発表年:1972年
ez的ジャンル:ザ・ラスト・ソウルマン
気分は... :焦っても仕方ない!
トラブル続きで夜になってもバタバタ。
おかげで全てのスケジュールが大幅変更・・・
かなりイラってきていますが、こういう時こそ心を整えないと!
焦ったところで何も好転しませんから・・・マインド・リセットで着実に一歩ずつ!
今回は"ザ・ラスト・ソウルマン"Bobby Womackの代表作『Understanding』(1972年)です。
Bobby Womackは1944年オハイオ州クリーブランド生まれ。
兄弟たちと組んだゴスペル・グループThe Womack Brothersとして活動していた時にSam Cookeに見出され、レコード・デビューを果たします。その後グループはThe Valentinosと改名し、作品をリリースしています。この時代にリリースした「It's All Over Now」は、その後The Rolling Stonesが大ヒットさせています。また、BobbyはSam Cookeのライブでギターも弾いていました。
1964年にSam Cookeが死去した後は、ソロ・アーティスト、セッション・ギタリスト、ソングライターとして活躍するようになります。1968年には初のソロ・アルバム『Fly Me to the Moon』をリリースしています。また、当ブログでも紹介したハンガリー出身のジャズ・ギタリストGabor Szaboへ「Breezin'」を楽曲提供しています。同曲はその後George Bensonヴァージョンが人気となっています。
その後マッスル・ショールズで制作された『Communication』(1971年)、『Understanding』(1972年)、『Across 110th Street』(1972年)、『Facts of Life』(1973年)、『Lookin' for a Love Again』(1974年)といったアルバムで確固たる地位を確立し、さらに80年代に入り『The Poet』(1981年)、『The Poet II』(1984年)、『So Many Rivers』(1985年)といったアルバムで第2のピークを迎えます。
2009年、ロックの殿堂入りを果たしています。
僕がBobby Womackをリアルタイムで聴いたのは『The Poet II』(1984年)でしたが、正直あまりピンときませんでした。その出会い方が悪かったせいで、我が家のCDコレクションにBobby Womack作品が並んだのはかなり後年のことでした。
でも、『Communication』から『Lookin' for a Love Again』あたりまでの素晴らしい作品群を耳にすると、もっと早く聴いておけば良かったと後悔することしきりです。
特に本作『Understanding』(1972年)は、"ザ・ラスト・ソウルマン"らしい味わい深いソウル・チューン、マッスル・ショールズらしいファンキー・グルーヴ、この時期らしいニュー・ソウルがバランス良く配されています。
本作からのシングル「Woman's Gotta Have It」が全米R&BチャートNo.1に輝いたことも彼にとって大きな自信になったのでは?
現在ならば、『Communication』(1971年)とのお得な2in1CDもあります。
『Understanding/Communication』
激シブのヴォーカルを聴いて、マインド・リセットしま〜す。
全曲紹介しときやす。
「I Can Understand It」
Bobby Womack作。フリーソウル好きからも人気のグルーヴィー・チューン。黒いグルーヴが生み出す不穏な高揚感がたまりません。直後にThe Valentionsもカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=hOcmdyf2PNI
「Woman's Gotta Have It」
Bobby Womack/Linda Womack/Darryl Carter作。シングルとして全米R&BチャートNo.1に輝いた名曲。Curtis Mayfield、Marvin Gayeに通じるニュー・ソウル的な雰囲気があります。
http://www.youtube.com/watch?v=cG3Hr7n7YCU
50 Cent「What If」のサンプリング・ネタにもなっています。
50 Cent「What If」
http://www.youtube.com/watch?v=hJBPtFTN8lE
「And I Love Her」
The Beatlesの名曲カヴァー。この有名曲を見事にWomack色に染めた哀愁バラードに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=YWXd-WWK340
Little Brother「Speed」、Black Star「Bright As The Stars」、Supreme NTM「Pose Ton Gun」のサンプリング・ネタにもなっています。
Little Brother「Speed」
http://www.youtube.com/watch?v=n1e1wEGGQFg
Black Star「Bright As The Stars」
http://www.youtube.com/watch?v=r2_3_0Sw92A
「Got To Get You Back」
Jimmy Lewis作。軽快なノリのソウル・チューン。
「Simple Man」
Bobby Womack/Joe Hicks作。ドライブ感のあるグルーヴがたまらないファンキー・ソウル。「I Can Understand It」と並ぶ僕のお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=r90444Sm2X4
「Ruby Dean」
Bobby Womack/Joe Hicks作。カントリーな味わいもあるシブめのソウル・チューン。カントリー苦手な僕ですが、こういう感じならば全然ウェルカムです。
http://www.youtube.com/watch?v=yyPJlH0uYkg
「Thing Called Love」
Joe Hicks作。あまり話題にならない曲ですが、ザ・ラスト・ソウルマンらしい魅力に溢れた捨て難い1曲ですね。
「Sweet Caroline」
1969年に全米ポップ・チャート第4位となったNeil Diamondのヒット曲のカヴァー。シングルとして全米R&Bチャート第16位となりました。この曲どうもMLBボストン・レッドソックスの試合の大合唱イメージがあって苦手なのですが、ハートウォーミングな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=hUHuChUyXQ4
「Harry Hippie」
Jim Ford作。シングルとして全米R&Bチャート第8位となった味わい深いバラード。聴けば聴くほど心に沁みてくる名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Cx2jDWpD6fM
『Communication』(1971年)
『Across 110th Street』(1972年)
『Facts of Life』(1973年)
『Lookin' for a Love Again』(1974年)