発表年:2011年
ez的ジャンル:UKクラブ・ミュージックの鬼才
気分は... :意外にも・・・
今回はクラブ・ミュージック好き注目の新作、4HeroのDegoによるソロ・アルバム『A Wha' Him Deh Pon?』です。
4Heroでの活動と並行して、さまざまなユニットで作品をリリースしているDegoですが、当ブログで紹介したDego関連の作品は以下の3枚です。
4Hero『Parallel Universe』(1994年)
Tek 9『Simply』(1999年)
2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)
UKクラブ・ミュージックを牽引する鬼才Degoですが、Dego名義でのアルバムは初めてになります。意外な気もしますね。勿論、Degoのレーベル2000Blackからのリリースです。
アルバムはSharlene Hector、Georgia Anne Muldrow、Obenewa、Nia Andrews、Tosin Tao等多彩なヴォーカリストをフィーチャーしており、全20曲のうち約半数がヴォーカル入りです。
また、ユニット2000Blackのもう一人のメンバーであった盟友Kaidi TathamやKaidiと同じくBugz In The AtticのメンバーであるMatt Lord(Lordamercy)がサウンド面で貢献しています。
全体としてはDegoらしいハイブリッドなフューチャー・ソウル/クロスオーヴァー作品に仕上がっています。特別なインパクトがあるわけではありませんが、Degoらしいフューチャー・サウンドを満喫できると思います。
少し気になったのは、全体として曲が短いことです。
全20曲中、5分超のものは3曲のみです。
個人的には曲数少なくてもいいから、もっと長尺で聴きたい気分が・・・
とりあえず、Dego関連作品がお好きな人であれば、楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Start A New」
オープニングはSharlene Hectorの女性ヴォーカルをフィーチャー。彼女はReel Peopleの人気曲「The Rain」で彼女のヴォーカルをお聴きの方も多いのでは?そんなSharlene Hectorの生き生きとしたソウルフル・ヴォーカルの魅力を上手く引き出したDegoらしいハイブリッド・ソウルに仕上がっています。
「Sparkling Minds」
「Love & Hate You」と並ぶ僕のお気に入り曲。当ブログでも紹介したデトロイト出身の女性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサーGeorgia Anne Muldrowをフィーチャー。デトロイトの才女とロンドンの鬼才の顔合わせは、Georgia Anne Muldrowのミステリアスな雰囲気にマッチしたダンサブルなフューチャー・ソウルに仕上がっています。
「Da Fuzz」
Matt Lord(Lordamercy)が活躍するインスト。疾走するフューチャー・サウンドとトライバルなリズムが心地好いです。
「All That She Knows」
Obenewaの女性ヴォーカルをフィーチャーしたエレクトリック・ソウル。艶やかなObenewaのヴォーカルにグッときます。
「We Are Virgo」
Dego、Kaidi Tatham、Matt Lord(Lordamercy)という強力トリオが生み出すフューチャー・サウンドにグッときます。
「They Never Know」
Sarina Leahの女性ヴォーカルをフィーチャー。ヴォーカル、サウンドともに実にクールです。程好くメロウな雰囲気がいいですね。
「Until It's Done」
Nia Andrewsの女性ヴォーカルをフィーチャー。レイジーなNia Andrewsのヴォーカルとへヴィなビート織り成すダンサブル・チューン。
「Whatever (Instrumental)」
フューチャー・ジャズ・ファンクといった趣のスペイシー・サウンドを満喫できます。
「Interlude」
Bobby McFerrinの息子Taylor McFerrinが参加しているインタールード。不思議な音世界へ引き込まれます。
「Love & Hate You」
「Sparkling Minds」と並ぶ僕のお気に入り。Obenewaの女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロディアスなフューチャー・ファンクです。大音量&長尺で聴きたい1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KlPIDhKbV4Q
「Monday Blues」
この曲はDego一人で創り上げています。これが未来のブルースなのでしょうか(笑)
「It's Nothing」
Nadine Charlesの女性ヴォーカルをフィーチャー。彼女は2000Black『A Next Set A Rockers』 にも参加していました。ハイブリッド・アーバン・メロウといった雰囲気がいいですね。
「Pushing You To Begin」
Ferrazの女性ヴォーカルをフィーチャー。彼女も2000Black『A Next Set A Rockers』 にも参加していました。哀愁モードのフューチャー・ソウルといった感じです。
「Wispa Bar」
フューチャー・ジャズ・ファンクって感じの小曲。
「No Bother Talk It」
Dego、Kaidi Tatham、Matt Lord(Lordamercy)という強力トリオによるクロスオーヴァー・チューン。Dego自らがヴォーカルをとっています。アフリカンなリズムが僕好み。
「Right From Wrong」
Tosin Taoの男性ヴォーカルをフィーチャー。女性ヴォーカル曲が多いので、男性ヴォーカルはいいアクセントになります。男の色気漂うセクシー&メロウなフューチャー・ソウルです。
「Not In My Disco」
Dego & Kaidi Tathamが創り出したコズミックな疾走感が心地好いクロスオーヴァー・チューン。
「Dego's Dancehall Cry」
ちょっと1曲遊んでみました!って感じのインスト。
「Late Night Fright」
パワフルに躍動するダビーなクロスオーヴァー・チューン。
「The Monarch」
ラストはフューチャー・メロウなインストで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wLm-Ul5xeEM
全20曲はコメントするのが大変です(泣)
Dego関連の過去記事もご参照下さい。
4Hero『Parallel Universe』(1994年)
Tek 9『Simply』(1999年)
2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)