録音年:1964年
ez的ジャンル:ラテン・ジャズ系ヴァイヴ
気分は... :夏にピッタリのソースは"ラテン・ジャズ"
今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の4回目の登場です。
『The Prophet』(1968年)
『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
『Amazonas』(1976年)
4枚目に紹介するのは『Soul Sauce』(1964年)です。
モダン・ラテン・ヴァイヴの最高峰として再評価の高まったアルバムですね。
ジャケからして、スパイシーなラテンの香りがしてきますね(笑)
レコーディングは、2曲目の「Afro-Blue」のみ、Cal Tjader(vib)、Donald Byrd(tp)、Jimmy Heath(ts)、Kenny Burrell(g)、Bob Bushnell(b)、 Richard Davis(b)、Grady Tate(ds)、Armando Peraza(per)、 Alberto Valdes(per)というメンバーです。
それ以外の楽曲はCal Tjader(vib)、Lonnie Hewitt(p)、 John Hilliard(b)、Armando Peraza(per)、Alberto Valdes(per)、Johnny Rae(ds)というメンバーです。タイトル曲「Soul Sauce (Guachi Guaro)」のみWillie Bobo(vo、per)も参加しています。
特にLonnie HewittのピアノとTjader<のヴァイヴの相性が抜群ですね。
プロデューサーはCreed Taylor、エンジニアにはPhil Ramone、Rudy Van Gelderの名がクレジットされています。
ラテン・リズムにのったTjaderの軽やかなヴァイヴの響きが実に心地好い作品です。
人によっては、ラテン音楽に野暮ったい印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、本作は1964年録音というのが信じられないほどエレガントかつスタイリッシュなラテンです。
ラテン名曲のカヴァー、ジャズ・スタンダードのカヴァー、カフェ・アプレミディのコンピ収録曲、定番サンプリング・ソース、Joao Gilbertoに捧げたボッサ・チューン等が収めれており、ラテン/ジャズ好きのみならず、さまざまな角度から楽しめるラテン・ジャズ作品です。
ジャケはスパイシーですが、サウンドはマイルドですよ(笑)
全曲紹介しときやす。
「Soul Sauce (Guachi Guaro)」
Chano Pozo/Dizzy Gillespie作。タイトル曲はDizzy Gillespieのカヴァー。ラテンのリズムに合わせて、軽やかに響くヴァイヴの音色にグッときます。Grand Puba「Back Stabbers」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=T-M1teNsDT4
Grand Puba「Back Stabbers」
http://www.youtube.com/watch?v=sJp1kyaqrqg
「Afro-Blue」
ラテン・ファンにはお馴染みMongo Santamariaの名曲をカヴァー。前述のように、本曲のみDonald Byrd(tp)、Kenny Burrell(g)等が参加しています。その意味でByrdやBurrellのプレイとTjaderのヴァイヴの絡みを楽しみましょう。エレガントに疾走する感じがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=xCu5MLTN-Hw
「Pantano」
Lonnie Hewitt作。Tjaderのヴァイヴがエレピのように心地好いメロウ・グルーヴィーなラテン・ジャズです。実にセンスの良いアレンジですね。
「Somewhere In The Night」
Billy May/Milton Raskin作。ロマンティック・ムードのボレロ。こうした曲にはヴァイヴの響きがマッチしますね。
http://www.youtube.com/watch?v=-THrfIr9hhI
「Maramoor Mambo」
Armando Peraza作。カフェ・アプレミディのコンピ『Cafe Apres-midi Fume』にも収録されていたセンス抜群のエレガント・ラテン・グルーヴ!
「Tanya」
Lonnie Hewitt作。個人的には一番のお気に入り。1964年でこのセンスの良さは反則ですね(笑)。疾走するラテン・リズムにのって、Tjaderのヴァイヴと作者Lonnie Hewittのピアノが小粋に響き渡ります。
「Leyte」
Cal Tjader/Lonnie Hewitt作。Hip-Hop好きには定番サンプリング・ソースとお馴染みの本曲がハイライトかもしれませんね。演奏自体は実にエレガントで、Tjaderのヴァイヴのメロウな響きにグッときます。
当ブログでも紹介した
Asheru & Blue Black Of The Unspoken Heard「Truly Unique」、Camp Lo「Sparkle」をはじめ、Complete Unit「What It Mean」 、InI「To Each His Own」等のサンプリング・ネタです。
Asheru & Blue Black Of The Unspoken Heard「Truly Unique」
http://www.youtube.com/watch?v=rwSDYRqLVuY
Camp Lo「Sparkle」
http://www.youtube.com/watch?v=qhxazsQ6UiM
Complete Unit「What It Mean」
http://www.youtube.com/watch?v=7kTEzglHjdg
InI「To Each His Own」
http://www.youtube.com/watch?v=8FxTcvTGdk0
「Spring Is Here」
Lorenz Hartz作詞、Richard Rodgers作曲のスタンダードをカヴァー。当ブログではBill Evans Trio、Carly Simonのカヴァーを紹介済みです。個人的にはCarly Simonヴァージョンの影響で昔から大好きな曲なのですが、ラテン・アレンジで聴く「Spring Is Here」も悪くありませんね。
「Joao」
Clare Fischer作。ラストはタイトルの通りJoao Gilbertoに捧げられたボサノヴァで締め括っています。
CDにはボーナス・トラックとして、「Soul Sauce (Guachi Guaro) (Rough Mix)」、「Monkey Beams」 「Ming」、「Mamblues」の4曲が追加収録されています。
Cal Tjaderの過去記事のご参照下さい。
『The Prophet』(1968年)
『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
『Amazonas』(1976年)