発表年:1981年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ・グルーヴ
気分は... :スッキリしませんが・・・
今回はジャズ・ドラマーGene Dunlapの1stアルバム『It's Just The Way I Feel』(1981年)です。
今年に入り初CD化が実現し、メロウ・グルーヴ好きを喜ばせてくれた1枚ですね。
Gene Dunlapはデトロイト生まれ。
Grant Greenのバンドに数年在籍した後、70年代後半になると高校時代からの友人である人気ジャズ・ギタリストEarl Klughのバンドに参加し、ライブやレコーディングで活躍するようになります。
1980年代に入ると、自身名義の作品もリリースするようになり、『It's Just The Way I Feel』(1981年)、『Party in Me 』(1981年)、(The Gene Dunlap Band名義)『It's Just The Way I Feel』(1983年)といったアルバムをリリースしています。90年代以降もスムース・ジャズ系のアルバムを何枚かリリースしています。
僕がGene Dunlapを知るきっかけとなったのは、『Capitol Classics The Best Of Volumes 1&2』(1989年)というコンピCDでした。
『Capitol Classics The Best Of Volumes 1&2』は、B.B.Q Band、Dayton、The McCrarys、William DeVaughn、Sheree Brown、O'Bryan、Gene Dunlap等の人気曲が1枚で楽しめるコンピ作品です。その中に本作に収録されている「Before You Break My Heart」、「It's Just The Way I Feel」という至極のアーバン・メロウ2曲が収録されていました。
僕に限らずGene Dunlapと言えば、やはり「Before You Break My Heart」、「It's Just The Way I Feel」に代表されるメロウ・チューンを期待する人が多いのではないかと思います。その意味では、やはり本作『It's Just The Way I Feel』が決定盤ということになるのでは?
本作は厳密にはGene Dunlap Featuring The Ridgewaysというかたちで、女性ヴォーカル・グループThe Ridgewaysを大きくフィーチャーした作品になっています。The Ridgewaysは、Esther、Gloria、GracieのRidgeways3姉妹によるグループであり、70年代後半にはSweet Cream名義でアルバム『Sweet Cream & Other Delights』をリリースし、そこからのシングル「I Don't Know What I'd Do (If You Ever Left Me) 」をディスコ・ヒットさせています。
The Ridgewaysの素晴らしいヴォーカル&コーラスが、本作の魅力を高めているのは事実だと思います。
また、盟友Earl Klughや彼のバンドでの同僚Mickey Roquemore、Darryl Dybkaがレコーディングに参加しています。
「Before You Break My Heart」、「It's Just The Way I Feel」というフリーソウル・クラシック2曲を中心に楽しんで下さい!
全曲紹介しときやす。
「The Intro」
Gene Dunlap作。スペイシーなシンセ・サウンドによるプロローグ。
「Rock Radio」
Gene Dunlap/Tommie Ridgeway作。アルバムからの2ndシングル。ここでは作者のTommie Ridgewayがリード・ヴォーカルを務め、妹たちがバック・コーラスで盛り上げます。ロッキン・ギターも入ったダンス・チューンです。
「Before You Break My Heart」
Gene Dunlap/Lenny Hemphill/Gary Praeg作。フリーソウルのコンピ『Free Soul Notes』にも収録されていた人気曲。アルバムからの1stシングルにもなりました。メロウ・サウンドとThe Ridgewaysのラブリー・ヴォーカルの組み合わせがサイコーです。メロウ好きには外せない1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0_Q0En_0E5I
「I Got You」
Tommie、Esther、Gloria、GracieのRidgeway兄妹による作品。Ridgeway兄妹の実力を示したゴスペル・チューン。アルバムの中では異質な仕上がりですが、Ridgewaysを満喫するという意味では楽しめます。
「Love Dancin'」
Gene Dunlap作。爽快なダンス・チューン。B級感もありますが、Ridgewaysの爽快ヴォーカルが入るとそれなりに聴けてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ez49t0cc_Rw
「It's Just The Way I Feel」
Susan Dunlap/Esther Ridgeway/Gene Dunlap/Harry G. Bowen作。「Before You Break My Heart」同様、タイトル曲もフリーソウル・クラシック。『Free Soul Travel』に収録されていました。アープ・シンセの音色が印象的なアーバン・メロウ。ゆっくりと寛ぎたいアーバン・ナイトにピッタリですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tbd8t3AHoVs
「Should I Take Her Back, Should I Let Her Go」
Earl Klugh作。盟友Earl Klughの楽曲をアコースティックな味わいのホッとするインスト・チューンで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=xxd9Z_GHyqE
「Surest Things Can Change」
ラストはGino Vannelliのカヴァー。前曲同様、アコースティック・テイストの美しいカヴァーです。ラスト2曲はEarl Klughテイストが全開です。
http://www.youtube.com/watch?v=9eWZF7Z6nrw
『It's Just The Way I Feel』(1983年)