2011年06月24日

Judy Roberts『The Other World』

ピュア&プリティな歌声が誘うブラジリアン・グルーヴ☆Judy Roberts『The Other World』
Other World
発表年:1980年
ez的ジャンル:ブラジリアン・グルーヴ系女流キーボード奏者/シンガー
気分は... :アジア2次予選は勝ち抜きましたが・・・

サッカーのロンドン五輪アジア2次予選「日本対クウェート」はアウェーを1対2でしのぎ、何とか勝ち抜きました。前半の先制点で楽勝ムードと思いきや、後半はかなりバタバタでしたね。やはりアウェーでの中東勢は気が抜けませんな。

2次予選の2試合を観て、U-22日本代表は悪くはないけど小さくまとまりすぎている印象も受けました。

今回はレア・グルーヴ好きには人気の女性キーボード奏者/シンガーJudy Roberts『The Other World』(1980年)です。

Judy Robertsの紹介は人気曲「Never Was Love」「You Light Up My Life」収録の初リーダー作『The Judy Roberts Band』(1979年)に続き2回目となります。

本作も『The Judy Roberts Band』同様、「The Other World」「The Roadrunner」「Rainbow in Your Eyes」といったブラジリアン・グルーヴを満喫できます。個人的には大好きなLeon & Mary Russellのカヴァー「Rainbow in Your Eyes」にグッときます。

レコーディング・メンバーはJudy Roberts(key、syn、vo)、Neal Seroka(g)、Michael Fiorino(b)、David Derge(ds、per)、Tony Carpenter(congas、per)です。前作から若干メンバーが入れ替わっています。前作に続きJudy自身がプロデュース&アレンジを務めています。

Judy Robertsのヴォーカルは好き/嫌いがはっきり分かれますが、子供のようにピュア&プリティな歌声に僕は惹かれます。

ピュア&プリティな歌声が誘うブラジリアン・グルーヴを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「The River Must Flow」
オープニングはGino Vannelli作品のカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Brother to Brother』に収録されています。ここではシンセ・サウンドが印象的な哀愁メロウで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=etmmolE7pAI

「The Other World」
オススメその1。タイトル曲はRuss Long作。Judy Robertsらしいブラジリアン・クロスオーヴァー・チューンに仕上がっています。メンバー全体の息の合ったグルーヴに体を揺らしてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=8G_oqYgrgMM

「Last Tango in Paris」
アルゼンチン出身のサックス奏者Gato Barbieriが音楽を手掛けた映画『Last Tango in Paris』の主題曲。ここではフランス語ヴォーカルでしっとりと聴かせてくれます。

「The Roadrunner」
オススメその2。Neal Seroka作。アップ・テンポのブラジリアン・グルーヴ。Judyのスキャットが妙にプリティです(笑)。作者Neal Serokaの軽快なギター・プレイも印象的です。

「It's Always 4 A.M.」
Sammy Cahn/Ron Anthony作のスタンダード「午前4時のバラード」のカヴァー。スタンダードらしい落ち着いたバラードで聴かせてくれます。

「Senor Blues」
Horace Silver のカヴァー。ブルースをクロスオーヴァー調のサウンドで聴かせてくれるのがなかなか新鮮です。
http://www.youtube.com/watch?v=qu12ywnB-pc

「No Turns」
Neal Seroka作。この時期らしいフュージョン・チューン。あまりJudy Robertsらしくありませんが・・・

「Rainbow in Your Eyes」
オススメその3。一昨日の記事でも紹介したばかりのLeon & Mary Russellのカヴァー(アルバム『Wedding Album』収録)。オリジナルとはかなり異なる雰囲気のブラジリアン・グルーヴです。キュートなヴォーカルとメロウ・サウンドでオリジナルとは異なる魅力の1曲に仕上がっています。やはり、この曲が一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aJ_HE6Z7hz4

「'Round Midnight」
ラストはThelonious Monkの名曲カヴァー。抑えたヴォーカルによるスタンダード然とした仕上がりになっています。

『The Judy Roberts Band』(1979年)
The Judy Roberts Band

『Nights In Brazil』(1981年)
Nights in Brazil

『You Are There』(1985年)
You Are There

『Circle Of Friends』(1995年)
Circle of Friends

『In The Moment』(2002年)
In The Moment
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2011年06月23日

Teddy Rok Seven『Universal Four』

FCQのドラマーTeppo Makynenのプロジェクト☆Teddy Rok Seven『Universal Four』
ユニヴァーサル・フォー
発表年:2004年
ez的ジャンル:北欧クラブジャズ
気分は... :クラブジャズで涼む...

暑い日が続くみたいですね。
こんな時は北欧クラブジャズで涼むというのはいかがですか?

今回は北欧クラブジャズの逸品Teddy Rok Seven『Universal Four』(2004年)です。

Teddy Rok Sevenは、フィンランドの人気クラブジャズ・グループThe Five Corners Quintet(FCQ)のドラマーTeppo Makynenによるソロ・プロジェクト。

Nuspirit Helsinkiへの参加をきっかけにプログラミングによる音楽制作に興味を持つようになったTeppo Makynenは、"Teddy Rok"の名でDJを開始するようになります。

その後、Teddy RokことTeppo Makynen(ds、per、key、programming)を中心に、Timo Lassy(ts、fl)、Jukka Eskola(tp、flh)、Mikko Innanen(bs)、Timo Hirvonen (b)、Ville Riippa(key)、Abdissa Assefa(per)という7名によるプロジェクトTeddy Rok Sevenが結成されました。実体としてはTeppo Makynenのソロ・プロジェクトですが。

そのTeddy Rok Seven唯一のアルバムが『Universal Four』です。2004年にリリースされた本作はクラブ・ジャズ系DJに大絶賛され、世界中のクラブ・ジャズ・リスナーから高い支持を得ました。当初の7名のプロジェクト・メンバーのうち、Timo Hirvonen(b)はレコーディングに参加していない模様です。

上記に示しているのは国内盤のジャケです。オリジナルのジャケは下記の通りです。

Teddy Rok Seven『Universal Four』※輸入盤
Universal Four

The Five Corners Quintet(FCQ)メンバーの作品としては、Jukka Eskola『Jukka Eskola』(2005年)に続いでの紹介となります。本作『Universal Four』『Jukka Eskola』同様、70年代テイストのサウンドが楽しめます。

『Jukka Eskola』の記事でも書きましたが、60年代テイストのFCQ本隊よりも70年代テイストのTeddy Rok Sevenの方が僕の嗜好にマッチしています。特に本作はアナログ・シンセの響きとアフロ・ラテンなリズムが僕好みです。

全曲紹介しときやす。

「The Beginning」
オープニングはナレーション入りのスピリチュアル・ジャズ。崇高なイメージが漂います。

「Feel」
オススメその1。パリ在住の黒人女性ヴォーカリストOkouをフィーチャー。本作唯一のヴォーカル曲は、アフロ・ラテン・テイストの極上ソウル・ジャズ・チューン。Okouのシルキー&ソウルフルなヴォーカルがアフロ・ラテンなサウンドと実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=FLcUKfhtuoU

「Askaa!」
オススメその2。クラブ・ジャズらしいスリリングな疾走感を満喫できる1曲。60年代ではなく70年代のヴァイヴを感じるのが本作らしいですが。Ville Huolmanのダブル・ベースが格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=Wh6LLwFboSg

「King Abdissa」
アフロ・ラテン・テイストの小曲。

「Spaces & Echoes」
オススメその3。本作の持つコズミック&スピリチュアルな音世界を最も堪能できる1曲。Jukka Eskolaのフリューゲル・ホーンがグッド!

「Damm Straight」
オススメその4。アナログ・シンセとホーン・アンサンブルが生み出すエレガントな雰囲気が素晴らしい1曲。

「Steady」
オススメその5。Hip-Hop調のビートを使ったジャジーHip-Hop調の仕上がり。

「Inujam」
インタールード的な1曲。アフロ・ビート調です。

「Around The Clock」
前曲流れを汲んだアフロ・ビート調の仕上がり。終盤はコズミック&スピリチュアルな展開に・・・

「Appreciation」
オススメその6。ポエトリー・リーディング調のナレーションが入ったワルツ調のコズミック・ジャズです。

本編はここまでですが、国内盤には「Sweetest Smile」「Olympic」「Steady (Domu Remix)」「Feel (Afterlife Remix)」の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。特に70年代テイストのクロスオーヴァー・チューン「Sweetest Smile」「Olympic」の2曲がグッド!

個人的には国内盤を強くオススメします。

Teppo Makynenの別プロジェクトThe Stance Brothers『Kind Soul』もチェックを!

The Stance Brothers『Kind Soul』(2007年)
Kind Soul

Jukka Eskola『Jukka Eskola』(2005年)
Jukka Eskola
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2011年06月22日

『今の気分は...2011年6月22日編』

今日は時間がないので、過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回はとりあえず70年代カテゴリーから思いつくままに選んでみました。。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Leon & Mary Russell「Rainbow In Your Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=XreurSdHICY
From 『Wedding Album』(1976年)
Wedding Album

Eumir Deodato「Arranha Ceu (Skyscrapers) 」
http://www.youtube.com/watch?v=Hzm8ua_ts08
From 『Os Catedraticos 73』(1973年)
オス・カテドラーチコス 73(紙ジャケット仕様)

Jorge Dalto「I've Got You On My Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=Fr2hhpFfxyA
From 『Chevere』(1976年)
CHEVERE

Cortex「La Rue」
http://www.youtube.com/watch?v=etVNNMpckcE
From 『Troupeau Bleu』(1975年)
Troupeau Bleu

Jorge Santana「Sandy」
http://www.youtube.com/watch?v=MD29-irK1Yg
From 『Jorge Santana』(1978年)
ホルヘ・サンタナ

Meta Roos & Nippe Sylwens Band「Zazueira」
http://www.youtube.com/watch?v=LL3xxHICGaY
From 『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』(1978年)
メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンス・バンド(1978)

Sister Sledge「Thinking of You」
http://www.youtube.com/watch?v=ijuUPJeaeXQ
From 『We Are Family』(1979年)
We Are Family

Gloria Scott「That's What You Say (Everytime You're Near Me) 」
http://www.youtube.com/watch?v=p_Bni4rvaM8
From 『What am I Gonna Do』(1974年)
What Am I Gonna Do

Madeline Bell「Love Is All」
http://www.youtube.com/watch?v=6d9XJWHre6o
From 『This Is One Girl』(1976年)
This Is One Girl

Morgana King「You Are the Sunshine of My Life」
http://www.youtube.com/watch?v=S_QvVji5E9Q
From 『New Beginnings』(1974年)
ニュー・ビギニングス
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2011年06月21日

702『No Doubt』

キュート&フレッシュ&セクシー!90年代女性R&Bグループ☆702『No Doubt』
ノー・ダウト
発表年:1996年
ez的ジャンル:キュート&フレッシュ女性R&Bグループ
気分は... :伊達さんやったね!

テニスのウィンブルドン・テニスでは、クルム伊達さんが15年ぶりの勝利!大感動です!

試合後のNHKの番組で、伊達さん本人がリラックスした笑顔で試合を振り返っているのが印象的でした。心の底からテニスをエンジョイしていることが、今の伊達さんの最大の武器のような気がします。

今回は伊達さんが15年前にウィンブルドンで勝利した年にリリースされた作品をセレクト!
90年代らしい女性R&Bグループ作品702『No Doubt』(1996年)です。

No Doubtはラスヴェガスで1994年に結成された女性R&Bグループ。オリジナル・メンバーはLeMishaIrishOrishGrinstead3姉妹(Irish、Orishは双子)とKameelah Williamsの4名。その後双子の一人Orishが抜け、3人組となっています。

New Edition、Bell Biv Devoeの活動でお馴染みMichael Bivinsに見出され、彼の主宰レーベルBiv 10 Recordsと契約します。そして、1995年にレーベル・メイトのSubwayと共演したシングル「This Lil' Game We Play」でデビュー。同シングルは全米チャート第15位、同R&Bチャート第4位のヒットとなりました。

1996年にリリースされたデビュー・アルバム『No Doubt』からは、シングル「Get It Together」が全米チャートTop10入りのヒットとなりました。続く2ndアルバム『702』(1999年)からはシングル「Where My Girls At?」が全米チャート第4位の大ヒットとなっています。

その後Kameelahは一時期グループを抜けますが、その後復帰して3rdアルバム『Star』(2003年)をリリースしています。

今日紹介する『No Doubt』(1996年)をリリースした時点でメンバー3名は10代。ティーンエイジャーらしいフレッシュ感と、ティーンエイジャーとは思えないセクシーさを兼ね備えたキュートなアルバムに仕上がっています。

The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)をはじめ、Rashad Smith、Chad Elliott、Majesty、Terry "T-Rock " Williams、Malik Pendleton、Donell Jonesがプロデューサーに起用されています。また、Missy Elliottがソングライティング&ラップで参加しています。

TLCSWVあたりの90年代女性R&Bグループが好きな人であれば気に入る1枚だと思います。

今聴いても、思わず胸キュンになる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Get Down Like That」
オススメその1。オープニングはRashad Smith/The Charactersプロデュース。Love Umlimited Orchestra「Strange Games & Things」ネタのイントロでスタートするミッド・グルーヴ。TLCSWVといった90年代女性R&Bグループ好きの人であればグッとくるHip-Hop Soulに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=bfogpXVytYk

「Steelo」
オススメその2。Chad Elliottプロデュース。アルバムからの先行シングルにもなりました。Missy Elliottがソングライティング&ラップで参加しています。The Police「Voices Inside Of My Head」ネタのクール・トラックにのって3人がキュート&セクシーのヴォーカルを聴かせてくれます。Missy 姉さんもラップで盛り上げてくれマス。
http://www.youtube.com/watch?v=5ojOERy-mf8

Blue Jays「What Do You Want」ネタのリミックスもチェックを!
「Steelo (Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=A3WnqwYhQPA

「No Doubt」
オススメその3。The Charactersプロデュース。タイトル曲はティーンらしいはつらつとした魅力を前面に押し出したダンス・チューン。さすがはThe Charactersですね。アルバムからの3rdシングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=JSYwhBgOtb0

「Show Me Your Love」
オススメその4。The Charactersプロデュース。話題になることは少ない曲ですが、個人的にはアルバムで一番のお気に入り。青春の甘酸っぱい香りがする胸キュンのアップ・チューンに仕上がっています。

「Not Gonna」
Chad Elliott/Majestyプロデュース。少し妖しげな雰囲気のミッド・チューン。Irishの双子姉妹である元メンバーOrishもバック・コーラスで参加しています。Jimmy McGriff「Love is My Life」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=_f7uGidWIQA

「All I Want」
オススメその5。The Charactersプロデュース。アルバムからの4thシングル。Jackson 5の「It's Great To Be Here」ネタがキャッチーに響くキュート&プリティな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=K-Kleg7-tK0

「Round & Round」
Terry "T-Rock " Williamsプロデュース。Notorious B.I.G.「Machine Gun Funk」のエレメンツを引用したHip-Hopテイストのトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=_FsZj8Nz7UA

話は逸れますが、昨晩Notorious B.I.G.の生涯を描いた映画『Notorious』(2009年)を観ました。僕はBiggieや2Pacを熱心に聴いていたわけではありませんが、改めて二人の銃殺事件やその背景にあったHip-Hop東西抗争について調べてしまいました。Biggieの銃撃については今年になり再捜査が開始されたんですね。

「Word Iz Bond」
Malik Pendletonプロデュース。素晴らしいコーラスワークも聴くことができるミディアム・スロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=kE8ysdnPcsM

「Get It Together」
オススメその6。人気男性R&BシンガーDonell Jonesのプロデュース。アルバムからの2ndシングルとして全米チャート第10位、同R&Bチャート第3位のヒットとなります。Donell Jonesらしい大人のバラードを見事に歌いきっています。
http://www.youtube.com/watch?v=LdpQfyJFu9A&feature=relmfu

「Finding My Way」
Malik Pendletonプロデュース。浮遊感のあるミディアム・チューンでアルバムの幕は閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=nOE7HAm8bzE

『702』(1999年)
702

『Star』(2003年)
Star
posted by ez at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月19日

Selah Sue『Selah Sue』

ベルギー発の新しき才能!ジャンルを越えた女性SSWのデビュー・アルバム☆Selah Sue『Selah Sue』
Selah Sue
発表年:2011年
ez的ジャンル:ジャンルレス系ベルギー人女性SSW
気分は... :この才能を聴き逃さないで!

今回は世界が注目する、話題のベルギー人女性シンガー・ソングライターSelah Sueのデビュー・アルバム『Selah Sue』です。

Selah Sue(本名:Sanne Putseys)は1989年ベルギー、レーフダールの生まれ。高校時代から自作楽曲をマイ・スペースへアップするようになり、ネット上で注目されるようになります。

そうした動きに目をつけた業界関係者が動き、レコーディング契約までこぎつけたというシンデレラ・ストーリーによりデビューを果たしました。これまで6曲入りEP『Black Part Love』(2008年)、5曲入りEP『Raggamuffin』(2010年)をリリースしています。

欧州で大ブレイクしつつあるSelah Sueですが、その才能は米国の大物アーティストからも注目されています。Prince殿下は2010年秋のベルギー公演のオープニング・アクトにSelahを起用しました。また、Cee Lo Greenが昨年リリースした『The Lady Killer』のInternational editionにはSelahとのデュエット曲「Please」を収録しています(本作にも収録)。また、彼女の才能に惚れ込んだMeshell Ndegeocelloは本作で「Mommy」 をプロデュースしています。

デビュー・アルバム『Selah Sue』の収録曲の半数近くは前述のEP2枚と重なりますが、ヴァージョンが大きく異なるものも多く、その間の彼女の進化も楽しめる作りになっています。

デビュー・アルバム『Selah Sue』を聴くと、レゲエ/ダブ、R&B、ソウル/ファンク、Hip-Hop、ロック、フォーク、エレクトロといった多様なジャンルのエッセンスを取り込んだサウンドは軽々とジャンルの壁を飛び越えています。これはPatrice、Farhotといったプロデューサー陣の貢献も大きいと思います。

しかしながら、そうした多様なサウンドに埋もれることなく、抜群の存在感を示すSelahのコケティッシュなハスキー・ヴォーカルこそが本作の最大の魅力です。曲によってはラガ・スタイルのラップも披露してくれます。

個人的には、欧州女性SSW+Fugees/Lauryn Hill+トリップ・ホップといった印象を受ける1枚です。特にフォーキーなアコースティック・サウンドとラガ/レゲエ・スタイルを全く違和感なく融合してしまうスタイルは病みつきになりそうです。

大注目の才能です。お聴き逃しのないように!

全曲紹介しときやす。

「This World」
本作の持つ多様な音楽性を象徴するオープニング。トリップ・ホップをイメージさせるダーク&ダウナーなサウンドとSelahのハスキー・ヴォーカルが独特の音世界を織り成します。印象的なベースを演奏するのはLauryn Hill『The Miseducation of Lauryn Hill』等でもお馴染みのレゲエ系のベーシストChristopher Meredithです。
http://www.youtube.com/watch?v=8A7YIyPmIQ0

「Peace Of Mind」
Fugeesを思い出すラガ/Hip-Hopテイストの1曲。SelahがLauryn Hillから大きな影響を受けていることを実感できる1曲。ラガ・スタイルのラップもキマっています。
http://www.youtube.com/watch?v=9gnabY-75m8

「Raggamuffin」
既にシングルとして欧州では人気となった曲。アコースティック・ソウルとラガマフィンを巧みに融合した仕上がりに脱帽です。Selah Sueというアーティストの個性を上手く表現した1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=-IunmW3wI5Q

「Crazy Vibes」
レイジーなテイストにグッとくるポップ・チューン。下品な音色のキーボードがクレイジー・ヴァイヴな感じでグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=RL4I1xrs6F8

「Black Part Love」
デビューEPのタイトル曲ですが、アルバムでは別ヴァージョンが収録されています。メロウな浮遊感が魅力であったEPヴァージョンに対して、アルバム・ヴァージョンはダークなエッジが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=VkC2FZLAOUA

デビューEPのヴァージョンにも捨て難い魅力があります。

「Black Part Love」(From EP『Black Part』)
http://www.youtube.com/watch?v=4WdCnmdD-ls

「Mommy」
Meshell Ndegeocelloプロデュース曲。Selahのことをいつも支えてくれた母に捧げた1曲。ギターとキーボードのみのシンプルなサウンドですが、シンガー・ソングライターとしてのSelahの魅力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=EqsKN4btG5k

「Explanations」
Selahのヴォーカル&ギターを中心にしたアコースティックな仕上がり。Selahの原点を垣間見ることができる1曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=MpMEBUTI5oU

「Please」
前述のCee Lo Greenとの共演曲。Cee Lo Green『The Lady Killer』International editionにも収録されています。当ブログでも『The Lady Killer』を紹介しましたが、US盤なので本曲は未収録でした。妖しげなノスタルジック感がCee Lo Greenとの共演らしくて良いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=go3ePLQyCJM

「Summertime」
Selahのキュートなハスキー・ヴォイスが柔らかい陽の光のように包み込んでくれる1曲。ストリングス・アレンジも素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=HuUh4OGXBKk

「Crazy Sufferin' Style」
キュート&クレイジーなレゲエ・チューン。再びChristopher Meredithの重くうねるベースが炸裂します。こういう曲でも実に自然体で歌いきってしまうSelahの柔軟性が素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=m6CCWbZaLBw

「Fyah Fyah」
心地好いフォーキー・ソウルですが、終盤にはラガ・スタイルが乱入してきます。このフォーキー+ラガの組み合わせは、かなりハマりそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=_5nzG2IBhec

「Just Because I Do」
ラストはトリップ・ホップ調のダビー&エレクトロな仕上がり。TrickyPortisheadあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=lsN9L8nK8s4

今日はサッカーのロンドン五輪アジア2次予選「日本対クウェート」戦です。
とりあえず無失点の「2対0」くらいでホームを終え、木曜日のアウェーに臨んで欲しいですね。
そうは簡単にいかないと思いますが・・・
posted by ez at 11:46| Comment(2) | TrackBack(1) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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