録音年:1968年
ez的ジャンル:ファンキー路線オルガン・ジャズ
気分は... :グルーヴィーに盛り上げマス!
ジャズ・オルガン奏者Larry Youngの『Heaven On Earth』(1968年)です。
“オルガンのColtrane”と呼ばれたオルガン奏者Larry Youngの紹介は、『Into Somethin'』(1964年)、『Unity』(1965年)に続き3回目となります。
今回紹介する『Heaven on Earth』(1968年)は、『Into Somethin'』(1964年)、『Unity』(1965年)、『Of Love and Peace』(1966年)、『Contrasts』(1967年)に続くBlue Note第5弾アルバムです。
ファンキー路線のアルバムということで、正統派ジャズ・ファンからはあまり評判が良くない作品のようですが、グルーヴィーなオルガン・ジャズ満載であり、クラブ・ジャズ好きの人であれば気に入る1枚ではないかと思います。
レコーディング・メンバーは、Larry Young(org)、Byard Lancaster(as)、Herbert Morgan(ts)、George Benson(g)、Eddie Gladden(ds)、Althea Young(vo)といった編成です。やはりGeorge Bensonの参加が目立ちます。
本作以降のLarry Youngは、Blue Noteでの最終作『Mother Ship』(1969年)をレコーディング後、Tony Williams(ds)、Mahavishnu Orchestraを率いることになるギタリストJohn McLaughlinと共にLifetimeを結成し、当ブログでも紹介した『Emergency!』(1969年)をリリースします。
さらに『Emergency!』に感銘したMiles Davisから請われ、音楽シーンを震撼させた衝撃作『Bitches Brew』(1969年)へ参加することになります。
こうした流れを踏まえると、Larry Youngのキャリアの中で試行錯誤の時期の作品かもしれません。まぁ、小難しいことを考えずに"グルーヴィー・オルガン・ジャズを満喫する"というスタンスで聴けば、かなり楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Infant」
オススメその1。オープニングはブーガルー・テイストのファンキー・チューン。YoungのオルガンとBensonのギターがファンキーに絡んでくるのがいいですね!Larry Young作。
「The Cradle」
オススメその2。YoungとドラムのEddie Gladdenのみの演奏によるオルガン・ボッサ・チューン。二人のみの演奏ですが、Eddie Gladdenも含めてなかなか迫力があります。Larry Young作。
http://www.youtube.com/watch?v=p9sFuwE5Iuw
「The Hereafter」
Larry Young作。Miles Davisにインスパイアされて書いた楽曲なのだとか。疾走する3拍子のリズムが心地好いです。
「Heaven On Earth」
オススメその3。Larry Young作。タイトル曲はヒップなオルガン・グルーヴ。クラブ・ジャズ好きにはかなりグッとくる仕上がりです。グルーヴィーなYoungのオルガンは勿論のこと、Bensonのグッド・フィーリングなギターにも惹かれます。
「Call Me」
オススメその4。UKの女性シンガー/女優Petula Clark、1965年のシングル曲のカヴァー(Tony Hatch作)。当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trioのカヴァーを紹介済みです。実にスタイリッシュなセンス抜群のカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=MWGEPEGW21k
「My Funny Valentine」
ラストはLorenz Hart作詞、Richard Rodgers作曲による超有名スタンダード。当ブログではMiles Davis、Bill Evans & Jim Hallのカヴァーを紹介済みです。ここではYoungの奥方Althea Youngがヴォーカルを務めています。実にミステリアスでスピリチュアルな「My Funny Valentine」を聴かせてくれます。
Larry Young関連の過去記事もご参照下さい。
『Into Somethin'』(1964年)
『Unity』(1965年)
Tony Williams Lifetime『Emergency!』(1969年)