録音年:1955年
ez的ジャンル:ジャズ・メッセンジャーズ系アフロ・キューバン・ジャズ
気分は... :1955年の演奏なんてシンジラレナイ・・・
今回はアフロ・キューバン・ジャズ作品Kenny Dorham『Afro-Cuban』(1955年)です。
ジャズ・トランペッターKenny Dorham(1924-1972年)の紹介は、『Quiet Kenny』(1959年)に続き2回目となります。
前回紹介した『Quiet Kenny』(1959年)が"静のケニー"を代表する作品であるのに対して、今回紹介する『Afro-Cuban』(1955年)は"動のケニー"を代表する作品です。
タイトルの通り、本作はDorhamがアフロ・キューバン・ジャズにアプローチした作品です。
1950年代半ばの作品ですが、クラブジャズ・シーンでも評価が高い作品ですね。特にオープニングの「Afrodisia」は、大人気のジャズ・ダンス・クラシックです。
本作はオリジナルLPのA面を占める1955年3月29日録音のセッションとB面を占める1955年1月30日録音のセッションから成ります。
1955年3月29日のセッションは、Kenny Dorham(tp)、 J.J. Johnson (tb)、Hank Mobley(ts)、Cecil Payne(bs)、Horace Silver(p)、Oscar Pettiford(b)、Art Blakey(ds)、Patato Valdes(conga)、Richie Goldberg(cowbell)というメンバーです。
1955年1月30日のセッションは、Kenny Dorham(tp)、Hank Mobley(ts)、Cecil Payne(bs)、Horace Silver(p)、Percy Heath(b)、Art Blakey(ds)というメンバーです。
Art Blakey、Horace Silver、Hank Mobley、Kenny DorhamというJazz Messengersのメンバーが揃っているのも注目ですね。
2つのセッションのうち、1955年3月29日録音のセッションがアフロ・キューバンな演奏を満喫できます。
とても50年代半ばとは思えない、洗練された演奏に驚かされる1枚です。
Gigi Gryce作「Basheer's Dream」以外はKenny Dorhamのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Afrodisia」
クラブジャズ・シーンで大人気のジャズ・ダンス・クラシック。日本を代表するクラブジャズ・バンドquasimodeもカヴァーしていますね。50年代半ばにこんなにヒップなジャズが演奏されていたことが驚きですね。特にリズム隊が完璧にクラブジャズしています!文句なしのオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=7myLXPUBB_w
「Lotus Flower」
『Quiet Kenny』に収録の「Lotus Blossom」と曲名が似ていてややこしいですが、こちらはライトなラテン・リズムが心地好い素敵なバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=AueNA-2sZ0c
「Minor's Holiday」
「Afrodisia」と並びクラブジャズ・ファンを歓喜させる1曲。突き抜けるリズムと4管の魅力が上手く融合したヒップな仕上がりです。ジャズ・ファンは『The Jazz Messengers at the Cafe Bohemia, Vol. 1』(1955年)での演奏もお馴染みかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=zwPU-LZi7F4
「Basheer's Dream」
ラテンの熱気が伝わってくる演奏です。アフロ・キューバン・ジャズの魅力を存分に満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=ppy-k9HFzSE
ここまでが1955年3月29日のセッションです。
「K.D.'s Motion」
ここからは1955年1月30日録音です。本曲はそれまでの熱いラテンから一転し、スウィンギーで小粋な演奏を楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=4DTd6Sqjrns
「The Villa」
Art Blakeyのドラム・ソロと共にスタートする小気味良い1曲。疾走感のある演奏はなかなかグッときます。Dorhamの快調なソロにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=kjBSy2iDp7A
「Venita's Dance」
ラストは小粋なホーン・アンサンブルを満喫できます。
『Quiet Kenny』(1959年)