2011年05月30日

Lewis Taylor『Lewis Taylor』

ロンドン生まれの白人R&Bシンガーによるネオ・ソウルなデビュー作☆Lewis Taylor『Lewis Taylor』
Lewis Taylor
発表年:1996年
ez的ジャンル:ネオソウル系白人男性R&B
気分は... :バルサ強かった!

注目のUEFAチャンピオンズリーグ決勝「バルセロナ対マンチェスターU」ですが、3対1でバルサが快勝しました。

昨日の記事でマンUの方が一枚上なのでは?なんて自信のないコメントをしたバルサ・ファンの僕でしたが、全くの杞憂でしたね。まさかバルサがあれほどマンUを圧倒するとは思いませんでした。名将ファーガソン監督も完敗を認めたバルサの強さは別次元でしたね。それでも唯一のチャンスでゴールを決めるルーニーはさすがでした。

最後に奇跡の復活を遂げたアビダルがビッグイヤーを掲げたのは感動的でしたね。

今回はUKの白人R&BシンガーLewis Taylorのデビュー・アルバム『Lewis Taylor』(1996年)です。

Lewis Taylorはロンドン生まれ。おそらく60年代後半の生まれだと思います。

1996年に今日紹介するデビュー・アルバム『Lewis Taylor』(1996年)をリリースし、一部R&Bファンから高い評価を得ました。

その後も『Lewis II』(2000年)、『Stoned Part I』(2002年)、『Stoned Part II』(2004年)、『The Lost Album』(2006年)等のアルバムをリリースしています。

また、映画『Lock, Stock & Two Smoking Barrels』のサントラに収録された「With A Bullet」ではCarleen Andersonとデュエットしています。

正直、2nd以降のアルバムは全くノーチェックです(泣)

でも、デビュー・アルバム『Lewis Taylor』(1996年)はよく聴きました。僕の中ではクール&ダークなネオ・ソウル作品といった印象があります。当時、Eric BenetMaxwellRahsaan Pattersonといった男性ネオ・ソウル・シンガーの作品と一緒に聴いていました。それらの作品と比較すると、圧倒的にダークですが・・・

今回久々に聴き直した印象は"ダークなMarvin Gaye"という感じですね。当時はクール&ダークなサウンドの方に気を取られていましたが、ヴォーカルはモロにMarvin Gayeしています。ダークながらも60〜70年代ソウルへのリスペクトを強く感じますね。

単に暗いというだけではないダークな音世界(意味不明ですね!)が不思議なネオ・ソウル・ワールドへと誘ってくれます。

全曲紹介しときやす。

「Lucky」
アルバムからの1stシングル。久々に聴くと想像以上にダークなグルーヴですね。全然ラッキーな感じがしません(笑)

「Bittersweet」
タイトル通り"ビター・スウィート"な本曲もシングルになりました。前述の"ダークなMarvin Gaye"といった雰囲気が漂います。

「Whoever」
素晴らしいア・カペラでスタートするソウル・バラード。60〜70年代ソウルへリスペクトしつつ、当時らしいネオ・ソウル感覚でまとめ上げています。

「Track」
全編通じてギター・サウンドが印象的な1曲。一言で言い表せない不思議な雰囲気をもっています。

「Song」
美しくも空虚な雰囲気の哀愁バラード。トリップ・ホップと一緒に聴きたくなるダークネスが支配します。

「Betterlove」
"ビター・スウィート"なネオ・ソウル・チューン。他の曲ほどダークではないので、普通にネオ・ソウルとして楽しめると思います。

「How」
当時は特別気になりませんでしたが、今回聴きなおしていい曲だなぁ、と思った1曲。ソウルへの愛情を感じる1曲。

「Right」
本曲も味わい深いソウル・チューン。淡々としていますがジワジワときます!

「Damn」
本曲も"ダークなMarvin Gaye"感を満喫できます。

「Spirit」
ラストはミステリアスなア・カペラで締め括ってくれます。

久々に本作を聴き、ノー・チェックのままでいる2ndアルバム以降は興味が湧いてきました。

『Lewis II』(2000年)
Lewis II

『Stoned Part I』(2002年)
Stoned

『Stoned Part II』(2004年)
Stoned: Part 2

『The Lost Album』(2006年)
Lost Album (Dig)
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2011年05月29日

Shareholder Tom『Havanna - Asmara, Via Colonia』

ケルンから中米、アフリカへ・・・国境を越えたサウンド・スケープ☆Shareholder Tom『Havanna - Asmara, Via Colonia』
ケルン~アスマラ、ハヴァナ
発表年:2011年
ez的ジャンル:ボーダーレス系ジャーマン・ジャズ・ファンク
気分は... :バルサはチャンピオンになれるか!

もうすぐUEFAチャンピオンズリーグ決勝「バルセロナ対マンチェスターU」のキックオフです。

バルサ・ファンの僕は当然バルサの勝利を信じていますが、正直なところ今シーズンの状態でいえば、マンUの方が安定している気がします。でも、強いマンUを破ってこそ真の王者!個人的にはイニエスタに期待しています。

今回は新作アルバムの中から超オススメの1枚、Shareholder Tomの2ndアルバム『Havanna - Asmara, Via Colonia』です。

Shareholder Tomは、ジャーマン・ファンク・シーンの重要人物Thomas Berghausによるプロジェクト。今回紹介する『Havanna - Asmara, Via Colonia』は、『Emotional Value』(2009年)に続く2ndアルバムです。

Thomas Berghausはケルン出身のマルチ・ミュージシャン/DJ。自身の音楽レーベルBuro. 9 Musicを運営し(本作も同レーベルからのリリース)、音楽雑誌『Uptown Strut』を発行しています。昨年には『Uptown Strut』誌と連動したコンピ・アルバム『Uptown Strut Presents: Editors Selection Vol. 1』をリリースしています。

本作『Havanna - Asmara, Via Colonia』はタイトルの通り、ヨーロッパから中米、アフリカへと音楽の旅を詰め込んだサウンド・スケープ的なアルバムです。全体としてはジャズ・ファンク/クラブジャズをベースにソウル/R&B、ハウス、ラテン、レゲエ、アフロビート、アフリカ音楽などが融合した国境を越えた音世界が展開されます。

CDのキャッチコピーに"ドイツから南米、アフリカへ"とありますが、アルバム・タイトルの都市名(キューバの首都ハバナ)やレゲエ調の楽曲が収録されている点を考慮すると"ドイツから中米、アフリカへ"という方が適切なのでは?

ちなみにタイトルにあるAsmaraとは、アフリカ北東部の国エリトリアの首都アスマラです。恥ずかしながら、エリトリアという国については勉強不足で殆ど知識がありません。西はスーダン、南はエチオピアと接する国であり、深刻な人権問題を抱えている国のようですが・・・

Thomas Berghausがそんなエリトリアの都市に思いを馳せたのは、本作に参加している女性シンガーFijoriがエリトリア出身であることが影響しているのだと思います(現在はミュンヘンを拠点に活動)。

そのFijoriも含めて、ドイツ人とガーナ人の両親を持つアフリカ系ドイツ人女性シンガーAlison Degbe、ロンドン出身のジャマイカ系イギリス人男性シンガーTravis Blaqueという3人のヴォーカリストが本作『Havanna - Asmara, Via Colonia』でフィーチャーされています。3人とも前作『Emotional Value』に引き続いての参加です。

今回紹介するのは国内盤ですが、輸入盤はジャケも収録内容も異なります。
輸入盤はオリジナル10曲のみですが、国内盤はオリジナル10曲にEP『Wanna Dance EP』(2011年)からの3曲を加えた全13曲構成になっています。

『Havanna - Asmara, Via Colonia』(輸入盤)
Havanna-Asmara Via Colonia

ジャズ・ファンク/クラブジャズ/クロスオーヴァー/クラブ・ミュージック好きの人であれば、Thomas Berghausのセンスに惹き込まれる1枚だと思います。

国境を越えたサウンド・スケープを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Itchy Feet」
オープニングは Hamilton Bohannon「South African Man」をサンプリング。アフロなファンク・チューンで音楽の旅がスタートします。

「Send My Tears」
Alison Degbeをフィーチャー。アルバムのキラー・チューンと呼べるエレガント・ソウル・チューン。Diana Rossあたりに通じるキュートなAlisonの歌声と60〜70年代ソウルをモダンな感覚でリメイクしたかのようなスタイリッシュ&ヒューマンなサウンドの組み合わせがサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=2WxBAwwPN18

「Feel Music, Love & Hate」
Travis Blaqueをフィーチャー。この曲はハバナ・モードのアフロ・キューバン・サウンドにジャマイカ系イギリス人らしいTravis Blaqueのラガマフィン調ヴォーカルが絡んできます。個人的には昨年紹介したUKのラテン・ジャズ・プロジェクトSunlightsquare Latin Comboあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=gCMZDM_bCIk

「Stopover Abeokuta (Sosue Soulkomplex RMX)」
後述する「Stopover Abeokuta」のDJ Sosueによるリミックス。DJ Sosueはケルンの女性DJ。アフロ・ビートなオリジナルをよりアシッドにした雰囲気がいいですね。

「Love Leaves You Blue」
Alison Degbeをフィーチャー。個人的には一番のお気に入り。クラブジャズ好きの方が聴くと素直に格好良いと思える仕上がりです。クールな疾走感にグッときます。

「Sorry - A Brief Affair」
Travis Blaqueをフィーチャー。この曲はまんまレゲエ・チューンです。個人的には90年代のUKレゲエあたりと一緒に聴きたい気分です。

「Stopover Abeokuta」
Fela Kutiばりのアフロ・ビート・チューン。先に紹介したDJ Sosueによるリミックスと聴き比べると楽しいと思います。

「Lomi」
Fijoriをフィーチャー。エリトリアで広く使われているティグリニャ語で歌われています。エスニックなテイストとヨーロピアンなテイストが融合した独特のサウンド・スケープが描かれています。

「Rechibejo」
Fijoriをフィーチャー。本曲もティグリニャ語で歌われています。アフロビート的なサウンドとは対極をなす、エスニック・ドリーミー・サウンドに引き込まれてしまいます。

「Love Leaves You Blue (Alex B. Groove RMX)」
「Love Leaves You Blue」のハウス・リミックス。ケルン出身で現在はコロンビアに在住のDJ Alex B. Grooveが手掛けています。

前述のように、ここからの3曲は国内盤のみ収録のボーナス・トラック3曲(いずれもEP『Wanna Dance EP』収録曲)です。

「Ishaga」
本編にはない雰囲気のエレクトロ・チューン。ヴィヴィドな音色が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=WBGIXwdWJ40

「Wanna Dance」
Alison Degbeをフィーチャー。サルソウル調のダンス・チューン。ガラージ好きの人あれば気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=KYUvPy_-IAg

「Cool Jerk」
Alison Degbe、Jbid Assadurian をフィーチャー。本作唯一のカヴァー曲(オリジナルは1966年のCapitols)。オリジナルの魅力を引継ぎつつ、クラブジャズ・テイストの格好良さが加味されているのがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=MUABfZhvx2Q

ボーナス・トラック3曲の出来栄えの良さからすれば、国内盤の方をオススメします。

『Emotional Value』
Emotional value

『Uptown Strut Presents: Editors Selection Vol. 1』
Vol. 1-Uptown Strut Presents: Editors Selection
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2011年05月28日

Leon Haywood『Come And Get Yourself Some』

70年代の西海岸を代表するソウル・シンガーの代表作!待望の初CD化☆Leon Haywood『Come And Get Yourself Some』
Come & Get Yourself Some
発表年:1975年
ez的ジャンル:西海岸系系ソウル
気分は... :ニヤケ顔に偽りなし!

今回は70年代のアメリカ西海岸を代表するソウル・シンガーLeon Haywoodの代表作『Come and Get Yourself Some』(1975年)です。

今年ようやく初CD化が実現し、多くのソウル好きの方を喜ばせた1枚だと思います。

Leon Haywoodは1942年テキサス州ヒューストン生まれ。
60年代にはSam Cookeのバック・バンドのキーボード奏者も務めていました。

ソロ・アーティストとしては、『Soul Cargo』(1966年)、『It's Got to Be Mellow 』(1967年)、『Back to Stay』(1973年)、『Keep It in the Family』(1974年)、『Come and Get Yourself Some』(1975年)、『Intimate』(1976年)、『Double My Pleasure』(1978年)、『Energy』(1979年)、『Naturally』(1980年)、『It's Me Again』(1983年)といったアルバムをリリースしています。

当ブログで紹介した作品で言えば、Carl Carltonがヒットさせたダンス・クラシック「She's A Bad Mama Jama(She's Built,She's Stacked)」の作者がLeon Haywoodです。

『Back to Stay』(1973年)、『Come and Get Yourself Some』(1975年)あたりは、ぜひマイ・コレクションに加えたいと思っていたので、今回のCD化は嬉しい限りです。昔からこのニヤケ顔でポーズをとるジャケに惹かれていたもので(笑)

特に本作『Come and Get Yourself Some』は参加ミュージシャンも豪華です。

Ray Parker Jr.(g)、David T. Walker(g)、Melvin "Wah Wah" Watson(g)、Dean Parks(g)、Roland Bautista(g)、Wilton Felder(b)、Ed Greene(ds)、Bobbye Hall(per)、Joe Clayton(per)、Larry Nash(p)、Joe Sample(p)、Gary Coleman(vibes)、Vince Charles(steel ds)とった西海岸系を中心とした名うてのミュージシャンがレコーディング・メンバーに名を連ねます。

プロデュースはLeon Haywood本人。また、ストリングス&ホーン・アレンジでGene Pageが参加しています。

名うてのミュージシャンが生み出す洗練されたサウンドとディープなヴォーカルのバランスが絶妙です。その意味では全体を上手くまとめているHaywoodのプロデュース力も評価できるのでしょうね。

ヴォーカリストとしては、Marvin Gaye等の影響が随所に見え隠れします。個人的には、そのあたりも聴いていて結構楽しかったりします。

大人気サンプリング・ソース「I Want'a Do Something Freaky To You」が収録されているので、Hip-Hopファンも要チェックです。

70年代屈指のソウル・アルバムの初CD化で歓喜しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Come And Get Yourself Some」
Charles Richard Cason作。オープニングはスティール・ドラムの音色も聴こえる軽快な仕上がり。Gene Pageの見事なストリングス・アレンジが光ります。途中でモロにMarvin Gayeのような唱い方になるのがらしいのでは(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=uhMiephbnU4

「This Feeling's Rated Extra」
Leon Haywood作。洗練されたサウンドにグッとくるムーディーなバラード。ここでもGene Pageによる素晴らしいアレンジが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=e1gtciah3Jw

「I Want'a Do Something Freaky To You」
Leon Haywood作。本作のハイライト。シングルとして全米R&Bチャート第7位、同ポップ・チャート第15位のヒットとなりました。Marvin Gayeばりのセクシー・ヴォーカルで迫ってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=LLLCAVuCpnk

Hip-Hopファンには、Dr. Dre feat. Snoop Dogg「Nuthin' But A G Thang」のサンプリング・ネタとしてもお馴染みの曲ですよね。それ以外にPublic Enemy「Pollywanacraka」 、Bloods & Crips「Shuda Beena B-Dog」、Masta Ace「The B-Side」、Rappin' 4-Tay「Some'em Some'em」、Redman「Rockafella」、Aaliyah「I Gotcha Back」、50 Cent「Corner Bodega」、Twista feat. Liffy Stokes & Mayze「Mobster's Anthem」、Ugly Duckling「Journey to Anywhere」、Snoop Dogg Feat. Dr. Dre「The Wash」、Mariah Carey「You Had Your Chance」等で使われています。

Dr. Dre feat. Snoop Dogg「Nuthin' But A G Thang」
 http://www.youtube.com/watch?v=_qkP8SvHvaU
Bloods & Crips「Shuda Beena B-Dog」
 http://www.youtube.com/watch?v=fyNhDNHm268
Rappin' 4-Tay「Some'em Some'em」
 http://www.youtube.com/watch?v=aRpA6ThtA6M

「Who You Been Giving It Up To You」
Leon Haywood作。バックのファンキー・サウンドとLeonのヴォーカルがマッチしたファンク・チューン。個人的にはこのタイプの曲がもっと聴きたかったですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qOSA42A4G2A

「You Need A Friend Like Mine」
Frederick Knight作。ソウル・シンガーLeon Haywoodとしての魅力を存分に堪能できるソウル・チューン。実にコクがあるし、テンション上がります。バックの演奏もソウル度高くてグッド!作者Frederick Knight自身のヴァージョンや他アーティストのカヴァー・ヴァージョンも聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ZPt9uahSB9U

「Consider The Source」
Leon Haywood作。品格のあるバックに合わせて、大人のバラードを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=lNVbvjdjQLo

「Just Your Fool」
Leon Haywood/M.Tynes作。ファンキーな味わいにグッとくる1曲。聴く者をグイグイと引き込む力強さを感じる演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=IwkLmEf-clo

「I Know What Love Is」
M.McQueen/E.McQueen作。アルバム中最もロマンティックなバラード。エレガントなストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=m2AXart9Yy0

「Believe Half Of What You See (And None Of What You Hear) 」
Leon Haywood作。 ラストはThe Staple Singers「I'll Take You There」の男性版といった雰囲気のソウル・チューンで締め括ってくれます。

『Back to Stay』(1973年)と『Keep It in the Family』(1974年)も2in1で今年CD化されています。

『Back to Stay/Keep It in the Family』(1973、1974年)
Keep It in the Family/Back to Stay
posted by ez at 00:15| Comment(3) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月27日

Sylvie Vartan『2'35 De Bonheur』

エレガントな恋の妖精によるフレンチ・ポップ☆Sylvie Vartan『2'35 De Bonheur』
パリより愛をこめて(紙ジャケット仕様)
発表年:1967年
ez的ジャンル:元祖アイドル系フレンチ・ポップ
気分は... :恋はイエ・イエ!

今日はキュートな女性フレンチ・ヴォーカルが聴きたい気分です。

セレクトしたのは、"元祖アイドル"Sylvie Vartan『2'35 De Bonheur(邦題:パリより愛をこめて)』(1967年)です。

ブルガリア出身のフレンチ・ポップス歌手Sylvie Vartanの紹介は、代表曲「Irresistiblement(あなたのとりこ)」収録の『La Maritza』(1968年)に続き、2回目となります。

イエイエ・ブームのアイドルからエレガントな恋の妖精へ・・・少しステップ・アップしたSylvie Vartanに出会うことができるアルバムが本作『2'35 De Bonheur』ということのようです。

ヨーロピアンな香りが漂うオリジナル作品に加え、The Four Tops、Diana Ross & The Supremesというモータウン作品やThe Spencer Davis Groupといったロック作品のカヴァーも取り上げており、バラエティに富んだ構成となっています。

個人的にはアンニュイなSylvieのフレンチ・ヴォーカルによるモータウンやThe Spencer Davis Groupのカヴァーが新鮮でした。

なお、アメリカでは『Sylvie』のタイトルでリリースされています。

恋の妖精Sylvieのアンニュイなフレンチ・ヴォーカルで気分はイエ・イエ!

全曲紹介しときやす。

「Deux Mains」
Gilles Thibaut/Jean Renard作。フレンチ・ポップらしいメルヘン・バラード。センチメンタル気分のときにどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=sqpQ5VlFJng

「Moi Je Danse (Same Old Song) 」
The Four Topsのヒット・シングル「It's the Same Old Song」をカヴァー(Holland-Dozier-Holland作品)。名曲ですが女性フレンチ・ヴォーカルで聴くと新鮮な印象を受けます。

「Un Enfant Sans Soleil」
Pierre Saka/Jean Renard作。一瞬の出来事の中の心模様を歌った1曲。ヨーロピアンな香りが漂うところがグッド!

「Je N'ai Pas Pu Resister (You Keep Me Hangin' On)」
Diana Ross & The Supremesの大ヒット・シングル「You Keep Me Hangin' On」のカヴァー(Holland-Dozier-Holland作品)。クールで少し乾いたフレンチ・ヴォーカルで迫る「You Keep Me Hangin' On」もなかなかグッド!

「Par Amour, Par Pitie」
Gilles Thibaut/Jean Renard作。オルガンによるメロディが悲しく響く哀愁バラード。

「Donne Moi Ton Amour (Gimme Some Lovin')」
The Spencer Davis Groupの名曲「Gimme Some Lovin'」をカヴァー(Steve Winwood作)。オリジナルのグルーヴィー感に厚みのあるストリングスも加わり、なかなか聴き応えのあるカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=MNUNcdVxYSU

「2'35 De Bonheur」
邦題「しあわせの2分35秒」。Frank Thomas/Jean Michel Rivat/Jean Renard作。Carlosとのデュエットによるタイトル曲は小粋なレトロ感が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=egOELY-9j3M

「Il Ne Faut Pas Aimer Yann」
邦題「ヤンを愛さないで」。Gilles Thibaut作。哀愁のメロディにグッとくる1曲。なかなかキャッチーな仕上がりです。

「8 Heures 20」
邦題「しあわせの8時20分」。George Fischoff/Tony Powers/Georges Aber作。軽快なアレンジがいい感じの爽快ポップ・チューン。

「Garde-Moi Dans Ta Poche (I Can't Help Myself)」
「It's the Same Old Song」に続き、The Four Topsのヒット・シングル「I Can't Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch)」をカヴァー(Holland-Dozier-Holland作品)。Sylvieのキュートなフレンチ・ヴォーカルとのモータウン・カヴァーは結構マッチしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=EnoTXm7itHk

「L'amour Est No.1 (Everything Is Alright)」
日本では「恋はイエ・イエ」の邦題でシングルにもなった曲。Sylvieのキュートなヴォーカル、バックのサウンドも含めてアルバムの一番のお気に入り。思わず踊り出したくなるクールな躍動感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=WUBH7GLrQJk

「Drole De Fille (Single Girl) 」
ラストはアメリカ人Sandy Poseyのヒット・シングルをカヴァー(Martha Sharpe作)。Sylvieの悩殺ヴォーカルにグッとくるナイス・カヴァー。

CDにはボーナス・トラックとして「La Chanson」「Un Peu De Tendresse」が収録されています。

『Sylvie』(1962年)
Sylvie Vartan / Vol.1

『Twiste et Chante』(1963年)
Twiste et Chante

『Sylvie a Nashville』(1964年)
夢のアイドル(紙ジャケット仕様)

『Il Y A Deux Filles En Moi』(1966年)
シルヴィ・バルタン,恋を歌う(紙ジャケット仕様)

『Comme Un Garcon』(1967年)
シャンソン・イエ・イエの女王(紙ジャケット仕様)

『La Maritza』(1968年)
パリの妖精(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 00:49| Comment(4) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月26日

Angela Johnson『They Don't Know』

根強い人気を持つ女性R&Bシンガーの1stソロ☆Angela Johnson『They Don't Know』
They Don't Know
発表年:2002年
ez的ジャンル:オーガニック/ネオ・ソウル系女性R&B
気分は... :優しい歌声に包まれたい・・・

忙しすぎて自分でも収拾がつかない日々が続いていますが、今日はお気に入り女性アーティストの優しい歌声に包まれたい気分です。

今回は一部に根強いファンを持つ女性R&BシンガーAngela Johnsonの1stソロ『They Don't Know』(2002年)です。

Angela Johnsonのソロ作の紹介は、昨年リリースされた4thアルバム『It's Personal』(2010年)に続き2回目となります。また、John-Christian Urichらと結成したユニットCooly's Hot-Boxの2nd『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)も当ブログで紹介済みです。

僕の中のAngela Johnsonは、Adriana Evansあたりと同じで、時代や流行に左右されない普遍的な魅力を持った女性R&Bアーティストという位置づけです。だからこそ商業的には大ヒットには恵まれないのかもしれませんが(笑)

今日紹介する1stソロ『They Don't Know』時点でのAngela Johnsonは、ソロ・アーティストというよりもCooly's Hot-Boxの紅一点ヴォーカリストというイメージが強かったと思います。

そのせいか、Cooly's Hot-Boxとは一線を画すソロ・アルバムを志向して制作されたのが本作『They Don't Know』なのかもしれません。実際、Cooly's Hot-Boxのメンバーでレコーディングに参加しているのはErnesto Abreu(per)のみです。

全体としては、洗練された大人の女性R&Bアルバムに仕上がっています。2002年らしいネオ・ソウルな仕上がりの楽曲がある一方で、ソウル、ゴスペル、ジャズといったAngelaのルーツを感じる楽曲もあり、彼女の幅広い音楽性を堪能できます。

殆どの楽曲でAngela自身がプロデュース/アレンジを担当しており、サウンド・クリエイターとしての彼女の才能も実感できます。楽曲も全てAngelaのオリジナルです。

UKのR&BレーベルDomeからのリリースです。

Angela JohnsonAdriana Evansの作品を聴くと、脳内から幸せホルモンが一気に分泌してくる僕なのでした。極楽・極楽・・・

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ワクワク感たっぷりの爽快イントロ。

「Rescue Me」
オススメその1。シングルにもなったオープニング曲。大人の女性R&Bらしいしなやかさとメロウ・サウンドが魅力のミッド・チューン。Cooly's Hot-Boxとは異なるソロ・アーティストAngela Johnsonとしての魅力を上手く訴求していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=9n5KLkd5gSw

「After It's Gone」
リズミックかつコンテンポラリーな味わいのジャジー・ソウル。Angelaのサウンド・クリエイターとしてのセンスを感じます。

「Sad Days」
オススメその2。切ないヴォーカルと美しいメロディにグッとくるオーガニック・ソウル。さり気ないけどグッド・ヴァイヴが溢れています。

「No Better Love」
オススメその3。サザン・ソウルの影響を感じるソウルフル・チューン。でもレトロな雰囲気のみで終わっていないところがAngelaらしいですね。

「Cryin Over U」
味わい深いソウル・バラード。前曲の「No Better Love」と共に彼女のルーツを垣間見ることができる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=vfXgCheGB3w

「They Don't Know」
オススメその4。タイトル曲はキュートな魅力に溢れたメロウ・チューン。ジワジワと感動が湧き起こってくる感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Dw9Goi_vm6I

「Ordinary Things」
2002年R&B作品らしいネオ・ソウルなグルーヴを堪能できる1曲。ヴォーカル・アレンジがなかなかグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=1bkwHhN12us

「Call」
コンテンポラリーな正統派バラード。ピアノをバックに感動的なヴォーカルを聴かせてくれます。

「Won't Say Sorry」
オススメその5。Kirk Douglasのアコースティック・ギターの美しい響きをバックに、しなやかなAngelaのヴォーカルを堪能できる1曲。小粋なセンスにうっとりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nI3hACmxu6o

「Some Kinda Wonderful」
本曲はGil Smallプロデュース。ジャジーなグルーヴ感が心地好いネオ・ソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=g0XJoFnH0OU

「Don't Wanna Be The One」
オススメその6。コンテンポラリーなサウンド・センスが抜群の仕上がり。単なるシンガーではなく、サウンド・クリエイターとしても優れた才能を持つAngelaならではの1曲という気がします。実に気が利いています。
http://www.youtube.com/watch?v=4yyKOTtX2zg

「Kissing You」
EKプロデュース。哀愁スパニッシュ・ギターと人を喰ったようなサウンドが印象的です。

「I Still Care」
オススメその7。僕の密かなお気に入り曲。特別な曲ではありませんが、何処か僕の心を掴んで離さない不思議な魅力があります。Angelaの包容力のあるヴォーカルにグイグイ引き込まれます。

「Money Don't Grow On Trees」
オススメその8。ラストはDJ Spinnaプロデュース曲。 AngelaとDJ Spinnaの組み合わせと言えば、Cooly's Hot-Box「Make Me Happy (DJ Spinna Remix)」が有名ですが、ここではジャジー・グルーヴのネオ・ソウル・チューンを聴かせてくれます。

『Got To Let It Go』(2005年)
Got to Let It Go
国内盤と輸入盤で収録曲および録音が異なるのでご注意を!

『A Womans Touch:Vol.1』(2008年) 
A Womans Touch

『It's Personal』(2010年)
It's Personal

Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)
Don't Be Afraid: Get On
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