2011年10月30日

Phonte『Charity Starts At Home』

Phonteの初ソロ・アルバム!盟友9th Wonderも参加!☆Phonte『Charity Starts At Home』
Charity Starts at Home
発表年:2011年
ez的ジャンル:The Foreign Exchange系ジャジーHip-Hop/ソウル
気分は... :New Tigallo,New Tigallo…ムツゴロウ,ムツゴロウ…

今回はLittle BrotherThe Foreign Exchangeでお馴染みの男性ラッパー/シンガーPhonteの初ソロ・アルバム『Charity Starts At Home』です。

9th Wonder、Big PoohとのHip-HopグループLittle Brother、オランダ出身のトラックメイカーNicolayとのユニットThe Foreign ExchangeTigallo名義でデトロイト出身のキーボード奏者Zo!とコラボしたZo! & Tigalloなど、常にシーンを与えてきたPhonteが遂に初ソロをリリースしました。

The Foreign ExchangeのレーベルThe Foreign Exchange Musicからのリリースであり、Phonte自身と共にNicolayがエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされています。

目玉はLittle Brother時代の盟友9th Wonderが4曲をプロデュースしている点ですね。盟友との久々の共同作業について、本作を『Charity Starts At Home』Q-Tipの初ソロ・アルバム『Amplified』(1999年)になぞり、9th WonderはJ Dillaのような存在であるとPhonte自身が語っています。

それ以外にもSwiff D、Khrysis、Stro Elliot、Zo!、S1(Symbolyc One)、Fatin "10" Horton、Eric Jonesといったプロデューサーが起用されています。

また、ゲスト・シンガー/ラッパーとして、Sy Smith、Jeanne Jolly、Elzhi(Slum Village)、Median、Carlitta Durand、Pharoahe Monch、Evidence、Big K.R.I.T.、Eric Robersonが参加しています。

The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)では、ラッパーというよりもシンガーのイメージが強くなってしまったPhonteですが、本作ではラップもしっかり披露してくれています。

近年のPhonteの活動を気に入っている方ならば、安心して楽しめる完成度の高い1枚です。

なお、本作を聴いていると、空耳アワーで♪ムツゴロウ,ムツゴロウ…♪というフレーズがアルバム全編を通じて聴かれます。これは♪New Tigallo,New Tigallo…♪の連呼のようです。よく見ると、ジャケの下部にもNew Tigallo New Tigallo…の表記を確認できます。でも何度聴いても♪ムツゴロウ,ムツゴロウ…

ジャジーなグッド・ヴァイヴを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Dance in the Reign」
オープニングはN.Y.出身の女性R&BシンガーSy Smithをフィーチャー。彼女は当ブログでも紹介したZo!『SunStorm』にも参加していました。まずはPhonte節のラップを聴くことができ一安心!Swiff Dプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=E7wyoO5l_QI

「The Good Fight」
9th Wonderプロデュース1曲目。9th Wonderによる暖かみのあるソウルフル・トラックをバックにPhonteのフロウも滑らかです。
http://www.youtube.com/watch?v=d2OwjaqML34

「Everything Is Falling Down」
Jeanne Jollyの女性ヴォーカルをフィーチャー。哀愁トラックをバックにPhonteの悲しげなライムが胸に刺さります。Khrysisプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=XtZ0Jdy-5DE

「Not Here Anymore」
9th Wonderプロデュース2曲目。Slum VillageのElzhiをフィーチャーしたアルバムからの先行シングル。アルバムのハイライトは本トラックかもしれませんね。Phonteと9th Wonderが再タッグを組むのでればこういうのを期待していました。
http://www.youtube.com/watch?v=5CudjCrox8Q

「Eternally」
9th Wonderプロデュース3曲目。Medianをフィーチャー。♪ジグジグジグジグ〜♪と始まります(笑)。後引く感じがPhonteのソロって気になります。Medianと言えば、間もなくリリースされる彼の新作『The Sender』のエグゼクティブ・プロデューサーをPhonte & 9th Wonderの二人が務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=vwzr9Q7yr_Y

「Sendin' My Love」
Stro Elliotプロデュース。僕の一番のお気に入り曲。Phonteらしいのかビミョーかもしれませんが、適度にパーカッシヴなアーバン・メロウなトラックが僕好みです・・・と思ってクレジットを見ると、キーボード&パーカッションでZo!が参加しています。納得!
http://www.youtube.com/watch?v=W_NCt0_Hkoo

「Ball and Chain」
Swiff Dプロデュース。哀愁エレクトロなトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=4mbmgLRuaiQ

「To Be Yours」
Zo!/Phonteプロデュース。ジャジーなトランペットも入ったヴィンテージ・ソウル風の仕上がり。1分半しかありませんが、もっと長尺で聴きたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=GcIjOf9ASRE

「Gonna Be a Beautiful Night」
Strange Fruit ProjectのS1(Symbolyc One)がプロデュースしています。Little Brother、Zo! & Tigallo、Zo!の作品でもお馴染みの女性シンガーCarlitta Durandをフィーチャーしたジャジー&メロウなソウル・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=wVZTJ2u4vtQ

「We Go Off」
Pharoahe Monchをフィーチャー。印象的な早回しトラックも含め、なかなかキャッチーな仕上がりです。Fatin "10" Hortonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=NLtXm9Bub7M

「The Life of Kings」
9th Wonderプロデュース4曲目。Evidence & Big K.R.I.T.をフィーチャー。9th Wonderのソウルフル・トラックをバックに、3人のマイク・リレーを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=GylCd_Zbfmo

「Who Loves You More」
ラストはネオ・ソウル好きにはお馴染みの男性R&BシンガーEric Robersonをフィーチャー。メロウ・トラックとPhonteのスムース・ラップ、Eric Robersonのジェントル・ヴォーカルがよくマッチしています。Eric Jonesプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=STsF6FVs4Sw

一緒にThe Foreign ExchangeZo! & TigalloLittle Brotherの作品もチェックを!

The Foreign Exchange『Connected』(2004年)
Connected (Special Edition)

The Foreign Exchange『Leave It All Behind』(2008年)
Leave It All Behind

The Foreign Exchange『Authenticity』(2010年)
Authenticity

Zo! & Tigallo『Love The 80's』(2008年)
Love the 80's

Little Brother『The Listening』(2003年)
THE LISTENING

Little Brother『The Minstrel Show』(2005年)
Minstrel Show

Little Brother『Getback』(2007年)
Getback

本作と同じタイミングでリリースされた9th Wonder『The Wonder Years』もチェックを!Phonteもフィーチャーされています。

9th Wonder『The Wonder Years』(2011年)
The Wonder Year
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2011年10月29日

Jaime & Nair『Jaime & Nair』

ブラジリアン・フォーキー・グルーヴの最高峰☆Jaime & Nair『Jaime & Nair』
Jaime e Nair
発表年:1974年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フォーキー・グルーヴ
気分は... :週末はフォーキーな気分で...

今日はピュア&ナチュラルなフォーキー作品が聴きたい気分・・・

今回はブラジリアン男女デュオJaime & Nairの1stアルバム『Jaime & Nair』(1974年)です。

Jaime & Nairはコンポーザー/アレンジャー/ギタリストのJaime Alemと女性シンガーNair Candiaのデュオ。

Jaime & Nair名義で『Jaime & Nair』(1974年)、『Amanheceremos』(1979年)という2枚のアルバムを残しています。

その後、Jaime AlemはMaria Bethaniaの音楽ディレクターなども務めています。

さて、今日紹介する1st『Jaime & Nair』(1974年)ですが、ブラジリアン・フォーキー・グルーヴの最高峰として再評価が高まったアルバムです。

プロデュースはDurval Ferreiraが務めています。レコーディングには、Wilson das Neves(ds)、Orlandivo(per)、Carlos Roberto Rocha(g)、Azymuth(当時はAzimuth)のJose Roberto Bertrami(p、el-p、org)等が参加しています。

アルバムの裏ジャケやブックレットにはEdu LoboDori Caymmiが賛辞を寄せています。

ブラジル音楽に関わらず、親しみやすいフォーキー・サウンドが好きな人であれば、気に入る作品だと思います。個人的にはハワイアンAORあたりと一緒に聴きたくなります。

キュートなNairの歌声とJaimeの優しい歌声の相性は抜群です。
また、Jaimeのコンポーザー&アレンジャーとしての優れたセンスを満喫できるのも本作の魅力です。

人気曲「Sob O Mar」「Reino Das Pedras」のような格好良いフォーキー・グルーヴがハイライトですが、それ以外の親しみやすくナチュラルな楽曲も落ち着きます。

全曲紹介しときやす。

「Sob O Mar」
オススメその1。本作のハイライトとなるアコースティック・メロウ・チューン。ブラジリアン&ミステリアスなフレイヴァーで独特の雰囲気を醸し出します。
http://www.youtube.com/watch?v=lx9Zxa_Tuv8

「Nao Valia Tanto」
哀愁フォーキー・チューン。Nairの切ないヴォーカルにグッときます。フルートとストリングスが雰囲気を盛り上げてくれます。

「Samuel Arcanjo, Anjo」
親しみやすいメロディとポップな味わいが印象的なフォーキー・チューン。

「Nevoa Seca」
オススメその2。ここではJaimeがリード・ヴォーカルをとります。イントロにグッときます。爽快AORがお好きな人あたりも気に入る曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=DkC0hi6X6Nw

「A Bica de Chororo」
Nairのキュートな歌声を満喫できるフォーキー・チューン。ポルトガル語ですがNHK"みんなのうた"あたりで流れていそうな雰囲気です。

「Nigue-Ninhas e Coco do Norte」
マッタリとスタートしますが、一変して軽快なリズムで突っ走ります。この緩急の繰り返しで盛り上げます。

「Das Minas」
ナチュラルなフォーキー感の中にもエレガントな味わいがあります。Nairのピュアな歌声に何故か懐かしさを感じます。

「Olhos Para Sao Paulo」
Jaimeがしみじみと歌うと美しいフォーキー・チューン。なかなか感動する仕上がりです。

「Reino Das Pedras」
オススメその3。ブラジリアン・フォーキーらしい軽快な仕上がり。爽快な疾走感の中にミステリアスな雰囲気が漂うのがいいですね。Nairのヴォーカルには、こういう曲がマッチしていると思います。

「Sabia (Diga La)」
オススメその4。開放的な気分にさせてくれる仕上がり。休日モードでゆったりした気分になれます。

「Boi-Le-Le」
哀愁モードですが、ゆったりとした空気感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=eTn6U_XHUlg

「Zabumba do Nego」
少し不穏な空気の小曲でアルバムは幕を閉じます。

MLBのワールドシリーズ第6戦は歴史に残る劇的な試合でしたね。

絶対絶命のピンチから2度同点に追いついたカージナルスが奇跡のサヨナラ勝ちを収めましたが、勝ちきれなかったレンジャーズのショックは大きいですね。第7戦はカージナルスがあっさり勝利して優勝すると予想しますが、どうなることやら・・・
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2011年10月28日

Mr. Fingers『Back To Love』

名作『Introduction』に続く作品。より聴きやすくなっています!☆Mr. Fingers『Back To Love』
mr. fingers back to love.jpg
発表年:1994年
ez的ジャンル:シカゴ・ハウス系アーバン・サウンド
気分は... :美しくも儚い音世界にハマります...

今回はMr. Fingers(Larry Heard)が1994年にリリースした『Back To Love』です。

初期シカゴ・ハウスの牽引者の一人であるMr. FingersことLarry Heardの紹介は、ハウスの名作『Introduction』(1992年)に続き2回目となります。

前回紹介した『Introduction』(1992年)は、90年代に僕が最も多く聴いたアルバムの1枚でした。

美しくも儚い音世界は、踊るためのハウスというより聴くためのハウスといった趣で相当ハマりました。元々キーボード奏者であり、ジャズ/フュージョン・テイストを上手くハウスと融合させていた点もハマった要因だったと思います。

本作『Back To Love』(1992年)は名作『Introduction』に続くアルバムです。

『Introduction』の延長線上にある作品ですが、アーバンかつR&Bなテイストが増しており、実に聴きやすくなっています。逆にハウス色は少し薄まっていますが・・・

本作でもサックスとバック・ヴォーカル以外はLarry Heard自身が全てのヴォーカル、キーボード、プログラミング、プロデュース&ソングライティングを手掛けています(共同プロデュース&共作含む)。

『Introduction』と比べた場合、純然たるハウス・アルバムと呼ぶのはビミョーかもしれません。

しかしながら、Mr. Fingersらしい中性的ヴォーカルと浮遊するクール・サウンドが生み出す美しくも儚い音世界は本作でも満喫できます。

まずは『Introduction』を聴き、気に入った方は本作もどうぞ!

全曲紹介しときやす。

「Angel Eyes」
オススメその1。オープニングからMr. Fingersらしい美しくも儚い音世界を満喫できます。Larry Heardの中性的ヴォーカルが浮遊するクール・サウンドと実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=gPoVmdXVqXc

「Never Take Your Place」
オススメその2。本作らしいキャッチーさを持った1曲。クール&メロウな疾走感が実に心地好いです。。
http://www.youtube.com/watch?v=ggiPcq_mWyk

「I Need You」
シングルにもなった曲。Frankie Foncettがリミックスしたアルバム・ヴァージョンはスクラッチ音入りのアーバン・メロウ・チューン。ハウスというよりR&Bとして聴くといいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=NiRMH0e9ODw

「Back To Love」
オススメその3。タイトル曲はLarry Heardらしいジャジー・テイストのサウンドとソウルフルな女性コーラスをバックにLarry Heardの中性的ヴォーカルが浮遊するスタイリッシュな仕上がり。サックス・ソロも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ngk_0N8OE68

「Love's Guaranteed」
R&B調のアーバン・メロウ・チューン。これはこれで悪くはありませんが、今聴くと少し退屈かも・・・

「Mystical People」
オススメその4。この曲も美しくも儚い音世界にグッときます。グラウンドビート系の曲とセットで聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=m6B-k4t7brs

「Share My Love」
オススメその5。ハウス・ファンはグッとくるダンサブルな仕上がり。印象的なキーボードのフレーズが耳に残ります・・・

「I Care」
哀愁モードの仕上がり。華やかな女性コーラスと儚げなLarry Heardのリード・ヴォーカルとのコントラストが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=nUj-yzncX30

「Sweet Wine」
オススメその6。アーバン・アンビエントといった趣のインスト曲。『Introduction』もそうでしたが、インスト曲のアンビエント感にグッとくるのもMr. Fingersの魅力ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0M0D17kbeK4

「Show Me」
オススメその7。『Introduction』好きの人は、こういう曲を待っていたはずです!Mr. Fingersらしいクール&ジャジーな仕上がりがいいですね。

「Teasing」
この曲も美しくも儚い音世界へ誘ってくれます。音数を極力抑えている感じがいいですね。

「I've Fallen (Under A Spell)」
オススメその8。この浮遊するヴォーカル&サウンドがたまりません。妖しげな夜の街へ誘われているような気分になります・・・

「Caress」
ラストはアンビエントなインストで余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。

「I Need You (Larry Heard Club Version)」
国内盤のみのボーナス・トラック。前述の「I Need You」のLarry Heard本人によるリミックスです。おとなしいアルバム・ヴァージョンよりもハウス然としたこちらのリミックスの方が断然好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=mVX3Xa9pc6w

『Introduction』(1992年)
イントロダクション
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2011年10月27日

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』

Will Holland(Quantic)による生演奏ファンク・プロジェクト第1弾作品☆The Quantic Soul Orchestra『Stampede』
Stampede
発表年:2003年
ez的ジャンル:クラブ経由UKファンク
気分は... :なかなかの迫力!

今回はUKファンク作品からThe Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)です。

The Quantic Soul Orchestraは、QuanticことWill Hollandによるファンク・プロジェクトです。

Will HollandはUKのミュージシャン、DJ、プロデューサー。Quantic名義での1stアルバム『The 5th Exotic』(2001年)をリリースしたの皮切りに、The Quantic Soul OrchestraThe Limp Twinsといったプロジェクトも含めてコンスタントに作品をリリースしています。

2007年にはコロンビアへ移住し、ラテン音楽、カリビアン・ミュージック、レゲエ/ダブへのアプローチした作品をQuantic & His Combo BarbaroFlowering Inferno名義でリリースしています。

今日紹介する『Stampede』は、The Quantic Soul Orchestra名義の第1弾アルバムです。

本作に続き、『Pushin' On』(2005年)、『I'm Thankful』(2006年、USのベテラン女性ソウル/ジャズ・シンガーSpanky Wilsonとの共演)、『Tropidelico』(2007年)といったアルバムをThe Quantic Soul Orchestra名義でリリースしています。

それまでQuantic名義ではエレクトリック/ブレイクビーツなクラブ・ミュージックを展開してきましたが、ライブ・プロジェクトであるThe Quantic Soul Orchestraは生演奏を主体としたファンク・ミュージックを追求しています。

本作の参加メンバーはWill Holland(g、b、per)以下、Lucy Holland(s)、Richard Gibbs(ds)、Dave Woodhouse(key、tp)、Damian Bell(tb)、Alice Russell(vo)、John Hughes(vo、g、fl)、Antonia Pheulatos(violin)という編成です。

クラブ・ミュージック・ファンにはお馴染みBah Sambaのリード・ヴォーカルAlice Russell が3曲でヴォーカルを務めています。

全体としてはオールドスクールなファンクからインスパイアされていますが、出来上がったものはクラブ経由のファンク・ミュージックになっているのがいいですね。

最初聴いた時のインパクトはなかなかのものでした。
ハマる人はかなりハマってしまう作品なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Stampede」
スピーディーに疾走するタイトル曲に惹き込まれた人は本作にハマること間違いなし!ジャケのように動物たちが一気に押し寄せてくるような迫力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=Sf2MwUlT3TI

「Raw Ingredients」
ノスタルジックなトロンボーンとシャープなリズムのコントラストが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=WpPaErPcYrA

「Walking Through Tomorrow (Super 8 Part 3)」
The Quantic Soul Orchestra名義の最初のシングル「Super 8」のPart 3。ここではJohn Hughesがリード・ヴォーカル&リード・ギター&フルートと大活躍です。
http://www.youtube.com/watch?v=xLHn3mmwFUQ

「South Coastin'」
Will Hollandのアフリカ/中南米志向を感じさせるファンク・チューン。駆け巡るフルートの音色が印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Vovc5MgRo-Q

「Something That's Real」
Alice Russellをフィーチャー。そのせいかエレガント&スタイリッシュな仕上がりです。Antonia Pheulatosのバイオリンもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=w8kD3UWarxs

「Hold It Down」
4 Heroのカヴァー。Lady Almaをフィーチャーした4 Heroのオリジナルは『Creating Patterns』(2001年)に収録されています。ここではAlice Russellをフィーチャーし、オリジナルとは一味異なる生音ファンクに仕上がっています。オリジナルと比べるのは酷かもしれませんが、これはこれで面白いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=OEiGPL0dzJE

「Assassin」
この曲はシングルにもなりました。個人的にも一番のお気に入りです。タイトル曲と並びWill Hollandのこのプロジェクトでやりたい音がダイレクトに伝わってくる仕上がりだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=0HqKfaAbmbE

「Terrapin」
音空間的には一番面白い曲です。揺らめくファンクといった感じがクセになります。
http://www.youtube.com/watch?v=nlCjr7Oz8i8

「Babarabatiri」
キューバ人シンガーBeny MoreやTito Puente等でお馴染みのマンボ名曲のカヴァー(Antar Daly作)。この頃から中南米音楽に対する関心が高かったのでしょうね。ただし、何も知らなければマンボのカヴァーとは気付かないかも?
http://www.youtube.com/watch?v=O8pIn20yusc

「Take Your Time, Change Your Mind」
ラストはAlice Russellをフィーチャー。クラブジャズ・テイストな仕上がり。本作らしくはありませんが、個人的にはこういうのも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=10wGadCQG4I

The Quantic Soul Orchestra名義の他作品やQuantic関連の他作品もチェックを!

The Quantic Soul Orchestra『Pushin' On』(2005年)
Pushin on

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death of the Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)
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2011年10月26日

Jon Lucien『Rashida』

ビューティフル&スピリチュアルな人気作☆Jon Lucien『Rashida』
ラシーダ
発表年:1973年
ez的ジャンル:ソウル&ジャズ&ブラジル系カリビアン男性シンガー
気分は... :時には鈍感力も大事!

週明けから苛立つことで気分が最悪!
ある事に過敏に反応してしまう自分が居ます。
こういう時には鈍感力を持たないとストレスが溜まる一方ですね。

そんな気分なので、嫌なことなど馬鹿馬鹿しく思えるような音が聴きたくなりました。
そこでセレクトしたのがJon Lucien『Rashida』(1973年)です。

カリブ海ヴァージン諸島のトルトラ島生まれのシンガー/ソングライターJon Lucienの紹介は、『Mind's Eye』(1974年)に続き2回目となります。

ジャズとソウルとブラジル音楽が融合したサウンドと魅惑のバリトン・ヴォーカル&スキャットで独自の音ワールドを聴かせてくれるJon Lucienですが、やはり彼の代表作と言えば、本作『Rashida』(1973年)と『Mind's Eye』(1974年)の2枚になりますね。

『Rashida』(1973年)は、ラブ&ピースなメッセージとビューティフル&スピリチュアルなサウンドが一体となったJon Lucienワールドを満喫できる1枚です。

特に、「Would You Believe In Me」「Love Everlasting」はレア・グルーヴ/フリーソウル方面で人気となりました。

全てJon Lucienのオリジナルです。また、ヴォーカル以外にギター、ベースをプレイし、アレンジも担当しています。Larry Rosen等がプロデュースし、Dave Grusinがストリングス・アレンジを手掛けています。随所でDave Grusinによる素晴らしいストリングスを聴くことができます。

人間愛に満ちたLucienの歌声とビューティフル&スピリチュアルなフォーキー・グルーヴが心の奥まで優しく響いてきます。

全曲紹介しときやす。

「Kuenda」
波音と共に始まるアコースティック・チューン。ギターのアルペジオと多重録音されたLucienのスキャットに癒されます。

「Would You Believe In Me」
前述のように本作のハイライト。冒頭のLucienによるカウントからしてグッときますよね。それ続くドラム・ブレイク、重くうねるベース、高らかに鳴り響くホーン隊も格好良いファンク・チューン。美しく爽快なグルーヴ感がたまりません。いつ聴いても名曲ですね。当ブログでは以前にVictor Daviesのカヴァーを紹介しています。そちらもチェックを!
http://www.youtube.com/watch?v=Jh9WK_pPtY4

「Lady Love」
Lucienらしいフォーキーで美しいソウル・チューン。ハープの響きやDave Grusinによる素晴らしいオーケストレーションがさらに魅力を倍増してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=A8FynLj7ydc

「Luella」
ブラジリアン・テイストのアコースティック・ソウル。ホーン&ストリングスの使い方が巧みです。
http://www.youtube.com/watch?v=eLDO9wY1Yew

「Shana」
美しいギターの音色とジェントルなLucienのヴォーカル&スキャットが優しく包みこんでくれる1曲。

「Satan」
ブラジリアン・テイストの仕上がり。ブラジリアン・リズム、Lucienのスキャット、ストリングスがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=46prFNNwHEU

「Rashida」
タイトル曲は幻想的かつ美しいスピリチュアル・バラード。Dave Grusinのエレピ&ストリングス・アレンジ、Corky Haleの美しいハープ、Annette Sandersの女声コーラスが幻想的なムードを高めてくれます。夢の世界へと誘ってくれる感じがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=iEpQgBQGouI

「The War Song」
タイトルの通り、社会メッセージ性の高い曲ですが、印象的なベースラインにグッとくるグルーヴィーな仕上がりです。Noel Pointerによるバイオリン・ソロも聴きモノです。
http://www.youtube.com/watch?v=hZ4iKagsHD4

「Esperanza」
ブラジリアン・テイストのアコースティック・チューン。Lucienらしいスキャットにハマります。
http://www.youtube.com/watch?v=MnuQSfs5kxk

「Love Everlasting」
「Would You Believe In Me」同様フリーソウルのコンピにも収録された人気曲。ブラジリアン・テイストのメロウ・ソウル。サンセット・モードにぴったりです。
http://www.youtube.com/watch?v=BlRy6WlHpig

「Zenzile」
ラストは雄大なスケールを感じる美しいアコースティック・グルーヴ。波音で始まった本作は波音でエンディングを迎えます。

他のJon Lucien作品もチェックを!

『I Am Now』(1970年)
アイ・アム・ナウ

『Mind's Eye』(1974年)
マインズ・アイ(紙ジャケット仕様)

『Song for My Lady』(1975年)
ソング・フォー・マイ・レディー(紙ジャケット仕様)

『Premonition』(1976年)
プリマニション(紙ジャケット仕様)
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