2011年07月16日

Gary Bartz『Music Is My Sanctuary』

Mizell Brothersプロデュースのアーバン・メロウ作品☆Gary Bartz『Music Is My Sanctuary』
Music Is My Sanctuary
発表年:1977年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系レア・グルーヴ
気分は... :追悼Fonce Mizell

TVでゴルフの全英オープンを観ています。サッカー女子W杯なでしこの快挙の後なので、日本人選手の活躍を期待してしまいますが・・・

さて、弟Larryと共にSky High Productionを設立し、70年代音楽シーンに大きな軌跡を残したプロデュース・チームMizell Brothersの一人Fonce Mizell(Alphonso "Fonce" Mizell )が去る7月5日にL.A.で亡くなりました。

今回はFonce Mizellを追悼する意味でMizell BrothersがプロデュースしたGary Bartz『Music Is My Sanctuary』(1977年)を取り上げたいと思います。

クラブ系リスナーにも人気のサックス奏者Gary Bartzの紹介は、Gary Bartz Ntu Troop『Juju Street Songs/Follow The Medicine Man』(1972年、2in1CD)に続き2回目となります。

僕の中でのGary Bartzは、Ntu Troop名義の『Taifa』(1970年)、『Uhuru』(1971年)、『Juju Street Songs』(1972年)、『Follow The Medicine Man』(1973年)といったアフリカ回帰のブラック・ミュージック的アルバムの印象が強いですね。

そんなGary Bartzですが、70年中盤以降はMizell Brothersプロデュースの『The Shadow Do』(1975年)、『Music Is My Sanctuary』(1977年)、James Mtume/Reggie Lucasプロデュースの『Bartz』(1980年)といった作品もリリースしています。

本作『Music Is My Sanctuary』(1977年)は、Mizell Brothersプロデュースの第2弾アルバムであり、レコーディングには、David T. Walker(g)、Wah-Wah Watson(g)、James Gadson(ds)、Bill Summers(per)、James Mtume(per)、Syreeta Wright(vo)、Sigidi(vo)、Eddie Henderson(tp)、Ray Brown(tp)等が参加しています。Syreetaのキュートなヴォーカルが目立っています。

全体としては、アーバン・メロウなソウル/フュージョン作品に仕上がっています。
ただし、スカイ・ハイ色がそれ程前面に出ているわけでもありません。

タイトル曲がハイライトですが、「Carnaval De L'Esprit」「Love Ballad」「Swing Thing」あたりも聴きモノです。

全曲紹介しときやす。

「Music Is My Sanctuary」
タイトル曲はアルバムのハイライト(Gary Bartz/Sigidi作)。Syreetaのキュートなヴォーカルをフィーチャーしたスピリチュアル・アーバン・メロウ。アーバン・メロウな中にもスピリチュアルなテイストがあるのがGary Bartzらしいのでは?当ブログでも紹介したWarren G「If We Give You a Chance」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=DGLw7GmoIo4

「Carnaval De L'Esprit」
Gary Bartz作。僕の一番のお気に入り曲。ミステリアスかつ爽快なサンバ・フュージョンです。ブラジリアン・フュージョン好きの人であれば、相当グッとくるはずです。サンバのリズム、軽快なサックス、カラフル・コーラス全てが躍動しています。
http://www.youtube.com/watch?v=S3luimH7gpc

「Love Ballad」
L.T.D.のヒット曲をカヴァー(Skip Scarborough作)。L.T.D.のオリジナルはMizell Brothersプロデュースの『Love To The World』に収録されています。George Bensonのカヴァーでもお馴染みの曲ですね。ここでSyreetaのヴォーカルをフィーチャーしたフュージョン・メロウ・ソウルに仕上がっています。Syreetaの透き通ったヴォーカル、Gary Bartzのメロウ・サックス、David T. Walkerのツボを押さえたギターが素敵なサンセット・モードへと誘ってくれます。

「Swing Thing」
Larry Mizell/Fonce Mizell作。改めて聴くと、この曲がアルバムで一番凄いですね。スウィング・ジャズ+フュージョン+ファンク+ガラージ+スカイ・ハイといった雰囲気のグルーヴの洪水が押し寄せてきます。この迫力はなかなか無いち思います。
http://www.youtube.com/watch?v=DINpdSS-YuA

「Ooo Baby Baby」
ご存知The Miraclesの名曲カヴァー(Smokey Robinson/Pete Moore作)。濃密な「Swing Thing」の後で軽くコーヒー・ブレイクって感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tbqrZ0PckeA

「Macaroni」
Gary Bartz作。ラストは素晴らしいアレンジのストリングスと共にスタートします。本編はGary Bartzのサックスを満喫できる心地好いメロウ・フュージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=utOvOMk7rUM

同じくMizell Brothersがプロデュースした『The Shadow Do』もどうぞ!

『The Shadow Do』(1975年)
ザ・シャドウ・ドゥ

Gary BartzおよびMizell Brothersプロデュース作の過去記事もご参照下さい。

Gary Bartz Ntu Troop『Juju Street Songs/Follow The Medicine Man』(1972年)
Juju Street Songs

Donald Byrd『Black Byrd』(1972年)
Black Byrd

Donald Byrd『Street Lady』(1973年)
Street Lady

Donald Byrd『Places and Spaces』(1975年)
Places and Spaces

Johnny Hammond『Gears』(1975年)
Gears
posted by ez at 00:14| Comment(6) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする