2011年03月11日

The Velvet Underground『The Velvet Underground』

John Caleが抜け、Lou Reedの個性が色濃く出た3rd☆The Velvet Underground『The Velvet Underground』
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII(紙ジャケット仕様)
発表年:1969年
ez的ジャンル:伝説のバンド系贖罪ロック
気分は... :災い転じて福となす

The Velvet Undergroundの3rdアルバム『The Velvet Underground』(1969年)です。

一昨日のエントリーMarisa Monte『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』の中でThe Velvet Undergroundのカヴァー「Pale Blue Eyes」を紹介しましたが、その際にオリジナルが収録されていた『The Velvet Underground』(1969年)を未紹介であったことに気付きました。

僕の記憶の中では数年前位に記事にしたつもりでいたのですが・・・そんな訳でここ数日『The Velvet Underground』(1969年)のことが気になっていたので、再び忘却してしまわないうちにエントリーすることにしました。

The Velvet Underground(VU)の紹介はデビュー作『The Velvet Underground & Nico』(1967、2ndアルバム『White Light/White Heat』(1968年)に続き3回目となります。

衝撃的な1st『The Velvet Underground & Nico』、ノイジーでアヴァンギャルドな『White Light/White Heat』と比較すると、穏やかで刺激の少ない印象もあるのが3rd『The Velvet Underground』かもしれません。

前作『White Light/White Heat』を最後に、Lou Reedと並ぶグループの中心John Caleが脱退してしまったことも、本作の評価に影響を及ぼしているかもしれませんね。

一方で、この穏やかでフォーキーな演奏が多く含まれるアルバムをVUの最高傑作に挙げる人も数多くいますね。特にLou Reed好きの人にとっては、John Caleが抜けた分、Lou Reedの個性が色濃く出ている点に魅力を感じるアルバムが本作『The Velvet Underground』ではないでしょうか。

John Caleに代わりDoug Yuleが参加し、Lou ReedSterling MorrisonMaureen TuckerDoug Yuleというのは本作におけるVUのラインナップです。

個人的には穏やかなヴォーカル&演奏の先にある美しくも儚い雰囲気がたまらなく好きです。また、贖罪を意識させる歌詞が多いのも僕を本作に惹きつける理由です。

本作は彼らの拠点であったN.Y.ではなくL.A.で行われましたが、L.A.の空港で機材一式を盗まれてしまうというトラブルに見舞われます。しかし、そのトラブルが結果的に穏やかでフォーキーな味わいのアルバムを生み出すきっかけとなったようです。"災い転じて福となす"といった名盤かもしれませんね。

楽曲は全てLou Reedのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Candy Says」
Andy Warholとの交友で知られるトランスセクシャル女優Candy Darling (1944-1974年)について歌ったオープニング。新加入のDoug Yuleによるソフトタッチのヴォーカルと穏やかな演奏が美しくも儚い世界を見事に表現しています。その先に安息の地はあるのか・・・
http://www.youtube.com/watch?v=CEVyf6y_-Y4

「What Goes On」
シンプルに疾走するロックンロール。シングルにもなりました。VUの楽曲の中でも屈指の格好良さを持った1曲ですね。キャッチーなのに生々しい感じが大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=vtntDoDoEbQ

「Some Kinda Love」
Lou Reedらしいヴォーカル&メロディを満喫できるシンプルなロック・チューン。この節回しがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Fh-GNnCwHj4

「Pale Blue Eyes」
前述のようにアルバム屈指の名曲。とは言っても不倫ソングですが(笑)。Louの寂しげヴォーカルと美しいメロディが胸に迫ってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Nir4BnNIFmg

「Jesus」
美しいメロディを持つフォーキーな贖罪ソング。デモテープのような演奏が逆に好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=a2FNI0SJnP0

「Beginning to See the Light」
「What Goes On」と並ぶ疾走感を持つロック・チューン。目を閉じて聴いていると目蓋の中で閃光が走ります。
http://www.youtube.com/watch?v=J3gWi9bBkHQ

「I'm Set Free」
淡々とした中にも力強い手応えを感じる1曲。自由に解き放たれて何処へ向かうのだろう・・・
http://www.youtube.com/watch?v=wfzoyDOXfzY

「That's the Story of My Life」
アルバム中唯一苦手な1曲(笑)。このイモ臭いホンワカ加減だけはどうしても・・・

「The Murder Mystery」
邦題「殺人ミステリー」。穏やかなムードが漂うアルバムの中で、狂気とアヴァンギャルド感が支配する1曲。メンバー全員がヴォーカルを担当しています。アートな展開の終盤も印象的です。個人的にはDoorsあたりと一緒に聴きたくります。
http://www.youtube.com/watch?v=ReshXo9AJ_Q

「After Hours」
ラストはMaureen Tuckerのリード・ヴォーカルをとるフォーキー・チューンで穏やかにアルバムの幕は閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=tE8KBWgUZxw

VUのスタジオ作4枚は、いずれも今でも色褪せないマスト・アイテムですね。

『The Velvet Underground & Nico』(1967年)
The Velvet Underground & Nico

『White Light/White Heat』(1968年)
White Light/White Heat

Loaded(1970年) ※Fully Loaded Edition
Loaded (Fully Loaded Edition)
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2011年03月10日

Ohmega Watts『Watts Happening』

Lightheadedのメンバーによるサウンドセンス抜群のクロスオーヴァーHip-Hop☆Ohmega Watts『Watts Happening』
Watts Happening
発表年:2007年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー系アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :バルサは勝ちましたが・・・

サッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦、屈指の好カード「バルセロナ対アーセナル」の2ndレグはバルセロナが3対1で勝利し、逆転でベスト8進出を決めました。

バルサ、ガナーズ共に大好きなクラブである僕にとっては決勝戦で観たかった試合でしたが、やはり現在の力ではバルサが一枚上という感が強かったですね。それだけにファン・ペルシーに退場を下した審判のジャッジは残念でしたね。あれが無ければ、バルサもかなり焦り、終盤はさらに両者のスペクタルな激闘を期待できたはずですが・・・

今回はLightheadedのメンバーOhmega Wattsの2ndソロ・アルバム『Watts Happening』(2007年)です。

Ohmega Watts(本名:Milton Campbell)はN.Y.ブルックリン出身のHip-Hopアーティスト。OthelloBrailleと組んだユニットLightheadedのメンバーとしても活動しています。

これまで『The Find』(2005年)、『Watts Happening』(2007年)という2枚のソロ・アルバムをリリースしています。

当ブログではLightheadedのメンバーのうち、Othelloばかりにフォーカスしてしまい、Ohmega WattsBrailleの作品はおざなりにしてきたので、ここらでちゃんと紹介しますね(笑)

Ohmega Watts自身のアルバムこそ紹介していなかったものの、当ブログでこれまで紹介してきたアルバムの中に度々ゲスト参加しています。

 Othello『Elevator Music』(2005年)
 Othello『Alive At The Assembly Line』(2006年)
 Various Artists『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)
 Kero One『Early Believers』(2009年)
 The Residents『Open House』(2009年)
 Mental Abstrato『Pure Essence』(2010年)

こうしてOhmega Watts参加の作品を眺めてみると、全てアングラ・ジャジーHip-Hopの名盤ばかりですね。

さて、今日紹介する2ndソロ『Watts Happening』(2007年)ですが、Hip-Hopの枠に収まらない刺激的なクロスオーヴァー作品に仕上がっています。特に、ラテン、ブラジル、アフロのフレイヴァーが強調された楽曲が多く収録されています。

ここでのOhmega WattsはMCというよりもプロデューサー/ミュージシャンという位置づけが強く、彼のサウンド・クリエイトのセンスを満喫する1枚です。

きっとアングラ・ジャジーHip-Hop好きに止まらず、広くクラブ・ミュージック/クロスオーヴァー好きを魅了するアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす(Disc1のみ)。

「What's It Worth」
オススメその1。オープニングはDJ BombayのスクラッチとRagen Fykesの女性コーラスも加わったオールドスクール調のファンキー・トラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=6Tg8_uyZax8

「Triple Double」
オススメその2。Theory Hazitをフィーチャー。故J Dillaあたりが好きな方はグッとくる1曲なのでは?シンセのコズミック感とDJ Manwellの擦りにグッときます。

「No Delay」
オススメその3。The Sound Providersとのコラボでもお馴染みSurrealをフィーチャー。シングルにもなりました。Ohmega Watts自身が弾くシンセ&ローズの響きが印象的なドープ&アブストラクトな音世界がグッド!

「Shorty Shouts」
インタールード的な小曲ですが、意外にエキサイティングです。

「Model Citizen」
オススメその4。モロにKool & The Gang「Summer Madness」しています。Andrew Walters Bariのヴァイヴやホーン隊も加わったジャジー・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=ffMvaFCbaJ4

「Few And Far Between」
アフロ・サンバ調のビーツにグッときます。Hip-Hopの枠に収まらないOhmega Wattsの面白さを実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=AA9cQHGbgCw

「Eyes And Ears」
Jneiro Jarel、Shape Of Broad Mindsをフィーチャー。中盤以降にビーツが俄然面白くなる展開です。
http://www.youtube.com/watch?v=7sv0J1Yc1Po

「Roc The Bells」
オススメその5。Lightheadedをフィーチャー。やはりOthelloとBrailleの三人が集まれば、何かを期待してしまいますよね。

「Adaptacao」
オススメその6。Tita Limaの女性ヴォーカルをフィーチャーした哀愁ラテン・グルーヴ。Hip-Hopファンというよりもラテン・フレイヴァーのクラブ・サウンドがお好きな人向けです。
http://www.youtube.com/watch?v=6ce3Vs_shhk

「Saywhayusay」
オススメその7。完全にHip-Hopの枠を飛び越えて、Nu Jazz/ブロークンビーツ系に入っています。サンバ調ブロークンビーツといった仕上がりですかね。

「Interlude: 'A Teaspoon Of Sugar'」
ジャジー&メロウなインタールード。

「Are You Satisfied」
Sugarpie Desantoのヴォーカルをフィーチャー。ラテン・フレイヴァーで畳み掛けます。

「Dedicated」
アブストラクト感が支配する中、オルガンで上手くアクセントをつけるセンスがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=5LwHM1IJcyI

「Memory Lane」
Genahral Victorをフィーチャー。太めのリズムとジャジー&メロウな上モノの組み合わせがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=8gqVKntXV8A

「Found」
ジャジーな疾走感が印象的です。

「Interlude: 'Clap On Clap Off!'」
ラスト・スパートに向けてのインタールード。

「Work For Wealth」
オススメその8。Ragen FykesとBarry Hamptonをフィーチャー。ラテン・フレイヴァーの不思議な浮遊感がいい感じです。

「The Platypus Strut」
オススメその9。実は僕の一番のお気に入りはコレ。全くHip-Hopしていない強烈なアフロ・ファンクのアッパー・インスト・チューンです。Fela Kuti好きの人であれば気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ME9kRzrtu4M

「Freak Out!!!」
ヴォコーダーも駆使したスピーディーなファンク・チューン。もっと長尺で聴きたい!

「Gone With The Wind」
ラストはストリングスも入ったメロディアスなジャジーHip-Hopチューンで締め括ってくれます。

1stソロ・アルバム『The Find』(2005年)もチェックを!

『The Find』(2005年)
Find

Lightheaded『Pure Thoughts』(2002年)
PURE THOUGHTS

Lightheaded『Wrong Way』(2005年)
Wrongway

Othello & The Hipknotics『Classics』(2004年)
Classic

Othello『Elevator Music』(2005年)
Elevator Music

Othello『Alive At The Assembly Line』(2006年)
Alive At The Assembly Line
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2011年03月09日

Marisa Monte『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』

MPBの歌姫が紡ぎ出す色彩豊かなアルバム☆Marisa Monte『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』
ローズ・アンド・チャコール
発表年:1994年
ez的ジャンル:MPBの歌姫
気分は... :ローズの香り・・・

MPBの歌姫Marisa Monteの3rdアルバム『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(英題:Rose and Charcoal)』(1994年)です。

これまで当ブログで紹介したMarisa Monte作品は以下の3枚。

『Marisa Monte(MM)』(1989年)
『Mais』(1991年)
『Universo Ao Meu Redor』(2006

少し前に書いたDadi『Dadi』のエントリー時から、Marisa Monteが聴きたくなり、ここ5日間毎日聴いているのが本作『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』です。

Arto Lindsayがプロデュースした2ndアルバム『Mais』(1991年)で世界中の音楽ファンにその名を知らしめたMarisa Monteでしたが、多くのファンの期待の中で制作された3rdアルバムが本作です。

前作『Mais』に続きArto Lindsayがプロデュースし、Marisa Monte自身も共同プロデューサーとしてクレジットされています。

『Mais』はMark Ribot、Melvin Gibbs、John Zorn、坂本龍一といったArto Lindsay人脈のミュージシャンも参加し、アヴァンギャルドなテイストも入ったArto Lindsay色の出たアルバムに仕上がっていました。

一方、本作『Verde Anil Amarelo Cor de Rosa e Carvao(Rose and Charcoal)』はそうしたアヴァンギャルドな色合いは薄まり、よりMPBらしいアルバムに仕上がっています。しかも、伝統的なブラジル音楽とモダンなMPBを見事に融合させた"開かれた"ブラジル音楽作品という印象を受けます。

レコーディングには、Marisa Monte(vo)、Nando Reis(g)、Arthur Maia(b)、Jorginho Gomes(ds)、Marcos Suzano(per)Carlinhos Brown(per)といったメンバーを中心に、Bernie Worrell(key)、Gilberto Gil(g)、Paulinho da Viola(g)、Celso Fonseca(g)、Romero Lubambo(g)、Nana Vasconcelos(per)、Laurie Anderson(vo)、ショーロ名門バンドEpoca de Ouro、老舗サンバ・グループVelha Guarda da PortelaPhilip Glass(brass & strings arr)等が参加しています。

Marisa自身と後にTribalistasをMarisaと組むCarlinhos BrownArnaldo Antunesの二人、さらにはNando Reisがソングライティングに参加しています。

MPBの持つさまざまな魅力を色彩豊かに伝えてくれるのがいいですね。

ブラジル音楽好き以外は勿論のこと、普段あまりブラジル音楽を聴かない人でも楽しめるはずです。

捨て曲ナシ、全曲オススメです!

全曲紹介しときやす。

「Maria De Verdade」
Carlinhos Brown作。ノスタルジックな雰囲気の中でCarlinhos Brownらしいパーカッシヴなテイストがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=DXQLpfmdIBI

「Na Estrada」
Marisa Monte/Nando Reis/Carlinhos Brown作。アルバムで一番のお気に入り!Marisaの爽快かつ凛とした歌声にグッときます。Bernie Worrellのオルガンがいい味出しています。ブラジル音楽好き以外の人でも感動できる普遍的な魅力を持つ1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=Yz56KkYVCYQ

「Ao Meu Redor」
Nando Reis作。現代音楽をリードする音楽家Philip Glassによるホーン&ストリングス・アレンジが印象的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=O0vqdG47iMw

「Segue O Seco」
Carlinhos Brown作。Marcos Suzanoによるビリンバウをはじめとする民族色を強く押し出した演奏とMarisaの歌声がマッチした味わい深い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=n69dzNKFZYE

「Pale Blue Eyes」
The Velvet Undergroundのカヴァー(Lou Reed作)。オリジナルは『The Velvet Underground』(1969年)に収録されています。Romero Lubamboのギター、Nana Vasconcelosのパーカッションのみというシンプルな演奏をバックに、オリジナルの持つ寂しい雰囲気を残しつつもMarisaらしい瑞々しさも上手く引き出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=dJtr1o4XXGQ

脱線しますが、てっきり『The Velvet Underground』(1969年)を当ブログで紹介済みだと思っていましたが、確認したら未紹介でした。近々取り上げたいと思います。

「Danca Da Solidao」
Paulinho da Viola作品のカヴァー。Paulinho da Violaのオリジナルは『A Danca da Solidao』(1972年)に収録されています。ブラジル音楽好きならば相当グッとくる絶品カヴァーに仕上がっています。Gilberto Gilがアコースティック・ギター&コーラス、Celso Fonsecaがエレクトリック・ギターで参加しています。バス・クラリネットのNed Rothenberg、パーカッションのMarcos Suzano等も含めた素晴らしい演奏と気だるく艶やかなMarisaのヴォーカルが一体化したパーフェクトな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=3SZg0-lhWCA

「De Mais Ninguem」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。ショーロ名門バンドEpoca de Ouroが参加したシブい味わいにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=QmrSDpfdVMM

「Alta Noite」
Arnaldo Antunes作。「Na Estrada」と並ぶ僕のお気に入り。美しいメロディとMarisaの歌声が優しく包み込んでくれる極上の癒しです。Romero Lubamboのギターも素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=k1XY1DBU1D4

「O Ceu」
Nando Reis/Marisa Monte作。リズミックな仕上がりが印象的です。

「Bem Leve」
Marisa Monte/Arnaldo Antunes作。淡々とした中で哀愁モードの気だるい歌声にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=udHofgHt9Ik

「Balanca Pema」
Jorge Benの名曲カヴァー。Jorge Benのオリジナルは『Samba Esquema Novo』(1963年)に収録されています。ここではセクシーな絶品サンバ・チューンで聴かせてくれます。このサンバ・チューンを盛り上げているのがBernie Worrellのオルガンというのが面白いですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=7QtQi3bL6RI

「Enquanto Isso」
Marisa Monte/Nando Reis作。Laurie Andersonがヴォーカルで参加しています。Marisa MonteとLaurie Andersonの組み合わせは全くピンと来ませんが、Arto Lindsayが間に入ると妙に納得してしまいます(笑)。モダンかつロマンティックな仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=jE8P3oN1D_I

「Esta Melodia」
Bubu da Portela/Jamelao作。サンバ・シンガーJamelaoによるオリジナルは1959年に録音されています。老舗サンバ・グループVelha Guarda da Portelaが参加し、ラストは感動的なサンバで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=5LmysZMD--0

Marisa Monte作品の過去記事もご参照下さい。

『Marisa Monte(MM)』(1989年)
マリーザ・モンチ

『Mais』(1991年)
Mais

『Universo Ao Meu Redor』(2006年)
Universo ao Meu Redor
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2011年03月07日

Deniece Williams『Song Bird』

2ndもEW&F勢が強力にバックアップ!☆Deniece Williams『Song Bird』
Song Bird
発表年:1977年
ez的ジャンル:ソングバード系女性メロウ・ソウル
気分は... :キュート&ラブリー!

今回はキュートな歌声が魅力の女性ソウル・シンガーDeniece Williamsの2ndアルバム『Song Bird』(1977年)です。

Deniece Williamsの紹介は、1stアルバム『This Is Niecy』(1976年)、3rdアルバム『When Love Comes Calling』(1979年)に続き3回目となります。

ご存知のとおり、Earth, Wind & FireのリーダーMaurice WhiteとCharls Stepneyが設立したKalimba Productionが大々的に売り出したのが、EmotionsDeniece Williamsでした。

結果として、MauriceとStepneyがプロデュースしたDenieceの1stアルバム『This Is Niecy』(1976年)からはシングル「Free」が全米R&Bチャート第2位のヒットとなりました。

続く2ndアルバムとなる本作『Song Bird』では、Maurice Whiteが引き続きプロデュースし、さらに共同プロデューサーとしてJerry Petersの名がクレジットされています。また、Tom Tom 84がストリングス&ホーン・アレンジを担当しています。

レコーディングには、Verdine White(b)、Al McKay(g)、Fred White(ds)、Larry Dunn(syn)といったEW&Fのメンバーや、Jerry Peters(p、el-p)、Nathan Watts(b)、Victor Feldman(vib)、Paulinho Da Costa(per)、Sidney Barnes(back vo)等が参加しています。

人気曲「Free」を含む『This Is Niecy』と比較すると地味な印象のアルバムかもしれませんが、1st同様Kalimba Productionらしいポップ&メロウな1枚に仕上がっています。

僕が保有するCDは1994年の初CD化時に購入したものですが、その後入手しづらい状況が続いていました。しかし、昨年再CD化されて現在では普通に入手できるようになっています。

彼女のキュート&ラブリーなハイ・トーン・ヴォーカルは、聴いているだけでハッピー・モードになりますよね。こういう声質だけで魅了してしまう女性ヴォーカルに弱いんです(笑)

まさに"ソングバード"の名が相応しい、Denieceのラブリー・ヴォイスを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Time」
オススメその1。オープニングは、いかにもEW&F調のKalimba Productionらしいポップ&メロウなダンス・チューンに仕上がっています。Verdine Whiteのベースに導かれ、Denieceの伸びやかなハイ・トーン・ヴォーカルが弾けます!Maurice White/Fred White/Verdine White/Al Mckay等の共作。
http://www.youtube.com/watch?v=4PUkHdpu3xs

「The Boy I Left Behind」
オススメその2。本作における人気曲の1つですね。Denieceのキュートなヴォーカルを存分に堪能できるメロウ・ソウルに仕上がっています。軽くラテン・テイストなあたりも僕好み!Erick Eisner作。
http://www.youtube.com/watch?v=NS9iVnRe8M0

「We Have Love For You」
オススメその3。昔も今も僕の一番のお気に入りはコレ。Al Johnson作のメロウ・ソウルです。フリーソウル系の音が好きな方であれば、イントロを聴いただけで胸キュン状態になりますよねぇ!Al Johnsonと言えば、彼のソロ・アルバム『Back For More』(1980年)もフリーソウル好きには人気の1枚ですね。『Back For More』は当ブログで紹介し忘れている1枚なので、そのうち取り上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=VaxyZxfyuN8

「God Is Amazing」
Denieceのオリジナル。タイトルから察しがつくようにゴスペル調のバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ekq1iBLAERU

「Baby, Baby My Love's For You」
オススメその4。アルバムからのシングル曲として全米R&Bチャート第13位のヒットとなりました。今日でも一番の人気曲は本曲でしょうね。Denieceの魅力全開のラブリー・メロウ・ソウルです。聴いているだけで心の中のメロウネス指数がグングン上昇します!Verdine White/Robert Wright作。
http://www.youtube.com/watch?v=1X6-AwkjGZI

「Season」
恋する女心を歌ったキュートなソウル・チューン。Fritz Baskett/Clarence Mcdonald作。

「Be Good To Me」
DenieceとClarence Mcdonaldの共作。Denieceには意外なレゲエ/トロピカル調の仕上がりですが、リラックスした楽しげな雰囲気がいいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=Tx-QSXS3IMg

「The Paper」
ラストはDenieceのオリジナル。8分近い大作ですが、愛の終焉を哀愁モードで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=dBD_cxjhBI0

Deniece Williamsの過去記事もご参照下さい。

『This Is Niecy』(1976年)
This Is Niecy

『When Love Comes Calling』(1979年)
ラヴ・コーリン(期間生産限定盤)
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2011年03月06日

Frank McComb『A New Beginning』

来日公演を終えたばかりのFrank McCombの新作☆Frank McComb『A NEW Beginning』
A New Beginning
発表年:2011年
ez的ジャンル:ジャジー&シルキー系ソウル・シンガー
気分は... :心を開いて・・・

ちょうど3月3日(木)〜3月5日(土)に東京 Cotton Clubでの来日公演を終えたばかりの男性ソウル・シンガー/キーボード奏者Frank McCombの新作『A New Beginning』です。

"21世紀のDonny Hathaway"として日本でも根強い人気を誇るFrank McCombの紹介は、『The Truth』(2003年)、『Straight From The Vault(Special Edition)』(2006年)に続き3回目となります。

本国ではなかなか成功に恵まれないFrank McCombですが、来日公演とそれに合わせた新作発表と日本では着実にファンの心をつかんでいるのではないでしょうか。

新作『A New Beginning 』でも、ファンの期待を裏切らない優しくシルキー・ヴォーカルとジャジー&メロウ・サウンドを存分に聴かせてくれます。特に本作は信仰心の厚い彼らしく、神への感謝を意識したようなタイトルの楽曲が多いのが目立ちますね。

相変わらず派手さはありませんが、聴いているだけで優しい気持ちにさせてくれるサムシングを持った1枚に仕上がっています。

Frank McCombを語る上で欠かせないジャズ・サックス奏者Branford Marsalisがゲスト参加しています。

いろいろな節目を迎えることが多い今の時期にもマッチしたタイトル・内容です。
聴いていると、今まで気付かなかった何気ないことに感謝したくなります(笑)

全曲Frank McCombのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「King Of Kings (Entrance)」
アルバムのプロローグといった小曲。

「Inspire A Life」
オススメその1。Donny Hathawayばりのヴォーカルとメロウなエレピ・サウンドを堪能できる200%Frank McComb印の1曲。トランペットで参加のRussell Gunnがスペシャル・ゲストとしてクレジットされています。
http://www.youtube.com/watch?v=7V32yItN8vo

「Characters Of Our God」
オススメその2。清らかな歌声とサウンドに心洗われる1曲。おいしい湧き水を飲んだかのように体が浄化される気分になります。
http://www.youtube.com/watch?v=av4bWwlMcmE

「Since The Day I Said I Do」
オススメその3。ヴォーカルはコーラスのみのさり気ない曲ですが、その美しいキーボードの旋律に心奪われるメロウ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=OSanURFas7E

「Wishful Thinking」
ジャジー&メロウな展開が現在のFrank McCombらしいミッド・グルーヴ。

「Deed To My Heart」
オススメその4。スピリチュアル&ハートフルなヴォーカルにグッとくる1曲。思わず神に感謝し、優しい気持ちになってしまいます。

「Wouldn't Trade You At All」
オススメその5。Stevie Wonder風のヴォーカル&メロディがいい感じのミッド・グルーヴです。
http://www.youtube.com/watch?v=pa75EC8_4BU

「Leading You On」
オススメその6。アーバン・テイスト漂うメロウ・チューン。シルキー・ヴォーカルで優しく包み込んでくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=r6tK-u6KJ1I

「And Now I'm Fighting」
オススメその7。Branford Marsalis参加の本曲がアルバムのハイライトかもしれませんね。"21世紀のDonny Hathaway"らしい感動バラードです。Branford Marsalisのソプラノ・サックスも感動を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=e9WBeNTiJQU

「Jealousy And Envy」
ファンキーながらも落ち着きがあるグルーヴィー・チューン。アルバムの中でいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=egsj4Z9kd6I

「Open My Heart」
聴いているだけで神聖な気持ちになる厳かなバラード。ジワジワ盛り上がっていく感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=7rgIKca5zR4

「In My Heart」
オススメその8。アーバン・メロウなDonny Hathawayといった雰囲気がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=7CsHKuF0jlw

「V12」
キーボード奏者としてのFrank McCombを堪能できるインスト。これはこれで楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=tvZ72ZgHrlQ

「King Of Kings (Exit)」
アルバムのエピローグ。

未聴の方はFrank McCombの過去作品もチェックを!

『Love Stories』(2000年)
Love Stories

『The Truth』(2003年)
Truth

『The 1995 Bootleg』(2005年)
1995 Bootleg

『The Truth Vol. 2』(2006年)
Truth 2

『Straight From The Vault(Special Edition)』(2006年)
ストレイト・フロム・ザ・ヴォルト-スペシャル・エディション

『Live in Atlanta Vol. 1』(2007年)
LIVE In Atlanta Vol.1(DVD付)

『A Tribute to the Masters』(2007年) ※インスト・アルバム
Tribute to the Masters

『Live in Atlanta Vol. 2』(2008年)
Vol. 2-Live in Atlanta
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