発表年:2010年
ez的ジャンル:豪華コラボ系MPB
気分は... :救いの手が...
週末だというのに、いろいろな事が一気に週末に集中しパニくってます。
このまま不眠不休の日曜日になりそうな予感・・・またドリンク剤の空瓶の山ができそうです(泣)
ブラジル、ミナス出身の人気ギタリストToninho Hortaの新作『Harmonia & Vozes』です。
これまで当ブログで紹介したToninho Horta作品は以下の3枚。
『Toninho Horta』(1980年)
『Diamond Land』(1988年)
『Moonstone』(1989年)
新作『Harmonia & Vozes』は、2010年ラテン・グラミーの最優秀ブラジリアンポップ(MPB)アルバム賞にノミネートされた作品でありながら、自身のインディペンデント・レーベルからのリリースのため、なかなか日本に流通してこなかったアルバムがようやく入手可能となった模様です。
本作のテーマは"コラボレーション"。Ivan Lins、Djavan、Beto Guedes、Seu Jorge、Sergio Mendes、Ivete Sangalo、Erasmo Carlosをはじめとする数多くのアーティストとの共演を満喫できる1枚になっています。
Toninho Hortaの創りだす音世界は、いつ聴いても僕の心を浄化してくれます。いつも書きますが、僕にとってはPat Methenyと同じような位置づけのデトックス・ミュージックといった感じですかね。
本作でも大物ブラジル人アーティストから若手アーティストまで、さまざまなアーティストとの共演を楽しみながら、美しくピュアなサウンドで聴く者の心を癒してくれます。
どちらかと言えば、ベテラン・アーティストの新作と聴くと拒否反応を示す僕ですが(特にロック/ソウル系は)、こういうベテラン新作ならば大歓迎です!
パニック状態の日曜を過ごせねばならない僕にとって、救いの手を差し伸べられたような癒しの1枚です。
全曲紹介しときやす。
「O Amor E Pra Se Amar」
Toninho Hortaらしい瑞々しいオープニング。Pat Methenyに通じるピュアな音世界に魅了されます。クレジットからして女性コーラス隊はHortaファミリーに勢揃いによるもののようです。
「Luz Que Vem Do Ceu」
ブラジルの若手ソウル・シンガーD'blackをフィーチャーした美しいバラード。ジワジワと胸に染み入ってきます。
「Voce Me Trouxe O Sol」
Ivan Linsをフィーチャー。ブラジル音楽界の至宝二人の共演というだけで期待してしまいますね。さり気なく素朴ながらもメロウな仕上がりにグッときます。
「Canto De Fada(Luisa)」
続いてはDjavanをフィーチャー。大物との共演が続きますね。雄大かつ美しいアレンジが印象的です。
「Longe Dentro Da Noite」
メロウ好きにはグッとくる1曲。エレピとアコースティック・ギターの音色に心が洗われます。
「Diana」
元モデルの美人シンガーIvete Sangaloをフィーチャー。1stアルバム『Terra dos Pássaros』に収録されていた名曲の再演です。Ivete Sangaloの艶やかなヴォーカルとToninho Hortaの美しいギターに彩られ、名曲が再び輝きだします。
「Cancao Do Sol E Da Lua」
Yasmin Goncalves & Gabriel Meiraをフィーチャー。時間が一瞬止まったかのようなロマンティックな雰囲気にグッときます。
「Manoel, O Audaz」
Frejat(多分Roberto Frejat)をフィーチャー。『Toninho Horta』収録の名曲を再演しています。円熟ムードの「Manoel, O Audaz」を堪能しましょう。やはりこの曲は名曲ですね。ギター・プレイにも注目です。
「Meu Nome E Que Diz(Nenel)」
ミナスの同胞Beto Guedesをフィーチャー。ミナス好きにはたまらない共演ですね。Pat Metheny的なギター・シンセも飛び出す美しくピュアな音世界に感動しまくりです。
「Tardes Na Thailandia」
エレガントなストリングス・アレンジと美しいギターと優しい歌声でロマンティック・ワールドを演出してくれます。
「Agora Amor, E Com Voce」
Seu Jorge & Sergio Mendesをフィーチャー。アルバムの中でも最もリズミックでコンテンポラリーな仕上がりですね。アルバムで一番のお気に入り曲。たまたま最近Seu Jorge作品を聴く機会が多く、僕の中ではプチ・ブームになっていたのでグッドタイミングな共演です。
「Serenade」
Erasmo Carlosをフィーチャー。ブラジル・ロック第一世代Erasmo Carlosとの共演ですが、アルバムで最もキャッチーな仕上がりかもしれません。素晴らしい!
「Cancao Para Minha Nobre Mae」
美しいギターと素朴な歌声に癒される1曲です。
「Cancao Da Juventude」
Coral Mater Ecclesiae/Jovens Da Orquestra De Violoes Da Escola Estadualをフィーチャー。合唱団を従えた感動的なフィナーレでアルバムは幕を閉じます。
さらにボーナス・トラックとして「Valsa Alegre」、「Saudades Do Meu Grande Pai」というインスト2曲が追加収録されています。
Toninho Hortaの過去記事もご参照下さい。
『Toninho Horta』(1980年)
『Diamond Land』(1988年)
『Moonstone』(1989年)