発表年:1988年
ez的ジャンル:N.Y.系ダンサブル・アーバン・コンテンポラリー
気分は... :『告白』は凄かった!
昨晩、WOWOWで今年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞した映画『告白』を観ました。少年犯罪を題材に人間の心の闇を見事に映像化した凄い作品でした。観終わった後、寒気で背中がスースーしてきました。
それまでの作品で鮮やかな映像が印象深かった中島哲也監督でしたが、本作では従来の作品とは異なる心をえぐる映像にヤラれました。
主演の松たか子の演技には震え上がってしまいました。これを観ると、彼女に日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲らせてあげたかった気もしますね。
今回はD-Trainとして80年代に活躍したJames "D-Train" Williamsのソロ作『In Your Eyes』(1988年)です。
D-Trainは、ヴォーカリストJames "D-Train" Williamsとマルチ奏者Hubert Eaves IIIのデュオ。
Hubert Eaves IIIは、Gary Bartz Ntu Troop、Mtumeでも活動し、ソロ・アルバム『Esoteric Funk』(1979年)もリリースしています。
D-Trainは、Preludeから『You're The One For Me』(1982年)、『Music』(1983年)、『Something's On Your Mind』(1984年)といった3枚のアルバムをリリースし、N.Y.らしいダンス・サウンドで人気を博しました。
Columbiaに移籍後は、Hubert Eaves IIIは裏方に専念し、James "D-Train" Williamsのソロとして『Miracles of the Heart』(1986年)、『In Your Eyes』(1988年)をリリースしています。
本作『In Your Eyes』は、某有名ソウル・ガイド本にも取り上げられていることでも知られている1枚ですね。僕の場合、今年のタワレコのクリアランス・セールで290円にてゲットしました。
良くも悪くも80年代らしいサウンドです。数曲ビミョーなものもありますが、総じて言えば、80年代後半のアーバン・コンテンポラリー感を楽しめる1枚だと思います。
プロデュースはJames "D-Train" Williams/Hubert Eaves III。ソングライティングも大半が二人の共作によるものです。
レコーディングには、Hubert Eaves IIIの息子Hubert Eaves IV(b)やDoc Powell(g)等が参加しています。また、Curtis King、Cindy Mizell、Genobia Jeter、Lisa Fischer、Audrey Wheeler、B.J. Nelson、Will Downingというバック・コーラス陣が充実しています。
D-Train作品って、ジャケがいまいちなのが多いですが、男の哀愁漂う本作はなかなかいいのでは?
全曲紹介しときやす。
「In Your Eyes」
タイトル曲は洗練されたファンク・チューン。何処かJam & Lewisっぽい雰囲気もありますね。曲作りにも参加しているHubert Eaves IIIの息子Hubert Eaves IVのベース・プレイが秀逸!息子に負けじとHubert Eaves IIIも小粋なピアノ・ソロを聴かせてくれます。Genobia Jeter、Lisa Fischer、B.J. Nelsonの女性コーラス隊もチャーミング!
http://www.youtube.com/watch?v=Ahy_xEIcieA
「Order In The House」
迫力あるアップ・チューンですが、僕の好みではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=W0p4G2ue0xI
「With All My Heart」
同じアップ・チューンでもこちらは僕の好み。Alexander O'Nealあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=WoZJ4AdAhFk
「If You Know What I Know」
Paul Johnson/Johnny Hodges作。落ち着いたアーバン・ミッド・グルーヴ。演奏にも参加している作者二人の色が出ているのか、他の楽曲とサウンド面で少し異なる印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=4BubUlobJnE
「Shadow Of Another Love」
なかなか雰囲気のあるミディアム・スロウ。D-Trainの熱唱とアーバン・サウンドがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=7TnWUJMh7Sg
「Runner」
シングルにもなったアーバン・ダンサー。作者としてHubert Eaves IIIと共にMiles Jayeの名がクレジットされています。そう言われれば、このアーバンなダンサブル感は、当ブログでも紹介したMiles Jayeのアルバム『Miles』(1987年)と同じ香りがしますね。
http://www.youtube.com/watch?v=1Vd0w1oP_UY
「Curious」
胸にジーンとくつ素敵なバラード。Cindy Mizelle、Audrey Wheeler、Will Downingのコーラス隊もグッド!Hubert Eaves IIIによるサウンド・メイクやLenny Pickettのアルト・サックス・ソロもアーバン・ムードを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=UcvR_3c_Dj4
「Child Of Love」
80年代ブラコンらしい打ち込みサウンドのピコピコ感が印象的なミディアム・スロウ。チープですがこういうの嫌いじゃありません(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=4N2EspCpdvE
「Diamond In The Night」
軽くラテン・フレイヴァーの効いたダンサブル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=7OPj9KdK3vQ
「My Friend」
Hubert Eaves IIIの美しいエレピをバックに、じっくり聴かせる感動バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=dR9WOjtPxtg
「Smile」
ラストはラテン・フレイヴァーのダンサブル・チューン。このB級感はビミョーです(笑)。Ed "Tree" Mooreがギターで参加し、気の利いたカッティング・ギターを聴かせてくれます。。
http://www.youtube.com/watch?v=b4Gq5ng5Sqg
僕の所有CDにはボーナス・トラックとして「Runner」のダブ・ミックスが収録されています。
他のD-Train作品もチェックを!
『You're The One For Me』(1982年)
『Music』(1983年)
『Something's On Your Mind』(1984年)
『Miracles of the Heart』(1986年)