Wanin Moon」
オススメその1。西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャー。彼女の個性的なヴォーカルを活かしたワルツ・チューンに仕上がっています。ピアノのLussu、テナー・サックスのDaniele Scannapieco、トランペットのBossoがそれぞれ雰囲気のあるソロを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ol6ryxCNCnQ
「Nefertiti」
オススメその2。クラブジャズ好きならば間違いない1曲。Lorenzo Tucciの叩き出す波動のようなリズムとBossoのトランペットに魅了されます。危うさと華やかさが背中合わせな雰囲気が好きです。Cristina Zavalloniのスキャットが彩りを添えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ys89gzpNHTY
「Impulso」
スリリングに疾走するインスト・チューン。Pietro Ciancagliniの超カッチョ良いベースだけ集中して聴くのが好きだったりします。
「A Time For Spring」
オススメその3。Lisa Bassenge Trio、Micatone、Nylonの活動で知られるドイツ人女性ヴォーカリストLisa Bassengeをフィーチャー。彼女は今年新作『Nur Fort』をリリースしたばかりですね。大人の色気が香る妖艶なワルツ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=y09hRqt88Rc
「Kind Of Sunshine」
オススメその4。Lucia Minettiの女性ヴォーカルをフィーチャー。Ciancaglini & Tucciのリズム隊が支配するフロアライクなNu Jazzチューンです。Gianluca Petrella、Daniele Scannapieco、Bossoの三管も盛り上げてくれまうs。
http://www.youtube.com/watch?v=_NdIRja-Kzc
「Aphrodite's Dream」
エレガントな雰囲気がいいですね。特にBossoのフリューゲル・ホーンがそそります。
「Several Shades Of Dawn」
Bembe Segueをフィーチャー。妖しげな雰囲気はスパイ映画のサントラとかにハマりそうですね。
「The Dharma Bums」
オススメその5。クラブジャズ好きにとっては本作のハイライトかもしれませんね。Till BronnerとLucia Minettiの男女スキャットをフィーチャーしたスタイリッシュなボッサ・ジャズです。
http://www.youtube.com/watch?v=W_2zA1Be57M
「All Gone」
オススメその6。1963年の映画『The Servant(邦題:召使)』のために書かれた楽曲のカヴァー(John Dankworth作)。Lisa Bassengeのヴォーカルをフィーチャーした、実に気の利いたワルツ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=SbXH_TUDwts
「Other Directions」
オススメその7。タイトル曲は清々しささえ漂うストレート・アヘッドな仕上がりです。聴いていてスカッとした気分になります。
「The In-Between」
オススメその8。Lucia Minettiのヴォーカルをフィーチャー。ボッサ・ジャズと4ビート・ジャズが交錯するエレガントな仕上がりです。
「Le Depart」
ラストは1967年の映画『Le Depart(邦題:出発)』のために書かれた楽曲をカヴァー(Krzysztof Komeda作)。Cristina Zavalloniのヴォーカルをフィーチャーした哀愁バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=fvSxTWEx5yA
未聴の方はNicola Conteの他作品もチェックを!
『Jet Sounds』(2000年)
『Bossa Per Due』(2001年)
『Jet Sounds Revisited』(2001年)
『Rituals』(2008年)
水飲みてぇ〜