2011年03月26日

Alice Clark『Alice Clark』

レア・グルーヴ/フリーソウル好き必聴の1枚☆Alice Clark『Alice Clark』
アリス・クラーク(紙ジャケット仕様)
発表年:1972年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系レディ・ソウル
気分は... :パワーを与えてくれる歌力!

今回は女性シンガーAlice Clarkの唯一のアルバム『Alice Clark』(1972年)です。

90年代のレア・グルーヴ/フリーソウル・シーンで再評価が高まった1枚ですね。

彼女のバイオグラフィについては全く知りません。

1968年にデビュー・シングル「You Got A Deal/Say You'll Never Leave Me」、1969年にシングル「You Hit Me (Right Where It Hurt Me)/ Heaven's Will (Must Be Obeyed)」をリリースしています。そして、1972年に今日紹介する唯一のアルバム『Alice Clark』をジャズ・ファンクの名門Mainstream Recordsからリリースしています。

僕も多くの人と同様にフリーソウルのコンピ『Free Soul Moon』に収録された「Never Did I Stop Loving You」「Don't You Care」の2曲でAlice Clarkのことを知りました。

アルバム・ジャケだけ眺めると、厳かでスピリチュアルな雰囲気が漂いますが、実にパワフルでエモーショナルなソウル・アルバムに仕上がっています。

聴いているだけでパワーをもらえる"歌力"に充ちたアルバムです。

また、Aliceの歌力を盛り上げるバックの演奏も素晴らしいの一言です。
クレジットはありませんが、名だたるミュージシャン達が参加しているとの噂もありましたね。真偽のほどはわからないので、ここでは具体的なメンバーを挙げるのは控えておきます。

プロデュースはBobby Shad。本作と同じMainstream RecordsからリリースされたBobby Shad And The Bad Men名義の「I Want You Back」(Jackson 5のカヴァー)が人気ですね。

Bobby Shad And The Bad Men「I Want You Back」
 http://www.youtube.com/watch?v=8d3jmzssnnA

レア・グルーヴ/フリーソウル好きには、「Never Did I Stop Loving You」「Don't You Care」「Hard Hard Promises」「Hey Girl」あたりがハイライトだと思いますが、その他の曲でも素晴らしいAliceの歌声に感動するはずです。

収録曲のうち、「Don't You Care」「Hard Hard Promises」をはじめとする3曲が、名曲「Sunny」でお馴染みのBobby Hebb作品です。

全曲紹介しときやす。

「I Keep It Hid」
オープニングはJimmy Webbのカヴァー。The SupremesLinda Ronstadt等もカヴァーしていますね。Alice Clarkというシンガーの"歌力"を実感できるエモーショナルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=yqLrRoSa_5g

「Looking At Life」
イギリスの大物女性シンガーPetula Clarkのカヴァー。ジワジワと心に沁みてくる味わい深いソウル・チューン。オルガンとトランペットがAliceの熱唱を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=NokM3iOate4

「Don't Wonder Why」
Leonard Caston作品。Stevie Wonderヴァージョンで知られている曲ですね。厳かな雰囲気のStevieヴァージョンに対して、こちらのヴァージョンはよりソウルフルでコクのある仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=RahSynm8Zao

Stevie Wonder「Don't Wonder Why」
 http://www.youtube.com/watch?v=3mOsYh5u_qk

「Maybe This Time」
Liza Minnelliを一躍スターにした名作ミュージカル映画『Cabaret』の挿入歌(Fred Ebb/John Kander作)。ミュージカル名曲がエモーショナルなソウル・チューンに生まれ変わっています。

「Never Did I Stop Loving You」
前述のようにフリーソウルの人気曲(Juanita Fleming作)。フリーソウル好きにとってはど真ん中な、込み上げヤング・ソウルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=r4fMlKrBZQ8

「Charms Of The Arms Of Love」
Bobby Hebb作品1曲目。ホーン&フルートに先導され、Aliceが魂のヴォーカルを聴かせてくれます。

「Don't You Care」
Bobby Hebb作品2曲目。本作のハイライトとなるレア・グルーヴ/フリーソウル・クラシック。躍動するAliceのヴォーカルとバックの演奏が一体となりミラクルなエナジーを発しています。聴いているだけでパワーが漲ってくる、全てが完璧な1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=EmcYSMChw4k

「It Takes Too Long To Learn To Live Alone」
Leon Carr/Robert Allen作。Peggy Lee、Eydie Gorme、Mel Torme等のヴァージョンでも知られるスタンダード。ソウルフルな味わいとスタンダード風な佇まいが上手く融合していると思います。

「Hard Hard Promises」
Bobby Hebb作品3曲目。この曲もフリーソウル好きには外せない1曲。個人的には「Don't You Care」に次いでお気に入りの曲です。豪快なホーン・セクションがパンチの効いたAliceのヴォーカルを盛り上げてくれます。これでハイ・テンションにならないはずがありません!
http://www.youtube.com/watch?v=Y25Syx4JJlQ

「Hey Girl」
Donny Hathaway『Live』でお馴染みの1曲。その『Live』にも参加していた名うてのパーカッション奏者Earl DeRouenの作品です。軽快なテンポの「Hey Girl」を聴くことができます。

本作にシングル曲や未発表曲を追加した『The Complete Studio Recordings 1968-1972』も発売されています。

『The Complete Studio Recordings 1968-1972』
ザ・スタジオ・レコーディングス1968-1972

これを機会にMainstream Recordsの他作品もチェックしてみては?

Maxine Weldon『Right On』(1970年)
ライト・オン
「Make It With You」
 http://www.youtube.com/watch?v=g001lZba2Xg

Maxine Weldon『Chilly Wind』(1971年)
チリー・ウィンド
「Ain't Got Nobody」
 http://www.youtube.com/watch?v=4Rf4a1B9RT0

Ellerine Harding『Ellerine』(1972年)
エレリン(紙ジャケット仕様)

Blue Mitchell『The Last Tango=Blues』(1973年)
ザ・ラスト・タンゴ=ブルース
「The Message」
 http://www.youtube.com/watch?v=PFsxbMYs3fQ

Frank Foster『The Loud Minority』(1974年)
ザ・ラウド・マイノリティー
「The Loud Minority」
 http://www.youtube.com/watch?v=0u3ELUm0IGo
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2011年03月24日

Stina Nordenstam『Memories Of A Colour』

"スウェーデンのBjork"による魅惑のウィスパー・ヴォイス☆Stina Nordenstam『Memories Of A Colour』
Memories of a Color
発表年:1991年
ez的ジャンル:不思議系スウェディッシュSSW
気分は... :心をリセットする音楽...

スウェーデン人女性シンガー・ソングライターStina Nordenstamのデビュー・アルバム『Memories of a Colour』(1991年)です。

Stina Nordenstamは1969年、スウェーデン、ストックホルム生まれの女性シンガー・ソングライター。

これまで『Memories of a Colour』(1991年)、『And She Closed Her Eyes』(1994年)、『Dynamite』(1996年)、『People Are Strange』(1998年)、『This Is Stina Nordenstam』(2001年)、『The World Is Saved』(2004年)といったアルバムをリリースしています。

また、VangelisYelloNine Horses(元JapanのDavid Sylvianのグループ)等とコラボし、レコーディングを行っています。

雰囲気としては"スウェーデンのBjork"というイメージがピッタリの不思議系女性アーティストです。

我が家のCD棚には"仕分け場所不明"の作品を集めたコーナーがあるのですが、本作『Memories of a Colour』は何年もの間そのコーナーに居座っていました。

リアルタイムで本作を購入しましたが、どのような経緯で本作に辿り着いたのか全く記憶がありません。

The Cardigans等のスウェディッシュ・ポップがブームになる前でしたし、"スウェーデンのBjork"とはいっても、BjorkがSugarcubes解散後の初ソロの『Debut』をリリースするのは本作から2年後です。

当時はスウェーデン人アーティストと聞いて、僕自身が真っ先に思う浮かぶのはABBAのような状況だったと思いますし、女性シンガー・ソングライターに凝っていたわけでもないし・・・

多分、池袋WAVEあたりで視聴して衝動買いしたのだと思います。少し脱線すると、当時ワールド・ミュージックにかなりハマっていた僕にとって、ワールド・ミュージック系の作品が充実した当時の池袋WAVEは最も頻繁に通っていたCDショップだったかもしれません。

『Memories of a Colour』に話を戻すと、まずはStinaの圧倒的なキャラとウィスパー・ヴォーカルに魅了される作品ですが、音的には、アコースティックなサウンドを基調としたジャジー・ポップです。ジャケ・イメージのように決して明るくはなく、静かで、内省的ですが、澄み切ったピュアな魅力に溢れています。適度にアヴァンギャルドなテイストが入っているのもいいですね。

今の時期、どうしても励まし系の応援ソングを聴く機会が多いですが、頑張るためには心をリセットする音楽も必要だと思います。

独特の音世界で心をリセットできる北欧らしい魅惑のウィスパー・ヴォイスです。

全曲紹介しときやす。

「Memories Of A Colour」
シングルにもなったタイトル曲。少し暗めですが幻想的なポップ・チューンです。Stina独特の世界に吸い込まれていくオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=hLzXyzavHPw

「The Return Of Alan Bean」
「I'll Be Cryin' For You」と並ぶ僕のお気に入り。Stinaのキュートなヴォーカルとアコギ・サウンドがマッチしたジャジー・ポップ。まさにピュア・ミュージックといった雰囲気で大好きです。

「Another Story Girl」
この曲もシングルになりました。寂しげなStinaのヴォーカルと美しくも切ないサウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=u3hZvkXvLcw

「His Song」
7分を超える大作。大自然の映像でも観ながら聴きたくなる美しい1曲。ジャジーなピアノと美しいストリングスを配したサウンドも素晴らしいです。

「He Watches Her From Behind」
美しく、切なく、儚く・・・Stinaらしい雰囲気がよく出た哀愁ジャジー・ポップ。セピア色の音像がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=NEAYPecU0bk

「I'll Be Cryin' For You」
個人的には一番のお気に入り。ひたすら美しいアコースティック・ポップ。澄み切ったStinaのヴォーカルとツボを押さえたジャジー・サウンドで心が浄化されます。
http://www.youtube.com/watch?v=_3MKEOSFlxQ

「Alone At Night」
ストリングスを中心とした美しくも儚いバックが幻想的な雰囲気を醸し出します。孤独の中で自分を見つめ直したくなります。

「Soon After Christmas」
この曲が一番好き!という人が多いかもしれません。タイトルからしてクリスマスの時期に聴くべき曲かもしれませんが、いつ聴いても涙腺に触れる感動的な名曲です。愛しい人も思い浮かべながら聴きましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=nPsWT_3ypmo

「A Walk In The Park」
ラストは子供たちの声と共に始まる、Stinaのヴォーカルの多重録音による殆どア・カペラに近い1曲です。カナダのエレクトリック・バンドCrystal Castlesが昨年リリースしたアルバム『Crystal Castles』に収録された「Violet Dreams」、「Vietnam」の2曲で本曲がサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=HAtpj1szoOE

他のStina Nordenstam作品もチェックを!

『And She Closed Her Eyes』(1994年)
And She Closed Her Eyes

『Dynamite』(1996年)
Dynamite

『People Are Strange』(1998年)
People Are Strange

『This Is Stina Nordenstam』(2001年)
This Is Stina Nordenstam

『The World Is Saved』(2004年)
World Is Saved (Reis)
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2011年03月23日

Seu Jorge『Samba Esporte Fino』

ミクスチャーなサンバ・ファンクが炸裂するSeu Jorgeの1stソロ☆Seu Jorge『Samba Esporte Fino』
サンバ・エスポルチ・フィーノ
発表年:2001年
ez的ジャンル:ミクスチャー系サンバ・ファンク/ソウル
気分は... :サンバの鼓動が生きる歓びを!

今回は俳優/ミュージシャンとして活躍するブラジル人アーティストSeu Jorgeのソロ・デビュー・アルバム『Samba Esporte Fino』(2001年)です。

Seu Jorge(本名:Jorge Mario da Silva)は1970年リオデジャネイロ生まれのシンガー/ミュージシャン/俳優。

20歳の頃にギタリストのGabriel Mouraと出会い、彼が所属していた劇団のミュージカルに参加し、役者の経験を積みます。

1996年にGabriel MouraらとFarofa Cariocaを結成し、サンバ、ファンク、ロック、レゲエ、Hip-Hopを取り入れたミクスチャー・サウンドと演劇的なパフォーマンスで注目を集めます。Farofa Cariocaは、1998年に1stアルバム『Moro no Brasil』をリリースしますが、Seu Jorgeはその後グループを脱退してしまいます。

ミュージシャンとしてのSeu Jorgeはソロ活動に転じ、『Samba Esporte Fino』(2001年)、『Cru』(2004年)、『The Life Aquatic Studio Sessions』(2005年)、『America Brasil』(2007年)といったソロ作品や、"女性版Lenine"とも言われる女性シンガーAna Carolinaとの共演アルバム『Ana & Jorge』(2005年)、Mario Cも関与しているグループAlmazとの共演アルバム『Seu Jorge & Almaz』(2010年)といった作品をリリースしています。

Seu Jorgeに幸運をもたらしたのは、Fernando Meirelles監督の映画『City of God(原題:Cidade de Deus)』(2002年公開)への出演でした。リオデジャネイロのスラム街におけるストリートチルドレンの抗争を描いたこの映画で、Seu Jorgeは二枚目のMane役を演じました。

『City of God』は、2002年のカンヌ国際映画祭の正式出品作品となり、2004年のアカデミー賞では監督賞など4部門にノミネートされました。『City of God』への注目と同時に、Seu Jorgeの知名度も上がっていきます。

その後もMika Kaurismaki監督によるブラジル音楽のルーツを巡る音楽ドキュメンタリー映画『Moro no Brasil』(2002年)など数多くの映画に出演しています。

日本でも『City of God』を機にSeu Jorgeへの注目が高まり、2ndアルバム『Cru』(2004年)の国内盤が発売され、さらに来日公演を果たすと同時に、1stアルバム『Samba Esporte Fino』の国内盤もリリースされるなど、一気にその名を知らしめることになりました。

Seu Jorgeがゲスト参加したToninho Horta『Harmonia & Vozes』の記事でも書きましたが、最近『Samba Esporte Fino』『Cru』をよく聴いていました。

厳密には昨年リリースした『Seu Jorge & Almaz』が契機になり、前述の2枚を改めておさらいしていたという感じですね。

『Seu Jorge & Almaz』では久々にファンキー路線のSeu Jorgeを堪能でき、喜んでいたファンの方も多かったのでは?

『Cru』以降のシンプルなスタイルもいいですが、今日紹介する『Seu Jorge & Almaz』の強烈なサンバ・ファンクを聴いてしまうと、ファンキーな作品を期待してしまいますよね。

個人的にも『Cru』よりも『Seu Jorge & Almaz』のサウンドを支持してしまいますね。。

プロデュースはBeastie BoysBeckBebel Gilberto等のプロデュースで知られるMario C(Mario Caldato)が務めています。前述の『Seu Jorge & Almaz』にもMario Cが絡んでいます。

Jorge BenCartolaBob Marleyとでも言いたくなるSeu Jorgeの感性と、ミクスチャー作品ならばお手のもの!Mario Cの手腕が上手く噛み合って、素晴らしいブラジリアン・ブラック・ミュージックをクリエイトしていると思います。

なお、本国ブラジル以外で2003年に『Carolina』のタイトルでジャケ違い・同内容の作品がリリースされています。

『Carolina』(2003年)
Carolina

ブラジリアン・ブラックらしいサンバ・ファンクが生きる歓びを与えてくれます!

全曲紹介しときやす。

「Carolina」
Seu Jorge作。オープニングはJorge Ben好きの人であれば気に入るであろうサンバ・ソウル。グイグイとSeu Jorgeの世界に引き込まれていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=oBGFwr-1WHw

「Chega no Suingue」
Seu Jorge作。日々の不満・不安を忘れて楽しもう!と呼びかけるサンバ・チューン。アーバン・メロウなテイストも感じられて大好きな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=H7lgxOnRlYE

「Mangueira」
Seu Jorge作。ブラジル音楽の至宝、偉大なるサンビスタCartolaがの命名した老舗Escola de Samba(サンバ・チーム)である"Mangueira"を讃えた1曲。冒頭の歌詞の一節はCartolaの名曲「Alvorada」からの引用です。曲自体はファンキーなリズムと豪快なホーン隊が鳴り響き、ヴォコーダーも加わったゴキゲンなサンバ・ファンクに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ybs1UlFjT6k

Cartola「Alvorada」
 http://www.youtube.com/watch?v=QFfwRYf3YzE

「Pequines e Pitbull」
Farofa Carioca時代の盟友Gabriel Mouraらの作品。ブラジルの庶民の何気ない日常を歌った軽快なサンバ・チューン。ブラジル人の生活にサンバがいかに根付いているのかを再認識できる1曲です。

「Te Queria」
Elisio de Buzios作。これぞブラジリアン・ブラック・ミュージックといった感じのサンバ・ファンク。グルーヴィーなサウンドと哀愁のメロディのバランスが最高です。
http://www.youtube.com/watch?v=gRfkZYL_lf8

「O Samba Tai」
Seu Jorge/Sergio Pell作。アコースティックなグルーヴ感が心地好いサンバ・チューン。

「Hagua」
Seu Jorge/Gabriel Moura/Jovi Joviniano作。地球環境問題をテーマにしたレゲエ・チューン。女性コーラスも含めてBob Marley & The Wailers風です。
http://www.youtube.com/watch?v=V2xfmNfG73c
(Seu Jorge - Gabriel Moura - Jovi Joviniano)

「Samba que nem Rita a Dora」
Luis Carlos da Vila作。トラディショナルな仕上がりのサンバ・チューン。

「Mada」
Seu Jorge作。美しきメロウ・ソウル。ソウルフルな女性コーラスが良い雰囲気を醸し出してくれます。ブラジル音楽好き以外もグッとくる仕上がりだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=yJCNZdiAsWs

「Funky Baby」
タイトルの通り、ファンキーに突っ走るブラジリアン・ファンク。レア・グルーヴ系の70年代ファンク・サウンドが好きな人は気に入ると思います。ラップ調のヴォーカルにスクラッチも飛び出すのはSeu JorgeとMario Cの組み合わせらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=TlN4e3BUVww

「Em Nagoya Eu Vi Eriko」
Jorge Benjor作品のカヴァー。タイトルの通り、名古屋の日本人エリコさんのことを歌った作品です。オリエンタルなイントロが日本人にはビミヨーに感じられますが(笑)。レゲエとファンクのミクスチャーしたサウンドはなかなか魅力的です。
http://www.youtube.com/watch?v=eaDxKKnZzIc

「De Alegria Raiou O Dia」
70年代後半に活躍したシンガー・ソングライターCarlos Dafeの作品。本人がゲスト参加しています。ブラックなグルーヴ感のあるファンク・サウンドには侮れない格好良さがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=KXfMyVl8J-U

他のSeu Jorge作品もチェックを!

『Cru』(2004年)
Cru

『The Life Aquatic Studio Sessions』(2005年)
Life Aquatic Studio Sessions

『America Brasil』(2007年)
American Brasil

Ana Carolina/Seu Jorge『Ana & Jorge』(2005年)
Ana & Jorge

Seu Jorge & Almaz『Seu Jorge & Almaz』(2010年)
Seu Jorge & Almaz

お手軽なベスト盤も昨年リリースされました。

『Perfil』(2010年)
PERFIL

映像作品をチェックするのも楽しいかも?

『City of God』(2002年)
シティ・オブ・ゴッド [DVD]

『Moro no Brasil』(2002年)
モロ・ノ・ブラジル [DVD]
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2011年03月22日

Maze Featuring Frankie Beverly『Inspiration』

愛に溢れたシルキー・ソウルで優しい気持ちに・・・☆Maze Featuring Frankie Beverly『Inspiration』
Inspiration
発表年:1979年
ez的ジャンル:メロウ&シルキー・ソウル
気分は... :優しい気持ちに...

今回はFrankie Beverly率いるMazeです。

これまで当ブログで紹介してきたMaze作品は以下の4枚(発表順)。

 『Maze Featuring Frankie Beverly』(1977年)
 『Joy and Pain』(1980年)
 『Live In New Orleans』(1981年)
 『Silky Soul』(1989年)

5枚目に紹介するのは3rdアルバム『Inspiration』(1979年)です。

Mazeの記事エントリーは、2009年9月の『Maze Featuring Frankie Beverly』以来となります。そのエントリー直後の2009年10月に、Mazeのトリビュート・アルバム『Silky Soul Music: All-star Tribute To Maze Featuring Frankie Beverly』がリリースされました。

アルバムにはMusiq SoulChildKem、Raheem DeVaughn、Mary J. BligeJoeLedisiKevon EdmondsAvantKiki SheardJ. Moss等の豪華メンバーが参加し、改めて多くのR&BアーティストがMazeに対してリスペクトしているのを実感できました。

『Silky Soul Music: All-star Tribute To Maze Featuring Frankie Beverly』
オールスター・トリビュート・トゥ・メイズ feat.フランキー・ベヴァリー
Musiq SoulChild「Silky Soul」
 http://www.youtube.com/watch?v=13rNlD6X0hM
Joe「Can't Get Over You」
 http://www.youtube.com/watch?v=fNakW41Eiek

Mazeのアルバムって、いつ聴いても柔らかい包容力があっていいですよね。

今回紹介する『Inspiration』(1979年)は、キラー・チューンこそ無いかもしれませんが、アルバム全体の充実度が高い作品という印象を受けます。Mazeらしいシルキー・ソウルでアルバムが貫かれています。

現在のように人々の助け合いが必要な時期にMaze作品を聴くと、自然と優しい気持ちになれるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Lovely Inspiration」
愛に満ちたオープニング。Mazeらしい柔らかな包容力が心を癒してくれます。こんな時期に聴くと人間愛が心に湧き起こってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=oUybUJP7Dsc

「Feel That You're Feelin'」
シングルとして全米R&Bチャート第7位となりました。軽快なリズムに思わず体を揺らすグルーヴィー・チューン。聴いていると気持ちが解れてリラックスできます。
http://www.youtube.com/watch?v=R967GuJBQ1s

「Call On Me」
涼しげな口笛の音色が爽快な気分にさせてくれるミッド・チューン。心に明るい日差しが差し込んできます。
http://www.youtube.com/watch?v=1AS7b4ruFCg

「Timin'」
この曲もシングルになりました。シルキー&ファンキーなあたりがMazeらしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=1PpFgPAIHfg

「Welcome Home」
アルバム中最もファンキーな仕上がり。畳み掛けるように反復するグルーヴが気持ちをヒートアップさせます。後半のラテン・フレイヴァーは僕好みの展開です。
http://www.youtube.com/watch?v=nR6gMTer5NE

「Woman Is A Wonder」
Maze印100%のシルキー&メロウ・ワールドに魅了されるミディアム・スロウ。ミステリアスなサウンドもいいですね。7分超の大作ですが、あっという間に終わってしまう印象です。
http://www.youtube.com/watch?v=4_bcCUGTKzI

「Ain't It Strange」
僕の密かなお気に入り曲。包容力のあるメロウネスにグッとくる前半とパーカッシヴなグルーヴ感が心地好い後半で2度楽しめるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=s11Rp4Nv1_g

「Lovely Inspiration (Instrumental)」
「Lovely Inspiration」のインストで余韻に浸りながら愛に満ちたアルバムは幕を閉じます。

Mazeの過去記事もご参照下さい。

『Maze Featuring Frankie Beverly』(1977年)
Maze

『Joy and Pain』(1980年)
Joy and Pain

『Live In New Orleans』(1981年)
Live in New Orleans

『Silky Soul』(1989年)
Silky Soul
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2011年03月21日

Prefab Sprout『Protest Songs』

地味ながらもファンには人気の高い1枚☆Prefab Sprout『Protest Songs』
プロテスト・ソングス(紙ジャケット仕様)
発表年:1989年
ez的ジャンル:魔法のメロディ系UKロック/ポップ
気分は... :メンタルを立て直す!

大震災の影響という訳ではありませんが、3月末までに完了すべき仕事が山積しています。震災前のスケジュールでは、先週からフル稼働で処理する予定だったのですが、物理的・心理的な理由から全く進捗しませんでした。

被災地の方のご苦労を思えば些細な問題ですが、震災を言い訳にズルズル行ってしまうのはマズいですね。メンタルを立て直して、今日から仕事も平常モードに戻れるように気合い入れたいと思います。

今回はPrefab Sproutが1989年にリリースした『Protest Songs』です。

これまで当ブログで紹介してきたPrefab Sprout作品は以下の5枚(発売順)。

 『Steve McQueen』(1985年)
 『From Langley Park to Memphis』(1988年)
 『Jordan:The Comeback』(1990年)
 『Andromeda Heights』(1997年)
 『Let's Change the World with Music』(2009年)

ファンはご存知のとおり、『Protest Songs』は2ndアルバム『Steve McQueen』(1985年)のリリース直後に2週間という短期間でレコーディングされた作品です。しかし、お蔵入りとなり、4年後の1989年にリリースされた訳有り作品です。

Thomas Dolbyプロデュースの『Steve McQueen』の後で、"『Steve McQueen』ほどコントロールされていないアルバムを作りたい!"という欲求がリーダーPaddy McAloonに湧き起こり、セルフプロデュースによる作り込みすぎないアルバムを制作した模様です。しかし、短いインターバルでのアルバム・リリースにレコード会社がGOサインを出さず、お蔵入りとなってしまいました。

結局、再びThomas Dolbyをプロデューサーに迎えて『From Langley Park to Memphis』をレコーディングし、3rdアルバムとして1988年にリリースしました。

こうして、本来は3rdアルバムとしてリリースされるはずであった『Protest Songs』は、4thアルバムとして1989年にリリースされることになります。

リリース経緯や他作品とは異なる仕上がり感から、ファンの間でも好き/嫌いが分かれる作品かもしれません。確かに他のPrefab Sprout作品と比較して地味な印象は拭えませんが、一方でThomas Dolbyの手を介さない、素材そのままのPrefab Sproutを味わうことができる魅力もあります。

僕も昔は地味なアルバムだなぁ!という印象が強かったのですが、改めて聴いてみると、他作品とは異なる魅力が詰まった作品となっており、Prefab Sproutのディスコグラフィの中でいいアクセントになっているアルバムという印象ですね。

最初に聴くPrefab Sprout作品ではありませんが、でも欠かすことができないPrefab Sprout作品でもあります。

Paddy McAloonを中心に、Martin McAloonWendy SmithNeil Contiという4人のメンバーが織り成すピュアなPrefab Sproutワールドを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「The World Awake」
Paddy McAloonらしい(良い意味での)青臭いメロディと♪オ〜オ〜イェイ♪という不気味な低音コーラスが印象的なオープニング。

「Life Of Surprises」
本作の一番人気でしょうね。ベスト盤にも収録されている人気曲です。Prefab Sproutならではの魔法のメロディと至極のポップ・サウンドを満喫できる名曲です。聴いていると訳もなく胸に込み上げてくるものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Ljxjlpb-6fs

「Horsechimes」
本作らしいアコースティックな味わいを満喫できます。作り込みすぎていないリラックス・ムードの臨場感がいいですね。

「Wicked Things」
60年代モータウン調のキャッチーかつコンパクトな演奏が印象的です。音だけ聴いているとスタカンっぽいですよね。

「Dublin」
Paddyの弾き語りです。シンプルなサウンドが柔らかい魅力を醸し出しています。本作ならではの1曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=k9ob1mPJ0q8

「Tiffanys」
ノスタルジックな味わいが印象的な楽しげなポップ・チューン。

「Diana」
1984年のシングル「When Love Breaks Down」のB面曲だった楽曲の再レコーディング。タイトルの通り、故ダイアナ妃について歌ったものです。本作らしい控えめなアレンジがいい効果を出していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6NnDg74r8uM

「Talking Scarlet」
僕の一番のお気に入り曲。理由は簡単!Wendyのキュートなヴォーカルが目立っているからです(笑)。透明感はアルバム中でも随一だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wugnf_luRlw

「'Til The Cows Come Home」
Prefab Sproutらしいファンタジーな仕上がりですが、Thomas Dolbyプロデュース曲ほど派手ではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=bv4yNv-tFcM

「Pearly Gates」
ラストは「天国の門」について歌った厳粛なバラード。今日本作を取り上げたのも本曲を聴きたかったからかもしれません。今の状況で聴くと、余計に胸に響くものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=DRrN2gJba90

Prefab Sproutの過去記事もご参照下さい。

『Steve McQueen』(1985年)
スティーヴ・マックイーン

『From Langley Park to Memphis』(1988年)
From Langley Park to Memphis

『Jordan:The Comeback』(1990年)
Jordan: The Comeback

『Andromeda Heights』(1997年)
Andromeda Heights

『Let's Change the World with Music』(2009年)
レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック
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