2011年02月11日

Mike James Kirkland『Hang On In There』

ニューソウル裏名盤として名高い1枚☆Mike James Kirkland『Hang On In There』
ハング・オン・イン・ゼア(紙ジャケット仕様)
発表年:1972年
ez的ジャンル:アンダーグラウンド・ニューソウル
気分は... :『What's Going On』好きにはたまりません!

今回はニューソウル裏名盤Mike James Kirkland『Hang On In There』(1972年)です。

レア・グルーヴ/フリーソウル名盤としても人気の高い作品ですね。昨年話題となったJohn Legend & The Rootsによるニューソウル・カヴァー・アルバム『Wake Up!』でもタイトル曲が取り上げられていたので、そちらでMike James Kirklandの名前や本作を知った方もいらっしゃるのでは?

John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
Wake Up

Mike James Kirklandは1949年ミシシッピ州ヤズー生まれ。

60年代半ばにL.A.へ家族で移住してきたMikeは、兄Bob KirklandらとMike & The Censationsというグループを立ち上げ、リードシンガーとして活動するようになります。

Mike & The Censationsは、1965年の「Victim Of Circumstance」を皮切りに60年代後半まで6〜7枚のシングルをリリースしています。

1970年にソロとして独立したMikeは、1971年にシングル「Together/The Prophet」をリリースします。その後2枚のソロ・アルバム『Hang On In There』(1972年)、『Doin' It Right』(1973年)と、Bo Kirkland 名義でRuth Davisとのデュエット・アルバムBo Kirkland & Ruth Davis『Bo & Ruth』(1976年)をリリースしています。

今回紹介する1stアルバム『Hang On In There』(1972年)は、今日ではニューソウル裏名盤として知られていますが、当時は全く売れなかった作品だったようです。

レコーディングには、1971年のシングル「Together/The Prophet」のセッションに参加していたAl McKay(後にEW&Fへ)、James Gadson、Bernard BlackmonといったCharles Wright & The Watts 103rd St Rhythm Bandの面々らが参加しており、兄Bob Kirklandがプロデュース、The Watts 103rd St Rhythm BandのRay Jacksonがアレンジを担当しています。

オリジナルLPのA面には[Peace]、B面には[Love]というタイトルが付けられていますが、Marvin Gaye『What's Going On』Curtis Mayfield『Back To The World』あたりと一緒に聴きたくなる感動的なA面[Peace]の流れが本作の魅力だと思います。

『What's Going On』の二番煎じと言われてしまえばそれまでですが、『What's Going On』に触発されたアンダーグラウンド作品として実に聴き応えのある1枚に仕上がっていると思います。

『What's Going On』好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「What Have We Done」
レア・グルーヴ・ファンに人気のオープニング曲。格好良さで言えば、アルバムで一番かもしれませんね。パーカッシヴなグルーヴ感と不穏な緊張感を醸し出すフルートやストリングスが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=AkrK8g0886c

「Where's The Soul Of Man?」
前曲「What Have We Done」からの流れににグッときます。傷ついた心を優しく包み込んでくれるかのようなピースフル・グルーヴは感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=IIEVlvbLIvA

「Hang On In There」
タイトル曲は9分近くの大作です。Marvin Gaye『What's Going On』を9分に凝縮した組曲風の仕上がりです。全体を支配するどんよりとしたブルージー感が印象的ですね。。Ugly Duckling「I Did It Like This」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Iz0WZmQN4Z4

ここまでは[Peace]と題されたオリジナルLPのA面です。

「Baby I Need Your Loving」
[Love]と題されたオリジナルLPのB面トップはThe Four Topsの1964年ヒット曲をカヴァー。女性コーラスを従え、愛に満ちたソウルを聴かせてくれます。

「Give It To Me」
自由で前向きな雰囲気が心地好いウォーミー・グルーヴ。程よいパーカッシヴ感と華やかな女性コーラスがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=mPh0yg8dSMY

「Blota Blota」
じわじわと込み上げてくるバラード。Mikeの抑えつつも情感豊かなヴォーカルがいいですね。

「You're Gonna Share Your Love」
解放的なグルーヴ感と鮮やかなホーン&ストリングスが印象的なミッド・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=6KRwoOOuWfA

「It's Alright With Me」
ラストはメロウな味わいが魅力のミッド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=SLViKwMkDQA

CDには「The Prophet」「Together」「Love Is」というシングルのみの収録だった3曲が追加されています。

「The Prophet」
http://www.youtube.com/watch?v=kUmpHu-2D8A

興味がある方は他のMike James Kirkland作品もチェックしてみて下さい。

『Doin' It Right』(1973年)
ドゥーイン・イット・ライト(紙ジャケット仕様)

Bo Kirkland & Ruth Davis『Bo & Ruth』(1976年)
BO AND RUTH LP
posted by ez at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする