2011年05月07日

The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band『Latin Kaleidoscope』

ジャズDJのマスト・アイテム。ヨーロピアン・ビッグ・バンドによるラテン・ジャズ☆The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band『Latin Kaleidoscope』
Latin Kaleidoscope/Cub
録音年:1968年
ez的ジャンル:ヨーロピアン・ビッグ・バンド系ラテン・ジャズ
気分は... :嬉しいCD化!

今回はThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Band『Latin Kaleidoscope』(1968年)です。

ジャズDJのマスト・アイテムとしてお馴染みのヨーロピアン・ビッグ・バンドによるラテン・ジャズ作品です。
最近CD化が実現し、一般の音楽好きも楽しめるようになりました。

The Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandは、元Modern Jazz QuartetのドラマーKenny Clarkeとベルギー出身のコンポーザー/ピアニストFrancy Bolandを双頭リーダーとしたヨーロッパのビッグ・バンド。1961年から1972年まで活動し、エレガントなヨーロピアン・ビッグ・バンド作品を数多く残しています。

今回紹介する『Latin Kaleidoscope』(1968年)は、タイトルからもわかるようにラテンへアプローチした作品です。ラテンのリズムとエレガントなヨーロピアン・ジャズの組み合わせが魅力の1枚です。

内容はオリジナルLPのA面、B面がそれぞれ組曲風の構成になっています。

A面は「Gary McFarland's "Latin Kaleidoscope」と題されたGary McFarland作品、B面は「Francy Boland's "Cuban Fever"」と題されたFrancy Boland作品で構成されています。

Kenny Clarke(ds、per)、Francy Boland(p、arr)という双頭リーダーを中心に、Benny Bailey(tp)、Idrees Sulieman(tp)、Jimmy Deuchar(tp)、Dusko Gojkovic(tp)、Milo Pavlovic(tp)、Åke Persson(tb)、Nat Peck(tb)、Eric Van Lier(tb)、Derek Humble(as)、Phil Woods(as)、Johnny Griffin(ts)、Tony Coe(ts)、Ronnie Scott(ts)、Sahib Shihab(bs、fl)、Jean Warland(b)、Jimmy Woode(b)、Kenny Clare(per)、Shake Keane(per)、Tootie Heath(per)、Tony Inzalaco(per)、Sabu Martinez(per)といったメンバーがレコーディングに参加しています。

Dusko Gojkovic(tp)、Phil Woods(as)、Johnny Griffin(ts)、Sahib Shihab(bs、fl)、Sabu Martinez(per)あたりが有名どころでしょうか。。

人気曲「Un Graso De Areia」をはじめ、「Ramo De Flores」「Strano Sueno」等、今聴いても鮮度抜群のラテン・ジャズが満載です。

全曲紹介しときやす。

まずは「Gary McFarland's "Latin Kaleidoscope」と題されたGary McFarland作品(「Uma Fita De Tres Cores」を除く)。

「Un Graso De Areia」
本作のハイライト。クラブ・クラシックとなっている人気曲。Sahib Shihabのフルート、Dusko Gojkovicのトランペットがフィーチャーされています。クラブジャズを予見していたかのようなパーカッシヴなリズムにのって、ホーン隊も快調かつ軽やかなプレイを聴かせてくれます。この格好良いオープニングだけでも本作をゲットする価値があるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=uHWDa3P9RpY

「Duas Rosas」
映画のサントラのようなムーディーな雰囲気です。

「A Rosa Negra」
キューバン・ジャズらしいラテン乗りを満喫できます。ヨーロピアン・ビッグ・バンドならではのセンスを感じるアンサンブルも楽しめます。

「Uma Fita De Tres Cores」
この曲はFrancy Boland作。エレガントなヨーロピアン・ジャズに上手くラテンのエッセンスを取り入れた1曲。素晴らしいアレンジに魅了されます。

「Olhos Negros」
ソフトな演奏でロマンティック・ムードを演出してくれます。トロンボーンのÅke Persson、テナー・サックスのRonnie Scottがそれぞれ雰囲気のあるソロを聴かせてくれます。

「Ramo De Flores」
クラブジャズ好きにはグッとくるであろう高速サンバ・チューンです。ビッグ・バンドらしい華やかさで盛り上げてくれます。

ここからは「Francy Boland's "Cuban Fever"」と題されたFrancy Boland作品。

「Fiebre Cuban」
ドラマティックな出だしに続き、スリリングなラテン・ジャズが展開されます。

「Mambo De Las Brujas」
パーカッシヴなリズムと歯切れの良いホーンにグッときます。Sahib Shihabがフルート・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=tL_B3d3mJW8

「Strano Sueno」
エレガントなホーン・アンサンブルがセンス抜群のラテン・ジャズ。アルト・サックスのPhil Woods、テナー・サックスのTony Coeのソロを堪能できます。

「Cara Bruja」
熱く疾走する前半と優雅に舞う後半のコントラストが素晴らしい1曲。

「Crespusculo Y Aurora」
ラストはエレガントに締め括ってくれるのかと思いきや、中盤から一転してラテン・リズムでスピーディーに駆け抜けます。カッコイイ!

興味がある方は他のThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandもチェックを!

『Now Hear Our Meanin'』(1963年)
Now Hear Our Meanin

『Swing Waltz Swing』(1966年)
Swing Waltz Swing

『Sax No End』(1967年)
Sax No End

『Faces』(1968年)
Faces

『Fellini 712』(1968年)
Fellini 712

『All Smiles』(1968年)
All Smiles

『All Blues』(1968年)
Clarke / Boland Big Band : All Blues (German Import)

『More Smiles』(1969年)
More Smiles

『Off Limits』(1970年)
Off Limits
posted by ez at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする