発表年:1999年
ez的ジャンル:4Hero系UK産Hip-Hop
気分は... :今年のグラミー賞は...
皆さんはグラミー賞をご覧になりましたか?
僕は仕事をしながら生放送で観ていました。
主要4部門で最もサプライズだったのが最優秀新人賞でした。てっきりJustin BieberかDrakeが受賞するかと思いきや、意外にも当ブログで紹介した女性ジャズ・べーシストEsperanza Spaldingが受賞しました。
きっとTV観ていて、「誰この人?」と思った人も多かったのでは?これを機会にぜひ聴いてみて下さい。ただし、最新作『Chamber Music Society』(2010年)よりも当ブログで紹介した『Esperanza』(2008年)の方がオススメです。
Esperanza Spalding『Esperanza』(2008年)
最優秀ソング&最優秀レコードはLady Antebellum「Need You Now」が受賞しました。カントリーが苦手な僕ですが、「Need You Now」は昨年の全米チャート上位に入ったヒット曲の中でも素直に良いと感じた1曲でした。その意味で、こうした楽曲が主要部門を受賞することは望ましいと思います。
最優秀アルバムのArcade Fireについては・・・ノー・コメント(笑)
パフォーマンスでは、オープニングのAretha Franklinトリビュートに始まり、Bob Dylanトリビュート、故Solomon BurkeトリビュートでのMick JaggerとRaphael Saadiqの共演(Raphaelはかなり地味でしたが)も良かったですが、個人的にはBarbra Streisandのステージが最も感動的でしたね。
名曲「Evergreen (Love Theme From "A Star Is Born")」を歌うBarbraを映画『A Star Is Born』の相手役Kris Kristoffersonが紹介するという演出が最高でした。さすがに以前のような圧倒的な声量で歌うことは難しいようでしたが、それでも存在感抜群のステージでしたね。
あとはB.o.B、Bruno Mars、Janelle Monaeという当ブログでも紹介した期待のニューカマー3名の共演もエキサイティングでした。
Cee Lo Greenのコミカルなステージは思わず笑ってしまいました。
Eminemも盛り上がっていましたね。僕はEminem作品を1枚も持っていませんが、その迫力のパフォーマンスに息を呑んでしまいました。
こうして見てくると、当ブログで紹介した楽曲が結構パフォーマンスされていましたね。その意味では例年以上に楽しめたグラミーでした。
さて、今回は4HeroのDegoによるHip-HopプロジェクトTek9の2ndアルバム『Simply』(1999年)です。グラミーとは全く関係ない作品ですが・・・
これまで当ブログではDego関連の作品として、4Hero『Parallel Universe』(1994年)、2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)の2枚を紹介済みです。
Tek9としては、『It's Not What You Think It Is !?!!』(1996年)、『Simply』(1999年)という2枚のアルバムをリリースしています。
一般には『It's Not What You Think It Is !?!!』(1996年)の方がお馴染みかもしれません。確かに1stの方がUS産Hip-Hopからの影響を素直に反映したキャッチーな仕上がりかもしれませんね。しかしながら、2nd『Simply』(1999年)もUKならではのHip-Hopを満喫できる魅力的な1枚に仕上がっています。
僕の場合、Degoのソロ・プロジェクト云々というよりも、US産Hip-Hopにはないアブストラクト感のあるUK産Hip-Hopという点に惹かれて本作を購入した記憶があります。
UKオリジナルや僕が保有するCDは上記ジャケのものですが、Amazonで確認すると下記のジャケのものもあるようです(Amazon.co.jpではこのジャケしか扱いがありません)。
Tek 9『Simply』(別ジャケ)
聴けば聴くほど、Degoの確かな音楽センスと先見性に感心する1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Teknology」
Chase Infiniteをフィーチャー。今聴くと、2000年代アングラHip-Hopを先取りしていたかのようなセンス抜群のオープニングです。
「Stand Clear」
Capitol A/D.T.X./Rob Lifeをフィーチャー。適度に浮遊感のあるメロウ・トラックにグッとくる1曲。
「Keep It Hot」
某コンピCDにも収録されている1曲。What? What?をフィーチャー。UKクラブ・ミュージック経由らしいリズム・トラックとメロウな上モノとWhat? What?の女声ラップが上手くマッチした仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=5B2zmGunGyQ
「Off License」
M.A.D./Sha Shaをフィーチャー。リズム・トラックのハネハネ感がUK産Hip-Hopらしいのでは?ATCQあたりの浮遊感を進化させた仕上がりがグッド!
「Gus Interlude」
元4HeroのGus Lawrenceプロデュースのインタールード。
「Black Expedition」
Chase Infiniteをフィーチャー。Dodge City ProductionsのIG Cultureが共同プロデュースで参加しています。アブストラクトな魅力で言えば、この曲が一番かも?
「2001」
Opioをフィーチャー。このあたりはUKクラブ・ミュージック経由らしいアブストラクト・チューンに仕上がっています。
「Bruklon」
What? What?をフィーチャー。近未来的なトラックはかなり時代を先取りしていた感じかもしれませんね。
「Interlude 2」
実験的なインタールード。
「Right Position」
M.A.D.をフィーチャー。ジャジー感とアブストラクト感を上手く融合させたトラックが魅力です。
「Seven Days」
「Keep It Hot」同様某コンピCDにも収録されている楽曲です。Pariss Clemonsをフィーチャー。アングラ・ジャジーHip-Hop好きの人であれば気に入るはず!
「Bad Baad 」
Capitol A/M.A.D./Opioをフィーチャー。ラストはクラブ・ミュージック経由ならではの格好良さが凝縮されたUKらしいHip-Hopチューンに仕上がっています。
『It's Not What You Think It Is !?!!』(1996年)
NFLファンとしては、王者パッカーズのLBクレイ・マシューズがグラミーでプレゼンター役を務めていたのも興味深かったですね。若き守備リーダーも舞台が異なるとかなり緊張していたようですが(笑)