2011年09月20日

Pharoah Sanders『Karma』

静寂と狂騒が交錯するスピリチュアル・ジャズ名盤☆Pharoah Sanders『Karma』
カーマ
録音年:1969年
ez的ジャンル:静寂&狂騒のスピリチュアル・ジャズ
気分は... :瞑想するとそこには・・・

今夜はスピリチュアル・ジャズを聴きながら、瞑想に入りたい気分です。
そこでCD棚から手に取った1枚、Pharoah Sanders『Karma』(1969年)をセレクト!

大好きなジャズ・サックス奏者Pharoah Sanders
これまで紹介してきたPharoah作品は以下の6枚です。

 『Izipho Zam』(1969年)
 『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
 『Thembi』(1970年)
 『Elevation』(1973年)
 『Love In Us All』(1975年)
 『Rejoice』(1981年)

『Karma』(1969年)は、Pharoah Sandersを代表する1枚であると同時に、スピリチュアル・ジャズを語る上で絶対に外せない1枚ですね。

特に「The Creator Has A Master Plan」はPharoah Sandersを代表する名曲・名演です。静寂と狂騒が交錯するスピリチュアル・ジャズの持つエネルギーに驚愕します。これほど生命力を感じさせる音世界には滅多に出会えないと思います。

レコーディング・メンバーは、Pharoah Sanders(ts)、Leon Thomas(vo、per)、Julius Watkins(french horn)、James Spaulding(fl)、Lonnie Liston Smith(p)、Reggie Workman(b)、Richard Davis(b)、Ron Carter(b)、Billy Hart(ds)、Freddie Waits(ds)、Nathaniel Bettis(per)です。本作でもLeon Thomasがヨーデル唱法で盛り上げてくれます。

上手く説明できませんが、僕の中で本作を聴いた時のインパクトは、全くジャンルが異なりますがPink Floyd『Dark Side Of The Moon』を聴いた時に感じたものと似ています。静寂と狂騒が交錯する圧倒的な音世界がそんな印象を与えるのかもしれません。

また、「The Creator Has A Master Plan」の狂騒的な演奏を聴いていると、普段は難解に思える後期John Coltraneを聴きたい気分になります。人間のDNAには狂騒的な部分があり、それを音に託したフリーな演奏もアリかなと・・・

静寂と狂騒が交錯するスピリチュアル・ワールドから感じるものは何だろう・・・

全曲紹介しときやす。

「The Creator Has A Master Plan」
Pharoah Sanders/Leon Thomas作。前述のようにPharoah Sandersの1つの到達点とも呼べる名曲です。オリジナルLPでは、A面とB面でPart 1、Part 2に分かれていました。まさに心の奥にあるスピリチュアル・ワールドへ誘う崇高な音世界です。時に優しく、時に激しく天からの啓示を待つかの如く壮大な音絵巻が展開されます。この静と動が交錯するトランス感はPharoah Sanders作品でしか味わえないものですね。Pharoah Sandersの1つの到達点とも呼べる名演だと思います。特に後半のLeon Thomasのヨーデル唱法は人間の原始的な部分が剥き出しで凄まじいです!

30分超の大作ですが、YouTubeにあった3分割した音源を紹介しておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=13L6sjk080c 1/3
http://www.youtube.com/watch?v=EO9N9TU4uKk 2/3
http://www.youtube.com/watch?v=kHZyxpOAx-Q 3/3

Jef Gilson、Norman Connors、Louis Armstrong、Don Cherry、King Crimson、Zephyr、Natural Calamity 、The Souljazz Orchestra、Kindred Spirits Ensemble等数多くのアーティストがカヴァーしています。

「Colors」
Pharoah Sanders/Leon Thomas作。凄まじすぎる「The Creator Has A Master Plan」の余韻を楽しむかのような演奏です。(ヨーデル唱法ではない)Leon Thomasのヴォーカルに先導され、祈りを捧げるようなスピリチュアル・ワールドが展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=et5LOTWpxwY

Pharoah Sandersの過去記事もご参照下さい。

『Izipho Zam』(1969年)
Izipho Zam

『Deaf Dumb Blind (Summun Bukmun Umyun)』(1970年)
SUMMUM BUKMUM UMYUM(紙ジャケット仕様)

『Thembi』(1970年)
Thembi

『Elevation』(1973年)
Elevation (Reis)

『Love In Us All』(1975年)
ラヴ・イン・アス・オール(紙ジャケット仕様)

『Rejoice』(1981年)
リジョイス
posted by ez at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする