発表年:1969年
ez的ジャンル:オルガン系ブラジリアン・ソフトロック
気分は... :ブラジル依存症!
僕自身はいろんなジャンルの音楽をバランス良く聴きたい!という欲求が強いのですが、現実には近年ブラジル音楽への依存度がかなり高くなっています。CDショップへ行ってもブラジル・コーナーに居る時間が一番長いし、作品を探していること自体が楽しいですからね。
きっと、精神的に疲れていることが多く、生理的にブラジル音楽で癒されたいのでしょうね。近年、女性ジャズ・ヴォーカルを欲することが多いのも同じ理由かもしれません。
今回はブラジル音楽好きにはたまらない1枚Som Okey 5『Som Okey 5』(1969年)です。
ブラジリアン・ソフトロックのレア盤として評判の1枚でしたが、昨年遂にCD化が実現し、多くのブラジル音楽ファンを喜ばせてくれました。
Som Okey 5は、リオデジャネイロで結成された男性5人組グループ。メンバーは、Dirceu(per)、Celso Murilo(vo、p、g)、Paulinho(ds)、Walter Arid(org、vo)、J. Cruz (b)。
今回紹介する『Som Okey 5』(1969年)が彼らの唯一のアルバムです。
全体としてはWalter Aridのオルガンを中心にしたグルーヴィーなジャズ・ボッサ・サウンドとノスタルジックな哀愁コーラスが絡む、ブラジリアン・ソフトロック作品といったところでしょうか。
オルガンとピアノという鍵盤奏者メンバーが2名いる構成が特徴的ですが、グルーヴィーなジャズ・オルガンと小粋なボッサ・ピアノを一度に楽しめるのが魅力です。
ノスタルジックな哀愁ボッサ・ワールドを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Cantiga Por Luciana」
オススメその1。Paulinho Tapajops/Edmundo Rosa Souto作。グルーヴィー・サウンドと哀愁コーラスが絡むSom Okey 5の魅力が凝縮されたオープニング。モンドなオルガンと小粋なピアノのコンビネーションもグッド!アルバムで一番のお気に入り。
「O Que E Que Eu Faco」
Benil Santos/Jose Orlando作。哀愁のジャズ・ボッサ・チューン。ピアノ・ボッサにオルガンが加わることでアクセントになっています。
「Pais Tropical」
Jorge Ben作。様々なアーティストがカヴァーしている名曲ですね。。Som Okey 5ヴァージョンはトロピカル気分のリラックス感が印象的です。
「Beto Rockfeller」
オススメその2。Braulio Pedroso/Jose Briamonte作。ハイ・トーンのオルガン・サウンドに実に雰囲気があっていいですね。ノスタルジックなスキャットも盛り上げてくれます。
「Razao De Paz Pra Nao Canter」
オススメその3。Eduardo Lages/Alesio Barros作。完成度でいえばアルバム随一。ピアノとオルガンの組み合わせ方が絶妙なグルーヴィー・チューン。彼らのセンスの良さを実感するにはピッタリ!
「Duro De Roer」
オススメその4。Ugo Marotta/Vic Giffoni作。小粋なジャズ・ボッサの前半と妖しげでエキサイティングな後半で二度楽しめます。
「Esperanca」
オススメその5。Jorge Ben作。イントロが「Mas Que Nada」しています(笑)。全体としては爽快ボッサ・チューンに仕上がっています。
「Tava Na Cara」
Celso Castro作。小粋なコーラス・ワークとラテン調サウンドが印象的です。
「Hier Encore(Yesterday When I Was Young)」
H. Kretzmer/Charles Aznavour作。哀愁モードのインスト・チューン。
「Juliana」
オススメその6。Tiberio Gaspar/Antonio Adolfo作。Antonio Adolfoのオリジナルは当ブログでも紹介した『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1969年)のオープニング曲として収録されています。女性リード・ヴォーカルのオリジナルも好きですが、小粋なサウンド・センスが光るSom Okey 5ヴァージョンもいいですよ。
「Que Maravilha」
Jorge Ben/Toquinho作。ちょっぴり切ないオルガン・ボッサがグッときます。
「MAR」
オススメその7。Durval Ferreira作。ラストは疾走感がたまらないパーカッシヴなオルガン・ボッサで締め括ってくれます。
ジャケのノスタルジック感に引かないで、一度音をチェックしてみて下さい!