2011年03月05日

Jack Marshall & Shelly Manne『Sounds!』

昨年遂に国内初CD化が実現!珠玉のギター&パーカッション・デュオ☆Jack Marshall & Shelly Manne『Sounds!』
サウンズ!
録音年:1965年
ez的ジャンル:ギター&パーカッション・ジャズ・デュオ
気分は... :結構刺激があります!

今回はジャズ・ギタリストJack Marshallとジャズ・ドラマーの名手Shelly Manneの共演アルバム『Sounds!』(1962年)です。

Jack Marshall(1925-1973年)はカンザス州出身のギタリスト/作曲家。

『18th Century Jazz』(1959年)、『Soundsville』(1959年)、『My Son the Surf Nut』(1960年)、『The Marshall Swings!!!』(1960年)、『Tuff Jack』(1966年)等のリーダー作を録音しています。また、当ブログで紹介した作品で言えば、Wanda De Sah『Softly!』のオーケストレーションを手掛けています。

Shelly Manne(1920-1984年)はN.Y.出身のジャズ・ドラマー。50〜60年代のウエスト・コースト・ジャズを代表する名ドラマーですね。

Jack MarshallShelly Manneは、『Sounds Unheard Of!』(1962年)、『Sounds!』(1965年)という2枚の共演アルバムをレコーディングしています。

今日紹介する『Sounds!』(1965年)はサバービアでも取り上げられたアルバムであり、音を聴いたことがなくても素晴らしいジャケが気になっていた方も多いのでは?

僕もそんな一人でしたが、昨年遂に国内初CD化が実現され、めでたくマイ・コレクションに加えることができました。

Jack MarshallのギターとShelly Manneのドラム/パーカッションのみというシンプルな編成の演奏ですが、全体的にはMarshallの美しいギター・プレイをManneのドラム/パーカッションが様々な表情で盛り上げているという印象です。あくまでMarshallを主役に据え、Manneは盛り上げ役に徹している感じですね。

その意味では名ドラマーManneのプレイを堪能できるアルバムではありません。しかしながら、Manneの各種パーカッションが創り出す音空間の雰囲気が作品全体を魅力的なものにしています。そんな音空間でMarshallの小粋で美しいギターの音色が響き渡ります。

スウィングあり、スパニッシュあり、クラシカルあり、ブラジルありとアルバム全体の構成も心憎いですね。また、本作にイージーリスニング的な印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、実験的な演奏や緊張感のあるインプロも含まれ、決して"聴きやすい"だけのアルバムではありません。

ギター&パーカッションのみで創り出すユニークな音世界を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Theme From Lawrence Of Arabia」
邦題「アラビアのロレンスのテーマ」。ご存知David Lean監督、Peter O'Toole主演の名作映画『Lawrence Of Arabia』(1962年)の主題歌。スパニッシュ&エスニック・テイストのミステリアス感が印象的です。

「Sweet Sue, Just You」
Will J. Harris/Victor Youngが1928年に作ったスタンダード。小粋なスウィング感のあるShelly ManneのプレイがJack Marshallのギターを引き立てます。

「All Things You Are」
1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために作られたJerome Kern/Oscar Hammerstein II作品。目まぐるしく表情を変化させるShelly Manneのドラム/パーカッションに合わせてJack Marshallが美しい音色を響かせます。

「Choros」
ブラジル人作曲家Heitor Villa-Lobosの作品。静寂の中に美しくも情熱的なセレナーデが鳴り響きます。

「Am I Blue?」
本作のハイライトかもしれませんね。1929年にEthel Watersが大ヒットさせたHarry Akst/Grant Clarke作品。口笛も交えて軽くスウィングした小粋な仕上がりは週末にくろぎながら聴くにはピッタリの1曲です!

「The Rain In Spain」
お馴染みのミュージカル『My Fair Lady』のため作られたAlan Jay Lerner/Frederick Loewe作品。意外に実験的な演奏かも?実際、ピアノの弦を弾いているらしいです。

「Spanish Dance No.5」
スペインの作曲家Enrique Granados作品。タイトルの通り、スパニッシュ・モードの演奏です。

「S'posin'」
Rudy Valleeが1929年にヒットさせたAndy Razaf/Paul Denniker作品。Shelly Manneがここではヴォイス・パーカッションを披露してくれます。

「Yesterdays」
Jerome Kern/Otto Harbachによる1933年のミュージカル『Roberta』挿入歌。当ブログでは以前にClifford Brown『Clifford Brown with Strings』の演奏を紹介したこともあります。静寂の中のもパッションを感じる演奏がいいですね。

「The Girls Of Sao Paulo」
本作唯一のオリジナル。タイトルから予想するモロにボッサな演奏ではありませんが、Marshallの美しいギターに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=db3wUb4vdAg

「A Day In Brazil - Medley」
ラストは映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』で使われたLuiz Bonfa作の名曲「Manha De Carnaval」「Samba de Orfeu」のメドレー。両曲とも当ブログではお馴染みですね。緊張感のあるインプロを挟み哀愁メロディの「Manha De Carnaval」とリズミカルな「Samba de Orfeu」を聴かせてくれます。

う〜ん、今日は頭の回転が鈍い、美味しいスイーツでも食べてリセットしようっと!
posted by ez at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする