発表年:1964年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :ドイツが熱い...
サッカーの女子W杯が開幕しましたが、地元ドイツの開幕試合は男子W杯並みの盛り上がりですね。さすがはサッカー大国での大会ですね。
また、メキシコで開催されているU-17W杯では日本代表の決勝トーナメント1回戦の相手がニュージーランドに決まりました。油断は禁物ですがベスト8への期待が高まります。
今回はSambalanco Trioの1stアルバム『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』です。
Cesar Camargo Mariano(p)、Humberto Clayber(b)、Airto Moreira(ds)の三人により、1962年にサンパウロで結成されたジャズ・サンバ・トリオSambalanco Trioの紹介は、Lennie Daleとの共演作Lennie Dale & Sambalanco Trio『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年)、グループのラスト作『Reencontro Com Sambalanco Trio』(1965年)に続き3回目となります。
本作『Sambalanco Trio vol.1(Samblues)』は、ジャズ・サンバ黄金期を飾る人気ピアノ・トリオのデビュー作として高い評価を得ている1枚ですね。
「Jacqueline K」、「Samblues」、「Sambinha」といったテンポの良い曲も聴きものですが、「Nos E O Mar」、「O Amor Que Acabou」あたりのエレガントな演奏にも魅了されます。
収録曲については、『Reencontro Com Sambalanco Trio』、『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』、Cesar Camargo Mariano『Octeto de Cesar Camargo Mariano』(1966年)で再演されている曲も多いので、聴き比べてみるのも楽しいかもしれません。
センス抜群のピアノ・トリオによるジャズ・サンバを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Samblues」
Cesar Camargo Marianoのオリジナル。ハイテンションなオープニングです。Marianoのピアノ・タッチに魅了されます。『Reencontro Com Sambalanco Trio』、『Octeto de Cesar Camargo Mariano』で再演されています。
http://www.youtube.com/watch?v=OdRL_YuGXXU
「Balanco Zona Sul」
ボサノヴァ創世期の重要ミュージシャンTito Madiの有名曲。当ブログではClara Morenoのカヴァーを紹介済みです。ここではエレガントなカヴァーを聴かせてくれます。
「O Morro Nao Tem Vez」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作の名曲。 『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』、『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。憂いのあるメロディがいいですね。また、Airtoのリズムが演奏にアクセントをつけているのが印象的です。
「Nos E O Mar」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作品。邦題「二人と海(英題:We And The Sea)」。当ブログでも紹介したTamba 4のヴァージョンで有名な曲ですね。当ブログではMenescal自身のヴァージョンも紹介済みです(『A Bossa Nova De Roberto Menescal E Seu Conjunto』収録)。本ヴァージョンはロマンティックな雰囲気にウットリしてしまいます。かなり好きな演奏です。
「Homenagem A Clifford Brown」
Duke PearsonがClifford Brownに捧げて作曲した「Tribute To Brownie」のカヴァー。ジャジーで小粋なMarianoのピアノがいい感じ。
「Berimbau」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲。『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』でも演奏されていました。それ以外に当ブログではDiane Denoir/Eduardo Mateo、Agustin Pereyra Lucenaのカヴァーも紹介済みです。ここではDave Brubeck Quartetでお馴染みの「Take Five」を冒頭に組み入れるという心憎いアレンジで聴かせてくれます。
「Jacqueline K」
後にAirto MoreiraらとQuarteto Novoを組むHeraldo Do Monteの作品。本作のハイライト曲ですね。小気味好いテンポのブルース・チューンです。Airtoのドラム・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=mrujO-NikY8
「Consolacao」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作の名曲。『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』でも演奏されていました。それ以外にも当ブログではTamba 4、Tenorio Jr.、Celso Fonseca、A Bossa Eletrica、Agustin Pereyra Lucenaのカヴァーを紹介済みです。ここではクールな演奏でキメてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=JKgSDqDQL-Y
「O Amor Que Acabou」
Luis F.Freire/Chico Feitosa作品。『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。それ以外にも当ブログではRoberto Menescalのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンのエレガントな演奏は素晴らしいですね。気品溢れるピアノ・ボッサを満喫しましょう!
http://www.youtube.com/watch?v=Hom0IztAtFk
「P'ra Que Chorar」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作。『Reencontro Com Sambalanco Trio』でも再演しています。それ以外にも当ブログではThe G/9 Groupのカヴァーを紹介済みです。ここではゆったりとしたテンポのムーディーな演奏で魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=EvXCMMzRWFw
「Marisa」
Cesar Camargo Marianoのオリジナル。Marianoの当時の奥方Marisaに捧げた美しいピアノ・ソロ。
「Sambinha」
Cesar Camargo Mariano/Humberto Clayber作。『Reencontro Com Sambalanco Trio』、『Octeto de Cesar Camargo Mariano』でも再演しています。それ以外にも当ブログではRosalia De Souzaのカヴァーを紹介済みです。ラストはコーラス入りのキャッチーなジャズ・サンバ・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=FbgQ_a4UcKo
『Improviso Negro(Nana)』(1965年)
『Reencontro Com Sambalanco Trio』(1965年)
Lennie Dale & Sambalanco Trio『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年)
Cesar Camargo Mariano『Octeto de Cesar Camargo Mariano』(1966年)