発表年:1970年
ez的ジャンル:ブラジル・ロックの女王系ブラジリアン・フレンチ・ポップ
気分は... :アヒル口ジャケにグッときます!
今回は"ブラジル・ロックの女王"Rita Leeの初ソロ・アルバム『Build Up』(1970年)です。
Rita Leeは1947年ブラジル、サンパウロ生まれ。
1965年にArnaldo Baptista(vo、key、b)、Sergio Dias(vo、g)の兄弟と共にブラジル・ロックを代表するグループOs Mutantesを結成し、1966年にシングル「Suicida」でデビューします。
Os MutantesはCaetano Veloso、Gilberto Gil/Tom Ze/Nara Leao/Gal Costaらと共に、ブラジル音楽シーンに衝撃を与えたトロピカリアの金字塔的アルバム『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』へ参加し、一躍注目の存在となります。
同じ1968年には当ブログでも紹介済みのサイケ・ポップなデビュー・アルバム『Os Mutantes』をリリースし、Os Mutantesはブラジル・ロック・シーンでの地位を確立しました。
Os Mutantesとしての活動と並行して、1970年には今日紹介するソロ・デビュー作『Build Up』をリリースしています。5thアルバム『Mutantes e Seus Cometas no Pais do Baurets』(1972年)を最後にOs Mutantesを脱退し、ソロ・アーティストとしてブラジル・ロックの女王の地位を確立し、今日に至っています。
私生活では天才ギタリストRoberto de Carvalhoと結婚し、3人の子供の母親となっています。
"ブラジル・ロックの女王"のイメージが強いRita Lee姐さんですが、初ソロ・アルバムとなる本作『Build Up』は、ジャケの表情そのままのフレンチ・ポップ志向が反映されたキュートなアルバムに仕上がっています。
Os Mutantesメンバーもレコーディングに参加し、初期Os Mutantesらしいサイケ・ポップ風味も堪能できます。
アヒル口ジャケにグッときた方はぜひチェックを!
Rita Lee姐さんのウィスパー・ヴォーカルにメロメロです!
全曲紹介しときやす。
「Sucesso, Aqui Vou Eu (Build Up) 」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。タイトル曲はフレンチ・ポップ志向が反映されたキュートなウィスパー・ヴォーカルを満喫できます。フランスのミュージカル映画を観ている気分になるオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=ffFR2cyEqAU
「Calma」
Arnaldo Baptista作。本作ならではのフレンチ・ポップ・テイストとOs Mutantesらしいサイケ・ポップ風味が見事に融合しています。
http://www.youtube.com/watch?v=CwQP9Q8rWHQ
「Viagem Ao Fundo de Mim」
Rita Lee作。ジャケのイメージそのままの哀愁フレンチ・ポップといった趣でスタートし、中盤はキュートなリラックス・モードで聴く者をメロメロにします。
http://www.youtube.com/watch?v=gMk6PFO3T6g
「Precisamos De Irmaos」
Elcio Decario/Rita Lee作。キュートなウィスパー・ヴォーカルの魅力で満ち溢れた仕上がりに鼻血ブー状態です(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=hC6nMZh2AH0
「Macarrao Com Linguica E Pimentao」
Arnaldo Baptista/Rita Lee作。小粋な哀愁フレンチ・ポップといった雰囲気にグッときます。それでもドラムはしっかりロックしているあたりが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8rpYqR0MjOg
「Jose (Joseph)」
Nara Leao/Geoges Moustaki作。フレンチ・ロリータ・ポップ好きには相当グッとくる仕上がりです。ここまで徹底するあたりがさすがRita Lee姐さんですな。
http://www.youtube.com/watch?v=cyj2_Wmx5Z4
「Hulla-Hulla」
Elcio Decario/Rita Lee作。ここでは一転し、トロピカル&ハワイアンな音世界が展開されます。この節操の無さが楽しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ZFfpQAhU4oE
「And I Love Him」
Beatlesの名曲「And I Love Her」のカヴァー(Lennon/McCartney作)。ここではロリータ・ウィスパー・ヴォーカルから一転し、ドスのある低音ヴォーカルで迫ってきます。Os Mutantesファンには嬉しい演奏です。
「Tempo Nublado」
Elcio Decario/Rita Lee作。フレンチ・ポップ+UKロックといった仕上がりです。ここでもOs Mutantesらしい演奏を満喫できます。
「Prisioneira Do Amor」
Elcio Decario/Rita Lee作。哀愁モードのバンドネオン・サウンドがシャンソン気分へと誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=uoI_nwR71ao
「Eu Vou Me Salvar」
Elcio Decario/Rita Lee作。ラストはブラジル・ロックの女王らしい迫力のロック・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ALKtLcpte1s
Rita Leeの他作品もチェックを!
『Hoje E o Primeiro Dia do Resto da Sua Vida』(1972年)
Rita Lee & Tutti Frutti『Atras Do Porto Tem Uma Cidade』(1974年)
Rita Lee & Tutti Frutti『Fruto Proibido』(1975年)
Rita Lee & Tutti Frutti『Entradas e Bandeiras』(1976年)
Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
『Babilonia』(1978年)
『Rita Lee』(1980年)