2011年03月26日

Alice Clark『Alice Clark』

レア・グルーヴ/フリーソウル好き必聴の1枚☆Alice Clark『Alice Clark』
アリス・クラーク(紙ジャケット仕様)
発表年:1972年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系レディ・ソウル
気分は... :パワーを与えてくれる歌力!

今回は女性シンガーAlice Clarkの唯一のアルバム『Alice Clark』(1972年)です。

90年代のレア・グルーヴ/フリーソウル・シーンで再評価が高まった1枚ですね。

彼女のバイオグラフィについては全く知りません。

1968年にデビュー・シングル「You Got A Deal/Say You'll Never Leave Me」、1969年にシングル「You Hit Me (Right Where It Hurt Me)/ Heaven's Will (Must Be Obeyed)」をリリースしています。そして、1972年に今日紹介する唯一のアルバム『Alice Clark』をジャズ・ファンクの名門Mainstream Recordsからリリースしています。

僕も多くの人と同様にフリーソウルのコンピ『Free Soul Moon』に収録された「Never Did I Stop Loving You」「Don't You Care」の2曲でAlice Clarkのことを知りました。

アルバム・ジャケだけ眺めると、厳かでスピリチュアルな雰囲気が漂いますが、実にパワフルでエモーショナルなソウル・アルバムに仕上がっています。

聴いているだけでパワーをもらえる"歌力"に充ちたアルバムです。

また、Aliceの歌力を盛り上げるバックの演奏も素晴らしいの一言です。
クレジットはありませんが、名だたるミュージシャン達が参加しているとの噂もありましたね。真偽のほどはわからないので、ここでは具体的なメンバーを挙げるのは控えておきます。

プロデュースはBobby Shad。本作と同じMainstream RecordsからリリースされたBobby Shad And The Bad Men名義の「I Want You Back」(Jackson 5のカヴァー)が人気ですね。

Bobby Shad And The Bad Men「I Want You Back」
 http://www.youtube.com/watch?v=8d3jmzssnnA

レア・グルーヴ/フリーソウル好きには、「Never Did I Stop Loving You」「Don't You Care」「Hard Hard Promises」「Hey Girl」あたりがハイライトだと思いますが、その他の曲でも素晴らしいAliceの歌声に感動するはずです。

収録曲のうち、「Don't You Care」「Hard Hard Promises」をはじめとする3曲が、名曲「Sunny」でお馴染みのBobby Hebb作品です。

全曲紹介しときやす。

「I Keep It Hid」
オープニングはJimmy Webbのカヴァー。The SupremesLinda Ronstadt等もカヴァーしていますね。Alice Clarkというシンガーの"歌力"を実感できるエモーショナルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=yqLrRoSa_5g

「Looking At Life」
イギリスの大物女性シンガーPetula Clarkのカヴァー。ジワジワと心に沁みてくる味わい深いソウル・チューン。オルガンとトランペットがAliceの熱唱を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=NokM3iOate4

「Don't Wonder Why」
Leonard Caston作品。Stevie Wonderヴァージョンで知られている曲ですね。厳かな雰囲気のStevieヴァージョンに対して、こちらのヴァージョンはよりソウルフルでコクのある仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=RahSynm8Zao

Stevie Wonder「Don't Wonder Why」
 http://www.youtube.com/watch?v=3mOsYh5u_qk

「Maybe This Time」
Liza Minnelliを一躍スターにした名作ミュージカル映画『Cabaret』の挿入歌(Fred Ebb/John Kander作)。ミュージカル名曲がエモーショナルなソウル・チューンに生まれ変わっています。

「Never Did I Stop Loving You」
前述のようにフリーソウルの人気曲(Juanita Fleming作)。フリーソウル好きにとってはど真ん中な、込み上げヤング・ソウルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=r4fMlKrBZQ8

「Charms Of The Arms Of Love」
Bobby Hebb作品1曲目。ホーン&フルートに先導され、Aliceが魂のヴォーカルを聴かせてくれます。

「Don't You Care」
Bobby Hebb作品2曲目。本作のハイライトとなるレア・グルーヴ/フリーソウル・クラシック。躍動するAliceのヴォーカルとバックの演奏が一体となりミラクルなエナジーを発しています。聴いているだけでパワーが漲ってくる、全てが完璧な1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=EmcYSMChw4k

「It Takes Too Long To Learn To Live Alone」
Leon Carr/Robert Allen作。Peggy Lee、Eydie Gorme、Mel Torme等のヴァージョンでも知られるスタンダード。ソウルフルな味わいとスタンダード風な佇まいが上手く融合していると思います。

「Hard Hard Promises」
Bobby Hebb作品3曲目。この曲もフリーソウル好きには外せない1曲。個人的には「Don't You Care」に次いでお気に入りの曲です。豪快なホーン・セクションがパンチの効いたAliceのヴォーカルを盛り上げてくれます。これでハイ・テンションにならないはずがありません!
http://www.youtube.com/watch?v=Y25Syx4JJlQ

「Hey Girl」
Donny Hathaway『Live』でお馴染みの1曲。その『Live』にも参加していた名うてのパーカッション奏者Earl DeRouenの作品です。軽快なテンポの「Hey Girl」を聴くことができます。

本作にシングル曲や未発表曲を追加した『The Complete Studio Recordings 1968-1972』も発売されています。

『The Complete Studio Recordings 1968-1972』
ザ・スタジオ・レコーディングス1968-1972

これを機会にMainstream Recordsの他作品もチェックしてみては?

Maxine Weldon『Right On』(1970年)
ライト・オン
「Make It With You」
 http://www.youtube.com/watch?v=g001lZba2Xg

Maxine Weldon『Chilly Wind』(1971年)
チリー・ウィンド
「Ain't Got Nobody」
 http://www.youtube.com/watch?v=4Rf4a1B9RT0

Ellerine Harding『Ellerine』(1972年)
エレリン(紙ジャケット仕様)

Blue Mitchell『The Last Tango=Blues』(1973年)
ザ・ラスト・タンゴ=ブルース
「The Message」
 http://www.youtube.com/watch?v=PFsxbMYs3fQ

Frank Foster『The Loud Minority』(1974年)
ザ・ラウド・マイノリティー
「The Loud Minority」
 http://www.youtube.com/watch?v=0u3ELUm0IGo
posted by ez at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする