2011年09月08日

Georg Levin『Can't Hold Back』

Jazzanovaが才能を認めた男性シンガーによるNu Soul☆Georg Levin『Can't Hold Back』
Can't Hold Back
発表年:2003年
ez的ジャンル:Sonar Kollektiv系Nu Soul
気分は... :Ben Westbeechとセットで・・・

Jazzanovaの主宰するレーベルSonar KollektivからリリースされたGeorg Levinのデビュー・アルバム『Can't Hold Back』(2003年)です。

Georg Levinはドイツ出身のシンガー・ソングライター。デモ・テープがJazzanovaのメンバーに認められ、デビューのチャンスをつかみます。

そして、2000年にGeorgの作品「When I'm With You」が、Steffen "Dixon" Berkhahnがコンパイルしたブロークン・ビーツ/フューチャー・ジャズ/ディープ・ハウスの人気コンピ『Off Limits 2』に収録され、デビューを果たしました。翌年には同曲が12インチでリリースされ、注目されるようになります。

2002年にはGeorgと同じくSonar Kollektivに所属する女性シンガーClara Hillとのデュエット曲「(I Got) Somebody New」をリリースします。同曲はSonar Kollektivのコンピ『Sonar Kollektiv 2』(2003年)にも収録されています。

そして、2003年に今日紹介するデビュー・アルバム『Can't Hold Back』をリリースし、ファンから高い支持を得ました。2010年には2ndアルバム『Everything Must Change』(2010年)をリリースしています。

先月紹介したBen Westbeechの新作『There's More To Life Than This』にも参加していたGeorg Levinですが、『There's More To Life Than This』を繰り返し聴いているうちに、何となくGeorgのアルバムもセットで聴きたくなり、本作『Can't Hold Back』を最近よく聴いています。

大別すればクラブ・ミュージックのジャンルになるのでしょうが、R&B/ソウル作品としても楽しめるのがいいですね。実際、Georgのフェイバリット・アーティストとして70〜80年代ソウル/ファンク系アーティストの名を挙げています。

Sonar Kollektiv作品ということで、エグゼクティヴ・プロデューサーとしてJazzanovaがクレジットされています。

プロデュース/アレンジ/ソングライティングはGeorg Levin自身。また、共同プロデューサーとして、JazzanovaのRoskow Kretschmann、Axel ReinemerやSteffen "Dixon" Berkhahn、Robert Philippも参加しています。

特に「In Your Car」「You Know What You Want But You Won't Get It」「When I'm With You」「I'll Be」「(I Got) Somebody New」の5曲は強力にプッシュします。

クール&セクシーなクラブ・ミュージック経由のNu Soulをお楽しみ下さい。

全曲紹介しときやす。

「In Your Car」
オススメその1。アルバムからシングル・カットされたアーバン・ダンス・チューン。クールなアーバン・テイストにエレクトリック・ブギー・ソウルなスパイスが効いているのが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=8VfHYfZ9YuA

「Everybody」
約1分半の短い曲ですが、Georgのセクシーな魅力を堪能できます。

「You Know What You Want But You Won't Get It」
オススメその2。この曲もシングルになりました。「(I Got) Somebody New」と同じくClara Hillがヴォーカルで参加しています。セクシーなエレクトリック・ソウルです。クラブ・ミュージック経由ならではのソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=XP68bZKA4mI

「When I'm With You」
オススメその3。前述のように記念すべきデビュー曲。クール&セクシーなGeorgのヴォーカルが引き立つハウス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=RlkeFFYXh0Q

「Everything」
アーバン・テイストのNu Soulチューン。クラブ・ミュージック好きのみならずR&B好きにもグッとくるミディアム・スロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=drfWuCYsLJo

「Insider」
女性R&BシンガーCelina Bosticも参加した大人のフューチャー・ソウル。重心の低いベースが妖しい雰囲気を醸し出しています。

「A Bad Thing」
レイジーな雰囲気が印象的なエレクトリック・ソウル。ネオ・ソウル好きの方も楽しめる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=8xQGv1xcz4Q

「Can't Hold Back」
タイトル曲はネオ・ソウル調のセクシーなミディアム・スロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=0TX9pO2TJ3I

「I'll Be」
オススメその4。クラブ・ミューシック経由のアーバン・ソウルといった雰囲気にグッとくるミディアム・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=0SwMj55ww3I

「(I Got) Somebody New」
オススメその5。前述のようにClara Hillとのデュエット。各種コンピにも多数収録されているハウス・クラシックです。ハウスなのに実にメロディアスなのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3JcNSUAioSU

「In Your Car Reprise」
インタールード的な短いインスト。

「Polar Odyssey」
ネオ・ソウル調のミディアム・スロウ。D'Angeloあたりの雰囲気がありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=yYdcRaT_WT0

「Mrs Superficial」
ラストは哀愁モードのバラード。美しくも切ないムードが印象的です。

国内盤にはボーナス・トラックとして「Always On My Mind」「True Desire」の2曲を追加収録しています。

『Everything Must Change』(2010年)
EVERYTHING MUST CHANGE
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2011年09月07日

Stanley Cowell『Regeneration』

名曲「Trying To Find A Way」収録のスピリチュアル・ジャズ作品☆Stanley Cowell『Regeneration』
リジェネレーション(紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:黒人音楽絵巻系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :アウェーの勝ち点1は悪くない!

サッカーW杯アジア3次予選「ウズベキスタン対日本」は、岡崎の同点ゴールで何とか引き分けに持ち込みました。

勝ち点3は奪えませんでしたが、アウェーで先制点を許した展開での引き分けは決して悪い結果ではないと思います。決して良い内容ではありませんでしたが、追いついて負けなかったあたりは日本代表に地力がついた証拠なのでは?

先日の北朝鮮戦、今回のウズベキスタン戦でサック監督は使える選手、そうではない選手の見極めができたのではないかと思います。清武、ハーフナーは攻撃オプションとしてザックの構想に完全に入ったのでは?逆に柏木あたりの再招集は厳しい気がします。

今回はジャス・ピアニストStanley Cowellのスピリチュアルな人気作『Regeneration』(1975年)です。

Strata-East Recordsの共同設立者であり、アフリカンアメリカンの自立、ジャズの再生といった視点からスピリチュアルな作品を数多く残したStanley Cowellの紹介は、『Musa・Ancestral Streams』(1974年)に続き2回目となります。

以前に紹介した『Musa・Ancestral Streams』がソロ・ピアノによる"静かなるスピリチュアル・ジャズ作品"であるとすれば、本作『Regeneration』(1975年)はソウルフルなヴォーカルやアフリカの民族楽器フィーチャーした"壮大なスピリチュアル・ジャズ作品"という印象ですね。

レコーディングには、Stanley Cowell(p、syn、kora、mbira)、Marion Brown(fl)、Ed Blackwell(per)、Nadi Quamar(per、harp、lekimbe)、Billy Higgins(ds、per、gembhre)、Jerry Venable(g)、Glenda Barnes(vo)、Charles Fowlkes(b、vo)、Jimmy Heath(ss、fl)、Aleke Kanonu(ds、vo)、John Stubblefield(zuna)、Psyche Wanzandae(harmonica、fl)、Bill Lee(b)、Kareema(vo)が参加しています。

ジャズに収まらないソウル、ブルース、民族音楽も含めた壮大な黒人音楽絵巻といった構成がいいですね。特にアフリカの民族楽器を大きくフィーチャーしているところが、本作の魅力だと思います。

Stanley Cowellをはじめとする参加ミュージシャンがアフリカンアメリカンへの同胞へ向けた、美しく感動的な音のメッセージに耳を傾けましょう。

全曲を紹介しときやす。

「Trying To Find A Way」
オススメその1。本作のハイライト。Viki McLaughlin/Stanley Cowell作。Joe Claussellもプレイする大名曲。Cowellによるコズミックなアープ・シンセとCharles Fowlkes、Glenda Barnesのソウルフルな男女ヴォーカルが絡むスピリチュアル・チューン。ジャズ好きも、ソウル好きも、クラブ・ミュージック好きも歓喜するはず!
http://www.youtube.com/watch?v=ob_bhnYcu-s

「The Gembhre」
Billy Higgins作。Billy Higginsがプレイする西アフリカの弦楽器ゲンブリをフィーチャーした西アフリカ色の強い演奏を聴くことができます。さらに Cowellがコラ(アフリカのハープのような弦楽器)、Nadi Quamarがリケンべ(親指ピアノ)を演奏しています。

「Shimmy Shewobble」
Marion Brown作。タイトルにあるShimmyとはジャズ発生以前の黒人のダンス音楽のことなのだとか。Aleke Kanonu、Ed Blackwell、Billy Higginsというドラム奏者3名が黒人マーチング・バンドのルーツのような演奏を聴くことができます。

「Parlour Blues」
Psyche Wanzandae/Stanley Cowell作。Psyche WanzandaeのハーモニカとCowellのピアノによるブルースです。Psyche Wanzandaeのハーモニカが激シブでグッド!

「Thank You My People」
オススメその2。Aleke Kanonu/Stanley Cowell作。アフリカ+カリブといった感じのエスニックな演奏を楽しめます。開放的な自由な雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0S09dA6lASo

「Travelin' Man」
オススメその3。Charles Fowlkes/Stanley Cowell作。Cowellの代表曲であり、本作以外に『Blues for the Vietcong』(1969年)、『Musa・Ancestral Streams』(1973年)でも演奏されています。Cowellの親指ピアノの響きが印象的なアフリカ回帰モードのスピリチュアル・チューンです。いつ聴いても名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=66esHkrJmQY

「Lullabye」
オススメその4。Viki McLaughlin/Jerry Venable/Stanley Cowell作。ラストは未来への希望を音に託したかのような感動的な演奏です。特にマダガスカル・ハープの美しい響きに魅了されます。

『Musa・Ancestral Streams』(1974年)
Musa Ancestral Streams
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2011年09月06日

Astrud Gilberto『Beach Samba』

Don Sebesky、Eumir Deodatoのアレンジが冴えています!☆Astrud Gilberto『Beach Samba』
ビーチ・サンバ(紙ジャケット仕様)
発表年:1967年
ez的ジャンル:ボサノヴァの女王
気分は... :心は雨模様・・・

ここ数日は哀悼モードで心があまり晴れやかではありません。
記事投稿するのもやっとの思いです・・・

こんな時には少し寂しげなボサノヴァ作品でも・・・
今回は"ボサノヴァの女王"Astrud Gilbertoの5thアルバム『Beach Samba』(1967年)です。

これまで当ブログで紹介したAstrud Gilberto作品は以下の3枚。

 『The Shadow Of Your Smile』(1965年)
 『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年) ※Walter Wanderley Trioとの共演
 『Talkin' Verve』 ※Verve時代のベスト盤

本作『Beach Samba』は、アレンジを務めたDon Sebesky、Eumir Deodatoのサウンド・センスが冴えている1枚です。Astrudのヴォーカルの魅力を見事に引き出しています。プロデューサーはCreed Taylor。

レコーディングにはToots Thielemans(harmonica、whistle)、Grady Tate(ds)、Ron Carter(b)、Hubert Laws(fl)、Marcos Valle(g)等が参加しています。

ブラジル人コンポーザーの作品、アメリカ人アーティストのカヴァー、スタンダード曲などがバランス良く配された良質なボサノヴァ作品です。

Astrudのヴォーカルが雨模様の心を優しく包み込んでくれます。

全曲を紹介しときやす。

「Stay」
オススメその1。Gayle Caldwell作。オープニングはクールに疾走するボッサ・チューン。涼しげなフルートがAstrudのクール・ヴォーカルを先導します。Eumir Deodatoのアレンジ・センスが光ります。
http://www.youtube.com/watch?v=JdDLfp1THTs

「Misty Roses」
オススメその2。シンガー・ソングライターTim Hardinの名曲カヴァー。ここではDon Sebeskyによるエレガントなストリングス・アレンジで聴かせてくれます。少し寂しげなAstrudのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=VhHU_YS0SlQ

「The Face I Love」
オススメその3。Marcos Valle作。Marcos自身のヴァージョンは当ブログでも紹介した『Samba '68』で聴くことができます。そう言えば、Marcosヴァージョンも本ヴァージョンと同じくEumir Deodatoのアレンジでした。ワルツ調リズムがエレガントな雰囲気を醸し出すのがいいですね!

「A Banda (Parade) 」
Chico Buarqueの名曲カヴァー。当ブログではQuarteto Em Cyのヴァージョンも紹介済みです。マーチ調のアレンジが印象的です。

「Oba Oba」
オススメその5。Luiz Bonfa作。Astrudのキュートな魅力を満喫できるボッサ・チューン。小粋なアレンジもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=J5pf7qAMyfc

「Canoeiro」
Eumir Deodato作。ミュージカル曲のような軽やかさ印象的です。

「I Had The Craziest Dream」
オススメその6。1942年の映画『Springtime in the Rockies(邦題:ロッキーの春風)』で歌われたスタンダード(Mack Gordon作詞、Harry Warren作曲)。当ブログではジャズ・トランペッターKenny Dorhamのカヴァーを紹介済みです。ハープシコードの音色がいいアクセントになっています!

「Beach Samba」
タイトル曲はGeraldo Cunha/Pery Ribeiro作。ダバダバ・スキャットが印象的なボッサ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=0ysZ1q1hjEw

「My Foolish Heart」
オススメその7。作詞Ned Washinton、作曲Victor Youngによるスタンダード。映画『My Foolish Heart』(1949年)の主題歌です。当ブログではBill Evans TrioRoman Andrenのカヴァーを紹介済みです。Don Sebeskyらしい美しいストリングスとしっとりとしたAstrudのヴォーカルの相性が抜群です。
http://www.youtube.com/watch?v=PE0237N9jJA

「Dia Das Rosas (I Think of You) 」
Luiz Bonfa作品。哀愁モードの美しい仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=xsXeDqlHIII

「You Didn't Have To Be So Nice」
オススメその8。Lovin' Spoonfulのカヴァー(John Sebastian/Steve Boone作)。当時6歳であった息子Marcello君のデュエットが微笑ましいです。以前に紹介したTriste Janeroのカヴァーも本ヴァージョンを意識したものなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Hv7VSbYkjDo

「Nao Bate O Corocao」
オススメその9。Eumir Deodato作。キュートなダバダバ・スキャットに悩殺される小粋なボッサ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=Y-my4HxK7RE

他のVerve時代のアルバムもチェックを!

『The Astrud Gilberto Album』(1965年)
おいしい水

『The Shadow Of Your Smile』(1965年)
いそしぎ

『Look To The Rainbow』(1966年)
ルック・トゥ・ザ・レインボウ

『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
A Certain Smile, A Certain Sadness

『Windy』(1968年)
ウィンディ(紙ジャケット仕様)

『September 17, 1969』(1969年)
ジルベルト・イン・セプテンバー

『I Haven't Got Anything Better To Do』(1970年)
あなたと夜を
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2011年09月04日

The Baker Brothers『Time To Testify』

新生Baker Brothersの第1弾アルバム☆The Baker Brothers『Time To Testify』
TIME TO TESTIFY
発表年:2011年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク
気分は... :別物ということで・・・

UKのファンキー・ミュージック・マシーンThe Baker Brothersの新作『Time To Testify』です。

UKのジャズ・ファンク・グループThe Baker Brothersの紹介は、『Transition Transmission』(2008年)、『Avid Sounds』(2009年)に続き3回目となります。

これまではDan Baker(g、org)、Rich Baker(ds)、Chris Pedley(g、b)というトリオ編成でしたが、本作におけるメンバーはChris Pedley(b、vo)、Paul Young(s、fl、per、vo)、Geoff Lai(g、lead vo)、Rich Baker(ds、per、back vo)、 Ted Carrasco(ds、per、vo)、 Scotty Baylis (tp、key)の6名になっています。Dan Bakerが抜けて、新メンバーが4名を迎えたかたちです。

バンドの中心は、プロデュースも務めるChris PedleyGeoff Laiの2人であり、これまでバンドをサポートしてきたミュージシャンが正式メンバーとしてバンドに加わったという流れのようです。その意味では同じThe Baker Brothers名義でも、従来とは異なるバンドのアルバムとして聴いた方が良いかもしれません。

昨年発売された日本公演のライブ・アルバム『Silver Bullets -Live At Motion Blue Yokohama』の時点で今回の変化を予想できたのかもしれませんが・・・

個人的にはお気に入りのアルバム『Transition Transmission』の路線で突き進んで欲しかったのですが、それは無いものねだりになってしまうので一度僕の中のBaker Brothers像をリセットしてから本作を聴くことにしました。

全体としては、ライブのテンションをそのままスタジオ録音に持ち込んだような臨場感を重視したアルバムという印象です。夏前に購入した直後はあまりピンと来ませんでしたが、数ヶ月経ってようやくジワジワとキター!という感じでしょうか(笑)

必死に最高傑作をアピールする発売元の姿勢には興醒めしますが、従来の作品の先入観なしに聴けばUKジャズ・ファンク作品として楽しめると思います。

全曲紹介しときやす。

「Statement Of Intent」
ドラム・ブレイクでスタートする短いインスト。新生Baker Brothersのプロローグといったところでしょうか。

「Make Your Move」
オススメその1。新生Baker Brothersを象徴するようなロッキン・ファンク!新加入のGeoff Laiがリード・ヴォーカルをとり、存在感を示しています。このドライヴ感が新生Baker Brothersの魅力なのかもしれません。何故かこの曲を聴いているとThe Who「The Real Me」が聴きたくなります・・・
http://www.youtube.com/watch?v=qt2jp9uMBoA

「Painting Pictures」
開放的なファンキー・チューン。ライナーにThe RootsとD'Angeloとの類似性のようなものが書かれていますが、僕にはピンときませんでした。

「Patience」
オススメその2。キャッチーな魅力を持つ爽快ファンキー・チューン。こういった曲であれば、従来からのBaker Brothersファンも納得するのでは?Paul Youngのフルートがいいアクセントになっています。

「Decision Time」
ダビーなインスト。個人的にはこうした曲も嫌いではありませんが、従来のファンは複雑な思いなのでは?

「Feeding Freddie」
本作らしいファンキー・チューン。新メンバーによるホーン・セクションが大活躍しています。

「Pieces Of The Puzzle」
オススメその3。軽く哀愁ラテンの入ったソウルフル・チューン。肩の力の抜けた演奏がグッド!

「Stick Up」
オススメその4。ニューオリンズ・ファンク調のファンキー・チューン。ツボを押さえたホーン隊もグッド!

「Hang Loose」
オススメその5。重心の低いグルーヴがいい感じのファンキー・グルーヴ。新生Baker Brothersのビターな魅力を満喫できます。

「The Bottom Rung」
オススメその6。僕の一番のお気に入り。個人的にはこの突き抜ける疾走感をもっと強調しても良かった気がします。シンセのスペーシー感は従来のファンも喜ばせてくれるのでは?

「Roll It」
格好良いドラムを満喫できる短いインスト。

「The Young Patter」
Grupo Fantasmaあたりにも通じるようなラテン・ファンク・チューン。

「Snap Back」
この曲もラテン調が入っています。このあたりも新生Baker Brothersの特徴なのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=xxIBcRCjDWY

「Head South」
オススメその7。何処となくSteely Danっぽくて好きです(笑)。

「Genki Strut」
ラストは発売元に気を遣ったようなインスト(笑)。

『Transition Transmission』(2008年)
トランジション・トランスミッション

『Avid Sounds』(2009年)
アヴィッド・サウンズ
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2011年09月03日

The Nineteenth Whole『Smilin'』

レア・グルーヴ好きから絶大な人気を誇るBilly Wootenのグループ、唯一のアルバム☆The Nineteenth Whole『Smilin'』
Smilin
発表年:1972年
ez的ジャンル:ソウル・ジャズ/ファンク系レア・グルーヴ
気分は... :インセプション4回目!

たまたま深夜にWOWOWで映画『インセプション』(2010)を観ました。

クリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ主演で話題になった超大作を観るのは、これで4回目です。最初の1、2回目はストーリーを理解するので精一杯でしたが、3回目、4回目でようやくこの映画の面白さがわかってきた気がします。やはり、クリストファー・ノーランは只者ではありませんな。ただし、アカデミーの主要部門を受賞できなかったのもわかる気がします・・・

今回はレア・グルーヴ好きから絶大な人気を誇るヴァイブ奏者Billy Wootenが率いたグループThe Nineteenth Wholeの唯一のアルバム『Smilin'』(1972年)です。

レア・グルーヴ方面からの再評価が高いヴァイブ奏者Billy Wooten絡みの作品の紹介は、The Wooden Glass featuring Billy Wooten『Live』(1972年)、Billy Wooten『In This World』(1979年)に続き3回目となります。

The Nineteenth Wholeは、当ブログでも紹介した人気ジャズ・ギタリストGrant Greenの名盤『Visions』(1971年)に参加していた、Billy Wooten(vib、vo)、Emmanuel Riggins(org、vo)、Harold Cardwell(ds)が結成したユニット。メンバーを見れば、The Wooden Glassの別名グループといった感じですね。

そのThe Nineteenth Whole名義の唯一のアルバムが本作『Smilin'』(1972年)です。プロデュースはBob Porterが務めています。

レコーディングには、前述の3名以外にCornell Dupree(g)、Billy Johnson(g)、Gordon Edwards(b)、Buddy Caldwell(per)が参加しています。Cornell Dupreeの参加が注目ですね。

全体としては、ファンキー&グルーヴィーなソウル・ジャズといった仕上がりです。
特にBilly WootenのヴァイヴとEmmanuel Rigginsのオルガンの相性がバッチリ!です。

Billy Wooten作品を未聴の方は、ヴァイブ奏者から"ソウルフル"というイメージがあまり湧かないかもしれませんが、Sly & The Family StoneWar、Jackson 5のカヴァーもあるので、そのあたりからヴァイヴ奏者によるレア・グルーヴを楽しんで下さい。

"ソウルフル"なアルバム・ジャケもサイコーです!

全曲紹介しときやす。

「You Caught Me Smilin' Again」
オープニングはSly & The Family Stone「(You Caught Me) Smilin'」のカヴァー。オリジナルは名盤 『There's a Riot Goin' On』(1971年)に収録されています。ここではメロウ&グルーヴィーなソウル・ジャズがいい感じです。ヴァイヴとオルガンのハーモニーがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=mCgohiDzh00

「Slippin' Into Darkness」
Warの代表曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介済みの『All Day Music』(1971年)に収録されています。ラテン・フレイヴァーの黒いオルガン・グルーヴに魅了されます。Cornell Dupreeのギターもカッチョ良いですよ!
http://www.youtube.com/watch?v=uIFrHsfXzP0

「Monkey Hips 'N' Rice」
Billy Wootenのオリジナル。The Wooden Glass『Live』のオープニングにも収録されているので、Billy Wooten好きにはお馴染みの1曲ですね。ヴァイヴの音色が心地好いグルーヴィー・ソウル・ジャズに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=rpen-hnf6vE

「Lookin' Through The Windows」
Jackson 5のアルバム『Lookin' Through The Windows』(1972年)のタイトル曲(Clifton Davis作)をカヴァー。切ないメロディにグッとくる哀愁ソウル・ジャズは黄昏モードにぴったりです。
http://www.youtube.com/watch?v=fgb7e5fjD0c

「Dark Clouds Rising」
ラストはEmmanuel Rigginsのオリジナル。哀愁モードのオルガン・サウンドが印象的です。

Billy Wooten関連の過去記事もご参照下さい。

Grant Green『Visions』(1971年)
ヴィジョンズ

The Wooden Glass featuring Billy Wooten『Live』(1972年)
ライヴ

Billy Wooten『In This World』(1979年)
イン・ディス・ワールド
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