録音年:1966年
ez的ジャンル:ラテン/ブラジル系ジャズ・ピアノ
気分は... :パーカッシヴな鼓動で再起動!
一昨日、昨日で心身共にクタクタ状態・・・
こんな時はやはりラテン/ブラジルでしょう!
今回はジャズ・ピアニストOscar Petersonのラテン/ブラジル作品『Soul Espanol』(1966年)です。
今は亡き大物ピアニストOscar Peterson(1925-2007年)の紹介は、The Singers Unlimitedの共演作『In Tune』(1971年)に続き2回目となります。
本作『Soul Espanol』はPetersonがラテン/ブラジルへのアプローチを試みた1枚であり、数多あるOscar Petersonの作品群の中では脇の方に位置づけられる作品かもしれません。多分、正統派ジャズ・ファンよりも、サバービア系リスナーに人気のある1枚だと思います。
レコーディング・メンバーはOscar Peterson(p)、Sam Jones(b)、Louis Hayes(ds)、Harold Jones(per)、Henley Gibson(per)、Marshall Thompson(per)の6名。ピアノ・トリオに加え、3名のパーカッション奏者を入れている点が特徴です。
このメンバー構成からもわかるとおり、パーカッシヴなラテン/ブラジル・テイストの演奏が目白押しです。実は3人のパーカッション奏者以上にPetersonのピアノがパーカッシヴだったりします(笑)。一方で、Petersonらしいエレガントかつロマンティックな演奏も入っており、アルバム全体のバランスが実にいいですね。
「Mas Que Nada」、「Manha De Carnaval」、「Samba De Orfeu」、「How Insensitive」、「Meditation」等の名曲カヴァーをはじめ、Peterson流のラテン/ブラジル・サウンドを楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Mas Que Nada」
お馴染みJorge Ben作の名曲「Mas Que Nada」のカヴァー。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66、Tamba Trio、Lill Lindfors、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmのヴァージョンを紹介済みです。ここでは高揚感たっぷりの「Mas Que Nada」を聴かせてくれます。Petersonのピアノも相当パーカッシヴ!
http://www.youtube.com/watch?v=Aq2YogHWUhM
「Manha De Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」のカヴァー。当ブログではDexter Gordon、Gerry Mulligan、Balanco、Astrud Gilberto、Jack Marshall & Shelly Manne、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmのカヴァーを紹介済みです。Petersonのピアノがエレガントの響くムーディーな仕上がりです。
「Call Me」
UKの女性シンガー/女優Petula Clark、1965年のシングル曲のカヴァー(Tony Hatch作)。当ブログではAstrud Gilberto/Walter Wanderley Trio、Larry Youngのカヴァーを紹介済みです。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。Petersonの小粋なピアノとスタイリッシュなラテン・リズムが実にマッチしています。。
「How Insensitive」
「Insensatez」のタイトルでも知られているVinicius DeMoraes/Antonio Carlos Jobim作品のカヴァー。当ブログではTriste Janero、Duke Pearsonのカヴァーを紹介済みです。美しいメロディのピアノとそのずっと奥から聴こえてくるパーカッションとの立体感がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ry-a1k_E-lY
「Carioca」
Edward Eliscu/Gus Kahn/Vincent Youmans作品のカヴァー。スピーディーな疾走感でいけばアルバム随一です。本作らしいラテン・テイストとスウィンギーな部分が上手く融合しているのがグッド!Petersonのタッチもかなり力強いです。
「Soulville Samba」
Oscar Petersonのオリジナル。テンション高い中にも楽しげに演奏しているPetersonの様子が思い浮かんでしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=K2yQ88lqtEI
「Amanha (Tomorrow) 」
Phil Bodner作品のカヴァー。「Call Me」と並ぶ僕のお気に入り。軽いラテン・リズムに乗ってロマンティックな演奏を満喫できます。黄昏モードにはピッタリ!
「Meditation」
Antonio Carlos Jobim作品のカヴァー(原題「Meditacao」)。当ブログではJoanie Sommers、Elsie Bianchi Trioによるカヴァーも紹介済みです。Jobimの名曲をPetersonが美しいピアノ・タッチでさらに輝かせています。
http://www.youtube.com/watch?v=KtXqLjmXMJQ
「Samba Sensitive」
Oscar Petersonのオリジナル。抑えた中にもPetersonらしいエレガントな演奏を堪能できます。
「Samba De Orfeu」
「Manha De Carnaval」に続き、映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』(1959年)収録の名曲「Samba de Orfeu」(Luiz Bonfa作)のカヴァー。当ブログではLuiz Bonfa自身のヴァージョンの他に、Daniela Und Ann、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Triste Janero、Jack Marshall & Shelly Manneによるカヴァーを紹介してきました。本ヴァージョンは聴いているだけで踊りだしたくなる楽しいサンバに仕上がっています。
The Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited『In Tune』(1971年)