2011年04月18日

Larry Young『Heaven On Earth』

ファンキー路線のグルーヴィー・オルガン・ジャズ☆Larry Young『Heaven On Earth』
ヘヴン・オン・アース
録音年:1968年
ez的ジャンル:ファンキー路線オルガン・ジャズ
気分は... :グルーヴィーに盛り上げマス!

ジャズ・オルガン奏者Larry Young『Heaven On Earth』(1968年)です。

オルガンのColtrane”と呼ばれたオルガン奏者Larry Youngの紹介は、『Into Somethin'』(1964年)、『Unity』(1965年)に続き3回目となります。

今回紹介する『Heaven on Earth』(1968年)は、『Into Somethin'』(1964年)、『Unity』(1965年)、『Of Love and Peace』(1966年)、『Contrasts』(1967年)に続くBlue Note第5弾アルバムです。

ファンキー路線のアルバムということで、正統派ジャズ・ファンからはあまり評判が良くない作品のようですが、グルーヴィーなオルガン・ジャズ満載であり、クラブ・ジャズ好きの人であれば気に入る1枚ではないかと思います。

レコーディング・メンバーは、Larry Young(org)、Byard Lancaster(as)、Herbert Morgan(ts)、George Benson(g)、Eddie Gladden(ds)、Althea Young(vo)といった編成です。やはりGeorge Bensonの参加が目立ちます。

本作以降のLarry Youngは、Blue Noteでの最終作『Mother Ship』(1969年)をレコーディング後、Tony Williams(ds)、Mahavishnu Orchestraを率いることになるギタリストJohn McLaughlinと共にLifetimeを結成し、当ブログでも紹介した『Emergency!』(1969年)をリリースします。

さらに『Emergency!』に感銘したMiles Davisから請われ、音楽シーンを震撼させた衝撃作『Bitches Brew』(1969年)へ参加することになります。

こうした流れを踏まえると、Larry Youngのキャリアの中で試行錯誤の時期の作品かもしれません。まぁ、小難しいことを考えずに"グルーヴィー・オルガン・ジャズを満喫する"というスタンスで聴けば、かなり楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Infant」
オススメその1。オープニングはブーガルー・テイストのファンキー・チューン。YoungのオルガンとBensonのギターがファンキーに絡んでくるのがいいですね!Larry Young作。

「The Cradle」
オススメその2。YoungとドラムのEddie Gladdenのみの演奏によるオルガン・ボッサ・チューン。二人のみの演奏ですが、Eddie Gladdenも含めてなかなか迫力があります。Larry Young作。
http://www.youtube.com/watch?v=p9sFuwE5Iuw

「The Hereafter」
Larry Young作。Miles Davisにインスパイアされて書いた楽曲なのだとか。疾走する3拍子のリズムが心地好いです。

「Heaven On Earth」
オススメその3。Larry Young作。タイトル曲はヒップなオルガン・グルーヴ。クラブ・ジャズ好きにはかなりグッとくる仕上がりです。グルーヴィーなYoungのオルガンは勿論のこと、Bensonのグッド・フィーリングなギターにも惹かれます。

「Call Me」
オススメその4。UKの女性シンガー/女優Petula Clark、1965年のシングル曲のカヴァー(Tony Hatch作)。当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trioのカヴァーを紹介済みです。実にスタイリッシュなセンス抜群のカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=MWGEPEGW21k

「My Funny Valentine」
ラストはLorenz Hart作詞、Richard Rodgers作曲による超有名スタンダード。当ブログではMiles DavisBill Evans & Jim Hallのカヴァーを紹介済みです。ここではYoungの奥方Althea Youngがヴォーカルを務めています。実にミステリアスでスピリチュアルな「My Funny Valentine」を聴かせてくれます。

Larry Young関連の過去記事もご参照下さい。

『Into Somethin'』(1964年)
イントゥ・サムシン

『Unity』(1965年)
ユニティ

Tony Williams Lifetime『Emergency!』(1969年)
Emergency!
posted by ez at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする