2011年06月18日

Lo Borges『A Via Lactea』

メロウ&ジェントルなミナス・ワールド☆Lo Borges『A Via Lactea』
ア・ヴィア・ラクテア
発表年:1979年
ez的ジャンル:メロウ&ジェントル系ミナスMPB
気分は... :常に活き活きとした君!

今回はミナス音楽を牽引してきたシンガー・ソングライターLo Borges『A Via Lactea』(1979年)です。

Lo Borgesは1952年、ブラジル、ミナス・ジェライス州生まれ。音楽一家に育ったLoは、幼少期から音楽に親しみ、少年時代は欧米ロックからも多大な影響を受けていたようです。

Marcio BorgesMilton Nascimentoと共作した「Clube da Esquina」が、当ブログでも紹介したMiltonのアルバム『Milton』(1970年)で取り上げられ、その才能に注目が集まるようになります。

そして、1972年にはMilton Nascimentoとの連名でミナス音楽の金字塔的アルバム『Clube da Esquina』をリリース。20歳の若さでLo Borgesはミナス音楽の中心に位置するようになりました。

その後は『Lo Borges』(1972年)、『A Via Lactea』(1979年)、『Nuvem Cigana』(1981年)、『Sonho Real』(1984年)、『Meu Filme』(1996年)、『Feira Moderna』(2001年)、『Um Dia e Meio』(2003年)、『Bhanda』(2006年)、『Harmonia』(2008年)といったアルバムをリリースしています。

また、ファミリーで作ったOs Borges名義の『Os Borges』(1980年)もリリースしています。

やはり、歴史的名盤『Clube da Esquina』のイメージが強い人ですよね。当ブログでも何度も『Clube da Esquina』を紹介しようと思ったのですが、収録曲の多さに躊躇してしまい断念してしまっています(泣)

本作『A Via Lactea』(1979年)は、1stソロ『Lo Borges』(1972年)に続く7年ぶりのソロ・アルバムとなります。

レコーディングには、Telo Borges(key)、Toninho Horta(g)、Paulinho Carvalho(b)、Robertinho da Silva(ds)、Wagner Tiso(key)、Flavio Venturini(key)、Luiz Alves(b)等のメンバーが参加しています。

全体的にはミナスらしい美しいメロディは健在ですが、同時にポップ&メロウなサウンドも満喫できる1枚になっています。

ブラジル音楽ファンにとっては、「CLlube Da Exquina 2」「Vento De Maio」「Tudo Que Voce Podia Ser」といった名曲を満喫できるのが嬉しいですね。

ブラジル音楽好き以外にも、AOR/メロウ・フュージョン好きの人が聴いても楽しめるメロウ・サウンドだと思います。個人的にはハワイアンAORなんかと一緒に聴きたい曲が気に入っています。

メロウ&ピュア&ジェントルなLo Borgesの音世界は、週末聴くのにピッタリな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Sempre-Viva」
オススメその1。邦題「常に活き活きとした君」。Marcio Borges/Lo Borges作。爽快なオープニング。実に自然体のメロウネスがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=r1CEa3xRlmQ

「Ela」
オススメその2。Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「彼女」。美しいメロディとコンテンポラリーなサウンドはハワイアンAORと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=mL1Kwb7PD9o

「A Via Lactea」
Lo Borges/Ronaldo Bastos作。邦題「ミルキーウェイ」。少し憂いを帯びた美しいバラード。素敵なストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=48ew2W4sBtE

「CLlube Da Exquina 2」
オススメその3。Marcio Borges/Lo Borges/Milton Nascimento作。邦題「街角クラブ2」。『Clube Da Esquina』収録ヴァージョンでもお馴染みの名曲。ここでは妹のSolange Borgesとのデュエットでミナスの魅力を伝えてくれます。ただただ美しい・・・
http://www.youtube.com/watch?v=zhXn8PTztds

「A Olho Nu」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「眼前に晒して」。ミナスらしい美しい前半とロック・サウンドでテンポアップして後半と1曲で2度楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=WU9Kxy5hzxE

「Equatorial」
Marcio Borges/Beto Guedes/Lo Borges作。邦題「赤道」。シンセ・サウンドを効果的に配した1曲。ジワジワと盛り上がってきます。。
http://www.youtube.com/watch?v=IbPxULz1VUY

「Vento De Maio」
オススメその4。Telo Borges/Marcio Borges作。邦題「五月の風」。後年Elis Reginaもレコーディングしたことでもお馴染みの名曲。妹のSolange Borgesと一緒に歌っています。美しくメロディとエレガントなリズムにひたすら感動です。ミナスの風を存分に感じることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=Z1zaiaWvNkE

「Chuva Na Montanha」
Fernando Oly作。邦題「山間の雨」。親しみやすく、落ち着きのある雰囲気でホッとさせてくれる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=gtHl2Ngw7x8

「Tudo Que Voce Podia Ser」
オススメその5。Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「(君がなれたすべて)」。本作のハイライト。『Clube Da Esquina』のオープニングを飾った名曲です。当ブログでも紹介したQuarteto Em Cyのヴァージョンをはじめ、数多くのアーティストがカヴァーしています。美しいメロディのメロウ・グルーヴにひたすらウットリです。Wagner Tisoのエレピがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=xUSzCPS6V1c

「Olha O Bicho Livre」
Rodrigo Leste/Paulinho Carvalho作。邦題「自由な獣を見よ」。SSWらしい心が和む1曲。リラックスできる感じがいいですね(歌詞はリラックスできる内容ではありませんが)。Wagner Tisoのアコーディングがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-EOb4wALk6M

「Nau Sem Rumo」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「あてのない船」。ラストはミナスらしい美しいメロディを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=vBkN6CFVlxk

他のLo Borges作品もチェックを!
そのうち、『Clube Da Esquina』(1972年)にも再チャレンジします(笑)

Milton Nascimento & Lo Borges『Clube Da Esquina』(1972年)
Clube da Esquina

『Lo Borges』(1972年)
Lo Borges

Os Borges『Os Borges』(1980年)
Borges

『Nuvem Cigana』(1981年)
Nuvem Cigana

『Sonho Real』(1984年)
Sonho Real

『Meu Filme』(1996年)
Meu Filme

『Feira Moderna』(2001年)
Feira Moderna

『Um Dia e Meio』(2003年)
Um Dia E Meio

『Bhanda』(2006年)
Bhanda

『Harmonia』(2008年)
LO BORGES - HARMONIA
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2011年06月17日

Bobby Hutcherson『Components』

人気曲「Little B's Poem」収録のBlue Note第2弾アルバム☆Bobby Hutcherson『Components』
コンポーネンツ
録音年:1965年
ez的ジャンル:新主流派ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :悪い予感が的中、でも・・・

昨日は悪い予感が的中してしまいました。
えっ、それはないでしょ!・・・心の中でつぶやいていました。

それも含めて今週は物事の流れが悪い・・・
そんな状況にも関わらず、不思議とイラっとした気持ちにはなっていません。

ここ数日たまたま「プラス受信(物事を前向きに受け止めること)」というキーワードを読み書きする機会が多く、そのせいで自分自身の中にもプラス受信のマインドが作用しているのかもしれません。このマインドが萎えないうちに、適切な処置を講じておかなければ・・・

今回はJazzシーンを代表するヴァイヴ奏者Bobby Hutchersonの5回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したBobby Hutcherson作品は以下の4枚です。

 『Happenings』(1966年)
 『Stick-Up!』(1966年)
 『San Francisco』(1970年)
 『Montara』(1975年)

今回紹介するのは1965年録音の『Components』です。

本作『Components』は、『Dialogue』に続くBlue Noteの第2弾アルバムです。

レコーディング・メンバーは、Bobby Hutcherson(vibe、marimba)、Freddie Hubbard(tp)、James Spaulding(as、fl)、Herbie Hancock(p、org)、Ron Carter(b)、Joe Chambers(ds)という構成です。

オリジナルLPのA面4曲がHutchersonのオリジナル、B面4曲がChambersのオリジナルという構成です。

新主流派らしいエレガントな演奏を満喫できるA面、アブストラクトでフリー寄りの演奏が繰り広げられるB面と、前後半で全く異なる表情の演奏が展開されます。

とりあえずは聴きやすいA面4曲がオススメ。特に「Little B's Poem」は人気曲ですね。一方、アブストラクトなB面も超難解な領域に入り込む一歩手前で踏み止まっており、敬遠せずに聴けば楽しめる演奏になっています。

Hutchersonの流麗なヴァイヴの響きを聴いていると、体内の毒素が排出される気分になります(笑)

全曲紹介しときやす。

「Components」
Bobby Hutcherson作。タイトル曲は洗練されたスリリング感がいいですね。流麗なHutchersonのヴァイヴをはしめ、Hubbard、 Spauldingの二管やHancockも小粋なソロを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_DnRjV_tU9E

「Tranquillity」
Bobby Hutcherson作。憂いのある美しさにグッとくるバラード。リリカルなHutchersonのヴァイヴの響きにウットリです。
http://www.youtube.com/watch?v=y5tx0mvxF3I

「Little B's Poem」
Bobby Hutcherson作。前述のように本作のハイライト。Doug CarnやDee Dee Bredgewater等のカヴァーでもお馴染みの人気曲です。Hutchersonが息子Barryのために書いた曲であり、無邪気の子供の心のようなワルツが展開されます。特にSpauldingのフルートが子供の戯れのようで印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=DldxgV41SYM

「West 22nd Street Theme」
Bobby Hutcherson作。小粋なアンサンブルを満喫できるブルージーなバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=bqEKWv1r33k

ここまでがオリジナルLPのA面です。

「Movement」
Joe Chambers作。このオリジナルLPB面1曲目からアルバムの表情は一変します。不穏な空気が流れるSpauldingのフルートと共にアブストラクトな演奏が展開します。Hutchersoのマリンバの音色もミステリアスな印象を助長します。
http://www.youtube.com/watch?v=6BSURPDHblU

「Juba Dance」
Joe Chambers作。この曲もSpauldingの妖しげなフルートと共にスタートします。Hubbardのミュートも緊張感を煽ります。ここでもHutchersoはマリンバを叩いています。「Movement」や「Juba Dance」を聴いていると、何故だかJerry Goldsmithが手掛けた『Planet of the Apes』のサントラが聴きたくなってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=xVtw3vcNS9o

「Air」
Joe Chambers作。ここでも前衛ムードの演奏が展開されます。それでも何処か洗練されている感じが最後まで聴かせてしまうのかもしれません。Hancockのオルガンがアクセントになっていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=rYvw8bD8bjA

「Pastoral」
Joe Chambers作。ラストはHutchersonのヴァイヴがリリカルに響く美しい演奏で締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=faTUVUn7TBA

Bobby Hutchersonの過去記事もご参照下さい。

『Happenings』(1966年)
ハプニングス

『Stick-Up!』(1966年)
Stick-Up!

『San Francisco』(1970年)
San Francisco

『Montara』(1975年)
Montara
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2011年06月16日

Booker T. Jones『The Road From Memphis』

?uestloveとの出会いがもたらしたものは?☆Booker T. Jones『The Road From Memphis』
Road from Memphis
発表年:2011年
ez的ジャンル:The Roots系オルガン・ソウル
気分は... :?uestlove最高!

新作は毎週日曜日に紹介するのが、最近の当ブログの暗黙のルールになっていますが、今月は紹介したい新作が多いので頻度多くしたいと思います。

今回はソウル界の伝説的オルガン奏者Booker T. Jonesの2年ぶりの新作『The Road From Memphis』です。

Booker T. Jonesは1944年カテネシー州メンフィス生まれ。16歳でプロ・ミュージシャンとなり、1962年にはBooker T. Jones(org)、Steve Cropper(g)、Lewis Steinberg(b)、Al Jackson, Jr.(ds)とBooker T. & The M.G.'sを結成します。

その後、ベースがDonald "Duck" Dunへ代わったBooker T. & The M.G.'sは、名門Staxのハウス・バンドとして数多くのアーティストをサポートします。同時に、グループ自身もコンスタントに作品をリリースし、Booker T.はそのフロント・マンとして注目を集めました。

The M.G.'sの活動休止後は、奥方Priscilla(Rita Coolidgeの姉)とのユニットBooker T. & Priscilla名義で、『Booker T. & Priscilla』(1971年)、『Home Grown』(1972年)、『Chronicles』(1973年)という3枚のアルバムをリリースしています。

ソロ名義では、『Evergreen』(1974年)、『Try and Love Again』(1978年)、『The Best of You』(1979年)、『I Want You』(1981年)、『The Runaway』(1989年)、『Potato Hole』(2009年)といったアルバムをリリースしています。

Booker T. Jonesに関しては、知らぬ間に紹介しそびれていましたね。

自分でもそれを自覚しており、数ヶ月前から梅雨明けくらいのタイミングで、人気曲「Jamaica Song」収録の『Evergreen』を紹介しようと思っていたのですが、新作『The Road From Memphis』が素晴らしかったのでコチラが先になってしまいました。

前作『Potato Hole』から2年ぶりの新作となる『The Road From Memphis』の注目は、何と言っても?uestloveをはじめとするThe Roots勢の参加です。Booker T.には失礼ですが、個人的にはBooker T.本人への興味よりもThe Roots(?uestlove)目当てで本作を購入した次第です。

The Rootsとの出会いが、Booker T. にどのような化学反応をもたらすのかという期待で聴きましたが、レトロなのにモダンなオルガン・グルーヴをかなり楽しめました。さすがは?uestloveですね!

プロデュースはBooker T. Jones?uestloveRob Schnapfの3名。Rob SchnapfはBeckやElliott Smith作品等も手掛けていますね。また、Gabriel Rothがエンジニアを務めています。

レコーディングにはBooker T. Jones(org、p)をはじめ、、?uestlove(ds)、Owen Biddle(b)、Kirk Douglas(g)というThe Rootsのメンバー、Dennis Coffey(g)、Stewart Killen(per)が参加しています。Dennis CoffeyはFunk Brothersのメンバーとして活躍すると同時に、「Scorpio」のヒット等ソロ・アーティストとしても数多くの作品をリリースしているギタリストですね。

さらにゲスト・ヴォーカルとして、Yim Yames(My Morning Jacket)、Matt Berninger(Matt Berninger)、Sharon Jones(Sharon Jones & The Dap-Kings)、Lou Reedが参加しています。

本作を引っさげて9月に来日公演も行う模様です。

Booker T.ファンもThe Rootsも楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Walking Papers」
Booker T. Jones/Kirk Douglas作。オープニングは開放的なファンキー・グルーヴ。?uestloveの叩き出すリズムが全体をピリっと引き締めてくれます。

「Crazy」
DJ Danger MouseとCee Lo Greenのサイケデリック・ユニットGnarls Barkleyの大ヒット曲をカヴァー。Gnarls Barkley自体が60〜70年代サウンドを意識したユニットなので、Booker T.のオルガン・サウンドがよく馴染みます。
http://www.youtube.com/watch?v=FtbtEMzRFJo

「Progress」
Booker T. Jones/Yim Yames作。フォーク・ロック・グループMy Morning JacketのYim Yamesのヴォーカルをフィーチャー。親しみやすいメロディのオルガン・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=KjL8KRKRf2U

「The Hive」
Booker T. Jones作。僕の一番のお気に入り曲。この曲ばかり何度もリピートしています。 僕が本作に期待していたBooker T. Jones meets The Rootsといった趣のオルガン・グルーヴがココにあります。?uestloveのドラムが格好良すぎ!

「Down In Memphis」
Booker T. Jones作。ここではBooker T.自身がヴォーカルをとっています。アーシー・テイストの味わい深いソウル・チューンに仕上がっています。

「Everything Is Everything」
Lauryn Hillのヒット・シングルをカヴァー。「The Hive」と並ぶお気に入り。この曲もBooker T. Jones meets The Rootsの感じが伝わってきます。メンバーのセッション映像のPVもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=A61c4FgxZz8

「Rent Party」
Booker T. Jones作。リラックスした演奏がいいですね。軽くパーカッシヴな雰囲気が僕好み。

「Representing Memphis」
Booker T. Jones/Liv Jones作。タイトル曲はThe NationalのMatt BerningerとSharon Jones & The Dap-KingsのSharon Jonesの男女ヴォーカルをフィーチャー。ジワジワと胸に迫る感動的なソウル・チューンに仕上がっています。歌モノではこの曲が一番好き!曲調的にJohn Legend & The Roots「Wake Up Everybody」あたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=SMvyQkwUkWo

「The Vamp」
Booker T. Jones作。「The Hive」と同様の格好良さを持った演奏です。70年代ブラック・ムーヴィー・サントラに現代風のテイストを加えた感じが好きです。

「Harlem House」
Booker T. Jones作。?uestloveとOwen Biddleのリズム隊がグイグイ引っぱるファンキー・グルーヴ。

「The Bronx」
Booker T. Jones/Liv Jones作。ラストはLou Reedのヴォーカルをフィーチャーした激シブ・バラード。不思議とソウルフルなオルガン・サウンドとLou Reed独特の呟きヴォーカルがマッチしています。

Booker T. & Priscilla『Booker T. & Priscilla』(1971年)
ブッカーT&プリシラ(紙ジャケット仕様)

Booker T. & Priscilla『Home Grown』(1972年)
ホームグロウン(紙ジャケット仕様)

Booker T. & Priscilla『Chronicles』(1973年)
クロニクルズ(紙ジャケット仕様)

『Evergreen』(1974年)
エヴァーグリーン(紙ジャケット仕様)

『The Best of You』(1979年)
The Best Of You

『I Want You』(1981年)
アイ・ウォント・ユー

『Potato Hole』(2009年)
Potato Hole

本作に参加しているベテラン・ギタリストDennis Coffeyも新作『Dennis Coffey』をリリースしていますので、興味がある方はそうぞ!

Dennis Coffey『Dennis Coffey』(2011年)
Dennis Coffey
posted by ez at 02:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月15日

Ronald Mesquita『Brasil 72』

名ドラマーによるブラジリアン・ソフトロックの人気作☆Ronald Mesquita『Brasil 72』
Brasil 72
発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ソフトロック
気分は... :夢なら覚めないで!

今回はブラジリアン・ソフトロックの人気作Ronald Mesquita『Brasil 72』(1972年)です。

Ronald Mesquita(Ronie Mesquita)Bossa Rioの活動などで知られる実力派ドラマー。Tenorio Jr.『Embalo』のドラムもMesquitaですね。

今日紹介する『Brasil 72』は1972年にフランスのBarclayからリリースされたアルバムです。

レコーディング・メンバーは、Ronald Mesquita(ds、per)、Ricardo Do Canto(b)、Rolando Faria(per、g、vo)、Ricardo Pontes(fl、per、as)、Marily Tavares(vo)、Gilson Peranzzetta(p、el-p、per、g)の6名。Marily TavaresとRolando Fariaの男女ヴォーカルがいいですね。また、サウンド面ではGilson Peranzzettaの貢献が大きいと思います。

中身の方は、Sergio MendesBossa Rioの流れを汲むメロウなソフト・ボッサ、軽快なジャズ・サンバを満喫できる1枚に仕上がっています。また、70年代らしくメロウなエレピなどのクロスオーヴァー・サウンドも聴くことができます。

キラー・トラック「Balanca Pema」、カフェ・アプレミディ人気曲「Quatro De Dezembro」など小粋なブラジリアン作品が数多く収録されています。

Sergio MendesBossa Rioがお好きな方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Balanca Pema」
オープニングはJorge Benの名曲カヴァー。Jorge Benのオリジナルは『Samba Esquema Novo』(1963年)に収録されています。当ブログではMarisa Monteのカヴァーも紹介済み。本ヴァージョンは本作のキラー・トラックとも呼べるグルーヴィーなソフト・ボッサに仕上がっています。小気味良いリズムをバックに、Marily TavaresとRolando Fariaが小粋な男女ヴォーカルで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=DSBjAte1f9k

「Dabadeia」
Luis Gonzaga Jr./Cesar Costa-Filho/Aldir Blanc作。Marily Tavares & Rolando Fariaの哀愁スキャットがサウダージ気分にさせるボッサ・チューン。

「Aguas De Marco」
Antonio Carlos Jobimの名曲「三月の水」のカヴァー。当ブログではTania MariaSergio Mendes & Brasil '77
Stacey Kent(フランス語ヴァージョン)のカヴァーも紹介済みです。ここでは軽快かつエレガントなジャズ・ボッサの「三月の水」を聴くことができます。

「Cancao Do Sal-Tema De Tostao」
Milton Nascimentoのメドレー。「Cancao Do Sal(塩の歌)」は女王Elis Reginaのヒットで知られる楽曲。先日紹介したBossa Rio『Bossa Rio』でもカヴァーしており、Mesquitaのお気に入り曲なのかもしれませんね。「Tema De Tostao」は先日紹介したMilton Nascimento『Milton』のボーナス・トラックに収録されていました。ここでは大人のボッサ・チューン「「Cancao Do Sal」〜小粋なジャズ・サンバ「Tema De Tostao」といった流れで聴かせてくれます。

「Fechado Pra Balanco」
Gilberto Gil作品のカヴァー。当ブログではElis Reginaのカヴァーも紹介済みです。ここではクールでテンポの良い仕上がりで聴かせてくれます。Marily TavaresとRolando Fariaの息の合ったヴォーカルがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=miiOTJogIsA

「O Gato」
Luis Gonzaga Jr.作。エレピの音色がクロスオーヴァー色を感じさせる小粋なボッサ・グルーヴ。

「Tarde Em Itapoa」
Toquinho & Vinicius De Moraes作の名曲「イタプアンの午後」のカヴァー。個人的にはアルバムで一番のお気に入りのメロウ・ボッサ。Marily TavaresとRolando Fariaの男女ヴォーカルが実にロマンティック!

「Casa De Campo」
Ze Rodrix/Tavito作。感動的なバラード。この切ない雰囲気は梅雨の時期にピッタリかも?

「Quatro De Dezembro」
Tiao Motorista作。カフェ・アプレミディのコンピにも収録されていた人気曲。明るく開放的なサンバ・チューンを聴いていると、心も晴れやかな気分になります。

「Papagayo」
Gilson Peranzzetta/Joao Cortez作。クロスオーヴァーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=B68Fz1RHMr8

「Zanzibar」
ラストはフロア・キラー・チューンとしてお馴染みのEdu Loboの名曲カヴァー。Earth,Wind & Fireのカヴァーでお馴染みですね。当ブログではSteen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmのカヴァーも紹介済みです。ここではクール&スピーディーなブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。

Ronald Mesquita(Ronie Mesquita)参加作品として、Bossa RioTenorio Jr.『Embalo』もどうぞ!

Bossa Rio『Bossa Rio』(1970年)
Bossa Rio

Bossa Rio『Alegria!』(1970年)
アレグリア!(紙ジャケット仕様)

Tenorio Jr.『Embalo』(1964年)
Embalo
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2011年06月14日

Gerardo Frisina『The Latin Kick』

ラテン・ジャズ/アフロ・キューバン色を強めた3rd☆Gerardo Frisina『The Latin Kick』
The Latin Kick
発表年:2005年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :マブスは勝者に相応しかった!

注目のNBAファイナル第6戦は、ダラス・マーベリックスがマイアミ・ヒートを破り、見事初の王者に輝きました。

ウェイド、レブロン、ボッシュという3キングスを擁したヒートでしたが、あと一歩のところで王者に届きませんでした。特にレブロンは期待に応えることができませんでしたね。レブロンがMJやコービーと並び称されるスーパースターとなるためには、乗り越えなければならない試練なのでしょうね。

一方のマブスは、エースのノビツキーを中心にチーム全体の総合力を感じました。第6戦も前半ノビツキーが絶不調でしたが、ベンチメンバーのテリーがそれを補うエース級の活躍をしたのが大きかったですね。

ファイナル開幕前は、3キングスの派手な活躍によるヒートの頂点制覇を予想していたミーハーな僕ですが、マブスのチーム全体での堅実なプレーぶりに脱帽です。スーパースターを揃えるよりも、ベンチメンバーも含めた全員が各自の役割を着実に遂行する総合力を高めることが重要であることを再認識させてくれました。結果的にマブスの初制覇は、NBA全体の健全な発展のために良かったのかもしれませんね。

競技は異なりますが、サッカー日本代表もマブスのようなチームになって欲しいですね。

今回はSchemaの看板アーティストGerardo Frisinaの3rdアルバム『The Latin Kick』(2005年)です。

イタリア、ミラノ出身のプロデューサー/DJであるGerardo Frisinaの紹介は、最新作『Join The Dance』(2010年)に続き2回目の紹介となります。

『The Latin Kick』はGerardo Frisinaの3rdアルバムとなります。タイトルの通り、従来以上にラテン・ジャズ/アフロ・キューバン色を強めた構成になっています。生音とデジタル・サウンドを上手く融合させたクラブ仕様の楽曲が印象に残りますね。

レコーディングには、Enzo Lo GrecoGianni Lo GrecoというSoulstanceの二人も参加しています。特に、クラブ仕様のデジタル感のあるサウンド作りにおいて、彼らの貢献が大きいのではと思います。

プロデュースはGerardo Frisina自身。アレンジ&ソングライティング(カヴァー以外)はGerardo FrisinaとEnzo Lo Greco(ソングライティング時にはVincenzoで表記)が手掛けています。

Schemaらしいスタイリッシュなセンスに溢れた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Gods Of The Yoruba (Belem) 」
オープニングはHorace Silver作品のカヴァー。オリジナルは『Silver 'N' Percussion』(1978年)に収録されています。ここではHelena De Pinoの女声スキャットも入り 軽快なタッチのラテン・ピアノと伊達男なホーン隊が印象的なクラブジャズらしいスタイリッシュ&ダンサブルな演奏を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=UrvzCjvoQkA

「Bite The Nite」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。ラテン・リズムをSchemaらしいモダンなセンスで聴かせてくれます。Francesco Pinettiのヴァイヴが実にお洒落!
http://www.youtube.com/watch?v=xyd9JGFP9B4

「Cortante」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。キューバン・テイストのラテン・ジャズをクラブ仕様でスタイリッシュに聴かせてくれます。このあたりはGerardo FrisinaおよびSoulstanceらしいですね。

「Gosto De Que E Bom」
本作の中でも人気の高いトラックなのでは?Shirley E O Tuca Trioによるブラジリアン人気曲をカヴァー(Ademir Carvalho作)。Helena De Pinoのヴォーカルをフィーチャーし、Soulstanceらしいクラブ仕様のリズム・トラックに小粋なピアノが絡むクラブジャズ好きには鉄板な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=UrvzCjvoQkA

「Jazz Ally」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。クラブジャズらしいスリリング&クールなスピード感を満喫できる1曲。Francesco Pinettiのヴァイヴにグッときます。

「Cohete」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。妖しげなフルートが先導するラテン・ハウス調の仕上がりです。Soulstanceの二人の貢献が大きいのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=Oz9hJ2kuJ40

「African Seeds」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作タイトルの通り、アフロ・リズムが強調されたアフロ・ビート+ラテン・ジャズといった雰囲気の仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=0IV2bZe_h34

「The 7th Day」
Freddie Hubbard作品のカヴァー。ミステリアスなラテン・ジャズに仕上がっています。

「Hush」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。Schemaらしいデジタル感のあるクラブ仕様のラテン・ジャズ・チューン。

「Latin Seeds」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。この曲もクラブ仕様のアフロ・キューバン・ジャズですね。デジタルとアナログを上手く融合させている感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=1_JuwF5hipw

「Batucafro」
Gerardo Frisina/Vincenzo Le Greco作。Helena De Pinoのヴォーカルをフィーチャーした、クラブ仕様のクロスーオヴァーなサンバ・フュージョン。

「Senior Rico」
ラストもクラブ仕様のスタイリッシュ&パーカッシヴな仕上がりです。覚醒感のあるリズムにヤラれてしまいます。

他のGerardo Frisina作品もチェックを!

『Ad Lib』(2001年)
Ad Lib

『Hi Note』(2004年)
Hi Note

『Note Book: A Journey In Sound The Remix』(2007年)
Note Book

『Join The Dance』(2010年)
Join the Dance [Import CD from Italy]
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