2011年08月08日

Splendor『Splendor』

Philip Baileyプロデュース!夏モードのライト&メロウなファンク☆Splendor『Splendor』
スプレンダー(紙ジャケット仕様)
発表年:1979年
ez的ジャンル:ライト&メロウ系ポップ・ファンク
気分は... :嬉しいCD再発!

今回はEarth,Wind & FirePhilip BaileyがプロデュースしたSplendor『Splendor』(1979年)です。

Splendorは、Robertt Nunn(vo、key)、Billy Nunn(key)というNunn兄弟を中心に、Sasha Meeks(vo)、Lorenzo Shaw(ds)、Richard Shaw(b、vo)、Eric Salter(g)、Royal Lynch(sax、per)というメンバーで結成された7人組です。

メンバーのうち、Robertt NunnBilly NunnLorenzo ShawRichard Shawの4人は、Rick Jamesのバック・バンドStone City Bandのメンバーでした。

今日紹介する『Splendor』(1979年)はSplendor唯一のアルバムです。

1994年にCD化されましたが、その後入手しづらい状況が続いていました。今回、Verdine WhiteがプロデュースしたEW&Fの弟分的グループ
Pockets『Come Go With Us』(1977年)、『Take It On Up』(1978年)と共に紙ジャケ仕様でCD再発され、入手しやすくなりました。

僕の場合、1994年のCD化の際に本作を入手しましたが、EW&Fをさらにライト&メロウにした内容に魅了されました。EW&F的ポップ・ファンクとAOR/フュージョン的サウンドの中間くらいな感じが実に心地好いですね。また、紅一点Sasha Meeksのヴォーカルもアルバムを魅力的なものにしています。

プロデュースはPhilip BaileyとメンバーのRobertt Nunn。ゲスト・ミュージシャンとして、James Gadson(ds)、Melvin Webb(ds)、Nathan Watts(b)、Johnny Graham(g)、Paulinho Da Costa(per)等が参加しています。

サマー・モードの楽曲が多く、今の時期に聴くとフィットしますよ。

全曲紹介しときやす。

「All Night Long」
オススメその1。Robertt Nunn/Billy Nunn/Philip Bailey作。シングル・カットされたダンス・クラシック。EW&Fテイストのライト&ポップなファンク・チューンです。EW&F好きには鉄板の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=um-ENcsQ9TA

「Special Lady」
オススメその2。Robertt Nunn/Eric Salter/Richard Shaw作。イントロのギター・カッティングにグッとくるメロウ・グルーヴ。このサマー・ブリーズなメロウネスはEW&Fでは聴けないですね。Splendorならではの魅力がよく出だ1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=RsezmnMrFq0

「Always On Your Side」
Robertt Nunn作。ブラジリアン・フュージョン風のメロウ・グルーヴ。紅一点Sasha Meeksの伸びやかなヴォーカルが爽快に響き渡ります。

「Splendorland」
オススメその3。Robertt Nunn作。フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みの1曲。サンセット・モードのロマンティックな仕上がり。AORファンもグッとくる1曲だと思います。Sasha Meeksのしっとりとしたヴォーカルがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=uSEJd-NWjRU

「Take Me To Your Disco」
Robertt Nunn/Richard Shaw作。EW&Fテイストのディスコ・チューン。ライトな感覚が暑苦しくなくていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8BArhrHZgFo

「Sunny Side Up」
Robertt Nunn作。ライト&ポップなダンス・チューンです。悪くはないけど、他のダンス・チューンと比較すると少しこぢんまりとしているかも?
http://www.youtube.com/watch?v=w5k5tTWluJw

「Follow Your Dream」
Robertt Nunn作。Sasha Meeksのヴォーカルに魅了されるロマンティックなバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=evrk77-hz1c

「A Brighter Day」
オススメその4。Robertt Nunn作。ライト&メロウな爽快ファンキー・グルーヴ。夏モードに浸れる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=2tOslh6zBAc

「Carnival」
James Gadson/Marlo Henderson/Nathan Watts/Philip Bailey作。ラストはブラジリアン・フレイヴァーのインスト・チューン。アルバムの中では少し浮いているように感じますが。

グループ解散後、メンバーのRobertt NunnBobby Nunn名義でソロ・アルバム『Second To Nunn』(1982年)、『Private Party』(1983年)をリリースしています。

Bobby Nunn『Private Party』(1983年)
Private Party

興味がある方はPockets『Come Go With Us』(1977年)、『Take It On Up』(1978年)もチェックを!

Pockets『Come Go With Us』(1977年)
平和の使者(紙ジャケット仕様)

Pockets『Take It On Up』(1978年)
戦士の凱旋(紙ジャケット仕様)
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2011年08月07日

Richard Earnshaw『In Time』

Jocelyn Brown、Carleen Anderson、Roy Ayers参加のUKソウルフル・ハウス☆Richard Earnshaw『In Time』
In Time
発表年:2010年
ez的ジャンル:UKソウルフル・ハウス
気分は... :こんなハウス作品を待っていた!

今回はUKソウルフル・ハウスの新作Richard Earnshaw『In Time』です。

厳密には新作と言っても、本国UKでは昨年リリースされた作品であり、今夏にようやく国内盤がリリースされました。

前にも書きましたが、最近ワケあってハウス/クラブ・ミュージックを聴く機会が多く、その手の作品を探している中で見つけたアルバムです。

さて本作の主役Richard EarnshawはUK出身のハウス・クリエイター。

2002年リリースの「People Are People」や、Sweet Robots Against The Machine(Towa Tei)のリミックス・アルバム『Re: Towa Tei』(2003年)における「Free (Richard Earnshaw Remix) 」で注目されるようになります。

「People Are People」(2002年)
 http://www.youtube.com/watch?v=V7zIxXzmKj4
Sweet Robots Against The Machine「Free (Richard Earnshaw Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=HhlY9yZS6jM

2008年には先日エントリーしたOpolopo『RF Presents Opolopo』(2007年)でも紹介した、大人気のハウス・クリエイターRasmus Faberがお気に入り作品、アーティストを紹介するRF Presentsシリーズの第4弾作品として、『RF Presents Richard Earnshaw』をリリースしています。

また、Fusion Groove OrchestraThe Little Big BandOne51OrekidSpiritchaserUnited SoulWhite Dwarfといったユニットでも活動しています。

今回紹介する『In Time』Richard Earnshaw名義の初ソロ・アルバムです。

全10曲のうち9曲がヴォーカル入りであり、全体としたはヴォーカルを重視したソウルフルなハウス作品に仕上がっています。

ゲスト・ヴォーカリストとして、Erik Dillard、Carleen Anderson、Jocelyn Brown
Ursula Rucker、Nina Jayne、Natasha Young、Kenny Thomas、Imogen Ryallがフィーチャーされています。やはり、ハウス・ディーヴァJocelyn Brown、元Young DisciplesCarleen Andersonあたりが注目ですね。また、ネオ・フィリー系のシンガー/ラッパー/詩人Ursula Ruckerは、The Roots作品や4Hero「Loveless」への参加で知られています。

また、人気ヴァイヴ奏者Roy Ayersも3曲でフィーチャーされています。

普段ハウスを聴かない人も楽しめるソウルフル・ヴォーカル・ハウス作品です。

全曲紹介しときやす。

「Good Love」
オススメその1。アメリカ人男性シンガーErik Dillardをフィーチャー。幻想的なイントロに続き、80年代シンセ・ファンク・テイストのダンス・ビートが展開します。ゴスペル仕込みのErik Dillardのソウルフル・ヴォーカルがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0Ruvx_Rv8L4

「My Door Is Open」
オススメその2。Carleen Andersonをフィーチャー。彼女のアルバム『Soul Providence』(2005年)に収録されていた楽曲のヴォーカル・パートを抜き出し、Richardが新たなトラックを加えたものです。
Young Disciples時代を彷彿させるアシッド・ジャズ・テイストの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=795m0MCKBKY

「Worthy」
オススメその3。ハウス・ディーヴァJocelyn Brownをフィーチャー。これぞ歌モノ・ハウスの王道!といった感じのクラシック級の仕上がり。Jocelynのダイナマイト・ヴォーカルが炸裂します。こういう王道ハウス・チューンを求めてる人は多いのでは?この1曲のみでも本作をゲットする価値があると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=UH90mG3gpXk

「Rise」
Ursula RuckerとRoy Ayersをフィーチャー。幻想的なトラックをバックにUrsula Ruckerのポエトリー・リーディング調のヴォーカルが絡む様は、ネオ・フィリーとUKクラブ・ミュージックの融合といった雰囲気です。Roy Ayersのヴァイヴがさり気なく盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hYfcUUK34sQ

「Circles」
オススメその4。Nina Jayneをフィーチャー。2004年にRoy Ayersをフィーチャーし、Richardがリミックスを手掛けた曲を新たに作り直したものです。夢の世界を軽やかに疾走しているかのような幻想的な音世界に魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=BahkuiLsoko

「Green Room」
本作で唯一のインスト。エッジの効いたシンセ・サウンドが印象的なフュージョン・テイストの仕上がり。

「Young And Foolish」
Natasha Youngをフィーチャー。Corinne Bailey RaeをフィーチャーしたThe stiX「Young And Foolish」のカヴァー。The stiXはArtful Dodgerでお馴染みのMark Hillのプロジェクトです。本ヴァージョンはジャジー&メロウなソウル・チューンに仕上がっています。

The stiX feat. Corinne Bailey Rae「Young And Foolish」
 http://www.youtube.com/watch?v=Okrq7jbaUy4

「Waiting」
オススメその5。Kenny ThomasとRoy Ayersをフィーチャー。Kenny Thomasは90年代に『Voices』(1991年)、『Wait For Me』(1993年)といったアルバムをリリースしているロンドン出身の白人ソウル・シンガーです。疾走するソウルフル・ハウスで突き抜けていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jtw8YthGtko

「Cry Me A River」
Imogen Ryallをフィーチャー。Julie London等でお馴染み、Arthur Hamilton作のポピュラー・スタンダードのカヴァー。Imogen Ryallは『RF Presents Richard Earnshaw』でもフィーチャーされていた白人ジャズ・シンガーです。ポピュラー・スタンダードをスタイリッシュな感覚で聴かせてくれるのが新鮮です。
http://www.youtube.com/watch?v=0G4-9lH7GKc

「In Time」
オススメその6。タイトル曲はErik DillardとRoy Ayersをフィーチャー。スケールの大きなソウルフル・ハウスに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=oolfVA_Sjlg

国内盤には「In Time」のリミックスが3ヴァージョン追加収録されています。あと購入特典として「Cry Me A River」のハウス・ヴァージョン(Richard Earnshaw Classic Vocal)のCDが付いてきました。

『RF Presents Richard Earnshaw』(2008年)
RF プレゼンツ・リチャード・アーンショー
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2011年08月06日

Os Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』

夏にはボッサ・スキャットがよく似合う!☆Os Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』
真夏の夜のスキャット
発表年:1969年
ez的ジャンル:兄妹ボッサ・コーラス&スキャット
気分は... :真夏の夜のスキャット・・・

今回は夏にピッタリなボッサ・コーラス&スキャット作品Os Tres Brasileiros『Brazil:LXIX』(1969年)です。

Os Tres Brasileirosは、Sidney MoraisRoberto Moraisという兄二人と妹のJane Moraisから成る兄妹コーラス・グループOs 3 Moraisの変名です。

本作『Brazil:LXIX』は、Os 3 Moraisがグループ名をOs Tres Brasileirosと変え、アメリカ向けにコンパイルしたアルバムです。

ジャケにメンバーではなく、水着のセクシー美女を配しているのも、そうした変名作品だからかもしれませんね。こうしたジャケを嫌がる人もいるようでうが、僕はこういうセクシー・ジャケ大好きです(笑)

内容としては、兄妹ならではの息の合った小粋でエレガントなボッサ・コーラス&スキャットを満喫できます。特に妹Janeの歌声に魅了されますよ。また、バックのオルガン・ボッサ・サウンドもシンプルながらも兄妹コーラスを好サポートしています。

楽曲としては、オリジナルが6曲、変拍子サンバ"ジェキバウ"の創始者Mario Albaneseの作品が3曲。アカデミー歌曲賞の受賞作品が3曲という構成です。

素晴らしいコーラス&スキャットと小粋なボッサ・サウンド、ジャケも含め、夏向け作品として手元に置いておきたい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Film De Semana Em Guaruja」
邦題「恋人たちのスキャット」。Ciro Pereira/Mario Albanese作。ラウンジ感覚のオルガン・ボッサ・サウンドをバックにした、小粋なスキャット・コーラスを堪能できます。曲名にある高級リゾート地Guarujaの雰囲気が伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=lchpT5ggdhQ

「Linda Em Noite Linda」
邦題「今宵のリンダ」。Sidney Morais/Ely Arcoverde作。作者の一人Ely Arcoverdeはオルガンで本作のレコーディングに参加しています。小気味良いボッサ・チューン。グループの魅力である兄妹の美しいハーモニーを満喫できます。

「The Shadow Of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画『いそしぎ』の主題歌(Paul Francis Webster/Johnny Mandel作品)をカヴァー。お馴染みの名曲をエレガントなハーモニーで聴かせてくれます。特にJaneのスキャットに魅了されます。

「Brincando De Samba」
邦題「サンバの戯れ」。Sidney Morais作。小粋なオルガン・サウンドをバックに、まさに戯れのような明るく開放的な歌声が躍動します。

「Outono」
邦題「秋のうた」。Sidney Morais作。寂しげなJaneのヴォーカルが印象的な哀愁チューン。

「The Days Of Wine And Roses」
邦題「酒とバラの日々」。同名映画で使われ、アカデミー歌曲賞を受賞したJohnny Mercer/Henry Mancini作品のカヴァー。本作で唯一の英語ヴォーカル曲です。アメリカ人向けのキャッチーなボッサ・コーラス・チューンに仕上がっています。

「Jequi-Bach」
邦題「真夏の夜のスキャット」。Ciro Pereira/Mario Albanese作。曲名にバッハの名があるように、クラシックのエッセンスを取り入れたジェキバウ作品です。クラシックとボサノヴァの美しい融合といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=lchpT5ggdhQ

「Voce Voce Voce」
邦題「あなただけを」。Sidney Morais作。アルバムで最もロマンティックな仕上がり。時間がゆっくりと流れていく雰囲気にグッときます。夏の浜辺の夕暮れにピッタリな1曲。

「O Som」
邦題「音あそび」。Sidney Morais作。ノリの良い軽快なジャズ・サンバ・チューン。小粋なセンスに脱帽です。

「Moon River」
映画『ティファニーで朝食を』の主題歌としてお馴染みのJohnny Mercer/Henry Mancini作品。アカデミー歌曲賞およびグラミーを受賞した大名曲を、オリジナルの雰囲気を受け継いだ、素晴らしいスキャット・コーラスで聴かせてくれます。そのまま映画の中に挿入しても全く違和感がない感じですね。

「Mare Alta」
邦題「潮に想いを」。Ciro Pereira/Mario Albanese作。夕暮れモードのロマンティックなジェキバウ・チューン。

「Sambamor」
邦題「サンバ・モール」。Sidney Morais作。ラストは軽快かつエレガントなジャズ・サンバ・サウンドをバックに、至極の兄妹コーラス・ワークを聴かせてくれます。曲名はサンバ+アモールということらしいです。

Os 3 Morais名義の『Os 3 Morais』(1971年)も人気の高い1枚なのでチェックを!

Os 3 Morais『Os 3 Morais』(1971年)
Os 3 Morais

サッカーは、なでしこの国民栄誉賞、ザック・ジャパン韓国戦のメンバー発表、長友の負傷、欧州リーグ開幕など話題が多い1週間でしたが、やはり松田選手の急逝ですね。

残念でなりません。あれだけの才能と個性と情熱を併せ持った選手は、そうは現れないと思います。昨年のJリーグ最終試合後の挨拶で"俺、マジでサッカー好きなんすよ・・・"と訴えた松田選手の姿は、多くのサッカー・ファンの脳裏に長く刻まれることでしょう。本当にお疲れ様でした。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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2011年08月05日

Essra Mohawk『Essra Mohawk』

しわがれたソウルフル・ヴォーカルが魅力の女性SSW☆Essra Mohawk『Essra Mohawk』
ESSRA MOHAWK + BONUS TRACKS
発表年:1974年
ez的ジャンル:ファンキー/ソウルフル系女性SSW
気分は... :このヴォーカルにハマります!

今回は再評価の高い女性シンガー・ソングライターEssra Mohawkの3rdアルバム『Essra Mohawk』(1974年)です。

Essra Mohawk(本名:Sandra Elayne Hurvitz)は1948年フィラデルフィア生まれのシンガー・ソングライター。

1964年にJamie Carter名義でシングル「The Boy With The Way」をリリース。西海岸へ移り、1967年にFrank Zappaの誘いでThe Mothers Of Inventionのメンバーとなります。さらにThe Mothers Of Inventionと共にソロ・アルバムが制作されましたが、Zappaと不仲になりThe Mothers Of Inventionを脱退します。

発売も危ぶまれたソロ・アルバムでしたが何とかVerve発売にこぎつけ、1968年にSandy Hurvitz名義で初ソロ・アルバム『Sandy's Album Is Here at Last!』をリリースします。

その後、Repriseへ移籍し、Frazier Mohawkのプロデュースにより2ndアルバム『Primordial Lovers』をリリースします。この間にFrazier Mohawkと結婚し、アーティスト名もEssra Mohawkへ改名しました。『Primordial Lovers』は評論家から高い評価を得たSSW作品でした。

さらにAsylumから3rdアルバム『Essra Mohawk』(1974年)、Private Stockから4thアルバム『Essra』(1976年)をリリースしています。これら2枚はファンキー/ソウルフルな作品に仕上がっています。

80年代にはソングライターとして、Cyndi Lauper「Change of Heart」、Tina Turner「Stronger Than the Wind」等の楽曲を提供しています。特に前者は全米シングル・チャート第3位の大ヒットとなりお馴染みの曲ですね。

90年代に入るとナッシュビルに移り、地味ながらもコンスタントに活動を続けているようです。

Laura NyroCarole Kingとの比較で語られることも多いようですが、そのような形容を付けずとも十分魅力的なアーティストだと思います。

今日紹介する3rd『Essra Mohawk』(1974年)はフリーソウル方面からも人気の1枚です。

前述のようにファンキー/ソウルフルな作品です。ファンキー・ロックとソウルフル・バラードが交互に並ぶファンキー/ソウルフルのミルフィーユ状態の構成です(笑)

まずはジャケ・イメージからは想像できない、パンチのあるしわがれたソウルフル・ヴォーカルが魅力です。また、有名スタンダード「Summertime」以外はEssra Mohawkのオリジナル(共作含む)ですが、楽曲も粒揃いです。

レコーディングにはLarry Carlton(g)、Joe Sample(key)、Wilton Felder(b)、Dean Parks(g)、Ed Green(ds)、King Errisson(per)等が参加しています。バック陣が生み出すタイトなファンキー・グルーヴもアルバムの魅力を高めています。

全曲オススメの充実作です。
存在感抜群のEssra Mohawkのヴォーカルにハマります!

全曲紹介しときやす。

「New Skins for Old」
フリーソウル好きに人気のオープニング。タイトなリズムにグッとくるファンキー・ロック。ビターな雰囲気が僕好みです。

「Openin' My Love Doors」
ソウルフルな味わいの感動曲。良い曲、良い歌、良い演奏があれば特別なことは何も要りません。

「Full Fledged Woman」
僕の一番のお気に入り。「New Skins for Old」と同タイプのファンキー・ロック。Essraのしわがれたソウルフル・ヴォーカルがたまりません!

「You're Finally Here」
じっくり聴かせる感動バラード。エモーションが伝わってきます。シンガーEssra Mohawkの魅力がぎっしり詰まった1曲。

「Summertime」
有名なGershwin作品のカヴァー。超有名スタンダードがグルーヴィーなロック・チューンに生まれ変わっています。かなりインパクト大のカヴァーですね。

「Back in the Spirit」
「New Skins for Old」と並びフリーソウル・ファン要チェックの曲ですね。ユルさのあるファンキー・グルーヴは相当グッときます。

「You Make Me Come to Pieces」
クラヴィネットの音色が印象的なファンキー・チューン。Essraのハスキー・ヴォーカルも絶好調です。

「I Cannot Forget」
ピアノをバックにシンプルに聴かせるバラード。哀愁モードのヴォーカルで心に沁みてきます。

「Song to an Unborn Soul」
スケール感の大きいドラマチックな1曲。ミステリアスな雰囲気にも惹かれます。

「If I'm Going to Go Crazy with Someone, It Might as Well Be You」
曲名長すぎですね(笑)。内容は超カッチョ良いファンキー・ロックです。疾走に向かうメリハリのつけ方がサイコーです。

「Magic Pen」
ラストは堂々と歌い上げる感動バラードでアルバムを締め括っています。

CDにはボーナス・トラックとして、「I Stand Here Naked」「I Cannot Forget (Alternate Version)」の2曲が追加収録されています。

興味がある方 他の作品もチェックを!

Sandy Hurvitz『Sandy's Album Is Here at Last!』(1968年)
SANDY'S ALBUM IS HERE AT LAST ! + BONUS TRACKS

『Primordial Lovers』(1970年)
PRIMORDIAL LOVERS + BONUS TRACKS (IMPORT盤)

『Essra』(1976年)
Essra

『E-Turn』(1985年)
E-Turn

『Raindance』(1995年)
Raindance

『Essie Mae Hawk Meets The Killer Groove Band』(1999年)
Essie Mae Hawk Meets the Killer Groove Band

『You're Not Alone』(2003年)
You're Not Alone

『Love is Still the Answer』(2006年)
Love Is Still the Answer
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2011年08月04日

Sirius B『Posto Nove』

クラブジャズ世代のブラジリアン・フュージョン☆Sirius B『Posto Nove』
ポスト・ノーヴィ
発表年:2001年
ez的ジャンル:クラブジャズ系ブラジリアン・ジャズ/ボサノヴァ
気分は... :光り輝くもの・・・

今回は夏らしいブラジリアン・ジャズ作品Sirius B『Posto Nove』(2001年)です。

Sirius BはUKで結成されたブラジリアン・ジャズ・ユニット。

UKのラテン/ブラジリアン・ジャズを牽引するパーカッション奏者/DJであるSnowboyが主宰するパーティー"The Hi-Hat"の準レギュラーとして活動するようになり注目されました。

デビュー・アルバム『Sem Fronteiras』(1999年)を皮切りに、『Posto Nove』(2001年)、『Ouro Batido』(2002年)、『Bagunca』(2004年)、『Casa Do Sol』(2006年)といったアルバムをリリースしています。

本作におけるメンバーは、リーダーのJoe Cavanagh(key)を中心に、Kevin Figes(fl、sax)、Greg Cordez(b)、Paul Downes(ds)、Sam Tomkins(per)、Cathy Jones(per)、Azhar(vo)という7名。

何故かYouTubeにSirius Bの音源が全く無く、唯一あったのが『Ouro Batido』収録の「High'n Dry」でした。

Sirius B「High'n Dry」(From 『Ouro Batido』)
http://www.youtube.com/watch?v=TM224u--uA0

全体としてはクラブジャズを通過してきたブラジリアン・フュージョン/ボサノヴァといった感じです。レア・グルーヴ/クラブジャズ好きのツボを抑えたアレンジ、演奏が心憎いですね。また、リード・ヴォーカルAzharの歌声がアルバム全体に華やかな雰囲気をもたらしてくれます。

デビュー作『Sem Fronteiras』と比較すると、今日紹介する2nd『Posto Nove』は完成度がかなり高くなった印象を受けます。

「Felicidade」「Batucada-Consolacao」「Influencia Do Jazz」といった有名曲カヴァーが目立ちますが、オリジナルもなかなか魅力的です。そのあたりが1stからの成長かもしれませんね。

ブラジル音楽好きも、ブラジル音楽を普段あまり聴かない方も楽しめる

Sirius Bはおおいぬ座の恒星であり、Siriusはギリシャ語で「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味するようです。

UKブラジリアン・ジャズの"光り輝く"1枚を満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Something New」
オープニングは爽快ブラジリアン・フュージョン。躍動するサンバのリズムと涼しげなフルート、そしてキュートなAzharのヴォーカルがマッチしたクラブジャズ好きにはど真ん中な仕上がりです。少しミステリアスな雰囲気があるのもいいですね。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Posto Nove」
タイトル曲はアコースティック・ボッサ・ジャズ。ラウンジ感覚の女声スキャット・ボッサ・ジャズという点ではBalanco好きの人がハマる1曲だと思います。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作のボッサ名曲のカヴァー。当ブログではRamsey Lewis TrioKenny DrewMilton Nascimentoのカヴァーも紹介済みです。原曲の持つ魅力を上手く引き出したビューティフル・カヴァーです。

「Batucada-Consolacao」
「Batucada」(Paulo Sergio Valle/Marcus Valle作)、「Consolacao」(Vinicius de Moraes/Baden Powell作)という2大名曲のメドレー。ブラジル/クラブジャズ好きにとって超クラシック2曲のメドレーは嬉しい限りですね。これで悪いはずがない!

ちなみに「Batucada」については作者Marcos Valleのヴァージョンをはじめ、お馴染みのWalter WanderleyのカヴァーやSergio Mendes & Brasil'66のカヴァーも紹介済みです。

また、「Consolacao」については、はTamba 4Tenorio Jr.Celso FonsecaA Bossa EletricaAgustin Pereyra LucenaSambalanco Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Savage World」
躍動するブラジリアン・フュージョン。クラブジャズを通過して創られたブラジリアン・フュージョンといった仕上がりがいいですね。

「Under The Stars」
ロマンティックなメロウ・ボッサ。しっとりとしたAzharのヴォーカルにグッときます。Kevin Figesも盛り上げてくれます。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Um Jeitinho De Joe」
Joe Cavanaghの美しいピアノと共に始まるインスト。ゲスト参加のMatt Sibleyのソプラノ・サックスが盛り上げてくれます。

「Fallen Angel」
ラテン・テイストのキュート&ヒップな仕上がり。ラウンジ好き、ガールズ・ポップ好きの人は相当グッとくるキャッチーな1曲だと思います。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Influencia Do Jazz」
Carlos Lyraの名曲カヴァー。アルバムで最も"ジャズ"を感じる小粋な1曲。Kevin Figesのサックス・ソロも素晴らしいですね。単にブラジリアン・フュージョン/ボサノヴァだけに止まらないグループの懐の深さを感じる1曲です。

「Prima Vera」
Joe Cavanagh/Azhar作。ラストは美しくミステリアスなブラジリアン・フュージョンで締め括ってくれます。

国内盤にはボーナス・トラックとして「Savage World」のHouse Mixが追加収録されています。

ご興味のある方は他のSirius Bもチェックを!
3rd『Ouro Batido』(2002年)がオススメです。

『Sem Fronteiras』(1999年)
Sem Fronteiars

『Ouro Batido』(2002年)
Ouro Batido

『Bagunca』(2004年)
Bagunca (+Bonus)

『Casa Do Sol』(2006年)
カーザ・ド・ソウ
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