2011年02月12日

Marcos Valle『Samba '68』

米国録音の初期名作!☆Marcos Valle『Samba '68』
サンバ’68
発表年:1968年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :冬でもサンバ!

ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valleの初期の名作『Samba '68』(1968年)です。

アルバム・タイトル的には夏かもしれませんが、タートルネックに身を包むMarcosが写るジャケを眺めると冬に聴きたくなるアルバムです。

当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の5枚。

 『Vento Sul』(1972年)
 『Previsao Do Tempo』(1973年)
 『Vontade De Rever Voce』(1981年)
 『Pagina Central』(2009年) ※Celso Fonsecaとの共演作
 『Esphera』(2010年)

1964年にデビューを果たし、本国ブラジルで成功を収めたMarcosは米国進出していたSergio Mendesから声を掛けられ渡米します。

結局、Sergio Mendesとの活動は短期間で終わった模様ですが、米国に拠点を残したままソロ活動を再開します。こうして米国マーケットを意識して制作された米国録音アルバムが本作『Samba '68』(1968年)であり、全編英語で歌われています。

また、全編にわたり奥方Anamaria Valle(vo)が参加しており、MarcosとAnamariaの夫婦アルバムと呼んでもいいかもしれません。内容的にはMarcosの初期名曲をMarcos & Anamariaの夫婦ヴォーカルで満喫できる魅力的な1枚に仕上がっています。また、Eumir Deodatoがアレンジを担当しており、作品の魅力を高めています。

Marcos Valleに関しては、70年代前半のアルバムへの関心が高いのですが、そうした作品へ辿り着く前の初期作品もブラジル最高のメロディ・メーカーの原点として外せないですよね。その意味で本作『Samba '68』は、「So Nice (Summer Samba)」「Batucada」をはじめとする名曲をコンパクトに堪能できる1枚だと思います。

全編英語という点に抵抗があるブラジル音楽好きの方もいるかもしれませんが、素晴らしいメロディとMarcos & Anamariaの爽快ヴォーカルのおかげでそれほど気にならないと思います。

Marcos入門編のオリジナル作品としても最適なのでは?

全曲紹介しときやす。

「The Answer」
オススメその1。♪チュルルル・チュ・チュル〜♪という歌いだしが印象的なオープニング。MarcosとAnamariaの息の合ったラブリーな歌声が爽やかな風を吹き込んでくれます。

「Crickets Sing For Anamaria」
オススメその2。軽快なテンポで疾走するサンバ・チューン。リズミックなサウンドがお好きな人にはオススメ!以前にWalter Wanderleyヴァージョンも紹介済みです。
http://www.youtube.com/watch?v=4BB4MWvpTTo

「So Nice (Summer Samba)」
オススメその3。Walter Wanderleyのヒットでもお馴染みの名曲です。初レコーディング・ヴァージョンは『O Compositor E O Cantor』(1965年)収録。当ブログではWalter Wanderley以外に、Astrud Gilberto/Walter Wanderley TrioBebel Gilbertoのヴァージョンも紹介済みです。ここでは寛いだ雰囲気で聴かせてくれます。Eumir Deodatoによるストリングス・アレンジもグッド!

「Chup Chup, I Got Away」
オススメその4。ブラジル音楽ファンならずとも楽しめるメロディアスな1曲。Marcosのメロディ・メイカーぶりを再認識できると思います。休日にゆっくりしながら聴きたい気分の1局ですね。

「If You Went Away」
ブラジルの音楽賞を受賞した名曲。哀愁モードのバラード。気品に溢れる演奏が印象的です。

「Pepino Beach」
MarcosとAnamariaのスキャットが駆け巡る軽快なグルーヴ感が魅力の1曲。

「She Told Me, She Told Me」
オススメその5。ここではAnamariaを主役に据え、Marcosがコーラスでサポートしています。美しくロマンティックな1曲に仕上がっています。

「It's Time To Sing」
オススメその6。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。今聴いても全く鮮度が失われていないミラクルなサンバ・グルーヴだと思います。当ブログではWalter Wanderleyヴァージョンも紹介済みです。

「Batucada」
オススメその7。お馴染みの名曲ですね。当ブログではWalter WanderleySergio Mendes & Brasil'66のカヴァーを紹介済みです。日本人はCMで使われたbirdのヴァージョンでご存知の方も多いのでは?ここではMarcos & Anamariaの瑞々しい歌声が心地好い爽快アコースティック・グルーヴで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=pyOpt-ARRec

「The Face I Love」
オススメその8。ワルツ調のリズムがエレガントな雰囲気を醸し出すEumir Deodatoのアレンジ・センスが光ります。Anamariaのキュートな歌声を堪能できる1曲でもあります。

「Safely In Your Arms」
ラストはロマンティックな雰囲気で締め括ってくれます。

Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。

『Vento Sul』(1972年)
ヴェント・スル

『Previsao Do Tempo』(1973年)
Previsao Do Tempo

『Vontade De Rever Voce』(1981年)
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ

『Pagina Central』(2009年)
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『Esphera』(2010年)
ESPHERA
posted by ez at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする