2011年07月26日

Sheila Landis『Guess I'll Call It Love』

夏らしい女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Sheila Landis『Guess I'll Call It Love』
Guess I’ll Call It Love
発表年:1981年
ez的ジャンル:ローカル系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :チームづくりって難しい!

「ウルグアイ対パラグアイ」のコパ・アメリカは、先制、中押し、ダメ押しというの完璧な試合運びで見事ウルグアイが南米王者に輝きました。

終わってみれば、最も成熟したチームがNo.1になったという印象ですね。
やはり、ウルグアイの戦いぶりを観てしまうと、アルゼンチン、ブラジルはチームとしての成熟度が欠けていたと言わざるを得ませんね。

ただし、ウルグアイはもうこれ以上伸び代がないチームという印象も受けます。
逆にブラジルあたりは2014年の地元ブラジルW杯に向けて、ネイマール、パト、ガンソといった若手スターを中心に据えたチームの成長が期待できそうです。アルゼンチンはメッシをどう生かすのかという命題の解答が見出せない限り、まだまだ迷走が続きそうですが・・・

ある程度チームの成熟は必要であるが、伸び代も残しておかねばならず、新たな刺激も必要となる・・・サッカーのチームづくりって難しいですね。サッカーに限らず組織づくりってそうですが・・・

今回は夏らしい女性ジャズ・ヴォーカル作品Sheila Landis『Guess I'll Call It Love』(1981年)です。

Sheila Landisはデトロイト出身の女性ジャズ・シンガー。

1981年に自身のレーベルSheLan Recordsよりデビュー・アルバム『Jazz Rendezvous』をリリースし、その後も『Guess I'll Call It Love』(1981年)、『Bebop Angel』(1982年)、『Singer/Songwriter』(1983年)、『G-Gosh!』(1985年)等コンスタントに作品をリリースしています。

ローカルな女性ジャズ・シンガーのSheila Landisですが、こうしたアーティストの作品が発掘され国内盤CDとして聴くことができるのは有難いことですね。

本作『Guess I'll Call It Love』はSheila Landisの2ndアルバムであり、正式にはSheila Landis And Her Bandits Of Bebop名義の作品であり、Sheila Landis(vo、per)以下、David Reinstein(sax、fl)、Gary Blumer(p、el-p)、Eddie Nuccilli(flh)、Joe Lo Duca(g、el-g)、Kendon Everts(ds)、Gary Leach(b、el-b)というメンバーでレコーディングされました。

内容的には小粋なスウィンギー・ジャズとブラジリアン・フレイヴァーの作品から構成されています。やはり、ブラジリアン・フレイヴァーの作品が気になってしまいますが、小粋なスウィンギー・ジャズも楽しげでグッドです。

夏の夜は女性ジャズ・ヴォーカルなのていうのも乙なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Guess I'll Call It Love」
オススメその1。ブラジリアン・フレイヴァーのオープニング。軽快なSheilaのスキャットが爽快に駆け巡ります。

「Lonely Wine」
本作で唯一のSheilaのオリジナルではない曲(Scott Durbin作)。気だるくブルージーな雰囲気がいい感じです。まさにワインでホロ酔い気分といったところです。
http://www.youtube.com/watch?v=KvHj5AseSZY

「Mythica」
オススメその2。ヒンヤリ・モードのアコースティック・ワルツ。幻想的なムードがいいですね。フルートの音色も涼しげです。

「There's Never Enough There For Me」
オススメその3。ワルツ調の小粋なヴォーカル&演奏を楽しめます。David Reinsteinのサックスが心地好く響き渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=HaxG0bY-j9U

「Talk Dirty To Me」
オススメその4。アーバン・テイストのジャジー・ソウル。エレピを中心としたメロウ・サウンドはAORファンあたりにも好まれそうなです。

「Cole's Eye View」
ジャズ・サックス奏者Richie Coleに捧げられた1曲。スウィンギーに疾走します。

「Love Robs Your Reason」
美しくロマンチックなバラード。艶やかなSheilaのヴォーカルを満喫しましょう。

「Where You Gonna Put Your Blues?」
女性ジャズ・ヴォーカル作品らしい1曲。落ち着いた大人のブルージー感がいいですね。

「Parenthe-Seizure」
オススメその5。本作のハイライト。スウィンギー&ボッサな仕上がりがSheila Landisらしいのでは?クラブ・ミュージック好きにはLes Gammasによるリミックスもお馴染みですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9iJ-FRQG6BI

CDにはボーナス・トラックとして、小粋なボッサ・ジャズ「Starlights, The Song That's In Your Eyes」が追加収録されています。同曲はデビュー・アルバム『Jazz Rendezvous』に収録されていた曲です。ボートラですが個人的には本作で一番好きな曲であり、オススメその6としてプッシュします(笑)

興味がある方はSheila Landisの他作品もチェックを!

『Bebop Angel』(1982年)、
Bebop Angel

『Singer/Songwriter』(1983年)、
Singer/Songwriter

『Colors Of Brazil』(2001年)、
Colors of Brazil
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2011年07月24日

Rahsaan Patterson『Bleuphoria』

Prince殿下ライクな80年代シンセ・ファンクで攻めた新作☆Rahsaan Patterson『Bleuphoria』
Bleuphoria
発表年:2011年
ez的ジャンル:セクシー男性R&B
気分は... :殿下ライクなRahsaanを待っていた!

今回は大好きな男性ネオソウル・シンガーRahsaan Patterson、待望の新作『Bleuphoria』です。

これまで当ブログではRahsaan Pattersonの全オリジナル・アルバムを紹介してきました。

 『Rahsaan Patterson』(1997年)
 『Love In Stereo』(1999年)
 『After Hours』(2004年)
 『Wines & Spirits』(2007年)

本作『Bleuphoria』は、前作『Wines & Spirits』(2007年)以来の5thアルバムとなります。あまり気になりませんでしたが、前作から結構インターバルがあったんですね。

本作では、Rahsaan本人とKeith CrouchJamey JazというRahsaan作品でお馴染みのメンバーがプロデュースを手掛けています。そして、多くのトラックのベースはRahsaan本人がAppleの音楽制作ソフトGarage Bandで作られたものらしいです。

デビュー・アルバム『Rahsaan Patterson』(1997年)の時からPrince殿下の影響を感じたRahsaan Pattersonでしたが、本作では殿下ライクなヴォーカルが炸裂し、サウンド面でもそれに呼応するような80年代テイストのシンセ・サウンドが目立ちます。

彼のデビュー当時からのファンにとっては、この殿下ライクなRahsaanを待ち望んでいた人も多かったのでは?少なくとも僕はそんなファンの一人でした。

一方で、本作はそうした殿下ライクな楽曲以外に歌や歌詞を重視した切々と歌うバラードも印象的です。

ゲストには、Jody WatleyFaith Evans、Shanice Wilson、Lalah Hathaway等が参加しています。

全体としては守り入らず、攻めの作品になっている点を支持したいと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Only Have Eyes for You」
オープニングはThe Flamingos等でお馴染みの名曲カヴァー(Harry Warren/Al Dubin作)。当ブログでもZappArt Garfunkelのカヴァーを紹介済みです。本作を象徴するな80年代テイストのキラキラしたシンセ・サウンドが印象的なカヴァーに仕上がっています。Prince殿下っぽいRahsaanのヴォーカルも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=YPLY3uu4WLw

「Ghost」
Jody Watleyがバック・コーラスで参加。ギターが響き渡る80年代テイストのシンセ・ファンクに仕上がっています。妖しいセクシー・ムードはPrince殿下に通じるものがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=C6MknK3xWuk

「Crazy (Baby)」
Faith Evansがバック・コーラス、途中のラップ調コーラスをShanice Wilsonが務める豪華ゲスト陣の1曲。ここでも80年代モードのセクシー・ミッド・ファンクが展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=uDMMPskl4jw

「Easier Said Than Done」
アルバムに先駆けて昨年シングル・リリースされた曲。エレクトロなトラックと巧みなヴォーカル・プロダクションが印象的です。この密室で生み出された音の小宇宙といった雰囲気は、殿下の傑作『Sign O' The Times』と似た感覚ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8sKOLb1R1w0

「Stay With Me」
Prince殿下モードの楽曲が4曲続きましたが、ようやく女性ファンを虜にしそうなセクシー・ネオ・ソウルの登場です。Keith Crouchらしい巧みなサウンド・メイクが光ります。

「Miss You」
キーボード・サウンドをバックにRahsaanが切々と歌い上げるバラード。

「Goodbye」
ファルセット・ヴォーカルで歌い上げる感動バラード。美しく切ない雰囲気が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=TY9C0BDJe18

「Bleuphoria」
タイトル曲はRahsaanらしいセクシーなミディアム・スロウ。3分にも満たない曲ですが、RahsaaとKeith Crouchの相性の良さを感じます。

「Mountain Top」
Andrae Crouchが自らの聖歌隊を従え、さらにTata Vegaもコーラスに参加しています。ゴスペル+アフリカン・コーラスといった雰囲気の壮大な仕上がりです。

「Makin' Love」
セクシーなRahsaan Pattersonに出会える1曲。終盤はミステリアス・ワールドへ誘われます。
http://www.youtube.com/watch?v=Q2S2BEv83vo

「6 AM」
Lalah Hathaway参加曲。「Easier Said Than Done」に続く2ndシングル。モロに80年代ブラコンしたシンセ・サウンドをバックにセクシー・モードで迫ってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=74PGwP9XXKQ

「Insomia」
なかなかドラマチックな展開の1曲。個人的にはこのタイプの曲は苦手なのですが・・・

「God」
最後はRahsaanらしいセクシー&ミステリアスなミッド・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=5mQBWpb712I

Rahsaan Pattersonの過去記事もご参照下さい。

『Rahsaan Patterson』(1997年)
ラサーン・パターソン

『Love In Stereo』(1999年)
Love in Stereo

『After Hours』(2004年)
After Hours

『Wines & Spirits』(2007年)
Wines & Spirits
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2011年07月23日

Crackin'『Special Touch』

Michael Omartianプロデュース。AORファンを虜にするファンキー&メロウ☆Crackin'『Special Touch』
スペシャル・タッチ(SHM-CD紙ジャケット仕様)
発表年:1977年
ez的ジャンル:ライト感覚ファンキー&メロウ
気分は... :自分を戒める

なでしこジャパン関連のニュースでは、なでしこDF熊谷選手のツイッター問題が話題になっていますね。

投稿した男子大学生とやらには、それ程悪気はなかったのかもしれませんが、やっていることだけ見れば芸能記者やパパラッチと同じですよね。

今回の問題に限らず、ツイッターやブログ等のソーシャル・メディアにおける"メディア・リテラシー"が、ずっと気になっています。

自分の何気ない投稿が、他人を傷つけたり、迷惑をかけたり、他人のプライバシーを侵害する可能性があることを十分考慮しなければいけませんよね。一度情報を流してしまえば、物凄いスピードで多くの人に伝播してしまうソーシャル・メディアの特性を踏まえればなおさらです。

わざわざ書かずとも、このような事は殆どの人がわかっているはずだと思います。一方で、あまりにソーシャル・メディアが身近になりすぎて、感覚が麻痺している部分があることも事実だと思います。

僕自身もブロガーの一人として戒めたいと思います。。

熊谷選手のツイッター問題の陰であまり話題になっていませんが、男子サッカーではロンドン五輪男子日本代表の秘密兵器として期待されていた指宿選手のセビージャ移籍が決まりましたね。当面はBチームでのプレーとなる模様でリーガ・デビューは先かもしれませんが、ますます期待が高まります。

何とか国内組で予選を突破し、五輪本番では宇佐美、宮市、指宿という海外組が合流してパワー・アップ!なんてシナリオを勝手に描いてしまいます。

今日はCrackin'の4thアルバム『Special Touch』(1978年)の紹介です。

サンフランシスコを拠点に活躍した白人黒人混合のファンク・グループCrackin'の紹介は、2nd『Makings Of A Dream』(1977年)に続き、2回目となります。

Michael Omartianプロデュースによる本作『Special Touch』は、AORファンにはお馴染みの1枚ですね。

前作『Crackin'』(1977年)からMichael Omartianを迎えましたが、グループとOmartianのタッグが進み、よりAOR色の強い仕上がりになっています。

本作におけるメンバーは、Arno Lucas(vo、per)、Leslie Smith(vo、per)、Bob Bordy(g)、Brian Ray(g)、G. T. Clinton(key、syn)、Rick "Cheese" Chudacoff(b)、Peter Bunetta(ds、per)。

それ以外にJay Graydon(prog)、Ernie Watts(sax、fl)、Gayle Levant(harp)等がゲストで参加しています。

個人的には『Makings Of A Dream』が一番好きですが、完成度という点では本作に軍配が上がるかもしれませんね。ツボを押さえた曲作り、演奏に感心することしきりです。ファンキーさとメロウネスのバランスが抜群ですね。個人的には全編を通して、Rick Chudacoffのベースに魅了されます。

グループは本作を最後に解散し、Rick ChudacoffPeter Bunettaの二人は、Robbie Dupreeの1st『Robbie Dupree』をはじめプロデューサー・チームとして活躍しました。Leslie Smithは、その>Rick Chudacoff & Peter Bunettaのプロデュースにより、ソロ・アルバム『Heartache』(1982年)をリリースしています。

ジャケのイメージ通り、夏にピッタリの爽快ファンキー&メロウを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Double Love」
オススメその1。Arno Lucas/Bob Bordy/Michael Omartian作。ファンキー・リズム&ハッピー・コーラスで盛り上がるオープニング。アルバムで一番のお気に入り。ファンキーかつ爽快というのは魅力ですね。

「Too Young」
オススメその2。Arno Lucas/Bob Bordy/Michael Omartian/Rick Chudacoff作。この曲も大好き!Crackin'のセンスの良さを実感できる1曲ですね。小粋なサウンドと切ないヴォーカル&コーラスにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Cn_cgSZsdkM

「Heavenly Day」
オススメその3。Arno Lucas/Bob Bordy/Michael Omartian/Rick Chudacoff作。AOR好きの方はぐっとくるであろうアーバンなファンキー・メロウです。

「Nobody Else」
オススメその4。Robbie Dupree作。『Robbie Dupree』におけるRobbie自身のヴァージョンでご存知の方も多いと思います。個人的にはCrackin'ヴァージョンの方が好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=083eioEmqfQ

「I Could Be Anything」
G.T. Clinton/Peter Bunetta作。ファンキー&メロウなミッド・グルーヴ。演奏面でもG.T. Clintonが大活躍です。ツボを押さえた作りに感心してしまいます。

「I Can't Wait Forever」
Arno Lucas/Bob Bordy/Rick Chudacoff/Peter Bunetta作。ファンキー・リズムでグイグイ迫ってくる1曲。女性コーラス隊も加わり、華やかに盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=nZ2-NLnIXOg

「In Between」
Michael Omartian/Stormie Omartian作。Michael Omartianらしいアーバン・モードのバラード。

「Don't Cha Love Me」
オススメその5。J. Carter/R. White/Arno Lucas/Leslie Smith作。ライト&メロウなサマー・グルーヴ。女性コーラス隊も加わった爽快な仕上がりが今の季節にピッタリ!爽快といってもCrackin'らしいファンキーさも兼ね備えています。

「On The Wing」
オススメその6。J. Carter/R. White/Leslie Smith作。メロウなイントロからグッとくるミディアム・スロウ。サンセット・モードが似合いそうですね。

「Kalalee」
Arno Lucas/Peter Bunetta作。ラストはロマンティックなバラードで締め括ってくれます。Gayle Levantのハープ、Ernie Wattsのフルート&サックスとゲスト陣が盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=-OYVFhbupwU

『Makings Of A Dream』(1977年)
メイキングス・オブ・ア・ドリーム

『Crackin'』(1977年)
Crackin
posted by ez at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

Ana Costa『Meu Carnaval』

新世代サンバを担う女性シンガーのデビュー作☆Ana Costa『Meu Carnaval』
メウ・カルナヴァル
発表年:2006年
ez的ジャンル:サンバ・ノヴァ系女性シンガー
気分は... :ミーハー気分!

なでしこフィーバーが続き連日マスコミを賑わしていますが、個人的には宮間選手や阪口選手をもっと評価して欲しいと思います。個人的にはW杯優勝の陰のMVPとして両選手を推したいです。

特に宮間選手はプレーのみならず言動も含めて、澤キャプテンに次いでなでしこを牽引したリーダーという印象を受けます。帰国後も浮かれることなく、なでしこリーグでのプレーに集中しようとする姿勢に感動しました。彼女のように足が地に着いた選手が中心である限り、なでしこは強くなっていくのでは?

なんて言いながら、W杯ですっかり川澄選手のファンになり、ミーハー気分になっている僕ですが(笑)

今回は新世代サンバを担う女性シンガーAna Costaのデビュー・アルバム『Meu Carnaval』(2006年)です。

リオのサンバ・シンガーAna Costaの紹介は、2nd『Novos Alvos』(2009年)に続き2回目となります。

90年代後半よりライブハウスへ出演するようになり、大御所サンバ歌手Martinho da Vilaとその娘Mart'naliaとの交流を深めるなどキャリアを重ねていったAna Costaが、新世代サンバ・シンガーとしての実力を示したデビュー・アルバムが本作『Meu Carnaval』です。

プロデュースはBianca Calcagni

とにかくフレッシュな躍動感があるアルバムですね。
何より主役のAna Costaのヴォーカルが生き生きとしており、サンバへの愛情、サンバを歌うことへの喜びに満ちています。

あとは新世代サンバらしく、実に洗練されたアレンジのメロウでコンテンポラリーなサウンドを聴くことができます。一方で伝統的なサンバや偉大なるサンビスタへのリスペクトも忘れていません。

サンバやブラジル音楽本来の魅力を満喫できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Racas Brasil」
Carlos Senna/Lourenco/Luiz Carlos da Vila作。Anaもリスペクトしていた人気サンビスタLuiz Carlos da Vilaの作品。惜しくも2008年にLuiz Carlos da Vila亡くなってしまいましたが、サンバを愛するブラジル人の心が歌われた素晴らしい曲です。この曲をオープニングに持ってきたところにAnaのサンバへの愛情を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=deYZHDSpNAs

「Semente Do Samba」
オススメその1。Eduardo Medrado/Kleber Rodrigues作。僕の一番のお気に入り曲。まさにサンバを歌う喜びに満ちています。聴いているだけで幸せホルモンが大量に分泌してきます。一日中聴いていたいくらい大好きな曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=2-vMrbgIeio

「Nao Importa Mais O Dia」
Agriao/Bianca Calcagni/Ana Costa作。サンバを踊れることへの感謝を歌っています。エレガントなチェロや情熱的なコーラスが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=9323eRJEAxo

「Supremo E Divinal」
オススメその2。Fred Camacho/Almir Guineto/Arlindo Cruz作。この曲も大好き!サンバのリズムをバックに美しいメロディが奏でられます。「素晴らしいもの」という邦題そのものです。
http://www.youtube.com/watch?v=QOHqNUaRz_I

「Brasileiro Da Gema」
オススメその3。Marceu Vieira/Tuninho Galante作。バカンス気分に浸れるメロウ・サウンドにウットリです。夕暮れの浜辺が似合います。
http://www.youtube.com/watch?v=-2rj78oTkSI

「Olhos Felizes」
オススメその4。Antonio Cicero/Marina Lima作。80〜90年代に活躍した女性シンガーMarina Lima作品のカヴァー。オリジナルは『Olhos Felizes』(1980年)に収録されています。ポップなオリジナルを小粋なサンバ・ポップに仕上げて聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=syGUW_-xYkk

Marina Lima「Olhos Felizes」
http://www.youtube.com/watch?v=t7TB7tTrXhU

「Nao Sei O Que Da」
オススメその5。Ana Costa/Mart'nalia/Zelia Duncanの共作。切ない恋心を歌ったボッサな哀愁メロウ。洗練されたアレンジがいいですね。雰囲気のあるハーモニカが盛り上げてくれます。また、作者の一人でもある盟友Mart'naliaもヴォーカルで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=9323eRJEAxo

「Perdi」
オススメその6。Alceu Maia/Fred Camacho作。エレガントなアレンジによるセンチメンタル・バラード。美しいも切ない雰囲気がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=bcnY-OBzhrQ

「Felicidade」
オススメその7。Ana Costa作。洗練されたコンテンポラリー・サウンドにグッとくるメロウ・チューン。アーバン・メロウ・サンバとでも呼びたくなる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=5pShqf2eYao

「Onde Quer Que Eu Va」
実力派ギタリストClaudio Jorgeの作品。シリアス・モードのイントロですが、本編は哀愁メロウな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=tMO-S71xOqM

「Mulata Trabalhada Na Cintura」
Mombaca作。小気味良いリズムが心地好い爽快サンバ。コーラス部分の盛り上がりがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MCVr8oN1g3k

「Pra Que Pedir Perdao」
Aldir Blanc/Moacyr Luz作。Joao Boscoとの共作で知られる詩人Aldir Blancとサンバ・シンガー・ソングライター&ギタリストMoacyr Luzの作品。以前からステージで歌っていた曲であり、Oswaldo Cavaloとのデュエットで聴かせてくれます。慣れ親しんでいる感じが歌&演奏にも表れています。
http://www.youtube.com/watch?v=6rGYfVxqbcE

「Quintal Do Ceu」
Wilson Moreira/Jorge Aragao作。偉大なサンビスタ二人による共作曲をカヴァー。Martinho da Vilaの娘Analimarもヴォーカルで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=wND-e3_bU_4

「Meu Carnaval」
Ronaldo Bastos/Celso Fonseca作。オリジナルは当ブログでも紹介したCelso Fonseca & Ronaldo Bastos『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)に収録されています。オリジナルはボサノヴァでしたが、ここではサンバで聴かせてくれmす。

『Novos Alvos』(2009年)
Novos Alvos

サッカーと言えば、コパ・アメリカは「ウルグアイ対パラグアイ」の決勝になりましたね。

個人的には「ペルー対ベネズエラ」の決勝が観たかったのですが・・・

「ウルグアイ対パラグアイ」とは、南米でも特にクセ者の2チームが残りましたね。決勝はマリーシアのオン・パレードかもしれませんね(笑)
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2011年07月21日

Bo Kaspers Orkester『Amerika』

ミニスカートのジャケにピンときたならば☆Bo Kaspers Orkester『Amerika』
Amerika
発表年:1996年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・ジャジーポップ
気分は... :夏の避暑地モード

今日は90年代カテゴリーの作品をセレクトしようと思い、しばらく未紹介のHip-Hop作品から数枚候補をピックアップしましたが、どうも心のスイッチがHip-Hopモードにオンしなかったので取り止め・・・今は小粋な北欧ポップを欲しているようです。

そこでセレクトした1枚がBo Kaspers Orkesterの代表作『Amerika』(1996年)です。

スウェーデンのストックホルム出身のジャジーポップ・グループBo Kaspers Orkester(BKO)の紹介は、『I Centrum』(1998年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Sondag I Sangen』(1993年)以来、今日まで9枚のスタジオ・アルバムをリリースしているBKOですが、本作『Amerika』はグループの代表作と呼べる1枚かもしれません。

本当は女性W杯準決勝「日本対スウェーデン」戦の直前に紹介しようと思っていたアルバムなのですが、素晴らしいスウェーデンのアルバムを紹介すると試合運もスウェーデンへ行ってしまいそうで止めました(笑)

ミニスカート姿の女性が写る本作のジャケがインスパイアされ、カジヒデキが1stソロ・アルバムのタイトルを『ミニ・スカート』と題したこ話は有名ですよね。

このように書いてくると、典型的なスウェディッシュ・ポップをイメージされそうですが、BKOの場合はジャズ・エッセンスが強いのでスウェディッシュ・ポップと呼ぶよりもジャジーポップという表現が似合うと思います。

前回紹介した『I Centrum』(1998年)は冬に聴きたい作品ですが、本作はジャケのイメージそのまま夏が似合う1枚です。特に小粋なジャジーポップの中に気だるいマッタリ感があるのがグッドです。

Bo Kasper(vo、g)、Fredrik Dahl(ds)、Michael Malmgren(b)、Mats Asplen(key、g)、Lars Halapi(g)というオリジナル・メンバー5名のうち、ギターのLars Halapiは本作を最後にグループを脱退しました。本作『Amerika』でもLars Halapiのギターは光っているので残念ですが・・・

個人的にはボッサ、ラテンのフレイヴァーの効いた楽曲が好みですね。それ以外にもさり気なくさまざまな音楽のエッセンスを取り入れており、それをBKOらしいジャジーポップにまとめるセンスは抜群です。

夏の避暑地モードになれる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Vi Kommer Aldrig Att Do」
トランペット・ソロと共にスタートする美しくも切ないジャジーポップ。哀愁メロディとLars Halapiの小粋なギター・ソロがいいですね。

「En Ny Skon Varld」
静かなる闘志といった雰囲気です。気の利いたホーン・アンサンブルと共にジワジワとテンションが上がってきます。

「Ett & Noll」
オススメその1。美しいアコースティック・サウンドにグッとくるボッサ・テイストのジャジーポップ。ボッサ・ジャズにスウェディッシュ・ポップのエッセンスを上手く融合させています。
http://www.youtube.com/watch?v=UFB5EfF5WO8

「Amerika」
オススメその2。シングル・ヒットもしたタイトル曲。打ち込みリズム、ストリングス、女声コーラスも入った完成度の高いポップ・チューン。BKOの素晴らしさが凝縮された1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=05VaTfJhIpM

「Lika Radd Som Du」
オススメその3。夕陽を眺めながら、マッタリとした気分で聴きたい1曲。美しいアレンジにも魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=5Aui8JS3DIg

「Kvarter」
カントリー・タッチの仕上がり。当ブログで何度も書いているように、イモ臭いカントリーが苦手な僕ですが、BKOはカントリーを演奏しても洗練されています。

「Ar Det Dar Vi Ar Nu」
ブルージーな味わいのバラード。BKOらしいセンスでルーツ・ミュージックのエッセンスを取り入れているのがいいですね。Lars Halapiのワウ・ワウ・ギターが印象的です。

「En Varldsomsegling Under Havet」
邦題「海底世界一周」。淡々とした中にもBKOの懐の深さを感じる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=dK3k_eXAVtI

「Du Kan」
オススメその4。ラテン・フレイヴァーのスタイリッシュなジャジーポップ。Bo Kasperのハイトーン・ヴォーカルともマッチしています。

「Gott Nytt Ar」
オススメその5。ラストは僕の一番のお気に入り曲。美しくもちょっぴり切ないメロディと小粋なジャジー・サウンドにグッときます。

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Vi Kommer Aldrig Att D (Remix)」「Kopenhamn (Radiomix)」「Svart Att Saga Nej」の3曲が追加収録されています。

『Sondag I Sangen』(1993年)
Sondag I Sangen

『Pa Hotell』(1994年)
Pa Hotell

『I Centrum』(1998年)
I Centrum

『Kaos』(2001年)
Kaos

『Vilka Tror Vi Att Vi Ar』(2003年)
Vilka Tror VI Att VI

『Hund』(2006年)
Hund

『8』(2008年)
8
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