2011年10月25日

Wayne Shorter『Speak No Evil』

Shorterの最高傑作の呼び声も高い1枚☆Wayne Shorter『Speak No Evil』
スピーク・ノー・イーヴル
録音年:1964年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :キスマークにご注意を!

今回は人気ジャズ・サックス奏者Wayne Shorter『Speak No Evil』(1964年)です。

これまで当ブログで紹介したWayne Shorter作品は以下の3枚です。

 『Night Dreamer』(1964年)、
 『Adam's Apple』(1966年)
 『Schizophrenia』(1967年)

今回紹介する『Speak No Evil』は、『Night Dreamer』『Juju』に続くBlue Note第3弾アルバムです。Wayne Shorterの最高傑作に挙げる人も多いアルバムですね。

第二期黄金クインテットの最後の1ピースとして、1964年半ばに帝王Miles Davisのグループに加わったWayne Shorterですが、本作はMilesのクインテット加入後にレコーディングされた作品です。

レコーディング・メンバーは、Wayne Shorter(ts)、Freddie Hubbard(tp)、Herbie Hancock(p) 、Ron Carter(b)、Elvin Jones(ds)というクインテット編成です。

黄金クインテットの同僚HancockとCarter、Art Blakey & the Jazz Messengers時代の同僚Hubbard、そしてJohn Coltraneのカルテットのドラマーであり、『Night Dreamer』、『Juju』にも参加していたElvinという強力布陣です。このメンバーを見ただけで名盤という気がしますよね。個人的にはElvinの存在がいいアクセントになっていると思います。

決して派手さのあるアルバムではありませんが、ミステリアスかつエレガントなShorterの妖しい美意識を満喫できる1枚になっています。

キスマーク付のジャケも印象的です。ちなみにジャケに写る東洋系女性はShorterの最初の奥さんTeruka Nakagamiです。

全6曲、全てWayne Shorterのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Witch Hunt」
オープニングのタイトルは「魔女狩り」。Shorterらしいタイトルですね。クールな中にも不穏な緊張感が漂います。ShorterとHubbardの絡みにグッとくるテーマに続き、Shorter〜Hubbard〜Hancockの順でソロが展開されます。全体を支配する張り詰めた空気はElvinのドラムに拠るところが大きいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=njo1zvr216s

「Fee-Fi-Fo-Fum」
タイトルは童話『ジャックと豆の木』に出てくる人食い巨人がジャックのにおいを嗅ぎつけるときに発する言葉らしいっす。全体としてはブルージーな演奏を楽しめます。人食い巨人がのっしのっしと歩く様子を音にしたのでしょうが、小粋な感じで仕上げるのがこのメンツらしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=clGrqjuZI3M

「Dance Cadaverous」
このタイトルも不気味ですね。演奏自体はクールネスに満ちたワルツ・チューンです。Hancockの美しいソロが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=VLdCV5t5tb8

「Speak No Evil」
タイトル曲が僕の一番のお気に入り。このメンツの美意識が凝縮された新主流派らしい演奏を満喫できます。特にShorterとHubbardの2管にHancockのピアノが絡むテーマ部分が格好良いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=fvRkGglLe-U

「Infant Eyes」
名コンポーザーShorterの才能を実感できる美しいバラード。ここではShorterのワン・ホーンで聴かせてくれます。Shorterのリリカルなテナーを堪能しましょう。バラード好きの方であれば要チェックの演奏だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=NfkdV6ZaEuM

「Wild Flower」
ラストはエレガントなワルツ・チューン。密かに好きな演奏です。全体的に軽やかな感じがいいですね。Shorter〜Hubbard〜Hancockのソロも絶好調です。
http://www.youtube.com/watch?v=WmDo-jMBV1s

Wayne Shorterの過去記事もご参照下さい。

『Night Dreamer』(1964年)
Night Dreamer

『Adam's Apple』(1966年)
Adam's Apple

『Schizophrenia』(1967年)
スキッツォフリーニア
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2011年10月24日

『今の気分は...2011年10月24日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は90年代ロックの中から思いつくままにセレクトしてみました。
最近は殆どロックを聴かない僕ですが、たまに聴くならばこういった音を欲しているようです。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Sonic Youth「My Friend Goo」
From 『Goo』(1990年)
GOO
http://www.youtube.com/watch?v=BplhTBBnVSI

Primal Scream「Movin' on Up」
From 『Screamadelica』(1991年)
Screamadelica
http://www.youtube.com/watch?v=g7AHah73MCw

The Cure「High」
From 『Wish』(1992年)
Wish
http://www.youtube.com/watch?v=xlV7UjZ7ius

Dinosaur Jr.「Start Choppin」
From 『Where You Been』(1993年)
Where You Been
http://www.youtube.com/watch?v=Phf4xvI9fpE

The Jon Spencer Blues Explosion「Bellbottoms」
From 『Orange』(1994年)
Orange
http://www.youtube.com/watch?v=RZmxNM6DwsY

Matthew Sweet「We're the Same」
From 『100% Fun』(1995年)
100% Fun
http://www.youtube.com/watch?v=zhFFf2hxk6k

Ocean Colour Scene「The Riverboat Song」
From 『Moseley Shoals』(1996年)
Moseley Shoals
http://www.youtube.com/watch?v=IdnJbN5KEUg

Sloan「The Good In Everyone」
From 『One Chord To Another』(1996年)
One Chord to Another
http://www.youtube.com/watch?v=sX3uL2k4gxE

Belle & Sebastian「Ease Your Feet in the Sea」
From 『The Boy With The Arab Strap』(1998年)
The Boy With the Arab Strap
http://www.youtube.com/watch?v=DcZL3e42wEs

The Flaming Lips「Race For The Prize」
From 『The Soft Bulletin』(1999年)
Soft Bulletin
http://www.youtube.com/watch?v=WN9zMTAAwqQ

こうやって10曲を眺めると、意外にラウドな音が好きなんでしょうね。
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2011年10月23日

Lalah Hathaway『Where It All Begins』

Stax移籍第2弾も絶好調!☆Lalah Hathaway『Where It All Begins』
Where It All Begins
発表年:2011年
ez的ジャンル:レジェンドDNA系女性R&B/Soul
気分は... :ジャケが感動的!

今回はLalah Hathawayの最新作『Where It All Begins』です。

Donny Hathawayの娘、Lalah Hathawayの紹介は、デビュー・アルバム『Lalah Hathaway』(1990年)に続き、2回目となります。

『Where It All Begins』は、前作『Self Portrait』(2008年)に続く、Stax移籍第2弾アルバムです。Stax移籍第1弾『Self Portrait』は、Lalah初の全米R&BアルバムTop10入りし、グラミーのBest Female R&B Vocal Performanceにもノミネートされました。

良質な作品をリリースしながらも商業的にはイマイチなLalahだったので、『Self Portrait』の成功は彼女に大きな自信をもたらしたのではないかと思います。

最新作『Where It All Begins』にも彼女の勢いを感じます。

Dre & VidalMike CityJR HutsonLeroy Hutsonの息子)、Jonathan "Jon Rych" Richmondというネオ・ソウル好きにはグッとくるプロデューサー陣が起用されています。それ以外にオールド・ファンには懐かしい大物Phil RamoneやLalah Hathaway自身もプロデュースを手掛けています。

今風R&B、大人のアーバン・ソウル、ジャジー&メロウ・チューンなど様々なタイプの楽曲が収録され、飽きのこない構成になっています。特に父Donny Hathawayのカヴァーは感動的です。

見づらいですが、ジャケのLalahのイラストのヘアー部分には父Donnyのアルバム・ジャケをアレンジしたものが配されています。Donnyファンは、このジャケを眺めているだけでジーンとくるのでは?

偉大な父と堂々と向き合えるLalahは、アーティストとして新たなステージに入ったのかもしれせんね。

全曲紹介しときやす。

「Strong Woman」
オープニングはDre & Vidalプロデュース。哀愁モードの今時R&Bに仕上がっています。オープニングにこのタイプのR&Bチューンを配したあたりに、本作への意気込みを感じます。

「Where It All Begins」
Lalah Hathaway/Ernest Greenプロデュース&ソングライティング。タイトル曲はLalahらしい大人のアーバン・ソウルに仕上がっています。昔からのLalahファンは安心して聴くことができる1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=QYc1CgGpHp4

「My Everything」
Jonathan "Jon Rych" Richmondプロデュース。この躍動するアップ・チューンを聴き、僕は本作の購入を決めました。僕の中ではAngie Stone作品のイメージが強いJonathan Richmondですが、ここでもいい仕事ぶりを見せています。
http://www.youtube.com/watch?v=PI9e8DjeS08

「Small of My Back」
JR Hutsonプロデュース&ソングライティング。JR HutsonはJill Scottの新作『The Light of the Sun』も手掛けており、最近目立っていますね。派手さはありませんが、落ち着きのある大人のアーバン・メロウに仕上がっています。聴けば聴くほど魅了されますね。

「If You Want To」
アルバムからの第1弾シングル。Jonathan "Jon Rych" Richmond/Lalah Hathawayプロデュース。勢いを感じるキャッチーな大人のR&Bチューンに仕上がっています。前作ではゲスト参加していたRahsaan Pattersonがソングライターの一人としてクレジットされています。当ブログでも紹介したRahsaan Pattersonの新作『Bleuphoria』にLalahが参加しており、そのお返しといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=B8yCyAiDubM

「Always Love You」
Mike Cityプロデュース&ソングライティング。切ない思いが伝わってくる素敵なラブソングに仕上がっています。さり気ないけど、こういう曲大好きです。

「Lie To Me」
Dre & Vidalプロデュース。哀愁モードの美しいR&Bバラードです。Lalahの素晴らしい歌唱力を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=vq5kdk93B3U

「This Could Be Love」
Lalah Hathaway/Ernest Green/Bobby Sparksプロデュース。落ち着いた雰囲気ですが、他の楽曲に比べると少し退屈かも・・・
http://www.youtube.com/watch?v=qKmCttyZ8no

「Wrong Way」
JR Hutsonプロデュース。爽快感のあるアコースティック・ソウル。アルバムのいいアクセントになっています。

「You Were Meant For Me」
Donny Hathawayのシングル曲をカヴァー(William Peterkin作)。ある意味で本作のハイライトかもしれません。涙なしには聴けない素晴らしいカヴァーです。Lalahと共にPhil Ramoneがプロデューサーを務めています。父Donnyが本シングルをリリースした1978年に、Phil Ramoneがプロデュースした大ヒット・アルバムBilly Joel『52nd Street』がリリースされています。何か時代が一回りした感じがしますね。

「I'm Coming Back」
この曲もLalah Hathaway/Phil Ramoneプロデュース。当ブログでも紹介したデビュー作『Lalah Hathaway』収録曲の再レコーディングです(Gary Taylor作)。ジャズ・シンガーRachelle Ferrellをフィーチャーした、ジャジー&メロウなソウルに仕上がっています。ジャズ/フュージョン時代のLalahがお好きな人には嬉しい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=QYc1CgGpHp4

「Dreamland」
Lalah Hathaway/Errol Cooneyプロデュース。ラストはドリーミーな小曲。なかなか味わい深いです。実際には本曲の後に隠れトラックが収録されています。

Lalahの他作品もチェックを!

『Lalah Hathaway』(1990年)
Lalah Hathaway

『A Moment』(1994年)
Moment

『The Song Lives On』(1999年)※Joe Sampleとのコラボ
Song Lives on

『Outrun the Sky』(2004年)
Outrun the Sky

『Self Portrait』(2008年)
Self Portrait
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2011年10月22日

Doris『Did You Give The World Some Love Today, Baby』

再評価が高まったスウェディッシュ女性シンガー作品☆Doris『Did You Give The World Some Love Today, Baby』
Did You Give the World
発表年:1970年
ez的ジャンル:キュート系スウェディッシュ女性シンガー
気分は... :キュート・ヴォーカル七変化!

今回はスウェーデンの女性シンガーDoris(Doris Svensson)が1970年にリリースしたアルバム『Did You Give The World Some Love Today, Baby』です。

Doris Svenssonは1947年スウェーデン、ヨーテボリ生まれの女性ポップ・シンガー。1960年代前半からシンガーとして活動していたようです。詳しく調べていませんが、おそらく本国スウェーデン以外では殆ど知られていない存在だったのでは?

しかしながら、90年代に本作にも収録されている「You Never Come Closer」がヨーロッパのクラブシーンで注目され、日本でもフリーソウルのコンピで本作収録の「Beatmaker」が取り上げられました。こうした再評価の高まりにより、1996年に『Did You Give The World Some Love Today, Baby』のCD化が実現しました。

僕自身もフリーソウルのコンピ経由でDorisの存在を知り、本作を購入しました。しばらくはDorisというユニットだと勘違いしていましたが・・・

さて、『Did You Give The World Some Love Today, Baby』の内容ですが、アブストラクトな「You Never Come Closer」、グルーヴィーな「Beatmaker」という人気曲のイメージでアルバムを聴くと、ジャズ、ポップス、ロック、ソウル、トラディショナル等を取り入れた幅広い音楽性に驚かされます。

サイケ、グルーヴィー、グッドタイム・ミュージックなど様々なサウンドに柔軟に対応するDorisのヴォーカルも素晴らしいです。基本はキュートなハスキー・ヴォイスですが、楽曲スタイルに合わせてロリータ、ウィスパー、ソウルフル、スウィンギーなど七変化のヴォーカルを聴かせてくれます。

サウンド面では、ではアレンジを担当し、多くの楽曲を提供し、グルーヴィーなオルガンを聴かせてくれるBerndt Egerbladhの貢献が大きいようです。

CDはボーナス・トラック10曲が追加された全22曲構成です。

全曲(オリジナル12曲)紹介しときやす。

「Did You Give The World Some Love Today,Baby」
Norman L. Martin作。タイトルは正統派ポップスのようで聴き終わる頃にはラブ&ピースな気分になっています。Dorisのハスキー・ヴォーカルは意外にパンチがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=NG05ZBxv8uY

「I Wish I Knew」
ジャズ・ピアニストBilly Taylorの作品。有名なのはNina Simoneヴァージョンあたりでしょうか。ここではBerndt Egerbladhのオルガンが冴え渡るグッドタイム・ミュージックな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=O3gl4VjfJLY

「Grey Rain Of Sweden」
Berndt Egerbladh/Pamela Gray作。アルバムの中でも最も美しい仕上がり。ここでのDorisはキュートな歌声で優しく語り掛けてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PDhkzCfk0Pw

「Waiting At The Station」
Berndt Egerbladh/Francis Cowan作。トラディショナルな香りとグルーヴィー&サイケな格好良さが同居する面白い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=DWsFj6ZoT64

「Don't」
Berndt Egerbladh作。ファンキーなホーン隊が盛り上げてくれるグルーヴィーなソウル/ジャズ・チューン。Dorisはパンチの効いたヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=wEmCS9wO4Cw

「Daisies」
Berndt Egerbladh/Pamela Gray作。チェンバロやフルートの入ったバロック調サウンドが印象的なポップ・バラード。切ない雰囲気は秋にピッタリです。
http://www.youtube.com/watch?v=JUeEtt4R8W0

「You Never Come Closer」
Berndt Egerbladh/Francis Cowan作。ヨーロッパでDoris再評価のきっかけとなった人気曲。サイケ&ダークなアブストラクト・チューンです。本作の再評価が高まった頃、リアルタイムではトリップ・ホップやBjorkが注目されていた時期であり、本曲のようなサウンドが注目されたのもわかる気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=4KH1WKK7aJo

MadlibがQuasimoto名義でリリースした「Closer」でサンプリングされています。
Quasimoto「Closer」
 http://www.youtube.com/watch?v=KDDeNtlNTvg

「Whispering Pine」
The Bandのカヴァー(Richard Manuel/Robbie Robertson作)。なかなか味わい深い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=OXAoSxFOtvg

「I'm Pushing You Out」
Berndt Egerbladh/Francis Cowan作。スウィンギー・サウンドとDorisのハスキー・ヴォーカルがマッチしています。

「Won't You Take Me To The Theatre」
Berndt Egerbladh/Francis Cowan作。ここでのDorisはブリっ子ロリータ・ヴォイスを貫きます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=eZRSBbnWjpM

「Beatmaker」
Berndt Egerbladh/Francis Cowan作。海外での人気曲は「You Never Come Closer」ですが、日本では本曲が一番人気でしょうね。フリーソウルのコンピ『Free Soul Vibes』にも収録されています。オルガン、ベース、ドラム全て格好良いヒップなグルーヴィー・ジャズです。
http://www.youtube.com/watch?v=pa3G8rm0Lk8

「Bath」
ラストはHarry Nilsson作品のカヴァー。ジャジー・テイストの小粋なグッドタイム・ミュージックで締め括ってくれます。

CDには60年代のレコーディングの中から「Mama Didn't Lie」「Benny Law」「You Made A Fool Of Me」「Wouldn't That Be Groovy」「Don't Let It Rain」「One Fine Day」「Flowers In The Morning」「What A Lovely Day」「Why Did You Go」「Go Back To Daddy」 という10曲ものボーナス・トラックが収録されています。

ボーナス・トラックのうち、「Mama Didn't Lie」Curtis Mayfield作品。Curtisに見出された女性ソウル・シンガーJan Bradleyがヒットさせています。「One Fine Day」はThe Chiffonsのヒットで知られるGerry Goffin/Carole King作品です。

「Mama Didn't Lie」
 http://www.youtube.com/watch?v=iU1AKFaQP68
「One Fine Day」
 http://www.youtube.com/watch?v=QdfxbrXrK1k
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2011年10月21日

Nile Rodgers『Adventures In The Land Of The Good Groove』

Chicとは一味違う初ソロ・アルバム☆Nile Rodgers『Adventures In The Land Of The Good Groove』
Adventures in the Land of the Good Groove
発表年:1983年
ez的ジャンル:Power Station系N.Y.ファンク
気分は... :頑張れ!Nile Rodgers!

今日(10月21日)放送するWOWOWのドキュメンタリー番組『ノンフィクションW』でNile Rodgersが特集されます。昨年、突然の癌宣告を受け、今年1月に手術を受けたNile Rodgersの現在に密着する内容のようです。

それに関連して今回はNile Rodgersの初ソロ・アルバム『Adventures In The Land Of The Good Groove』(1983年)です。長い間、未CD化であった作品でしたが数年前にCD化が実現しました。

Nile Rodgersと言えば、1970年代後半〜80年代に世界中のダンスフロアを熱狂させたChicの主要メンバーであり、David BowieMadonnaらの大ヒット作を手掛けた売れっ子プロデューサーとしてお馴染みですね。

Nile Rodgers、Bernard Edwards、Tony Thompsonの3人が生み出すディスコ・サウンドで「Le Freak」「Good Times」といった大ヒットを生み出し、一世を風靡したChicでしたが、80年代に入るとその勢いに翳りが見え始めます。

そんな中でリリースされたのが、Nile Rodgersの初ソロ・アルバム『Adventures In The Land Of The Good Groove』(1983年)でした。同年にBernard Edwardsも唯一のソロ・アルバム『Glad to Be Here』をリリースしています。いずれにしても従来のChicサウンドを新たなステージへ進化させるべき時期だったのでしょう。

同時に1983年はNile RodgersがDavid Bowieの大ヒット・アルバム『Let's Dance』をプロデュースした年でもあります。当時のテクノロジーを駆使したデジタル・サウンドにミキシング担当のBob Clearmountainが独特の音の広がりを与えたサウンドは、拠点スタジオであったN.Y.のPower Stationに因んで"パワー・ステーション・サウンド"と呼ばれ、その後の音楽シーンを席巻することになります。

本作『Adventures In The Land Of The Good Groove』もPower Stationでレコーディングされています(Bob Clearmountainは関与していませんが)。

レコーディングには、Chicの盟友Bernard Edwards(b)、Tony Thompson(ds)をはじめ、Fonzi Thornton(back vo)、Raymond Jones(key)、Rob Sabino(key)等のChicファミリーと呼べるミュージシャンも参加しています。しかし、Chicの延長線というよりも、テクノロジーを駆使した新たなグッド・グルーヴの確立に向けた冒険の場という位置づけのアルバムと言えるでしょう。

そのため、Chicサウンドを想像して聴くと多少肩透かしを食うかもしれません。それでもNile Rodgersらしいカッティング・ギターを随所で聴くことができます。

リアルタイムで本作のLPを購入しましたが、当時高校生の僕にはキャッチーさに欠ける気がしてピンと来ない面もありました。しかし、今聴くとパワー・ステーション仕様のNile Rodgersサウンドは、なかなか興味深く楽しめます。

『ノンフィクションW』が楽しみです。
再始動したたNile Rodgersを応援しましょう!

全曲紹介しときやす。

「The Land Of The Good Groove」
タイトル曲は本作らしい硬質なドラム・パターン&シンセ・サウンドにNileのカッティング・ギターが絡むファンク・チューン。シングルにもなりました。Chic的サウンドを期待していた当時は、このオープニングを聴いて多少戸惑ったものです。
http://www.youtube.com/watch?v=p3F7QA0E1-A

「Yum-Yum」
この曲もシングルになりました。マッチョな掛け声が印象的なダンス・チューン。無機質なリズムと少し悲しげなシンセの音色が本作らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4m9hpaRKeU

「Beet」
この曲はエクササイズのBGMにピッタリなのでは(笑)。昔から好きかどうかはよくわかないけど、とても気になる曲という感じすね。

「Get Her Crazy」
今回聴き直して、こんなに格好良い曲だったったけ?と魅力を再確認したのがこの曲です。Nileのギターが音空間を駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=tifsBX0zfmE

「It's All In Your Hands」
今日、人気が高いのは本曲かもしれません。哀愁を帯びたミッド・グルーヴはN.Y.の夜らしいエレガントな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Od7PG4CZ3SM

「Rock Bottom」
一番のお気に入り曲。Bernard Edwards、Tony Thompsonをバックに、Nileの格好良いギターを満喫できるのがいいですね。Nileのソロ・アルバムを聴いている満足感に浸れます。
http://www.youtube.com/watch?v=76XyG7U2TD8

「My Love Song For You」
LabelleのSarah Dashとのデュエットによる本作唯一のバラード。昔からアルバムで最も多く聴いているのは本曲かもしれません。この曲がNile Rodgersらしいのかはビミョーかもしれませんが、素敵な大人のラブ・バラードにうっとりします。
http://www.youtube.com/watch?v=ZsEOxNVJb2U

「Most Down」
昔は少し退屈な曲に感じたミッド・グルーヴですが、今聴くとそんなに悪くないですね。
http://www.youtube.com/watch?v=DKjxluLfg6E

CDには「The Land Of The Good Groove」「Yum-Yum」のExtended Versionが追加収録されています。

本作に続き、1985年にソロ第2弾アルバム『B-Movie Matinee』をリリースしています。

『B-Movie Matinee』(1985年)
B Movie Matinee

Nile Rodgers関連の過去記事もご参照下さい。

Chic『Chic』(1977年)
Chic

Chic『C'est Chic』(1978年)
C'est Chic

Chic『Risque』(1979年)
Risque

Bernard Edwards『Glad to Be Here』(1983年)
グラッド・トゥ・ビー・ヒア
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