2011年04月26日

Ann Burton『Blue Burton』

深い感情表現に満ちたジャズ・バラード集☆Ann Burton『Blue Burton』
ブルー・バートン(3ヶ月期間限定盤)
録音年:1967年
ez的ジャンル:欧州女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :ジャズ・バラードに祈りを込めて・・・

まだ脳内の殆どがキャンディーズおよびスーちゃんで占められています。

スーちゃんの最後のメッセージを何度も聞いては涙、涙、涙・・・
人生の最期が迫ってくる中であんなメッセージを残せるなんて、スーちゃんあなたは素敵すぎます!

そんな気分の中で、ふと聴きたくなったのがAnn Burton『Blue Burton』(1967年)です。

Burtonの深い感情表現のジャズ・バラードを聴きながら、スーちゃんの冥福を祈りたい気分です。

オールド・ファンから若いリスナーまで虜にする女性ジャズ・ヴォーカリストAnn Burtonの紹介は、『Ballads & Burton』(1969年)に続き2回目です。

本作『Blue Burton』(1967年)は、34歳にしてようやくレコーディング機会に恵まれた彼女の初アルバムです。

Louis Van Dyke(p)、Jacques Schols(b)、John Engels(ds)というLouis Van Dyke Trioをバックに、苦しい道のりを経て辿り着いた信念のジャズ・バラードを聴かせてくれます。一部楽曲ではPiet Noordijk(as)も参加しています。

最初に聴くのであれば、『Ballads & Burton』の方が聴きやすいと思いますが、Burtonの原点という意味で『Blue Burton』(1967年)にも捨て難い魅力があります。いずれにしても2枚セットで聴くことをオススメします。

信念と美学のジャズ・バラードは聴く者の心に特別な何かを届けてくれます。

全曲紹介しときやす。

「I Can't Give You Anything But Love」
Dorothy Fields作詞/Jimmy McHugh作曲。Billie Holiday等でお馴染みのスタンダード。Louis Van Dyke Trioのブルージーな演奏と少しレイジーなBurtonの歌が実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=sj_nMmOTb_E

「Go Away Little Boy」
Carole King/Gerry Goffin作品のカヴァー。Steve Lawrence、Donny Osmondが全米No.1ヒットさせた曲です。当ブログではMarlena Shawのカヴァーを2ヴァージョン(『The Spice Of Life』及び『Sweet Beginnings』)紹介しています。本ヴァージョンは徐々に歌の表情が変化し、戯れる男の子ようなスウィング感がいいですね!

「He Was Too Good To Me」
Lorenz Hart作詞/Richard Rodgers作曲のスタンダード。元々は1930年のブロードウェイ・ミュージカル『Simple Simon』のための書かれた曲です。Nina Simone、 Carmen McRae等が歌っていますね。ここでは語りかけるようなBurtonのヴォーカルがグッときます。Piet Noordijkのアルトもいい雰囲気を醸し出してくれます。

「But Not For Me」
Ira & George Gershwinによる名曲(ブロードウェイ・ミュージカル『Girl Crazy』の挿入歌)。当ブログではこれまでJohn ColtraneModern Jazz QuartetMiles DavisBasso Valdambrini Quintetの演奏を紹介済みです。お馴染みのスタンダードですが、抑えた中にもBurtonらしいヴォーカルを満喫できます。

「It's Easy To Remember」
Lorenz Hart作詞/Richard Rodgers作曲のスタンダード。Billie Holiday等が歌っています。当ブログでも紹介したJohn Coltrane『Ballads』での演奏もお馴染みですね。さり気なさの中から滲み出てくる深い感情で胸一杯になります。

「You've Changed」
Carl Fischer/Bill Carey作のスタンダード。当ブログではDexter Gordonの演奏を紹介済みです。Louis Van Dykeの美しいピアノをバックに、Burtonの優れた感情表現を満喫できる名唱です。

「The Good Life」
Sacha Distel作による有名なポピュラー・ソングのカヴァー(フランス語原題「La Belle Vie」)。当ブログではGary McFarlandの演奏を紹介済みです。Burtonが発するフレーズ一つ一つが胸の奥まで染み渡っていきます。今の気分でこの曲を聴いていると目がウルウルになってしまいます。

「In The Wee Small Hours Of The Morning」
Frank Sinatraでお馴染みの楽曲のカヴァー(David Mann/Bob Hilliard作)。当ブログではGerry Mulliganの演奏を紹介済みです。Burtonの歌声が傷ついた心を優しく包み込んでくれます。この曲も聴いていると涙腺が緩くなります・・

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。当ブログでは以前にDusty SpringfieldBirgit LystagerClementineのヴァージョンを紹介しています。ここではミディアム・スロウのブルージーな「Sunny」を聴かせてくれます。

『Ballads & Burton』(1969年)とセットでどうぞ!

『Ballads & Burton』(1969年)
バラード・アンド・バートン(期間限定盤)
posted by ez at 02:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする