発表年:1979年
ez的ジャンル:メロウ&ジェントル系ミナスMPB
気分は... :常に活き活きとした君!
今回はミナス音楽を牽引してきたシンガー・ソングライターLo Borgesの『A Via Lactea』(1979年)です。
Lo Borgesは1952年、ブラジル、ミナス・ジェライス州生まれ。音楽一家に育ったLoは、幼少期から音楽に親しみ、少年時代は欧米ロックからも多大な影響を受けていたようです。
兄Marcio Borges、Milton Nascimentoと共作した「Clube da Esquina」が、当ブログでも紹介したMiltonのアルバム『Milton』(1970年)で取り上げられ、その才能に注目が集まるようになります。
そして、1972年にはMilton Nascimentoとの連名でミナス音楽の金字塔的アルバム『Clube da Esquina』をリリース。20歳の若さでLo Borgesはミナス音楽の中心に位置するようになりました。
その後は『Lo Borges』(1972年)、『A Via Lactea』(1979年)、『Nuvem Cigana』(1981年)、『Sonho Real』(1984年)、『Meu Filme』(1996年)、『Feira Moderna』(2001年)、『Um Dia e Meio』(2003年)、『Bhanda』(2006年)、『Harmonia』(2008年)といったアルバムをリリースしています。
また、ファミリーで作ったOs Borges名義の『Os Borges』(1980年)もリリースしています。
やはり、歴史的名盤『Clube da Esquina』のイメージが強い人ですよね。当ブログでも何度も『Clube da Esquina』を紹介しようと思ったのですが、収録曲の多さに躊躇してしまい断念してしまっています(泣)
本作『A Via Lactea』(1979年)は、1stソロ『Lo Borges』(1972年)に続く7年ぶりのソロ・アルバムとなります。
レコーディングには、Telo Borges(key)、Toninho Horta(g)、Paulinho Carvalho(b)、Robertinho da Silva(ds)、Wagner Tiso(key)、Flavio Venturini(key)、Luiz Alves(b)等のメンバーが参加しています。
全体的にはミナスらしい美しいメロディは健在ですが、同時にポップ&メロウなサウンドも満喫できる1枚になっています。
ブラジル音楽ファンにとっては、「CLlube Da Exquina 2」、「Vento De Maio」、「Tudo Que Voce Podia Ser」といった名曲を満喫できるのが嬉しいですね。
ブラジル音楽好き以外にも、AOR/メロウ・フュージョン好きの人が聴いても楽しめるメロウ・サウンドだと思います。個人的にはハワイアンAORなんかと一緒に聴きたい曲が気に入っています。
メロウ&ピュア&ジェントルなLo Borgesの音世界は、週末聴くのにピッタリな1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Sempre-Viva」
オススメその1。邦題「常に活き活きとした君」。Marcio Borges/Lo Borges作。爽快なオープニング。実に自然体のメロウネスがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=r1CEa3xRlmQ
「Ela」
オススメその2。Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「彼女」。美しいメロディとコンテンポラリーなサウンドはハワイアンAORと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=mL1Kwb7PD9o
「A Via Lactea」
Lo Borges/Ronaldo Bastos作。邦題「ミルキーウェイ」。少し憂いを帯びた美しいバラード。素敵なストリングスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=48ew2W4sBtE
「CLlube Da Exquina 2」
オススメその3。Marcio Borges/Lo Borges/Milton Nascimento作。邦題「街角クラブ2」。『Clube Da Esquina』収録ヴァージョンでもお馴染みの名曲。ここでは妹のSolange Borgesとのデュエットでミナスの魅力を伝えてくれます。ただただ美しい・・・
http://www.youtube.com/watch?v=zhXn8PTztds
「A Olho Nu」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「眼前に晒して」。ミナスらしい美しい前半とロック・サウンドでテンポアップして後半と1曲で2度楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=WU9Kxy5hzxE
「Equatorial」
Marcio Borges/Beto Guedes/Lo Borges作。邦題「赤道」。シンセ・サウンドを効果的に配した1曲。ジワジワと盛り上がってきます。。
http://www.youtube.com/watch?v=IbPxULz1VUY
「Vento De Maio」
オススメその4。Telo Borges/Marcio Borges作。邦題「五月の風」。後年Elis Reginaもレコーディングしたことでもお馴染みの名曲。妹のSolange Borgesと一緒に歌っています。美しくメロディとエレガントなリズムにひたすら感動です。ミナスの風を存分に感じることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=Z1zaiaWvNkE
「Chuva Na Montanha」
Fernando Oly作。邦題「山間の雨」。親しみやすく、落ち着きのある雰囲気でホッとさせてくれる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=gtHl2Ngw7x8
「Tudo Que Voce Podia Ser」
オススメその5。Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「(君がなれたすべて)」。本作のハイライト。『Clube Da Esquina』のオープニングを飾った名曲です。当ブログでも紹介したQuarteto Em Cyのヴァージョンをはじめ、数多くのアーティストがカヴァーしています。美しいメロディのメロウ・グルーヴにひたすらウットリです。Wagner Tisoのエレピがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=xUSzCPS6V1c
「Olha O Bicho Livre」
Rodrigo Leste/Paulinho Carvalho作。邦題「自由な獣を見よ」。SSWらしい心が和む1曲。リラックスできる感じがいいですね(歌詞はリラックスできる内容ではありませんが)。Wagner Tisoのアコーディングがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-EOb4wALk6M
「Nau Sem Rumo」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「あてのない船」。ラストはミナスらしい美しいメロディを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=vBkN6CFVlxk
他のLo Borges作品もチェックを!
そのうち、『Clube Da Esquina』(1972年)にも再チャレンジします(笑)
Milton Nascimento & Lo Borges『Clube Da Esquina』(1972年)
『Lo Borges』(1972年)
Os Borges『Os Borges』(1980年)
『Nuvem Cigana』(1981年)
『Sonho Real』(1984年)
『Meu Filme』(1996年)
『Feira Moderna』(2001年)
『Um Dia e Meio』(2003年)
『Bhanda』(2006年)
『Harmonia』(2008年)