2011年04月21日

Raw Stylus『Pushing Against the Flow』

Gary Katzプロデュース、Donald Fagen参加のUKジャズ・ファンク☆Raw Stylus『Pushing Against the Flow』
Pushing Against the Flow
発表年:1995年
ez的ジャンル:アシッド・ジャズ系UKジャズ・ファンク
気分は... :Tuesday Afternoon・・・

今回は90年代アシッド・ジャズ/UKジャズ・ファンク好きには懐かしいグループRaw Stylusの唯一のアルバム『Pushing Against the Flow』(1995年)です。

Raw Stylusは、マルチ・プレイヤー兼ソングライターのイギリス人Jules BrookesとDJ兼エンジニア/プロデューサーのスウェーデン人Ron Aslanがロンドンで結成したグループ。

1990年のデビュー・シングル「Bright Lights, Big City」を皮切りに、「Pushing Against The Flow」「Many Ways」「Use Me」Bill Withersのカヴァー)といったシングルをリリースし、アンダーグラウンドのみならず広く注目される存在となっていきます。

「Use Me」のリリース直後に女性ヴォーカリストDonna Gardierが加わりパワーアップしたグループは、1stアルバム『Pushing Against the Flow』の制作を開始します。レコーディングはN.Y.で行われ、Steely Dan作品でお馴染みのGary Katzがプロデュースを担当しています。

Donald Fagen、Elliott Randall(g)、Hugh McCracken(hca)、Bernard Purdie(ds)、Bashiri Johnson(per)、Ronnie Cuber(bs)、Randy Brecker(tp、flh)といった有名ミュージシャンや、N.Y.のジャズ・グループThe Jazz PassengersのBill Ware(vibe)、アシッド・ジャズ・シーンではお馴染みDominic "Ski" Oakenfull(key)やNemo Jones(g)、Raw Stylusと同じくGary KatzがプロデュースしたUSのジャズ・ファンク・グループRepercussionsのGenji Siraisi、Jonathan Maron、Nicole Willis等がレコーディングに参加しています。

UKアシッド・ジャズとUSジャズ・ファンクが融合したジャズ・ファンク好きにはたまらない1枚です。Gary Katzプロデュース、Donald Fagen、Elliott Randall参加という点ではSteely Dan好きの方にも興味深い作品かもしれませんね。

1995年というアシッド・ジャズ終焉期にリリースされた作品のため、商業的にはヒットしませんでしたが、この時期のジャズ・ファンクの魅力が凝縮された1枚に仕上がっていると思います。

上記のジャケはUKオリジナル盤のジャケです。
僕が保有する国内盤は別ジャケです。正直、チープなオリジナル・ジャケより国内盤ジャケの方が名盤の雰囲気が漂います。

全曲紹介しときやす。

「Pushing Against The Flow」
オススメその1。ボクシング好きにお馴染みのリングアナMichael Bufferによる有名な"Ladies and gentlemen, Woooooo, Let's get ready to rumble!" のフレーズに続いてスタートするオープニング。以前にリリースされたシングルとは別ヴァージョンです。N.Y.ジャズ・ファンクとロンドン・アシッド・ジャズの融合といった感じがいいですね。スクラッチ入りでも全く違和感がありません。The Counts「Motor City」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=dFgBZfxn3X8

「Believe In Me」
オススメその2。アルバムからシングル・カットされた爽快グルーヴィーなジャズ・ファンク。この曲はUKジャズ・ファンクらしいですね。Incognitoあたりがお好きな人であれば気に入る曲だと思います。Donna Gardierの伸びやかなヴォーカルも実に心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=Fy8WNcia0Ig

「37 Hours (In The U.S.A.)」
オススメその3。Donald Fagen参加曲。リード・ギターはElliott Randallがプレイしており、Steely Dan好きにはたまらない1曲なのでは?Steely Danファンが思わずニンマリしてしまうフレーズも飛び出します。
http://www.youtube.com/watch?v=0_JYgnpcWn0

「Kings Cross/Daybreak」
Jules Brookesがピアノ、クラヴィネット、シンセと大活躍です。Bill Wareのヴァイヴがいいアクセントになっています。後半の演奏はかなりハイテンションで盛り上がります。

「Higher Love」
ソウルフルなミッド・グルーヴ。UKソウルがお好きな人であれば気に入ると思います。

「Cuban King Breeze」
オススメその4。ラテン・アメリカ人ボクサーのジェットコースター人生を歌った軽快なジャズ・ファンク。ここでもElliott Randallが素晴らしいギター・プレイを聴かせてくれます。ソウルフルなヴォーカル&コーラスワークもグッド!

「Tuesday Afternoon」
オススメその5。疾走感する格好良さならば、アルバムで随一のファンキー・グルーヴ。今日本作を聴きたかったのは、本曲が今の僕の気分にピッタリだったからです・・・辛い木曜日を乗り切って幸せな金曜日を迎えたい・・・

「Ridequake」
本作に参加した豪華メンバーの素晴らしいプレイをフィーチャーするためのインスト・チューン。

「Pass Me By」
オススメその6。Jules BrookesとDonna Gardierの男女ヴォーカルの掛け合いとファンキーなグルーヴ感が心地好い1曲。

「Hungry People」
Hugh McCrackenのハーモニカとアコースティックな味わいが爽快なオーガニック感溢れる演奏でアルバムを幕を閉じます。

僕の保有する国内盤には「Use Me」「Pass Me by (YoYo Southside Vocal Mix)」 の2曲がボーナス・トラックとして収録されています。特に「Use Me」 の収録は嬉しいですね。

「Use Me」
http://www.youtube.com/watch?v=-wVs5IO94GE

本作と同時期にGary KatzがプロデュースしたRepercussions『Earth and Heaven』(1995年)もセットでどうぞ!

Repercussions『Earth and Heaven』(1995年)
アース・アンド・ヘヴン
posted by ez at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする