2011年09月13日

Eddie Palmieri『Sentido』

名曲「Puerto Rico」、「Adoracion」収録のサルサ作品☆Eddie Palmieri『Sentido』
センティード(BOM1439)
発表年:1973年
ez的ジャンル:メロウ・フィーリング・サルサ
気分は... :ドルフィンズの開幕は・・・

NFLが本格的に開幕しましたね。
昨日は「レイブンズ対スティーラーズ」、「ラムズ対イーグルス」、「ジェッツ対カウボーイズ」の3試合をTV観戦しました。

AFC北地区の強豪対決「レイブンズ対スティーラーズ」はレイブンズが予想外の大差で勝利しました。昨季のAFC王者スティーラーズは全くいいところがありませんでしたね。今季大型補強をしたイーグルスはラムズに快勝しましたが、圧倒的に強い印象は受けませんでした。

「ジェッツ対カウボーイズ」はカウボーイズが勝利を手中に収めかけていたのに、QBロモの一人相撲で自滅するかたちで敗れてしまいました。カウボーイズにとっては単なる1敗に止まらない、シーズン全体に影響を及ぼすショックな敗戦だった気がします。

わがドルフィンズはペイトリオッツとの開幕戦を現在戦っている真っ只中です。
まだ終了していませんが、強豪ペイトリオッツ相手に最期は地力の差が出てしまっているようで敗色濃厚です。

久々にニューヨーク・サルサを代表するピアニストEddie Palmieriです。
今回紹介するのはCoco(当時はMango)レーベルからの第1弾作品『Sentido』(1973年)です。

これまで当ブログで紹介したEddie Palmieri作品は以下の3枚です。

 『Vamonos Pal Monte』(1971年)
 Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年) 
 『Unfinished Masterpiece』(1975年)

以前から紹介したかったお気に入り作『Sentido』ですが、入手しづらい状況などもあり記事にする機会を逸していました。最近CDが再発され、入手しやすくなったのでようやく記事にすることができました。

『Sentido』には、「Puerto Rico」「Adoracion」といったPalmieriを代表する名曲が収録されています。また、Harlem River Driveを彷彿される「Condiciones Que Existen」のような楽曲も収録されています。全体的には洗練されたアンサンブルに魅了される1枚です。

レコーディング・メンバーですが、Palmieri作品ではお馴染みのシンガーIsmael Quintanaが参加し、サウンド面ではブラス・オーケストレーションを担当しているBarry Rogers、Mario Riveraの貢献が大きいようです。バック・コーラスには当ブログでソロ作を紹介したJimmy Sabaterの名もあります。

プロデュースはEddie Palmieri本人とHarvey Averne。

哀愁メロウなサルサを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Puerto Rico」
Eddie Palmieriを代表する名曲(Eddie Palmieri/Ismael Quintana作)。哀愁メロウなイントロと共にスタートする麗しいサルサ・チューン。Ismael Quintanaの哀愁ヴォーカルをフィーチャーしています。後半の見事なホーン・アンサンブルに魅了されますね。
http://www.youtube.com/watch?v=3HbCt6nXsv4

「No Pienses Asi」
1940〜50年代に活躍したキューバ人ピアニスト/コンポーザーJose Pepe Delgadoの作品。ロマンティックなボレロに仕上がっています。Ismael Quintanaのスウィート・ヴォーカルとMario Riveraのサックス・ソロがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=M_rRBeJwGnE

「Condiciones Que Existen」
Harlem River Drive好きの人はグッとくるであろうソウルフルなラテン・ファンク・チューンです(Eddie Palmieri作)。ラテン・フィーリングとブラック・フィーリングが見事に融合しています。レア・グルーヴ好きの人はぜひチェックを!
http://www.youtube.com/watch?v=_PVQVWaTzGA

「Adoracion」
「Puerto Rico」と並ぶ名曲(Eddie Palmieri/Ismael Quintana作)。アブストラクトな序盤に続き、哀愁モードで疾走するサルサ・チューンが展開されます。実に洗練されたアンサンブルが魅力的です。
http://www.youtube.com/watch?v=aBFWo48L9gg

「Cosas Del Alma」
ラストは「No Pienses Asi」に続きJose Pepe Delgado作のボレロ。N.Y.の夜に似合いそうな都会的なボレロに仕上がっています。

Eddie Palmieri関連作品の過去記事もご参照下さい。

『Vamonos Pal Monte』(1971年)
Vamonos Pa'l Monte

Harlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)
Harlem River Drive 

『Unfinished Masterpiece』(1975年)
アンフィニッシュド・マスターピース(紙ジャケット仕様)
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2011年09月12日

Massive Attack『Mezzanine』

凄みを増し、進化した3rdアルバム☆Massive Attack『Mezzanine』
メザニーン (紙ジャケット仕様)
発表年:1998年
ez的ジャンル:進化形トリップ・ホップ
気分は... :金ではない!プライドの問題だ!

今年話題のアルバムの1枚にJames Blake『James Blake』があります。

僕もCDショップのクラブ・ミュージック・コーナーへ行くたびに何度も試聴しています。
"ポスト・ダブステップ"、"ダブソウル"と称される、メランコリックで儚いヴォーカル&サウンドがウケる理由は何となくわかる気がします。

しかし僕の場合、陰鬱なメランコリック・サウンドならば、より凄みのあるMassive Attackが聴きたくなります。

ということで、Massive Attackの3rdアルバム『Mezzanine』(1998年)です。

ブリストル出身、トリップ・ホップの雄Massive Attack の紹介は、2nd『Protection』(1994年)、1st『Blue Lines』(1991年)に続き3回目になります。

昨年、7年ぶりの新作アルバム『Heligoland』(2010年)をリリースしたMassive Attackですが、やはり最初の3枚、『Blue Lines』『Protection』『Mezzanine』の3枚に圧倒されますね。

今日紹介する3rd『Mezzanine』がリリースされた頃には、トリップ・ホップの雄としてUK音楽シーンで確固たる地位を確立していたMassive Attackですが、その地位に安住することなく本作でもダーク&アブストラクトなハイブリッド・サウンドをさらに進化させています。

結果、グループ初のUKアルバム・チャートNo.1にも輝き、商業的にも成功を収めました。それにしても、こんなダークなアルバムがNo.1になるとは英国という国もようわからん(笑)

3D(Robert Del Naja)、Daddy G(Grantley Marshall)、Mushroom(Andrew Vowles)という3名で活動してきた彼らですが、本作のリリース後にMushroomはグループを脱退しました。

13年経った現在でも、「Risingson」「Teardrop」「Angel」「Inertia Creeps」というシングル曲をはじめ、凄みを増したダーク・サウンドに圧倒されます。

全曲紹介しときやす。

「Angel」
地を這う低音ベースが印象的なオープニング。アルバムからの3rdシングルにもなりました。この圧倒的なダークネスはさすがMassive Attackですね。The Incredible Bongo Band「Last Bongo in Belgium」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=hbe3CQamF8k

「Risingson」
アルバムからの1stシングル。危険な臭いがプンプンする重く引きずるようなダビー&ダウナーなサウンドが魅力です。The Velvet Underground「I Found A Reason」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=85E9Q5Wx210

「Teardrop」
アルバムからの2ndシングル。当ブログではSunlightsquare Latin Comboのカヴァーも紹介済みです。Les McCann「Sometimes I Cry」ネタのビートに乗って、哀愁のメロディとElizabeth Fraser(Cocteau Twins)の天使の女声ヴォーカルが儚く響き渡ります。Massive Attackを代表する名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=u7K72X4eo_s

「Inertia Creeps」
アルバムからの4thシングル。トライバルなビートと囁くラップが高揚感を煽ります。ダークですがかなり刺激的な仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=w3mn7EC-skg

「Exchange」
Isaac Hayes「Our Day Will Come」ネタのインスト曲。ダークなマッタリ感がいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=0sBPNGAt2tQ

「Dissolved Girl」
Sara Jayの女性ヴォーカルをフィーチャー。ダーク&ミステリアスな音世界が展開されます。中盤以降の凄みのあるサウンドに圧倒されます。
http://www.youtube.com/watch?v=OT8QT4BEOTo

「Man Next Door」
The Paragonsのカヴァー。ダビーな音世界がクセになる1曲。The Cure「10:15 Saturday Night」、Led Zeppelin「When the Levee Breaks」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=S71_vIMQ0YY

「Black Milk」
Manfred Mann's Earth Band「Tribute」ネタのループにElizabeth Fraserのヴォーカルが絡みます。レイジーなElizabethのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=li-adM-qOwI

「Mezzanine」
タイトル曲は不穏なムードが漂います。張り詰めた緊張感を見事にサウンドで表現しています。この曲も凄みがありますな。
http://www.youtube.com/watch?v=bQqV9POVEQ4

「Group Four」
トリップ・ホップらしいダウナーな音世界を満喫できます。ダークなサウンドをバックに、Elizabeth Fraserの美しく妖しい歌声が不気味に響き渡ります。終盤の厚みのあるサウンドはど迫力です。
http://www.youtube.com/watch?v=mNNCJvkck48

「(Exchange)」
ラストは「Exchange」の別ヴァージョン。Horace Andyのヴォーカル入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=LA9yYxnD_pM

『Blue Lines』(1991年)
Blue Lines

『Protection』(1994年)
Protection
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2011年09月11日

Banda Brasileira『Radio Bossa』

ナポリ発のブラジリアン・サウンド・プロジェクト☆Banda Brasileira『Radio Bossa』
Banda Brasileira - Radio Bossa
発表年:2011年
ez的ジャンル:ナポリ発ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :今僕が聴きたいのはこんな音・・・

今回は今月の僕のiPodヘビ・ロテになっているブラジリアン・アルバムBanda Brasileira『Radio Bossa』です。

先月紹介したTamy『Tamy』、ブログでは未紹介のPauline London『Under The Rainbow』、そして今日紹介するBanda Brasileira『Radio Bossa』、最近この新作3枚をセットで繰り返し聴くことが多いです。今の僕の音楽嗜好がこの3枚に集約されているのかもしれません。

いずれもキュートな女性ヴォーカルを楽しめるメロウ・アルバムですが、3枚共にAmazon.co.jpでの扱いはなく、Tamy『Tamy』はAmazon.comのみ、Banda Brasileira『Radio Bossa』はAmazon.co.ukのみの扱いであり、Pauline London『Under The Rainbow』に至っては全く扱われていません。これらの素晴らしい新作が入手しづらいというのは残念な状況ですね。

Banda Brasileiraは、ナポリを拠点に活躍するプロデューサーCarlo Gentilettiが中心となってブラジリアン・サウンド・プロジェクト。彼のもとへナポリとブラジルのミュージシャンが結集し、制作されたアルバムが『Radio Bossa』です。

内容としては、皆さんご存知のロック、ソウル、ダンス名曲等をメロウ&アコースティックなボサノヴァ/ブラジリアン・カヴァーで聴かせてくれます。マイナーな楽曲のカヴァーも数曲含まれますが・・・

キュートな女性シンガーMichela Montaltoのヴォーカルを中心に、素晴らしいアレンジのブラジリアン・サウンドを聴かせてくれます。オリジナルの魅力を上手く受け継いだカヴァーもあれば、オリジナルとは全く異なる魅力で聴かせてくれるカヴァーもあり、いろいろな楽しみ方を満喫できます。

単なる名曲カヴァー集と侮る無かれ!
こんなに素敵な新作アルバムは年間に何枚もありませんよ!

全曲紹介しときやす。

「Smooth Operator」
オープニングはSadeのヒット曲。オリジナルのジャジー&レイジーな雰囲気を受け継ぎつつ、サンバのリズムの心地好さを美味くプラスしています。Michela Montaltoのセクシー・ヴォーカルが見事にハマっています。

「Cosmic Girl」
Jamiroquaiのヒット曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Travelling Without Moving』(1996年)に収録されています。オリジナルはディスコ・ジャズ・ファンクといった雰囲気でしたが、ここではラテン調のピアノが軽快に響くナイス・カヴァーで聴かせてくれます。Matt Bianco好きの人ならば気に入るはず!

「Stars」
Simply Redの名曲をカヴァー(Mick Hucknall作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Stars』(1991年)に収録されています。オリジナルが大好きなので、このカヴァーは嬉しい限りです。アルバムの中で一番ロマンティックなメロウ・ボッサに仕上がっています。

「Hot Stuff」
Donna Summerによる大ヒット・ダンス・クラシックをカヴァー。ディスコ・チューンが見事なブラジリアン・グルーヴに生まれ変わっています。ヴァイヴの響きがいいアクセントになっています。

「Streetlife」
Crusadersの人気曲をカヴァー。Randy Crawfordのヴォーカルをフィーチャーしたオリジナルは当ブログでも紹介した『Street Life』(1979年)に収録されています。オリジナルのアーバン・ナイトなサウンドもグッドですが、ここではサニー・サイドなサウンドで楽しませてくれます。

「Where The Streets Have No Mame」
U2の大ヒット曲をカヴァー。収録曲の中でも一番オリジナルとギャップを感じるナイス・カヴァーです。正直、オリジナルは今聴くと少し野暮ったく感じるのですが、その曲がこんなに魅力的なメロウ・ボッサに生まれ変わるとは驚きです。お見事!

「I Heard It Through the Grapevine」
Marvin Gaye、Gladys Knight & the Pipsの大ヒットで知られる名曲「悲しいうわさ」(Norman Whitfield/Barrett Strong作)をカヴァー。当ブログではRogerMarisa Monteのヴァージョンも紹介しました。この曲の持つ哀愁ソウルな雰囲気を損なわないボッサ・チューンに仕上げているのがいいですね。

「Walking On The Sun」
意外な選曲その1。Smash Mouthの1997年のヒット曲をカヴァー。オリジナルはB級ダンス・チューンでしたが、ここでは躍動するジャズ・サンバ・チューンとして聴かせてくれます。オリジナルを知らなくても十分楽しめます。

「Tom's Diner」
CM等でもお馴染み、Suzanne Vegaの名曲をカヴァー。こうして聴くとブラジリアン・サウンドが似合う曲だったんですね。

「Love Show」
意外な選曲その2。UKのクラブ・ユニットMorcheebaの女性ヴォーカリストSkye Edwardが2005年にリリースしたソロ・アルバム『Mind How You Go』からのシングル曲をカヴァー。ラウンジ・テイストのアレンジがいいですね。マリンバがいいアクセントになっています。

「Jamming」
Bob Marley & The Wailersのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Exodus』(1977年)に収録されています。ボッサ・モードで聴くBob Marleyソングも悪くありません。

「Nothing Compare 2 U」
Sinead O'Connorが大ヒットさせたPrince殿下作品。元々は近寄り難いムードを持った曲ですが、ソフト&エレガントな演奏で聴かせてくれます。

「Penso Positivo」
意外な選曲その3。イタリア人ラッパーJovanotti、1994年のヒット曲をカヴァー。日本人には一番馴染みが薄い曲かもしれませんね。アルバムの中でも一番躍動感のあるバトゥカーダ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=KYHKDH4IWqI

「Falsa Baiana」
ラストはGeraldo Pereira作の古典サンバ。ブラジル音楽ファンにはJoao GilbertoやRoberta Saのカヴァーでお馴染みかもしれません。ラストはキュート&メロウなボッサ・チューンで締め括ってくれます。

センス抜群ですが、実に自然体な感じにグッとくる1枚です。
オリジナルと比べながら聴くのも楽しいと思います。
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2011年09月10日

Leblanc & Carr『Midnight Light』

マッスル・ショールズ系ユニットによるメロウ作品☆Leblanc & Carr『Midnight Light』
Midnight Light
発表年:1977年
ez的ジャンル:マッスル・ショールズ系メロウ・ロック
気分は... :NFL開幕!

いよいよNFLが開幕しました。

開幕ゲームの「パッカーズ対セインツ」は見応え十分の試合でしたね。
この試合内容であれば、両チームが今シーズンのNFCチャンピオンシップで顔を合わせる可能性もあるのでは?ロジャーズとブリーズという両エースQBは、さすがNFLと思わせる素晴らしいものでしたね。

さて、わが愛するドルフィンズの開幕は同地区の強豪ペイトリオッツをホームに迎えることになります。正直、ペイトリオッツとは実力差があると思いますが、開幕戦での対決は番狂わせも起きやすいので期待してしまいます。まずは守備陣が踏ん張って、ペイトリオッツの焦りを誘いたいですね。

今回はLeblanc & Carr『Midnight Light』(1977年)です。

Leblanc & Carrは、ヴォーカリストLenny LeBlancとギタリストPete Carrの2人組ユニット。本作『Midnight Light』が唯一のアルバムです。

マッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンとしてお馴染みのPete Carrは、1950年フロリダ州デイトナ・ビーチ生まれ。Duane & GreggのAllman兄弟と同郷であり、地元ではAllman Joysとライバル関係のバンドに在籍していました。さらにThe Allman Brothers Bandの前身Hour Glassの2nd『Power of Love』にはメンバーとしてレコーディングに参加しています。

Hour Glass解散後、地元デイトナ・ビーチに戻り、その時にマサチューセッツ出身のヴォーカリストLenny LeBlancと出会います。二人は意気投合したものの、別々の道を歩んでいきました。その後Pete Carrはマッスル・ショールズへ移り、プロデューサー/セッション・ミュージシャンとして数々の実績を積んでいきます。やがて、Lenny LeBlancもマッスル・ショールズでセッション・ベーシスト/ヴォーカリストとして活動するようになり、二人は再合流することになりました。

二人はそれぞれBig Tree Recordsとのソロ契約に成功します。そして、Pete Carrの初ソロ・アルバム『Not A Word On It』(1976年)にLenny LeBlancが参加し、Lenny LeBlancの初ソロ『Lenny LeBlanc』(1976年)をPete Carrがプロデュースしました。

こうした流れの中で組まれたデュオがLeblanc & Carrです。

本作『Midnight Light』(1977年)は"AORファンに人気の高い1枚"ということらしいですが、個人的にはAOR作品という印象はあまり受けませんね。

DoobiesやEaglesといった当時の人気ウエスト・コースト・ロックやブルー・アイド・ソウルのエッセンスを取り入れたメロウなサザン・ロックというのが僕の印象です。

リアルタイムで聴いてはいませんが、聴いた瞬間に懐かしさを感じる、(良い意味で)昔の洋楽の匂いがする作品です。

特別なことはしていなけど、安くて美味い大衆食堂のようなアルバムです。

気取らないメロウ作品を満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Something About You」
オープニングはアルバムからの1stシングル。Four Topsのカヴァー(D-H-D作品)です。まるでウエスト・コースト・ロックのような開放的な爽快感がありますね。Doobiesが好きな人であれば気に入る仕上がりなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=hiZPg3PTRjs

「Falling」
本作のハイライト。アルバムからの2ndシングルであり、全米チャート第13位のヒットとなりました。哀愁メロウのバラードです。哀愁メロディと美しいコーラスにグッときます。Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。
http://www.youtube.com/watch?v=xFQU1AmVPtc

「How Does It Feel (To Be In Love)」
哀愁モードの中にもファンキーな味わいがあるブルーアイド・ソウル。個人的にはこういう曲多めでも良かった気がします。Pete Carr作。
http://www.youtube.com/watch?v=7CnuGLLm9fE

「Midnight Light」
タイトル曲はメロウ・スワンプ・カントリーな仕上がりです。ジワジワくる感じがいいですね。Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。
http://www.youtube.com/watch?v=33DY12LwHik

「Stronger Love」
マッスル・ショールズのミュージシャン仲間Robert Byrneの作品です。Leblancのヴォーカルの魅力を満喫できるブルーアイド・ソウル系のメロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZYS8JSlM6lc

「Johnny Too Bad」
ジャマイカのロック・ステディ/レゲエ・グループThe Slickersの名曲をカヴァー。この曲は当ブログでも紹介したJim Capaldi『Short Cut Draw Blood』(1975年)でカヴァーされており、そのセッションにPete Carrも参加していました。おそらくその影響もあるのでは?マッスル・ショールズ風に上手く調理したカヴァーだと思います。

「Desperado」
Eaglesの名曲カヴァー。オーソドックスですが、なかなか味わい深いナイス。カヴァーです。本家Eaglesの作品群をCD棚に15年近く放置したままの僕が言っても説得力がありませんが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=CR0zF3IKtWE

「Coming And Going」
Pete Carr作。「Desperado」の後からかもしれませんが、Eaglesの匂いがするロック・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=8sTMSvqATWA

「I Need To Know」
Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。カントリー調が苦手な僕ですが、メロウな味わいがあるので全く問題ありません。

「I Believe That We」
Pete Carr作。ラストは軽快な中にも哀愁が漂うロックン・ロールで締め括ります。

残念ながら本作のみでユニットは解散。二人は再び別の道を歩みました。Leblanc-Carr Band名義での『Live From The Atlantic Studios』というアルバムもありますが、Pete Carrが不参加の作品です。

Pete Carr『Not A Word On It』(1976年)
Not a Word on It

Pete Carr『Multiple Flash』(1978年)
Multiple Flash

Lenny LeBlanc『Breakthrough』(1981年)
ブレイクスルー
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2011年09月09日

Eramus Hall『Your Love Is My Desire』

ファンキー&メロウ・グルーヴが魅力の1枚☆Eramus Hall『Your Love Is My Desire』
Your Love Is My Desire
発表年:1980年
ez的ジャンル:メロウ・グルーヴ系ファンク/ソウル
気分は... :Your Love Is My Desire!

今回はファンキー&メロウ・グルーヴが魅力のレア・グルーヴ作品『Your Love Is My Desire』(1980年)です。

Eramus Hallは、『Your Love Is My Desire』(1980年)、『Gohead』(1984年)という2枚のアルバムをリリースしているUSファンク・グループ。僕は本作のジャケ・イメージのせいで、てっきりEramus Hallというソロ・アーティストだと思っていましたが(笑)

メンバーはMichael Gatheright(vo、key)、William Tillery(vo、as)、James Wilkerson(vo、tp、per)、Grady Smith(tp)、Marvin Williams(g)、Joe Anderson(b)、Bernard Provost(ds)。

Westbound Recordsからリリースされた1st『Your Love Is My Desire』(1980年)はフリーソウル好きから再評価の高い1枚です。続く2nd『Gohead』は、George ClintonBootsy Collinsがプロデュースしています。

もしかしたらP-Funk系の印象が強いファンク・グループなのかもしれませんが、本作『Your Love Is My Desire』はそうした楽曲よりも、「Your Love Is My Desire」「She Shined A Light」「Just Me 'N' You」に代表されるファンキー&メロウ・グルーヴが魅力のアルバムです。

その意味でLeroy HutsonLeon Wareあたりのメロウ・グルーヴがお好きな人にはグッとくる作品です。

レア・グルーヴ/フリーソウル好きの人で未聴の方はぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Your Love Is My Desire」
オススメその1。Marvin Gaye「What's Going On」のメロウネスをより強調したようなメロウ・グルーヴ。フリーソウル好きの人は相当グッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=JEFbqS_CsWU

「She Shined A Light」
オススメその2。僕の一番のお気に入り。大人セクシー・モードにやられてしまうアーバン・メロウなミディアム・チューン。ナイス&スムースな名曲!
http://www.youtube.com/watch?v=p1brY9c1Q-o

「Feelin' Higher」
スピード感のあるファンキー・チューン。B級感が漂いますが楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=-8B_KTaKtLU

「Think Positively」
オススメその3。ファンキー&メロウなテイストがいい感じの1曲。派手さはありませんが、ツボの押さえたヴォーカル&演奏がたまりません。ホーン隊も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=BXed6NWq__0

「Stuck In The Mudd」
2nd『Gohead』にも収録されているP-Funkなファンク・チューン。これはこれで楽しめます。

「Just Me 'N' You」
オススメその4。J.R. Baileyの名曲カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Just Me 'N You』(1974年)に収録されています。Leon Wareも真っ青なメロウネス・ワールドが展開されます。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=gWD98kIkz68

「Funk Permit」
この曲もP-Funkしています。P-Funkとしてはまだまだ弾け具合が足りない気もしますがなかなかグッド!

「Super Funk」
スピード感のあるP-Funk調の仕上がり。個人的にはP-Funk系の収録曲の中では一番コレが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=A_58hZc_Hpw

「Will You Love Me Tomorrow (As You Do Today)」
オススメその5。ラストは哀愁モードのメロウ・ソウル。ホーン隊も哀愁モードを演出してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=W7bZH1KEehM

ここまでがオリジナルLPの9曲です。CDにはボーナス・トラックとして「Do The Rock」「Life Has Feeling」の2曲が追加収録されています。

「Do The Rock」
オススメその6。1979年にリリースされたシングル曲であり、ディスコ調ダンス・チューンに仕上がっています。本編とは異なる雰囲気ですが、かなり好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=7w30Z7jgqFY

「Life Has Feeling」
これまで未リリースだった曲です。ノリの良いファンキーなダンス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=HgltAI5w2fg

サッカーはなでしこが苦しみながらも五輪切符を手にしましたね。
ロスタイムで同点に追いつかれたのは悔しいですが、内容的には北朝鮮相手に終始押し込まれていたので、引き分けは妥当な結果という気がします。

なでしこの課題は、W杯の中心メンバーとそれ以外のメンバーの間に実力差があり、強豪相手の試合において戦力として使える交代メンバーが1、2名しかいない点だと感じます。来年の五輪本番までに,
控えメンバーの底上げがどこまでできるかに注目したいと思います。
posted by ez at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする