発表年:1970年
ez的ジャンル:ファンキー・サンバ
気分は... :なでしこの奇跡!コパ・アメリカの衝撃・・・
この2日間は、なでしこジャパンの奇跡に興奮しすぎて音楽どころじゃありませんでした(笑)
なでしこへの賞賛は一言で言い表すことは難しいですが、涙ではなく笑顔の金メダルというあたりが、なでしこの魅力であり、強さという気がしました。
真の実力という意味では、アメリカの方がやはり1枚上という印象を受けました。ただし、そんな強国に二度もリードされながら追いついたわけですから、なでしこの粘り強さ、メンタリティには脱帽です。
そんな女子W杯の盛り上がりで忘れがちですが、地球の裏側で開催されているコパ・アメリカでとんでもない事態が起きていますね。開催国アルゼンチン、王国ブラジルという南米の2大強国がベスト8止まりで敗れ、予選リーグで素晴らしいサッカーを見せたコロンビア、チリも敗れ去り、ベスト4に残ったのは、ペルー、パラグアイ、ウルグアイ、エクアドルの4ヵ国。僕の決勝トーナメント1回戦の予想は4試合全て外れました(泣)
この事態は女子W杯の日本初優勝と同じ位の衝撃なのでは?
南米サッカーの勢力図がどうなのか、さっぱりわかりません。
特に、ブラジルはネイマール、パト、ガンソといった若手スターが決勝トーナメントで輝く予感がしていたので残念です。
今後のブラジルの奮起を期待して、今回はブラジルを代表する男性シンガー・ソングライターJorge Ben(Jorge Ben Jor)の3回目の登場です。
『Africa Brasil』(1976年)、『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)に続いて紹介するのは、1970年リリースの『Forca Bruta』です。
今日的に最も人気のあるJorge Ben作品の1枚かもしれませんね。
『Forca Bruta』はJorge Benの70年代の幕開けを飾った1枚です。
本作では70年代に活躍したファンキー・サンバ・グループTrio Mocotoがバックを務めています。
Trio Mocotoは1968年にサンパウロで結成されたグループ。メンバーはJoao Parahyba(ds、timba)、Nereu Gargalo(pandeiro)、Fritz Escovao(cuica)の3名。70年代に『Muita Zorra! ...Sao Coisas que Glorificam a Sensibilidade Atual』(1971年)、『Trio Mocoto』(1973年)、『Trio Mocoto』(1977年)といったアルバムをリリースしています。
そんなTrio Mocotoを従えた本作『Forca Bruta』は、強烈なサンバ・リズムを前面に押し出したファンキー・アルバムに仕上がっています。サンバのリズム・シャワーには躍動感と生命感が溢れています。
特に、ブラジル版「Tighten Up」として今日でも大人気のフロア・キラー「Forca Bruta」には、かなりグッときます。「Tighten Up」好きの人は歓喜する1曲なのでは?オープニングを飾る「Oba La Vem Ela」もそちら方面からの人気が高い曲ですね。
それ以外にもアルバム全編を通じて心地好いサンバのリズムを満喫できます。
本作で聴かれる心地好いファンキー・サンバのような、歯切れ良いリズム感のあるサッカーをブラジル代表に期待したいものです。
全曲紹介しときやす。
「Oba La Vem Ela」
オープニングはコンピ・アルバムでもお馴染みの人気曲。雄大なメロディとファンキー・リズムが織り成すスケール感の大きな1曲。特に終盤のハイ・テンション・ヴォーカルにパッションを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=tvScd-m2sBw
「Ze Canjica」
ギターのアコースティック感と出過ぎない程好いリズム感のバランスが絶妙。その分曲自体の良さやJorge Benのヴォーカルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=JgbtMPSNh0E
「Domenica Domingava Num Domingo Toda De Branco」
実に長いタイトルですね。アルバム中最もメロウな仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=HcLFDswoj7E
「Charles Jr.」
6分超の長尺ですが、壮大な流れの随所にアクセントが効いていて楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=30KtAUtr9KQ
「Pulo, Pulo」
Trio Mocotoによるリズム・シャワーを満喫できる1曲。聴いていると元気になります。もっと長尺で聴きたい!
http://www.youtube.com/watch?v=5olPL7Dc7NA
「Apareceu Aparecida」
軽快なリズムの中にも男の哀愁を感じるサンバ・ロック。Trio Mocotoの奏でるサンバ・リズムには生命力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=DoqARBl8eVg
「O Telefone Tocou Novamente」
ボッサなギターと小気味良いリズムの生み出すアコースティックな躍動感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=edxHiD-p5nE
「Mulher Brasileira」
美しいブラジル・ワールドを満喫できる感動曲。素敵なオーケストレーションで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=AhdB1yIiWn8
「Terezinha」
リラックス(しすぎ?)の鼻づまりヴォーカルが印象的です。ラスト・スパートに向けたリラックス・タイム!
「Forca Bruta」
前述のようにタイトル曲はブラジル版「Tighten Up」として大人気のファンキー・サンバ。これは盛り上がるしかないでしょ!これぞJorge Benワールド!
http://www.youtube.com/watch?v=uVjR30c-AYE
Jorge Benの過去記事もご参照下さい。
『Africa Brasil』(1976年)
『A Banda Do Ze Pretinho』(1978年)
また、本作に大活躍のTrio Mocotoのアルバムもチェックを!
Trio Mocoto『Muita Zorra! ...Sao Coisas que Glorificam a Sensibilidade Atual』(1971年)
Trio Mocoto『Trio Mocoto』(1973年)