2011年06月30日

Titiyo『Titiyo』

スウェーデン出身女性シンガーのクロスオーヴァーなダンス・ミュージック☆Titiyo『Titiyo』
Titiyo
発表年:1990年
ez的ジャンル:スウェーデン系ダンス・ミュージック
気分は... :自己嫌悪・・・

今日はいろいろなことが重なり自己嫌悪・・・

とても記事を書く気力がありませんが、2日間更新しないとさらに深い自己嫌悪に陥りそうなので・・・

スウェーデン生まれの女性シンガーTitiyoのデビュー・アルバム『Titiyo』(1990年)です。

母親は以前に有名なジャズ・トランペット奏者Don Cherryと離婚歴があり、オルタナティヴな女性シンガーNeneh Cherry(異父姉妹)という関係にあるTitiyoの紹介は、2ndアルバム『This is Titiyo』(1993年)に続き2回となります。

90年代初めの頃、Mica Paris『Contribution』(1990年)、Caron Wheeler『UK Blak』(1990年)、Alison Limerick『And Still I Rise』(1992年)といったUKのクラブ・ミュージック/ダンス・ミュージックがお気に入りでした。前回紹介した『This is Titiyo』もそんな流れで聴いたお気に入り作品の1枚でした。Titiyo自身はスウェーデン人ですが、UKダンス・ミュージックとして聴いていた記憶があります。

今日紹介する『Titiyo』(1990年)は、『This is Titiyo』を気に入り、後追いで購入したものです。『This is Titiyo』ほど洗練されていませんが、それでも90年代らしいソウル/R&B、Hip-Hop、ハウス、ジャズ、アフロなど様々なジャンルのエッセンスが散りばめられたクロスオーヴァーなダンス・ミュージックを楽しむことができます。

特に、アルバムの随所でアフリカンなテイストを感じるのはシエラレオネ共和国出身のTitiyoの実父Ahmadu Jahの影響が大きい模様です。実際、数曲でAhmadu Jahがコンガを叩いています。また、 カメルーン出身の有名なサックス奏者Manu Dibangoも参加しています。

正直B級感漂いますが、それでも捨て難い魅力のある1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Flowers」
シングルとしてUKチャートのTop40にも入ったオープニング。「After The Rain」と並ぶ本作のハイライトかもしれませんね。軽くアフリカン・テイストのスタイリッシュなダンス・ミュージックに仕上がっています。Titiyoというアーティストの特色がよく出た1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=BSjzj8fsPO0

「Do My Thing」
父Ahmadu Jahのコンガ、Manu Dibangoのサックスが印象的な1曲。アフリカン・リズムのエッセンスを取り入れたクロスオーヴァーなダンス・ミュージックに仕上がっています。Manu Dibangoのサックスが実に心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xi0ndntZTKI

「Peace And Quiet」
妖しげなセクシー感が漂うミッド・グルーヴ。

「I Know You Better」
スクラッチ音と共にスタートするアッパーなダンス・チューン。個人的には一番のお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=clo3IsU2hTQ

「Waiting For You」
アフリカン・テイストの仕上がり。この曲もManu Dibangoが参加しています。印象的なピアノを弾いているのは意外にもElvis Costello & The AttractionsのSteve Nieveのようです。

「After The Rain」
シングルにもなった人気曲。Titiyoらしいクロスオーヴァーなダンス・ミュージックを楽しむことができる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ol9xxb8Ar6M

「Body And Mind」
Papa Deeのラガ調のラップをフィーチャー。90年代前半らしいサウンドですね。

「Break My Heart」
デビュー・シングルにもなった1曲。ヒットはしませんでしたが、なかなかキャッチーな仕上がりでグッド!

「L.O.V.E.」
この曲もPapa Deeのラガ調のラップをフィーチャー。昔はラガ調ラップがあまり好きではありませんですたが、たまに聴くといいもんですね。

「Man In The Moon」
ダンス・チューンが多い中で、ゆったりとした雰囲気のこの曲を落ち着きます。
http://www.youtube.com/watch?v=zt6uCzHftco

「Doin' His Thing」
ラストは父Ahmadu Jah、Manu Dibangoが参加したインスト・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=idhIeHsVDBs

『This is Titiyo』(1993年)
This Is

『Extended』(1997年)
Extended

『Come Along』(2001年)
Come Along
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2011年06月28日

Bobby Womack『Understanding』

人気曲「I Can Understand It」、「Woman's Gotta Have It」収録☆Bobby Womack『Understanding』
Understanding
発表年:1972年
ez的ジャンル:ザ・ラスト・ソウルマン
気分は... :焦っても仕方ない!

トラブル続きで夜になってもバタバタ。
おかげで全てのスケジュールが大幅変更・・・
かなりイラってきていますが、こういう時こそ心を整えないと!
焦ったところで何も好転しませんから・・・マインド・リセットで着実に一歩ずつ!

今回は"ザ・ラスト・ソウルマン"Bobby Womackの代表作『Understanding』(1972年)です。

Bobby Womackは1944年オハイオ州クリーブランド生まれ。

兄弟たちと組んだゴスペル・グループThe Womack Brothersとして活動していた時にSam Cookeに見出され、レコード・デビューを果たします。その後グループはThe Valentinosと改名し、作品をリリースしています。この時代にリリースした「It's All Over Now」は、その後The Rolling Stonesが大ヒットさせています。また、BobbyはSam Cookeのライブでギターも弾いていました。

1964年にSam Cookeが死去した後は、ソロ・アーティスト、セッション・ギタリスト、ソングライターとして活躍するようになります。1968年には初のソロ・アルバム『Fly Me to the Moon』をリリースしています。また、当ブログでも紹介したハンガリー出身のジャズ・ギタリストGabor Szabo「Breezin'」を楽曲提供しています。同曲はその後George Bensonヴァージョンが人気となっています。

その後マッスル・ショールズで制作された『Communication』(1971年)、『Understanding』(1972年)、『Across 110th Street』(1972年)、『Facts of Life』(1973年)、『Lookin' for a Love Again』(1974年)といったアルバムで確固たる地位を確立し、さらに80年代に入り『The Poet』(1981年)、『The Poet II』(1984年)、『So Many Rivers』(1985年)といったアルバムで第2のピークを迎えます。

2009年、ロックの殿堂入りを果たしています。

僕がBobby Womackをリアルタイムで聴いたのは『The Poet II』(1984年)でしたが、正直あまりピンときませんでした。その出会い方が悪かったせいで、我が家のCDコレクションにBobby Womack作品が並んだのはかなり後年のことでした。

でも、『Communication』から『Lookin' for a Love Again』あたりまでの素晴らしい作品群を耳にすると、もっと早く聴いておけば良かったと後悔することしきりです。

特に本作『Understanding』(1972年)は、"ザ・ラスト・ソウルマン"らしい味わい深いソウル・チューン、マッスル・ショールズらしいファンキー・グルーヴ、この時期らしいニュー・ソウルがバランス良く配されています。

本作からのシングル「Woman's Gotta Have It」が全米R&BチャートNo.1に輝いたことも彼にとって大きな自信になったのでは?

現在ならば、『Communication』(1971年)とのお得な2in1CDもあります。

『Understanding/Communication』
Understanding / Communication

激シブのヴォーカルを聴いて、マインド・リセットしま〜す。

全曲紹介しときやす。

「I Can Understand It」
Bobby Womack作。フリーソウル好きからも人気のグルーヴィー・チューン。黒いグルーヴが生み出す不穏な高揚感がたまりません。直後にThe Valentionsもカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=hOcmdyf2PNI

「Woman's Gotta Have It」
Bobby Womack/Linda Womack/Darryl Carter作。シングルとして全米R&BチャートNo.1に輝いた名曲。Curtis MayfieldMarvin Gayeに通じるニュー・ソウル的な雰囲気があります。
http://www.youtube.com/watch?v=cG3Hr7n7YCU

50 Cent「What If」のサンプリング・ネタにもなっています。
50 Cent「What If」
 http://www.youtube.com/watch?v=hJBPtFTN8lE

「And I Love Her」
The Beatlesの名曲カヴァー。この有名曲を見事にWomack色に染めた哀愁バラードに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=YWXd-WWK340

Little Brother「Speed」、Black Star「Bright As The Stars」、Supreme NTM「Pose Ton Gun」のサンプリング・ネタにもなっています。

Little Brother「Speed」
 http://www.youtube.com/watch?v=n1e1wEGGQFg
Black Star「Bright As The Stars」
 http://www.youtube.com/watch?v=r2_3_0Sw92A

「Got To Get You Back」
Jimmy Lewis作。軽快なノリのソウル・チューン。

「Simple Man」
Bobby Womack/Joe Hicks作。ドライブ感のあるグルーヴがたまらないファンキー・ソウル。「I Can Understand It」と並ぶ僕のお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=r90444Sm2X4

「Ruby Dean」
Bobby Womack/Joe Hicks作。カントリーな味わいもあるシブめのソウル・チューン。カントリー苦手な僕ですが、こういう感じならば全然ウェルカムです。
http://www.youtube.com/watch?v=yyPJlH0uYkg

「Thing Called Love」
Joe Hicks作。あまり話題にならない曲ですが、ザ・ラスト・ソウルマンらしい魅力に溢れた捨て難い1曲ですね。

「Sweet Caroline」
1969年に全米ポップ・チャート第4位となったNeil Diamondのヒット曲のカヴァー。シングルとして全米R&Bチャート第16位となりました。この曲どうもMLBボストン・レッドソックスの試合の大合唱イメージがあって苦手なのですが、ハートウォーミングな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=hUHuChUyXQ4

「Harry Hippie」
Jim Ford作。シングルとして全米R&Bチャート第8位となった味わい深いバラード。聴けば聴くほど心に沁みてくる名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Cx2jDWpD6fM

『Communication』(1971年)
Communication

『Across 110th Street』(1972年)
Across 110th Street

『Facts of Life』(1973年)
Facts of Life

『Lookin' for a Love Again』(1974年)
Lookin for a Love Again
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2011年06月27日

Sambalanco Trio『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』

ジャズ・サンバ黄金期を飾る名ピアノ・トリオのデビュー作☆Sambalanco Trio『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』
SAMBALANCO TRIO
発表年:1964年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :ドイツが熱い...

サッカーの女子W杯が開幕しましたが、地元ドイツの開幕試合は男子W杯並みの盛り上がりですね。さすがはサッカー大国での大会ですね。

また、メキシコで開催されているU-17W杯では日本代表の決勝トーナメント1回戦の相手がニュージーランドに決まりました。油断は禁物ですがベスト8への期待が高まります。

今回はSambalanco Trioの1stアルバム『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』です。

Cesar Camargo Mariano(p)、Humberto Clayber(b)、Airto Moreira(ds)の三人により、1962年にサンパウロで結成されたジャズ・サンバ・トリオSambalanco Trioの紹介は、Lennie Daleとの共演作Lennie Dale & Sambalanco Trio『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年)、グループのラスト作『Reencontro Com Sambalanco Trio』(1965年)に続き3回目となります。

本作『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』は、ジャズ・サンバ黄金期を飾る人気ピアノ・トリオのデビュー作として高い評価を得ている1枚ですね。

「Jacqueline K」「Samblues」「Sambinha」といったテンポの良い曲も聴きものですが、「Nos E O Mar」「O Amor Que Acabou」あたりのエレガントな演奏にも魅了されます。

収録曲については、『Reencontro Com Sambalanco Trio』『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』Cesar Camargo Mariano『Octeto de Cesar Camargo Mariano』(1966年)で再演されている曲も多いので、聴き比べてみるのも楽しいかもしれません。

センス抜群のピアノ・トリオによるジャズ・サンバを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Samblues」
Cesar Camargo Marianoのオリジナル。ハイテンションなオープニングです。Marianoのピアノ・タッチに魅了されます。『Reencontro Com Sambalanco Trio』、『Octeto de Cesar Camargo Mariano』で再演されています。
http://www.youtube.com/watch?v=OdRL_YuGXXU

「Balanco Zona Sul」
ボサノヴァ創世期の重要ミュージシャンTito Madiの有名曲。当ブログではClara Morenoのカヴァーを紹介済みです。ここではエレガントなカヴァーを聴かせてくれます。

「O Morro Nao Tem Vez」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲。 『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。憂いのあるメロディがいいですね。また、Airtoのリズムが演奏にアクセントをつけているのが印象的です。

「Nos E O Mar」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作品。邦題「二人と海(英題:We And The Sea)」。当ブログでも紹介したTamba 4のヴァージョンで有名な曲ですね。当ブログではMenescal自身のヴァージョンも紹介済みです(『A Bossa Nova De Roberto Menescal E Seu Conjunto』収録)。本ヴァージョンはロマンティックな雰囲気にウットリしてしまいます。かなり好きな演奏です。

「Homenagem A Clifford Brown」
Duke PearsonClifford Brownに捧げて作曲した「Tribute To Brownie」のカヴァー。ジャジーで小粋なMarianoのピアノがいい感じ。

「Berimbau」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲。『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』でも演奏されていました。それ以外に当ブログではDiane Denoir/Eduardo MateoAgustin Pereyra Lucenaのカヴァーも紹介済みです。ここではDave Brubeck Quartetでお馴染みの「Take Five」を冒頭に組み入れるという心憎いアレンジで聴かせてくれます。

「Jacqueline K」
後にAirto MoreiraらとQuarteto Novoを組むHeraldo Do Monteの作品。本作のハイライト曲ですね。小気味好いテンポのブルース・チューンです。Airtoのドラム・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=mrujO-NikY8

「Consolacao」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲。『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』でも演奏されていました。それ以外にも当ブログではTamba 4Tenorio Jr.Celso FonsecaA Bossa EletricaAgustin Pereyra Lucenaのカヴァーを紹介済みです。ここではクールな演奏でキメてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=JKgSDqDQL-Y

「O Amor Que Acabou」
Luis F.Freire/Chico Feitosa作品。『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。それ以外にも当ブログではRoberto Menescalのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンのエレガントな演奏は素晴らしいですね。気品溢れるピアノ・ボッサを満喫しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=Hom0IztAtFk

「P'ra Que Chorar」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作。『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。それ以外にも当ブログではThe G/9 Groupのカヴァーを紹介済みです。ここではゆったりとしたテンポのムーディーな演奏で魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EvXCMMzRWFw

「Marisa」
Cesar Camargo Marianoのオリジナル。Marianoの当時の奥方Marisaに捧げた美しいピアノ・ソロ。

「Sambinha」
Cesar Camargo Mariano/Humberto Clayber作。『Reencontro Com Sambalanco Trio』、『Octeto de Cesar Camargo Mariano』でも再演しています。それ以外にも当ブログではRosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。ラストはコーラス入りのキャッチーなジャズ・サンバ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=FbgQ_a4UcKo

『Improviso Negro(Nana)』(1965年)
IMPROVISO NEGRO

『Reencontro Com Sambalanco Trio』(1965年)
レインコントロ・コン・サンバランソ・トリオ

Lennie Dale & Sambalanco Trio『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年)
Lennie Dale.jpg

Cesar Camargo Mariano『Octeto de Cesar Camargo Mariano』(1966年)
Octeto De Cesar Camargo Mariano
posted by ez at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月26日

Ledisi『Pieces Of Me』

さらに成長を遂げた実力派女性R&Bシンガーの新作☆Ledisi『Pieces Of Me』
Pieces of Me
発表年:2011年
ez的ジャンル:実力派女性ネオ・ソウル
気分は... :今回のLedisiは僕好み...

今回は新作R&BアルバムLedisi『Pieces Of Me』です。

女性ネオ・ソウル・シンガーLedisiの紹介は『Lost & Found』(2007年)に続き、2回目となります。

3rdアルバム『Lost & Found』(2007年)は派手さはないものの、本格派の女性ネオ・ソウル作品としてグラミーのBest R&B Albumにノミネートされるなど評価の高い1枚でした。個人的にもかなりお気に入りの1枚で、『ezが選ぶ2007年の10枚』にセレクトするか否か最後まで迷った記憶があります。

そして、Jam & Lewis、Raphael Saadiqもプロデュースで参加した前作『Turn Me Loose』(2009年)は全米R&Bアルバム・チャート第1位となり、『Lost & Found』に続きグラミーBest R&B Albumにノミネートされました。

でも何故か『Turn Me Loose』は当ブログで紹介していません。
良い作品だとは思いましたが、『Lost & Found』に比べて商業的成功を意識した作品というイメージがあって紹介を躊躇したのかもしれません。

そうした中での新作『Pieces Of Me』でしたが、僕好みの"派手さはないけど本物のレディ・ソウル"作品に仕上がっています(笑)。アルバム全体をLedisi自身がしっかりコントロールしているように感じられるのが嬉しいですね。欠けていた1ピースがしっかりハマった感じです。

前作『Turn Me Loose』でのJam & Lewis、Raphael Saadiqのような目立つ存在の参加はありません。

それでも盟友Rex Rideoutをはじめ、Chuck Harmony、Claude Kelly、Kay Gee(Naughty by Nature)、Mike City、Salaam Remi、Carvin & Ivan(Carvin Haggins、Ivan Barias)等R&Bファンにはお馴染みの仕事人たちがプロデューサーとして起用されています。また、男性R&BシンガーJaheimがゲスト参加し、John Legendもソングライティングで参加しています。

このあたりの人選も僕好みです(笑)

聴けば聴くほど、味わいの深まるレディ・ソウルにじっくりと耳を傾けましょう。

※YouTubeで本作をチェックする方へ
6/26時点でYouTubeでの本作音源をチェックしたら、オフィシャルPVのある「Pieces Of Me」以外は少しテンポを早くしたものがアップされており、実際のCD音源とは異なる印象になっているのでご注意を!ここでもそうした音源は紹介しません。

全曲紹介しときやす。

「Pieces Of Me」
先行シングルにもなったタイトル曲。Chuck Harmony/Claude Kellyの強力コンビがプロデュース&ソングライティングを手掛けています。僕の場合、Chrisette Michele『Epiphany』での素晴らしい仕事ぶりが印象に残るコンビですね。ここでもじっくりしっかり聴かせるミディアム・スロウでLedisiの魅力を引き出しています。琴の音色を思わせるサウンドも日本人には印象的ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=McUj4t3TkPA

「So Into You」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。二人に加え、ギターで先導するDarrell Crooksもソングライティングに参加しています。盟友Rex Rideoutと息の合ったコンビネーションで仕上げたネオ・ソウルらしいミッド・チューン。個人的にはこういうさり気ない曲って好きなんですよね。

「Bravo」
Jon Jon Traxx/Claude Kellyプロデュース。Claude Kellyの本領発揮といった感じですね。彼らしい哀愁メロディをLedisiがしっかりと歌い上げます。

「Stay Together」
Jaheimとのデュエット。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Jaheimとの相性は抜群ですね。素晴らしい大人のネオ・ソウルに仕上がっています。Rex Rideoutによるジャジーなサウンド・プロダクションもグッド!

「Coffee」
Kay Gee/KoShah E. Daniels/Paperboy Fabe Nahounou/Balewa Muhammadプロデュース。Naughty by NatureのKay Geeの参加が注目です。そんせいかGrover Washington Jr.「Black Frost」ネタのトラックが実に印象的です。

「Hate Me」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。実力派ギタリストMichael Ripollがギター&ソングライティングで参加しています。ブルージーな味わいが激シブの1曲です。

「Shut Up」
Mike City/Ledisi Youngプロデュース。ミッドナイトな疾走感が心地好い軽快なダンス・チューン。さすがMike Cityですね。アルバム全体のいいアクセントにもなっています。黙って踊れ!って感じでしょうか。

「Shine」
Jon Jon Traxx/Claude Kelly/Ledisiプロデュース。タイトルの通り、ポジティヴモードの"シャイン"な仕上がりです。派手さはありませんが、なかなか完成度の高い1曲です。

「I Miss You Now」
Phatboizプロデュース。John Legendがソングライターの一人としてクレジットされています。哀愁モードたっぷりに艶っぽく歌うLedisiのヴォーカルが素晴らしいです。

「BGTY」
Salaam Remiプロデュース。60年代ソウルへのオマージュを感じる本格的ソウル・チューン。Ledisiの実力を考えれば、こういうタイプの曲がハマるのは予測できますが、1曲で止めているのが構成の妙だと思います。

「Raise Up」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。聴けば聴くほど味わいが増してくる本格派レディ・ソウルらしい1曲。前述のLedisi自身がアルバムをしっかりコントロールという印象を最も感じる1曲です。

「I Gotta Get To You」
Carvin & Ivan(Carvin Haggins、Ivan Barias)/Ledisiプロデュース。ラストは美しいネオ・ソウル・チューン。アルバムの余韻に浸れる素晴らしいエンディングです。

『Soulsinger: The Revival』(2000年)
Soul Singer

『Lost & Found』(2007年)
Lost & Found

『It's Christmas』(2008年) ※クリスマス・アルバム
It's Christmas

『Turn Me Loose』(2009年)
Turn Me Loose
posted by ez at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

Stylus『Part Of It All』

OZ産シティ・ソウルの人気作☆Stylus『Part Of It All』
パート・オブ・イット・オール (紙ジャケット仕様)
発表年:1979年
ez的ジャンル:OZ産シティ・ソウル
気分は... :大らかな気分で・・・

今日は70年代に活躍したオーストラリアのグループStylusの4thアルバム『Part Of It All』(1979年)です。

本当は同じオーストラリアのグループSkylight『Sky High』(1974年)を紹介したいと思ったのですが、Amazonで扱いがないので断念・・・急遽Stylusに変更しました。

Average White Bandのファンキーなドライブ感とThe Isley Brothersのメロウネスを併せ持つOZバンドStylusの紹介は、1st『Where In The World』(1976年)に続き2回目となります。

2008年に1st『Where In The World』が2008年に初CD化された際は、鼻血ブーの大興奮でした。洗練されたメロウ&ファンキー・グルーヴながら、オーストラリアという土地柄が生み出す独特の大らかさは、かなりど真ん中な内容でしたね。

今日紹介する『Part Of It All』(1979年)は、4thアルバムであると同時にグループのラスト・アルバム(リユニオンは除く)となった作品です。本作をグループの最高傑作に推す人も多いようですね。

個人的には『Where In The World』の方が好みですが、AOR/シティ・ソウル系がお好きな人にとっては本作『Part Of It All』なのかもしれませんね。

本作におけるメンバーは、Ashley Henderson(b、vo、g)、Mark Meyer(ds、per)、Ron Peers(g、vo)、Sam McNally(key、syn)、Peter Cupples(vo、g、per、b)、Peter Roberts(vo)という編成です。前作『Best Kept Secret』(1978年)からドラムのTrevor Courtney(元Skylight)が抜け、Mark MeyerとPeter Robertsが新たにグループへ加わっています。

『Where In The World』の頃に比べて、中核メンバーPeter Cupplesの存在感がやや薄い気がしますが、その分Peter Cupple、Ashley Henderson、Peter Robertsという3人のフロント・マンのバリエーションを楽しむことができます。

キラー・チューンはありませんが、全体としてシティ・ソウル気分を満喫できる1枚に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「The Colours Of Your Love」
Sam McNally/Trevor Courtney作。前作『Best Kept Secret』時点でメンバーであったTrevor Courtney(元Skylight)が作者の一人としてクレジットされています。AORファン好みのドライブ感が心地好いオープニング。

「Live It On Up」
Peter Cupples作。OZグループらしい大らかなメロウネスが魅力のミッド・グルーヴ。

「Brave New World」
Sam McNally作。グループのソウルフルな魅力を堪能できるブルーアイド・ソウル・チューン。

「So Much Love」
Peter Cupples作。2nd『For The Love Of Music』収録曲の再演。黄昏時にピッタリの素敵なロマンティック・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=8V7Ncyi_ZOY

「In The Band」
Peter Cupples作。ライナーノーツにも書いてある通り、Gino Vannelliっぽい雰囲気の仕上がりです。AORファンはグッとくるシティ・ポップ。

「Part Of It All」
Peter Roberts/Ron Peers作。タイトル曲はインタールード的な小曲です。

「Shame On You」
Peter Cupples作。哀愁モードのファンキー・グルーヴ。やはり、Peter Cupplesの楽曲はソウルフルですね。

「Standin' In My Shoes」
Ron Peers/J. Tattersall作。Average White Band風のシティ・ソウル。

「Byron Bay」
Ashley Henderson作。ハワイアンAORあたりと一緒に聴きたくなるメロウ・チューン。

「Sit Down And Talk About It」
Peter Roberts作。僕の一番のお気に入り曲。Macky Feary/Kalapanaなんかと一緒に聴きたくなる胸キュンのメロウ・グルーヴ。新メンバーPeter Robertsのいい仕事しています。

「If You Believe In Me」
Peter Cupples作。ラストは感動的なバラードで締め括ってくれます。

『Where In The World』(1976年)
ホェア・イン・ザ・ワールド

『For The Love Of Music』(1977年)
For The Love Of Music
posted by ez at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする